スクエアビル戦争に局所戦で挑んだカベラスの超ラウド&高浮力クランクベイト ポークチョップ Pork Chop / カベラス Cabela’s

カベラス Cabela'sクランクベイトシャローダイバー

今回は久々に、スゲーんだぜ!なルアーを紹介してみましょう。

彼の名はポークチョップ。

以前あっちのブログでも紹介した、知る人ぞ知るクランクベイトでございます。

日本でも一部流通していたのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、コイツはかつてバスプロショップスと共に名を馳せた米国の巨大アウトドア量販店・カベラスが満を持して送り込んだ刺客です。

ミノーやトップウォーター系のラインナップも揃ったプライベートブランド、フィッシャーマンシリーズの一味でした。

最近でこそ落ち着きましたが、ひと昔前のアメリカは、機動戦士ヴァンダムが例のクランクで宇宙人的な成績を打ちたてた事により空前のスクエアビルクランクブームが巻き起こっていました。

それはまるでリップが四角じゃなかったらクランクベイトじゃない! とでも言われそうな勢い。

そんなビッグウェンズデーが来てんのならウチもいっちょ乗ったれ!と言ったかどうかは知りませんが、何の前触れもなくカベラスが投下してきた爆弾がコイツなんです。

しかしいくらブームだからといって、後発組である以上、単に先発組のマネでは好セールスは期待できません。

何しろスクエアビル戦争の発端となったRCクランクに始まり、KVD、ラパラ、エクスキャリバー、ラッキーストライク、バンディットなどなど、名だたるブランドがしのぎを削ってるステージに参戦するんですから、生半可なキモチでは太刀打ち出来ません。

ヘタしたら大ヤケドぐらいじゃ済まないですからね。

しかしそこは手練のカベラス、伊達に永年オリジナルルアー売ってません。

なるほど!そー来たか! なコンセプトでのんだくれをシビれさせてくれたんです。

まずサイズに対する割り切りがナイス。

ご覧の通りKVDクランクの2.5サイズとほぼ同格ですが、このポークチョップが展開しているのはこのワンサイズのみ。

ヘタにサイズ展開したりせずに一球入魂の精神で臨んでる姿勢がイイですね。

でもそれだけで終わらせないのが老舗カベラスの狡猾なところ。

同じボディサイズで、ミディアム/ディープ/エクストラディープという具合に、深度でバリエーションを増やして対抗しています。

つまり他社のスクエアビルクランクは、基本シャローという深度の中だけで、アクションやサウンドの違いを出そうとしてるワケですが、コイツはそれの裏をかいて深度バリエーション、日本的に言うとシステム化で勝負しているんです。

ちなみにこのポークチョップのダイビングモデルはスクエア形状のリップではありません。

でもそんなリップのカタチなんてどーでもイイんです。

なぜならカベラスは、流行りのスクエアビルでまず客を捕まえておいて、最終的には深さのバリエを揃えさせる…  つまり他のモデルも買わせるという悪魔のシナリオを用意しているから。

ここにマーケティング大国・アメリカの商売の上手さが見え隠れしてますよねー。

でもこれはちょっと考えてみれば分かる事で、量販店である以上はどれだけ大量消費させるかが重要であって、スクエアビル戦争を生き抜くなんて事は最初から思ってないでしょう。

そもそもカベラス自体、今回の戦争を単なる商売道具にしか思ってないんじゃないでしょうか。

…と、エラそーな論法を振りまわしてますが、かくいうのんだくれもそのマーケティング手法に乗せられて全モデル買ったクチですハイ😭

さてさて、そんな穿ったモノの見方は置いといて、このクランクベイトを見ると、非常に良く出来ていることがわかります。

通常アメリカの大型量販店のプライベートブランド物はルアーに限らず安かろう悪かろうが常ですが、このポークチョップを見るとその先入観はもろくも崩れ去ります。

そのクオリティは国産ルアーに迫ってるといっても過言ではないでしょう。

ちょっと前の中国製ルアーといえばパーティングラインでズレまくりがお約束でしたが、このルアーは気泡もなくしっかりとツライチでソニックモールドされています。

でもスゴいのは製造品質じゃないんです。

なぜならコイツったらとにかくリップが薄い!

今市場に出回っている量産スクエアビルクランクの中ではコイツのリップが一番薄いんです。 当然アクションはキレまくりで、名ばかりの基盤リップクランクなど足元にも及びません。

しかもリップラップでラフにガシガシ巻いても割れないデュラビリティ。

これにはヤラれました。

しかもこの内蔵ラトルがトンでもない暴れん坊なんです。

一見ドコにでもあるラトルですが、なんとこのルアーの内部にはラトルの動きを制約する壁が一切ありません。

ファットボディゆえの広い部屋を縦横無尽にボールが暴れまくる怒涛の愚連隊ラトルです。

ボディの体積そのものをラトルチャンバーとする遊動式ラトルの良いところは、ウォブリング運動で発生する横方向だけでなく、あらゆる角度の挙動に対してもしっかりとラトルを鳴らせる所。

さらにラトルボールを内壁により強くヒットさせるために最大限の浮力を確保しており、先述のリップが生み出すクイックアクションとの相乗効果で、そのラトル音たるや騒々しい事この上なし!

