名作の名前だけ使いたかった?新作にも関わらず雑な扱いをされた可哀想なシャッドプラグ ディープラトリンスィンフィン Deep Rattlin Thin Fin / ストーム Storm

クランクベイトシャッドストームルアーズ Storm Lures/Post-Rapalaミディアム・ディープダイバー

現役で使ってる人には激アツでも、日本の市場全体で見てみると可哀想なポジションのルアーってのがいくつかあります。

最近ではペンシルベイト、リザード系ワームがそれに当たりますが、大抵は昔流行ったルアーがそうなる傾向にありますね。

しかし中には過去に陽が当ったわけでもなく、デビュー当時からひたすら可哀想路線を突き進むルアーもチラホラ。

このディープラトリンスィンフィンなんかはその素質充分でしょう。

ありゃー!ストームったらこんなの出してたんだ!と驚かれた方がほとんどでしょう。

いや、知らなくて当然です。

なにしろコイツは今年発売されたばっかりの新作。

しかしロクにプロモーションもされていない可哀相な存在ですから。

コイツはオリジナルスィンフィンの好調なセールスに後押しされて『だったら今度は潜らせちゃえ!』というアメルアブランドあるあるの法則により発射された、ある意味、生まれるべくしていまれてきたルアーです。

以前もどっかで書きましたが、日本にはバスのエサとしてのシャッドが生息していないので、スィンフィンの様な平べったいシャッド形状のクランクは主流になりづらく、いつも小型ダイビングミノー… つまり国産シャッドの後塵を拝してきました。

しかもコイツのようにダイビングリップを持つとなると、今度は並みいるフラットサイドクランクともスタメン争いをしなきゃならんワケでして、もうそれらの事実だけで1軍への昇格は無くなったも同然です。

しかし、舶来プラグが堂々と主役を務めていた頃のダイワのカタログがオカズだったのんだくれにとっては、シャッドといえばレーベルやストームの縦薄ヒラヒラシャッドであり、サスペンドなどという高等技術を持たない生粋の浮かれポンチを指すワケで、それは今も変わりません。

しかも不人気の条件でもあるダイビングリップはのんだくれの大好物。

もう放っておくテはありません。

コイツの特徴は、オリジナルモデルと同様に平面を生かしたボディサイドです。

ラウンド面よりもフラットな面を多用することでより強いフラッシングと明滅効果を狙うという、非常に分かりやすいコンセプトです。

そういえば90年代初めのTDクランクのボディがこんな平面のイメージでしたね。

そんなカクカクボディをディープまで連れて行く役目を担っているのがこのリップ。

ボディと一体成型になっています。

でもシルバーシャッドにダイビングリップが装備されるなんて、旧ストーム時代には夢にも思わなかった眺めですね。

いや、多分ストーム社内では開発が進められていたんですが、陽の目を見ることがなかったんでしょう。

そんな状況を思うと、ラパラの紋章の下で悲願のダイビングリップを持つ事が出来たなんて、何か因縁めいたものを感じずには居られません。 …というのはちょっと膨らませ過ぎですね😁

気になるアクションは予想通りの大きく暴れるフラッタリング。

典型的なアメリカンシャッドクランクです。

特にボトムに当たった時の、ヒラ打ちとはちょっと違うぎらりん挙動はソソるものがあります。

このあたりの味付けは、ローリング中心でナチュラル傾向にある日本のシャッドプラグとは対極にありますね。

カラーはこれまた不人気具合にターボがかかりそうなフローセント系マット。

最初見た時は今さら感テンコ盛りでしたが、よくよく見てみると、なんとこれはストームだけでなく、ラパラ傘下全ブランド挙げて開発したUVブライトという新シリーズだそうな。

なんでもこのUVブライトは、ラパラが【人間vs.魚】をテーマにプロジェクトチームまで編成し、数年間のデータ蓄積の結果到達した、どんな水質や光量でも魚の目に紫外線を届ける事ができる最新の塗装技術だと。

