この世にツリビトほどイヤらしい人種はいないと常々思ってますw
だって釣れるルアーは言うまでもなく、釣れる場所、釣れる仕掛け、釣れるテクなどなど、本当にスゴイ事は自分だけのものにしておきたいから隠すじゃないですか。
でもね、そういうものは隠そうとすればするほど表に出てきちゃうモンなのです。
だって、ツリビトはイヤらしいのと同時に自慢したがりだからw
今日紹介するロングAブロスの末弟13Aは、そんな公然の秘密を持ったルアーです。
ロングA13Aとは
ロングA13Aは膨大なモデル数を誇るロングAシリーズの末弟。
このルアーのデビューはまだ日本がバブルに浮かれてた頃だったと思います。
バリエーションについてはこちらをどうぞ。
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その頃のんだくれはバスフィッシング離れしていた時期で、釣り仲間から14Aよりも小さいロングAが登場したという話を聞いて、そんなの需要あるんかいと思った記憶が。
というのも、15Aと14Aのローテーションで十分満足できる釣果を楽しめていたから。
しかしバスフィッシングを再開し、とある友人との釣行でこの13Aに完膚なきまでに叩きのめされたことで開眼します。
13Aってヤバいルアーじゃん!と。
サイズ・重さ
13Aは63ミリ、6.5gのミノープラグです。
先述の通りロングAブラザースの中では最小となるモデルで、ミノーというよりもクランクベイトやアメリカンシャッドに近いルアー。
なので、15A兄貴のようにジャークアクション使ったりすると、んーちょっと違うかな?と思われてそのままボックスで眠らされてしまうような、ちょっと可哀想なルアーでもありました。
しかしこの13A、使いどころさえ間違わなければとてつもない威力を発揮してくれるんです。
ロングA 13Aの特徴
”シリーズ最大” となるリップ
13Aのキモはこのリップが生み出す大きなウォブルロールアクション。
ロングAの金看板を背負った15Aのリップと比べるとちょっと頼り無さげですがこれがなかなかの頑張り屋さんで、しっかりと水を掴んで大きくボディを揺さぶります。
そしてこんな小さなボディなのに、兄貴達にも負けない強い水の攪拌を生み出してくれるんです。
そりゃそうですよね、ボディに対するリップの大きさで比較したら末弟ながらもロングAシリーズ最大になるんですから😁
高レスポンスを生み出す強い浮力
特筆すべきは、ボーマー家伝統の堅牢がっちりボディなのにしっかりとした浮力を持っていること。
これにより小さなトゥイッチでも高いレスポンスを見せてくれるだけでなく、ミノーなのに障害物に当たったら止めて浮かせるというクランク的な使い方もできてしまう、なかなかの千両役者なのです。
内部にはステンレスビーズ
13Aの腹にはステンレスのビーズが2個封じ込められています。
専用のラトルチャンバーを持たない遊動式ラトルなので、どんなロッドアクションにも反応してチキチキカラカラとサウンドを響かせてくれます。
中抜されたビースを使うことで、不必要な重量増加を避けると同時に乾いたサウンド発生に貢献しています。
イメージ的にはボディの中でちっこい風神雷神が暴れまわる感じでしょうかw
アクションがクランクとミノーの中間のピリピリ系ウォブリングなので、いい意味で狭いボディの内壁にヒットしまくり、兄貴達にはないラトルベイトとしての性格も見せてくれています。
そして内部にはシンキングモデルのウェイトを固定するパーティションが設けられていますが、フローティングモデルの場合はこの壁にラトルボールがバウンドすることによりラトルが鳴る機会を増やすというニクい仕込みもされています。
そして反射板内蔵モデルではインサートが大きくズレないように支えるステイの役割も果たすという一石三鳥な設計になっています。
専用のウェイトルームではなくパーティションにすることによって複数の役割を持たせ、そしてパーツ精度を上げつつ素材コストも抑えようというプラドコらしさが見えますね。
使い方は超簡単
止めて浮かせるだけで魚を呼ぶ
気になる使い方は超イージー。
軽くトゥイッチしながら潜らせて、ここぞというところで浮かせて、の繰り返し。
かつてラッキークラフトのベビーシャッド75Fをガーッと巻いた後、フワーっと浮かせて食わせるメソッドが流行った事がありますが、この13Aはその動きをウィードトップと水面の間など、もっと狭いレンジで演出できるのです。
しかも浮上時は水平姿勢を保ったまま左右にフラフラ揺れるというアピール付き。
いわゆるシミー浮上アクションというやつですね。
のんだくれはこの一連の演出を同行者にやられてボロ負けしました😭
特筆すべきはこれに対抗できるルアーがないこと。
やはりこれはミノーでもジャークベイトでもクランクでもシャッドでもない、13Aじゃないと出来ない芸当なんだなと。
