ディープリトルZ Deep Little Z / ザ・プロデューサーズ The Producers

 

ルアーを使い込んでいくと多かれ少なかれ必ず出てくる ”もうちょっとココがこうだったらなー” なアレ。

釣れるルアーであればあるほど使用頻度が上がり、それにともなって欲も出てくるので、考えようによってはそれが出てくるのは優秀なルアーの証なのかもしれません。

そんなニーズに対応すべくメーカーは改良や派生開発に勤しむわけですが、時としてメーカー以外の存在がアングラーのワガママに応えてくれることも。

そんな痒いところをキモチよくかいてくれるのが今日のゲスト、ザ・プロューサーズが世に放ったディープリトルZ(ズィー)です。

 




 

 

ザ・プロデューサーズはかつてミシガン州カラマズー Kalamazoo に拠点を置いて活動していた The Producers PTC inc. が展開するフィッシングブランドです。

ホッテントットに酷似したウィリーズワーム The Willie’s Worm を皮切りに全米のありとあらゆるルアーをコピーしまくり、”チャンピオンシップフィッシングルアーズ” と銘打ったシリーズで発売するなど、コーモランも恐れ慄くパチの権化としても知られています。

独特な風合いのイラストが印刷されたパッケージでも有名ですね。

そんなプロデューサーズが1988年ごろにリリースしたのがこのディープリトルZでした。

 

 

 

ディープリトルZはボディ68ミリ、自重14.5gのダイビングクランクベイトです。

言うまでもなく元ネタとなったのはビルノーマンルアーズ(現ノーマンルアーズ)のディープリトルN。

 

 

ディープリトルN(上)とディープリトルZ

 

撮影角度と色の影響でディープリトルZの方が大きく見えますが、両者の寸法はほぼ同じ。

リップのアングルまで同じですから、おそらく本家から型取りしたんでしょうね。

そんなパチ臭全開なルアーにも関わらず、プロデューサーズは ”123ものフィッシングタイトルを獲得したタイロン ”ブーマー” ウェルス Tyron Boomer Wells がプロデュースしたルアー” という厚顔にもほどがあるコピーでこのルアーを売り出しました。

普通123ものタイトルを取ってたらローランドマーチンよりも有名なはずなのに、タイロンウェルス という名前で調べても何も出てこないところを見ると、おそらく架空の人物なんでしょうねwww

 

 

 

ちょっと話は逸れますが、ディープリトルZが発売された80年代後半、のんだくれはディープリトルNのトリコでした。(話がややこしくなりそうなので以下NとZで)

元々Nが釣れるルアーであることは知っていましたが、アメリカのセールワゴンから大量サルベージしてきたクロームゴールドのNの破壊的な釣れっぷりにノックアウトされたのんだくれは、シャローだろうがウィード帯であろうがどこでもNを投げるバカの一つ覚えアングラーでした。(後で分かったことですが、80年代の一時期だけクロームカラーのベースになっていたのはボーン系の素材でした。その詳細についてはまた別の機会に。)

そんなNの奴隷だったのんだくれが、NのパチモンであるこのZにも手を伸ばすのはごく自然の流れだったのかもしれません。

しかし、実際に投げてみたところのんだくれの予想とは全く違っていました。

もちろんそれはいい意味で。

Nは当時のアメリカのクランクらしからぬタイトなバイブレーションでピリピリと泳ぐのが特徴なのですが、Zはそれとは対極の派手なウォブリングだったのです。

 

 

 

そんな裏切りの泳ぎを実現してくれているのはこのリップです。

リップの前面にわずかにアールがつけられていてしっかり水を掴むので泳ぎがNとは全く違っていました。

Nが水を逃して切り裂くように泳ぐのに対し、Zは周りの水を掻き回し、そして引き連れて泳ぐ感じ…  といえば分かるでしょうか。

これに気づいた時、のんだくれは大喜びした記憶があります。

なぜならNはタイトなピリピリ泳ぎゆえ、時としてそれが物足りなく感じることがあったのです。

Nと同じ時期に日本でブレイクしたルアーにバグリーのDKBII(ダイビングキラーB2)というのがありましたが、のんだくれはDKBIIの強いウォブリングがバスを強く引きつける事を知っていたので、それ系の泳ぎをこのZにも求めてたんですね。

