オリジナルザラスプークについて書き始めると、思い入れがあるだけに壮大なエンドレスポストになってしまうため、ブログ復活してからはちょっと避けてましたが、昨日久しぶりに投げてみたらやっぱりオリザラっていいよねーとシミジミしてしまったので意を決して書くことにしました。
ということで今日のゲストはへドンが生み出したペンシルベイトの名作中の名作、オリジナルザラスプークでございます。
今使ってるMacではまだ一度もオリザラのポストを書いたことないのに、”おりじ” と入力するだけで変換予測に出て来るぐらいだから、他の記事でどれだけオリザラに触れてんだってハナシですが、可能な限り脱線しないよう頑張りたいと思いますですハイ。
オリザラについてはもう説明は必要ありませんよね。
なのでオリザラヒストリーは割愛します。
いろいろ知りたい人は他のサイトで調べてください。
その方がのんだくれの雑な説明よりも分かりやすいと思いますw

オリザラの比較対象にオリザラを並べるという意味のない画像ですが赤頭とのツーショットは千一夜の儀式でもあるので一応ね😁
さてさて。
のんだくれとオリザラとの付き合いはかれこれ35年以上になります。
一番最初にオリザラを使ったのは忘れもしない高三の夏休み。
当時付き合っていた彼女がアメリカ留学に旅立ってしまい、暇を持て余した挙句のヤル気なし釣行がオリザラの筆おろしでした。
買って持ってはいたけどそれまで投げたことがなかったオリザラをその時初めて投げたのです。
ボシュッ!
適当に動かしていたザラに爆発的なバイトがあったのです。
アベレージサイズが25cmそこそこの小さな池で起きたそれまで聞いたことのない爆発音に、すぐにバイトだとは理解できずアワせられないまま静粛に戻ってしまいましたが、ハナタレのガキがザラの威力を知るには十分な出来事でした。
以来、事あるごとにオリザラを投げまくる生活が始まるのですが、現実はそんなに甘くはなく、投げても投げても全くのノーバイト。
あの爆発バイトってもしかして夢だった?というぐらい釣れなかったのです😭
しかしあることをキッカケにノーバイト生活が一変します。
そうです。
琵琶湖釣行です。
80年代初頭の琵琶湖はご存知の通りバスが爆発的に増殖していた時期で、まさにバスガス爆発状態。
オリザラが炸裂しまくったのです。
釣れるサイズはともかく、ザラだけで1日3桁キャッチは文字通りザラ。
あまりの釣れっぷりに親指ザクザクになるのが嫌で、余程のサイズでないかぎりバレるのを待つようになるほど。
当時の琵琶湖に限らず、全盛期の霞水系に通ってた人ならばこの感覚分かってくれますよね?
のんだくれはそんな感じでオリザラがめちゃくちゃ釣れるルアーだということを知ったわけですが、実はこれはまだラビリンスの入り口に過ぎませんでした。
というのも、琵琶湖のバス供給曲線がピークに近づくに従ってルアーへの反応が鈍化し、そう簡単には釣れなくなってきたのです。
つまり ”何をどこに投げても釣れる” 時期が終わったのです。
しかしオリザラはその釣れない状況を比較的容易にクリアしてくれました。
ドッグウォークのテンポやカラー、セッティングを変えるだけでバスはちゃんと応えてくれたのです。
これにはシビれました。
時には、当時ブームになっていたニーリングでグリグリしまくっても無反応だった同船者を横目に、オリザラがディープからバスを引っ張り上げてくれたなんて事も。
この時、本当に釣れるルアーってこういう事なんだ!と気付かされたのです。
しかしそれに気付いてしまった事は、同時にザラ地獄の始まりでもありました。
どこに行ってもとりあえずザラ。
そして釣具屋でザラを見つけたらとりあえず確保。
文字通り取り憑かれてしまったのです。
もうレッキとしたビヨキですよね、ビヨキw
だからこのカラーセレクター対応色が出た時はチビるかと思いました。(カラーセレクターについてはどっかのポストでも書いたのでサイト内記事検索plz)
このカラーは85年発表だったと思いますが、ちょうどその年の夏にミズーリ州のバスプロショップス本店に行ったこともあり、全6色がセットになったキットを4パック買ったほど。

1987年のバスプロショップスカタログ掲載のカラーセレクター対応色キット。この時点では既にカラーセレクターブームが終わっているので大幅値下げされていることが分かる。しかし6本で12.95ドルて😲(87年当時のレートで2000円弱!)
