昨年レーベルからリリースされたフロッグRには、元ネタがあるというのは千一夜でもお伝えしておりましたが、今日はその元となった本家を紹介しましょう。
それがこちら、モローベイツのウォーキングフロッグ。
キモさ100万倍のカエルベイトです。
これはユタ州に拠点を置くケビン・モロー氏が、本業の剥製制作とは別に立ち上げたビジネス、モローベイツの一番最初の作品として2年前にリリースされました。
これがルアーを制作していたモロー親子。
本業は剥製師でその道では有名らしい。 pic.twitter.com/iAJLwYXjuv— ルアー千一夜☆公式 (@lure1001) August 12, 2022
元々釣り以外にハンティングも楽しんでいたケビンは、日頃から自分の思い通りに楽しめるルアーがないことを不満に思っており、それならば剥製師ならではのセンスで作っちゃえ!というのがモローベイツのスタートです。
当初は自分の仲間内で楽しめるルアーであれば・・・ という程度の考えでしたが、ケビンの製作したルアーが評判となり、数多くの製作依頼が舞い込むようになって、息子のアンドリューと一緒にビジネス化した・・・ という、アメリカのルアーマニュファクチュアリングではよくある生い立ちです。
自分の思い通りに楽しめるルアーがないと書きましたが、ケビンの求めるバスフィッシングスタイルは、アメリカにおいては少数派の、スロー&ステディのトップウォータースタイル。
護岸や葦際にブチ込んで、スローに動かして間で喰わせる日本式トップウォーターに近いスタイルがお気に入り。
それもボリュームのあるルアーが大好物。
米国のマスプロダクツにはその手のルアーがそれほど多くはないですから、自作しちゃうのも分かります。
ボリュームのある水面ベイトが好きと言うだけあって、どこに出しても恥ずかしくない横綱級に仕上げられています。
キモくてデカいルアーが大好きなのんだくれがこの姿を見て喰い付いちゃったのは言うまでもありません。
このインパクトは変態ルアー好きなのんだくれにはとっては相当なモンでした。
しかしそのインパクトは、かの大御所レーベルにとっても相当大きなものだったらしく、当時まだいちローカルベイトでプロモーションをしっかりやっていなかったこともあり、ソッコーでレーベルに意匠をパクパクされちゃった、という経緯だったようです。
そりゃ本業が剥製師の個人マニュファクチャラーと、プラドコ資本とでは拡散力が違いますからね、レーベルが大々的に出したら、フロッグRの方がオリジナルだと思っちゃいますよね。
事実、のんだくれの友人は、つい最近までレーベルがオリジナルだと信じ込んでいましたから。
話のついでにレーベルのフロッグRとの比較画像も載せておきましょう。
こうして見ると、フロッグRの方は相当簡素化されていますね。 まあ米国内では3.99ドルの入門用ベイトなので簡素化されているのは当たり前ですが。

でもレーベルがパクったとか書きましたけど、モローベイツはこれだけのインパクトを持っているので、遅かれ早かれどこかのブランドがマネしたでしょうね。
たとえばボーマーとかヘドンあたりが・・・ あ、みんなプラドコだった(笑)
このカエルのデザイン上の最大の特徴は、マンガちっくなデフォルメが絶妙な事です。
それまでアメリカのハード素材フロッグルアーといえば、永らくレーベルのウィフロッグが王座に君臨しておりました。
そこにライブターゲットのウォーキングフロッグが挑戦状を叩きつけて新王者となった経緯があります。
あ、これはのんだくれが勝手にそう感じてるだけなので実際のトコは知りませんよw
それまではフロッグ型ハードベイトは、リアルというキーワードで推移していたのですが、そこにモローベイツがデフォルメという概念を衝撃と共に持ち込んできたんですから、レーベルが反応しちゃうのもわかりますよね。
しかしデフォルメしてるとはいえ、手と足はボディに彫っただけの簡易仕様。