どことなくカラーセレクターやバークレイのフレンジーシリーズと同じにほひがしないでもありませんが、そんなノー書きを主食として行きているのんだくれは真っ先にコイツに手を出しました。

あ、そんな最先端技術に興味のない人向けにオーソドックスなクロームカラーも用意されてますのでご安心を。

ちなみにハラの中には固定ウェイト2つと、激しく暴れまわる3個のジャラジャラ系ラトルが入っています。

そのサウンドはラトリンの名に恥じないラウド系。

このスィンフィンに限らずストームの樹脂素材は、透明プラでもかなり硬質なサウンドを発するのでボーンとまではいかないまでも、かなりボーン素材に近い乾いた音を発してくれるところが嬉しいですね

縦薄ヒラヒラシャッドシェイプにダイビングリップ、さらに胡散臭さテンコ盛りのノー書きと三拍子揃ってる上にラウドラトルまで装備して、どこまでものんだくれを追い詰める仕様となっています。

フックは近年のラパラの御用達VMCフックの#4サイズが標準となっています。

あの1本だけ伸びたシュアセットフックが採用されていないところを見ると、アレは不評だったんでしょうねw

しかし同じ様なシャッドシェイプクランクのラパラDTシリーズにはシュアセットが付いてて、こっちには付いてないのは何か意味があるんですかね?

まあシュアセットはトンガリ過ぎたイメージがあるので、基本的にはこっちの方が好みなんですが。

ネームは新ロゴとともにハラに入ってます。

07という数字がボディサイズの70ミリを指すのは皆さんご存知の通り。

ちなみにコイツには05という弟もおります。

旧ストームとは全く別物とは分かっていても、こうもキレイなネームプリントだとやっぱりストームぽくないですね。

デビュー時にも関わらずアメリカ国内でもほとんどプロモーションされなかったようで、初っ端から可哀想キャラを背負わされてるディープラトリンスィンフィン。

本国アメリカですらそんな状態ですから、ラパラジャパンによる日本への正規招聘は到底実現しないでしょう。😭😭😭

でもそれでイイんです。

毒を食らわばナントカ。

その分のんだくれが末永く可愛がってあげますから。

 

コメント
*投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています

 

1. T19 March 01, 2011 19:29
こいつは初めて知りました。
平べったいボディにマットカラー・・・個人的にはドストライクです(笑)。
見た感じゼブラシャッドみたいなアクションを連想しますが、是非とも使ってみたいですね!
問題なのは何処にも売ってないってことですが(苦笑)。

 

2. なっかん March 02, 2011 00:14
日本に入って来なさそうなんて言われると、
余計に欲しくなりますねえ。
とりあえず、焼酎を片手にラトルを堪能してみたいっす(笑)

 

3. lagoonist 28号 March 02, 2011 01:06
あ、でた(笑)
めちゃくちゃ気になってたんですけど、まだ買ってません。
で、やっぱり投げづらいですよね・・・?(笑)
ロングリップになって実は投げやすくなってる?なんて事も妄想してます。

 

4. ロングA March 02, 2011 16:08
画像と名前を見た瞬間叫びました(笑)
こんな面白そうなものが出ていたなんて!
この調子でスィンフィンシリーズ化して欲しいですね。
ペンシルとかバイブレーションとか。
売れ行き不調ということで、
叶わぬ夢でしょうが(泣)

 

6. のんだくれ March 03, 2011 10:51
ラトルマニア・なっかん(笑)
ラトルはジキジキとジャラジャラの中間ぐらいで、手に伝わる衝撃がイイ感じです。
水中の音も結構聞こえるし♪

 

7. のんだくれ March 03, 2011 11:03
lagoonist 28号さん
シルバーシャッドだと思って投げるとその驚くべき飛距離に腰を抜かします。
でもフツーのルアーだと思って投げるとフツーです。(笑)

 

8. のんだくれ March 03, 2011 11:05
ロングさん
ストームは水面系が少ないのでもうちょっと頑張ってほしいトコですよね。
とはいえ、ヘンテコなのばっかり出されても哀しくなるだけですが。

 

 

 

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