その中でもオキニのカラーが通称CCパープルと呼ばれるCCMQ。
オリザラのカラーセレクター対応色の中では一番人気がなかったカラーですが、実は先のピークアウトした琵琶湖ではこのカラーの釣れ方だけが突出していたのです。
他のカラーが艶消しのマットカラーなのに対しこのCCMQカラーのみグロス(光沢)フィニッシュ*だったのが効いたのか、渋い状況でも確実にバスを連れてきてくれたのです。
*マットカラーのCCMQも有り
なぜこの色だけに反応が出るのかは未だに謎ですが、ズイールのMPカラーもよく釣れる色であることを考えると、紫とグレーという組み合わせには我々人間には理解できない何かあるのかもしれませんね。
ところで注目して欲しいのはこのカタログの説明文。
Explosive Strike(爆発的ストライク)だのSpine Tingling(背筋がゾクゾクする)なんて表現がされているルアーを見たことあります?
もうこの説明文だけで Makes me horny (ムラムラする)ですよねwww
オリザラといえば製造時期による仕様の違いにも触れないといけませんね。
この時期はいわゆるエビスコ期とよばれる時期で、ソリザラの通称で呼ばれる3rdモデルから切り替わった時期。
特徴は前後のボディパーツを首のあたりでソニックウェルドした首割れであることと、目をエアブラシで描き込んだ吹き目が特徴です。
オリザラは製造期によって動きの特性が大きく変わるのでアングラーの好みも大きく分かれますが、のんだくれは圧倒的にエビスコ以降の現行派です。
その理由は、何の躊躇もなくモディファイ出来るから。
一時期に比べてオールドと呼ばれるヴィンテージザラの相場が下落したとはいえ、それでも気軽に穴を開けたり削ったりできるものではないので現行の気軽さは捨てがたいですね。
そして岩盤や護岸に向かってビビることなく気軽にキャストできるところも大きなアドバンテージ。
特にのんだくれは岸壁などに当てながら引くテクを頻繁にやることもその理由です。
これはFLWプロでありアイロッド社長のマットに教えてもらったテクニックなのですが、オリザラを首振りさせる際、コンクリート護岸の壁に当てながらリトリーブしてくるという方法です。
ネズミなどの小動物が落水し、壁をよじ登ろうとするけれど思うように上がれないまま壁に沿って泳いでいる様子をイメージしながら、オリザラのノーズで壁をタップし続けるというもの。
この際、ミスバイトしてもポーズを入れずに引き続けるところがキモ。(壁際だからなのか、なかなかフッキングしない)
首振りの度にコツンとぶつけ続けるのは簡単そうに思えて意外と難しいのですが、コツを掴むと笑っちゃうぐらいバイトがあるので是非お試しを。

ペンシルベイトの壁当てメソッドで釣りまくるマットニューマン。彼のオキニはスーパースプークとヴィクセン。
これはロッドのスペック確認のためにいつも行く人工池ですが、昼間は無反応なのにローライトになると壁をコツコツするだけで沖からバスが寄ってきてパラダイスと化します。
やっぱりバスは岸際で起きる変化を遠くからでもウォッチしてるんだなと再認識させてくれる釣り方です。
うまく壁にヒットさせられないとバイトが激減するので、ハーフステップの練習にはもってこいですしね。
この釣り方は護岸だけでなく、浮き桟橋や浮き竹などある程度のストレッチを持つストラクチャーでも有効ですので是非。
話を元に戻しましょう。
ノーズには製造の過程でできた穴が空いているのもオリザラの特徴です。
ヒートンを差し替えてノーズアイにするのはオリザラチューンの定番ですが、のんだくれはノーズアイにした時の挙動が好みではないのでやってません。
ノーズアイにはノーズアイの良さもあるんですが、ヒートンを差し替えるだけでなくテール側に重心も足さないとオリザラの良さを殺してしまいます。
まあこの辺は色々とやりこんだが故のザラヲタの戯言なんですが、のんだくれにとってオリザラはチンアイ(顎のアイ)あってのスプラッシュとスライドだと理解しているので、ノーズの穴は眺めてニヤニヤするだけに留めてます😂
ちなみにヒートンに咬ませたスプリットリングはラインを結ぶためではありません。
リングは首振り特性を強化するためのカウンターウェイト役なので、リングにラインは通しません。
実はオリザラは思っている以上にデリケートなルアーで、スプリットリング一個、つまり約0.2gの重量がぶら下がるだけで回頭性能が上がります。
元々オリザラはテーブルターンもこなす役者ではありますが、リングを装着することでその動きがさらにクイックになるといえば分かってもらえるでしょうか。
いうまでもなくへドンのルアーは個体によって重量差があるので変化の出方はまちまちですけどね。
動きがクイックになればより大きなサイドスプラッシュが出せるようになるので、スプリットリング加重はアピールが欲しい時に手軽にできるチューニング方法です。
そしてオリザラといえばやっぱりサーフェスリグですよね。
フックの自由度が低いからバレが多いとかあれこれ言われたりしますが、それも含めてのオリザラなんですからすべてをありのままに受け入れてあげましょう😁
こういうものだと思って接してれば、例えバレても、あーザラだから仕方ないねと達観できるようになります。
だって、仮に奥さんや彼女の料理が下手だったとしても、それを第一理由に挙げて別れようとは思わないでしょ?