のんだくれ的にはもうちょっと造り込んで欲しかったんですが、このあたりの手抜き加減はアメリカらしいので、まあいいかという感じですね。
見方によっては、シャガールの私と村的なタッチと解する事が出来なくも無い事は無い事は無い事はない… かもw
ボディ素材は硬質ウレタンを採用したノンラトル。
このあたりにもケビンのこだわりがあって、基本的に広範囲からバスを探すサーチベイトではなく、バスのいる所に投げるベイトなので、ラトルは不要だという考えが元になっています。
気になるアクションは典型的な犬歩き。
縦扁平のボディで大きく水を撹拌しながら右に左にスプラッシュを撒き散らします。
レーベルのフロッグRはラトル入りで、水を切り裂くようなスラッシュベイト系の味付けなので、フロッグRのつもりで使うとちょっと意外に思うかもしれません。
でもそうやって考えると、フロッグRはあのフォルムでありながらスケーティングが得意という類を見ない存在なので、外見こそアレですが、全くの別物と捉える方がいいのかもしれません。
のんだくれの中でフロッグRは既に外せないルアーになってますし。
フックは前後ともがまかつを採用。
ジャパニーズクオリティに絶対の信頼を寄せているからだとか。
ケビンはのんだくれとの会話でもやたらと日本の事を言うので、なんでそんなに詳しいのかと思ったら、ケビンの奥さんのドナのお母さんが、なんと日系人でした。
よって琵琶湖の事も良く知っており、モローベイツの大ネズミが琵琶湖のバスを仕留めた画像を送ったら、あのワールドレコードが出たレイクで!と、めっちゃ喜んでました。
ネームはテールエンドにモローとだけ手掘り。
なんか陶芸教室で自分が作った茶碗の裏に名前を彫るような感覚です。
モローというと、のんだくれ世代は、『 ドクター・モローの島 』 を思い出しますよね。
モロー博士が孤島で動物を人間に変える実験を・・・ あ、長くなるのでヤメときますw
本業の剥製制作が忙しいので (剥製師としては結構有名らしく、過去に何度も受賞している)、大量に生産できないのがネックと言っていましたが、こういう個性的な個人マニュファクチャラーのルアーは、そんな程良い希少感が似合いますよね。
2020年9月追記:
その後、モローベイツは本業の剥製製作が忙しくなってしまったのと、テスター役の息子ブライアンがビジネスでユタを離れることになったため、ルアーブランドとしての活動に自ら幕を引きました。
趣味から始まった副業だったので仕方ない部分はありますが、こういう独自のカラーを持ったブランドが消滅してしまうのはちょっと寂しいですね。
コメント
*2012年投稿時に頂いたコメントを転載しています
1. ozaki December 02, 2012 19:42
5ほげ〜゚+。(*゚Д゚*)。+゚
かっこよすぎっす…
日本の中古屋じゃ絶対手に入らないだろうな(涙)
レーベル製のやつでさえ中古はもちろん、量販店でもみたことありませんよぉ(T_T)
2. バジェッ太 December 03, 2012 00:49
遂に出しましたか(笑)!
私ものんだくれさん同様にその姿を見るなり恋に落ちちゃいました(爆)。
さすがに大人買いできるほど安くないのが難点ですが(汗)。
カエルのハードプラグで王者といえば脱力系なら間違いなくリビットプロップだと思います。
3. のんだくれ December 03, 2012 08:05
ozakiさん
さすがに中古屋には出ないでしょうねー
このルアーを買う人はかなりマニアックなヒトタチばっかりですから(笑)
しかしレーベルのヤツってそんなに出回ってないんですか?
そんなんだったらウチでも入れようかなー
4. のんだくれ December 03, 2012 08:08
バジェッ太さん
このモロー蛙はカエル好きには黙ってられないルックスですもんね(笑)
でも現行のリビットプロップは変に色気を出しちゃったので最悪ですよ、ホント(T_T)
相変わらずあの社長からは新製品だとか言っていろいろ送られてくるんですが、毎回愕然とさせられてます(涙)