ツリビト本来のイヤラシさが表れる13A
ただこの13Aが面白いのは、その実力を知っているにも関わらず、それを積極的に話そうとする人がほとんどいないこと。
たまたま13Aの話題になったりするとそこで初めて ”あれヤバいよね” と言い出し、よく聞くと実はめっちゃ使い込んでたりするケースが多いんです。
それまで13Aの事なんてひっとことも口にしなかったのに。
だからツリビトはイヤらしいんです😂
そして何かキッカケがあると堰を切ったようにその威力を公開しちゃうという自己顕示欲もあったりと、なかなかディープな業を見せてくれちゃいます。
もしかしたら人間の本能的な欲を集約したら見事なフィッシャーマンが出来上がるかもしれませんねwww
フックは#8サイズが標準
フックはボディサイズに合わせて#8サイズが標準となっています。
ちょっと小さいかなと思って#6にサイズアップしたところ本来のキレのある動きが薄れてしまったので、13Aはかなりデリケートなバランスで成り立ってるんだなと。
元々13Aはラトル以外のウェイトを内蔵していない構成なので、フックのバランスが重要なんでしょうね。
ちなみにプロオートグラフシリーズからも13Aのケビンヴァンダムシグニチャーモデルがリリースされていますが、それにはエクスキャリバーロテートフックの#6が採用されています。
アクションレスポンスが下がるのにあえて大きなフックを採用した理由は不明ですが、おそらくケビンはビッグバスへのフッキングを考慮したか、トゥイッチではなくリップレスクランクのような早巻きかリッピングで使っていたのでは?と勝手な想像をしてます。
この辺の詳細をご存知の方がいたら是非ご連絡を。
余談ですが、リアフックに長めのフェザーを付けて、ゲーリーのSUGOIスプラッシュのようにフェザーの動きで誘うなんて応用も。

フェザーならではのファジーなアピール要素を、水面という二次元だけでなく三次元的に立体操作できるのは、13Aの浮力があるからこそなのです。
ヒートンモデルとの違い
ロングAといえばこのテーマについても説明しなければなりませんね。
そうです、テールがヒートンになっているオールドのスクリューモデルとの違いです。
結論から言ってしまうと、この13Aに関してはオールドのスクリューモデルよりもエイトリングハンガーの方が圧倒的にアクションレスポンスが高いです。
それはテール部分の重量バランスを見れば一目瞭然。
ヒートン自体の重量とそれを受けるソリッドプラがあるスクリューモデルと、最低限のプラで済むエイトリングとでは慣性モーメントからくる影響差は歴然。
とはいえスクリューモデルは反射板内蔵にもかかわらずヘッド部にラトルが入っているなど仕様が根本的に違うので、最終的にはお好みでどうぞという世界ですね。(反射板内蔵のエイトリングモデルはノンラトル仕様)
ヒートンとエイトリングの違いについては新旧モデルの見分け以外にもこんな違いがあるのでこのツイートのコメント欄も是非。
やっぱボーマーはテールヒートンモデルでしょ!と言われてるが、プロップチューンをしない立場で言わせてもらうと、ヒートンのメリットはぶつけた時にエイトリングよりも潰れにくいぐらいしかないと思ってる。
これ以外にもメリットってなんかあります? pic.twitter.com/GnvIzcJHYs— ルアー千一夜☆公式 (@lure1001) September 28, 2022
シンキングにはシンキングの強みが
ラトルサウンドの話が出たらこっちも説明しなきゃなりません。
ソルトウォーター用のシンキングモデルです。
シンキングモデルには遊動ラトルの他にも先述のパーティション部分に大きめのラトルが組み込まれているので、リトリーブと同時に中低音のカタカタサウンドを鳴らしてくれます。
そのサウンド特性を一言で表すと、ワンノッカー系のリップレスクランク。
着水と同時に鬼巻きしてリアクションバイトを狙う釣りにはハマると思います。
シンキングモデルでは釣ったことありませんけど😁
おわりに
とまあこんな具合に延々とノー書きをタレてみましたが、この13Aはかなり使えるルアー。
しかし一つだけ問題があります。
それは入手が難しくなっていること。
実はこのルアー、もう生産を終了してしまっているのです。
プラドコのことなので、そのうちシレッと再販する可能性もないとは言えませんが、それでも入手困難な現状がすぐに改善されることはないでしょう。
もしかしたらそんな状況が秘密にしておきたいキモチを増幅してるのかもしれません。
なので、もしどこかでこのチビスケと出会うことがあったら千載一遇のチャンスだと思ってゲットして欲しいのです。
誰もがその実力を知ってるけれど、それに触れることはタブーなルアーって、なんかキケンな匂いがしてワクワクしてきません?😁