長く付き合っていくにはあえて目を瞑ることも大事だし、それ以外の良い点を探せば欠点なんて気にならなくなるんですから。
そしてどうしても気に入らなかったらイジっちゃえばイイんです笑
これはのんだくれが30年近く使ってるオリザラです。
ラトルの封入に始まり、レジン注入による喫水ライン変更や低重心化など、思いつく限りのモディファイを施したのでもう一回同じものを作れと言われても無理ですが、これでめちゃくちゃ釣ってます。
参考までにこのザラにスプリットリングを咬ましているのはバレ防止のためではなく、フックが大きく触れてボディに当たることによるスクラッチノイズを大きくしたいから。
そのためにあえてバランスの悪い太軸ロングシャンクフックをぶら下げてます。
ラパラに魂を売った男として知られる故 楠ノ瀬直樹氏も著書で述べてましたが、フックの接触によるノイズはアングラーが想像しているよりもはるかに大きいのです。
なのでこのザラはそのスクラッチノイズをより増幅したかったというワケです。
オリジナルで装着されているフックはこちら。
お馴染みのマスタッドですね。
このフックは購入当時のオリジナルのまま。
のんだくれはオリジナル原理主義者ではありませんが、このフックにはいろいろ思い出が詰まってるので変えてませんしこの先もこのオリジナルフックを死守するつもりです。
ただのノスタル爺なだけなんですが😁
あ、オリザラのフックはバーブレスにしておくのは必須条件なのでお忘れなきよう。
その理由は3つあります。
まずフッキング性能が格段にアップします。 まあこれはみなさんご存知の通り。
2つ目は、オリザラで中型サイズのバスを釣るとファイト中にエラや腹にもフッキングすることが多々あり、バーブがあるとフックを外すのに手間取るから。
先述の通り、小さなバスだったらほっとけばオートリリースになるというメリットもありますし、なによりもバスへのダメージが抑えられます。
そして3つ目は、ーーこれが最大の理由なんですがーー バスを釣った後すぐにフックを外して次のキャストに移れるから、です。
オリザラのスゴいところは、ニュートラルなバスのスイッチを無理やり入れられるところなんですが、一匹釣るとその場にいるバスの活性も一気に引き上げられるという特性もあります。
つまり一本釣るとその後、カツオの一本釣りの如く連発モードになることも珍しくありません。
これは琵琶湖に限らず野池などでも何度となく体験しているので間違いありません。
そんな確変ビッグチャンスが到来したのに、フック外しでモタモタしてる暇なんてないんです!
さっさとフックを外してバスのフィーバーモードがおさまる前に同じところに投入するのがオリザラで美味しい思いをする基本。
写真撮影でウェーイ!なんてもってのほかなのです。
バーブレスフックの使用はオリザラ法の第一条一項にも明記されていますから、オリザラ使いを名乗るならちゃんと読んでおくべし。
そんな釣れ釣れルアーなので、ネームヲタとしても熱が入っちゃうワケですよ。
どうです、このテキトーなステンシルの吹かれ方w
テキトー過ぎてへドンじゃなくてメドンになっちゃってます。
オリザラのステンシルネームはこれまた時期によっても行間やフォントサイズが変わるのでイイですよね。
もう今は飲めませんが、昔は持ってるオリザラを全部仰向けに並べてネームを肴に焼酎をカラコロしてました。
キモいですよねw
ところで日本はザラのことを ”スプーク” と呼ぶか ”スクープ” と呼ぶかの二代派閥に分かれてますが、あなたはどっち派?
”スクープ” になると意味も変わっちゃうのでアレですけど、これも日本ならではの問題なので、ベイヨンボギィの件同様、目クジラ立てることなくお互い温かい目で見てあげましょう😁
ちなみにスクープ Scoop は何かをすくい上げるという意味です。
31アイスクリームでお姉さんがグリッとやってくれるアレもスクープ。
そんなこんなで長々と駄文を連ねてきましたが、結論は【オリザラは釣れる】の一言に尽きます。
永遠の定番という陳腐な言葉で片づけられるようなレベルではありませんが、それでもオリザラは永遠の定番なんですよね。
なので久しく投げていない人はもちろん、まだオリザラを持ったことのない人も是非使ってみてください。
特に10月から11月にかけてはオリザラ祭りが開催されやすい時期でもあります。
最近登場したボイオに気持ちが行っちゃうのも分かりますが、オリジナルを知らないと理解できないこともあるんですから、この機会に是非。
とまあこんな感じで今後はオリザラ派生モデルも紹介していくつもりですが、思い入れのあるルアーについて書くのはとてつもないエネルギーを要するので、その辺りの苦難をご理解いただけるとのんだくれも喜ぶと思います。