ラトルルームの内壁が少なくてより響きやすいのか、ラトルサウンドのけたたましさでは間違いなく1、2位を争うクランクベイトでしょう。

しかも浮力の強さもバルサクランク並みなので、リトリーブを止めた瞬間、全速浮上するUボートの如くポッコーン!と水面に飛び出します。

こりゃウォルフガング・ペーターゼンが見たらアゴ落としますよ、絶対。

ここまで言えばもう皆さんお分かりのように、水面使いも思いのままなワケでして、リップを使ってダーターちっくなキックバックを楽しんだり、けたたましいラトルを鳴らすタダ巻きノイジーとしても水面派を身もだえさせてくれます。

これらのシビれる機能を意図して盛り込んでたとしたら相当なヘンタイ様ですよ、設計したヤツは😁

コイツのカラー名はマディシャイナー。

マディウォーターにゴースト系とは何ぞや?というカンジですが、これ以外にもクロームやペイントなどなど、他社に劣らぬカラー達が手ぐすねを引いてます。

でも基本的には典型的なアメリカンカラーが中心なので、日本では好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。

フックは同じく中国製のブラックニコー。

米国での販売価格が4.99ドルである事を考えると、及第点というかまあ値段相応でしょう。

でもノーマルのままだとフロントフックとリップのエッジが干渉するので、ストレス無く攻めたい人はショートシャンクに変えるかサイズダウンした方が良いかも。

そんなナイスなクランクベイトですが、最悪な点が一個だけあります。

それはボディのどこにもネームプリントがない事!

これだけの性能を持っている、しかもちゃんとポークチャップという名前があるにも関わらず、ドコにもお名前を入れてもらえなかったのは悲劇以外のナニモノでもありません。

量販店のプライベートブランドだからこそネームを軽んじてるんでしょうが、ココは何とかして欲しかったですねー。

ちなみにポークチョップとは厚くカットした豚肉を蒸し焼き風にしたステーキの事。

のんだくれが学生の頃バイトしてたステーキレストランでは人気のメニューでした。

あー、思い出したらハラ減ってきた。

でもアメリカ人の事だから、ダブルミーニングでステーキとは違う何か他の意味も絡ませてるんでしょうね。

そういえばカベラス Cabela’s の呼び方には ”カベラス派” と ”キャベラス派” がいますが、皆さんはどっち?w

コイツは量販系PBルアー特有のマイナスイメージを払拭して、安いけどサイコー!という新ジャンル?を築いてくれる頼もしいルアーでもありますので、もしどこかで出会った折には、カベラスが目指したものは何かを考えながら巻き倒してあげてください。

 

コメント
*2011年投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています

 

1. 廚年 June 26, 2011 11:12
ダブルミーニングにフックアップいたしました。
バスを“ブッタ切り”するからポーク・チョップ…の訳は無いですね。
ポークチョップと言えば、アメリカ南部
そう言えばカベラスも南部発祥の会社ですね。
南部の料理と言えば、
脂身の少ないソルトポークをフライパンで焼けば
お手軽に出来る料理がポークチョップ
クランクベイトの『定番』を意味したのでしょうか。

いくら南部でも商品に 『 White trash 』 や
『 Redneck 』 と付ける訳には行かないのでしょう。

2. BASS June 26, 2011 20:57
さりげな~くスクエアビルクランクは大流行ですね。
僕も気になって釣り具屋に行きますが帰ってくると必ずマニアックなルアーが入っています。
自己嫌悪との戦いです。

3. のんだくれ June 26, 2011 23:41
廚年さん
南部の料理では茹でザリガニがありますが、あれも結構イケますよ。
家庭ごとに独自のシーズ二ング配合というかレシピがあって、ウチのクローフィッシュボイルが世界で一番だぜ!という自慢話を延々と聞かされながら食べるのがお約束です。(笑)

4. のんだくれ June 26, 2011 23:43
BASSさん
最近は海外のマニアックルアーも結構早く入って来るようになったので、ショップに行くと物欲との戦いになりますよね。
まあ大抵は負けるんですが。(泣)

5. 派遣社員 June 28, 2011 01:32
ラトルがうるさ過ぎて一発でバスが逃げてしまいそう。
絶対に買わないと思う。

6. のんだくれ June 28, 2011 06:53
派遣さん
よーーーく分かります、そのキモチ。
昔のんだくれもこーゆーラトルが大っ嫌いでした。
でも釣れた途端に大好物に。(笑)
だからルアーはオモロいんですよね。

7. かんちゃん July 03, 2011 18:24
あおられて今日二つも買ってしまいました。
来週末久々の釣行なのでこないだの某国産品にそっくりなペンシルポッパーとともに連れ出してみます

8. のんだくれ July 04, 2011 03:12
かんちゃん
バイブレーションプラグの感覚で藻面をガラガラ引くにはサイコーです。
ダーターちっくに強めのジャークでゴブゴブしてもエエ感じですよ。

 



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