ブリブリ泳ぐNがあったらいいのにな、と。

おっさんになった今ならアングラーの要望をあれもこれもと盛り込むと結局使えないルアーになっちゃうと理解できますが、当時はとにかくオサカナ釣りたい一心の鼻息フンガー野郎だったのでそんな愚案を抱いていたのです😁

しかしZはそんなガキのわがままな思いをやさしく受け止めてくれたのです。

 

 

 

Zはその動き出しこそ一瞬のタイムラグがありますが、一旦泳ぎ出すとスリムなボディシェイプに似合わないバタバタウォブリングで一気にボトムを目指します。

Nを使い慣れているアングラーがいきなりZを巻いたらビックリするんじゃないかというぐらいのブリブリ泳ぎを披露してくれるのです。

同じシルエットなのに性格はこうも違うか!という典型といってもいいでしょう。

でもこの両者の違いはN好きにとってはタマランのですよね。

だって全く同じNシルエットでローテーションが組めちゃうんですから、そりゃ無視できませんよ。

しかもZはラトル音がNよりも高いトーンなので、アピール性もバツグン!

そして両者の出身は全く違うブランドというところもオタ心をくすぐりますよねー。

ゴミをつかまされる事が圧倒的に多いパチルアーですが、稀にこういうことがあるからパチ漁りはやめられませんw

 

 

 

そんなヲタマインド全開で各部を見ていくと、パチモンらしいチープさに思わずニンマリしてしまいます。

背中に吹いたブラックがノーズにまで届いていないので独特な雰囲気を漂わせてるところはポイント高し。

なんだか前髪が後退してしまったおっさんに見えなくもありませんが😁

しかしパチモンでありながら、80年代後半に3Dアイを採用していたのは先進的でしたね。

プロデューサーズの3Dアイはすぐに取れてしまうという弱点がありますが、米メジャーブランドが3Dアイを採用し始めるのが90年代に入ってからであることを思うと、実はプロデューサーズはスゴイ会社だったのかもしれません。

 

 

 

フックは前後とも#4サイズのラウンドベンドを装着していますが、デフォルトのフックは確かシルバークロームのVMCフックだったはず。

このルアーは中国返還前の香港で生産されていましたが、当時のVMCも確か中国生産だった(要確認)ので、ローカル繋がりの供給ルートとかあったのではないかと。

 

 

 

そしてプロデューサーズといえば泣く子も黙るこのロゴですよ。

パチモンばっかりで何もプロデュースしていないのにプロデューサーズを名乗るとはこれいかに。

当時プロデューサーズはダサいルアーの象徴でしたが、近年はガチでコレクションしている人もいるなどジワジワと人気が出てきていて、時の流れを感じさせますね。

以前ポストしたターボや、ペンシルベイトのメガゴースト、Wスイッシャーのダブルエンダーなど思いっきりパチなのにちゃんと釣れるというギャップ感が人気の秘密なんでしょうか。

上州屋のケンクラフトも人気が出てきていることを考えると、今出回っているダサいルアーも時が経てば人気ルアーになるのかもw

 

 

 

プロデューサーズブランドはずいぶん前に廃業しているので、このZの供給ルートは中古市場しかありませんが、誰も欲しがらないルアーだけに遭遇率は意外と高かったりします。

しかも100円とかありえん価格でぶら下がってたりw

さすがに万人受けするルアーではありませんが、Nの実力を知っている人には劇的にハマるルアーだと思うので、これから始まるクランキンシーズンを前にローテーション要員を増やしてみてはいかが?

 




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