The漁師クランク The Ryoshi Crank / ミブロ mibro

クランクベイトシャローダイバーミブロ Mibro

 

 

一時期、雨後の筍のように各社から発射されたマグナムサイズのクランクベイト。

 

新製品ラッシュが一巡したことで腰を据えてじっくりと投げ込めるようになり、それと共に個々の性能差も見えてきました。

 

今日紹介するミブロのThe漁師クランクは、数多のマグナムサイズクランクの中でもキラリと光るものを持った逸品です。

 



 

 

このルアーにはオリジナルとなるハンドメイドモデルが存在し、このThe漁師クランクはその量産バージョンとしてデビューしました。

 

ただ、のんだくれはオリジナルモデルを使ったことがない分、思い入れもなかったので量産モデルデビューを知ってもふーん… ぐらいにしか思っていませんでした。

 

が! 釣具屋で現物を見た途端、電流が走りました。

 

なにこれめっちゃカッコいいじゃん!

 

 

 

シビれたのはこのサイズゆえのボリュームが素晴らしかったから。

 

ボディ長80ミリ、自重は27gちょいというスペックはマグナムサイズクランクとしてはやや小さめですが、物理的サイズとは別次元のインパクトがスゴかったのです。

 

あーこれで釣りたい!と思わせるクランクとでも言いましょうか、ロッドにセットして眺めたいと思わせる何かがあったのです。

 

ネットで見た時は何も思わなかったのに現物を見た途端ヤラれてしまうのはルアーあるあるですが、このThe漁師クランクはその最たるものかもしれません。

 

 

 

しかしただインパクトにヤラれて買ったわけではありません。

 

決め手となったのはこの縦扁平ボディがあったから。

 

元々バグリーのマグナムシャッドのような大型フラットサイドクランクが好みだったというのもありますが、このボディがヒラヒラと泳ぐ様子を妄想したら、もう居ても立ってもいられなくなってしまったのです。

 

 

 

ところが実際に投げてみたところ、その妄想は見事に裏切られました。

 

のんだくれの予想に反し、The漁師クランクは泳ぎがおとなしかったのです。

 

いや、おとなしいというよりも過度なアピールを抑えてスレにくく設定してあると言った方がいいかもしれません。

 

のんだくれが勝手に暴れる泳ぎを想像していたこともあって最初に見た時はちょっと肩透かしを食らいましたが、よく見てみると派手なバタバタ泳ぎではないけれどしっかりと水を動かしている泳ぎなのです。

 

特筆すべきは、このサイズにしては巻き抵抗が小さいこと。

 

マグナムサイズクランクの強みのひとつに大きなボディが生み出すディスプレイスメントがありますが、そのメリットと引き換えに体力的負担を強いられるというデメリットもあるのです。

 

チョイ投げだけならばその負担にも耐えられますが、琵琶湖の河口ウェーディングのように立ち込んでロングキャストをし続けなければならない状況ではもう単なる拷問ですからね。

 

しかしこのThe漁師クランクはそんな負担から解放してくれるのです。

 

これはマグナムクランクの巻き抵抗に辟易としているアングラーには救世主になるでしょう。

 

 

 

そんな泳ぎを作り出しているのがこのリップ。

 

スクエアとラウンドのいいトコ取りのリップですが、これが実にいい仕事をしてくれるのです。

 

一般的にビックサイズのクランクベイトはそのボディの大きさもあって動き出しがもっさりとしているものですが、このThe漁師クランクは巻き初めた瞬間にアクションが立ち上がるラピッドファイヤ仕様。

 

この立ち上がりのクイックさは急深リザーバーのオーバーハング奥などプロダクティブゾーンが極端に狭いスポットを撃つ時に心強い味方になってくれます。

 

さらにリップの空力効果なのか、フラットボディのクランクとは思えないほど飛行姿勢が安定していて、その飛距離はまさに CAST A MILE!

 

その上、US20lbラインと7.1ftロッドのセッティングでも力むことなく余裕で100ft(30m)は飛ばせるなど、近距離のカバー撃ちも中長距離の絨毯爆撃もそつなくこなす多才ぶりなのです。

 

のんだくれはいわゆるガチのクランカーではない上に飽きっぽいので、このThe漁師クランクの様に撃つのが楽しくなるクランクはモチベーションをキープしてくれるという意味でも非常に有難いですね。

 

 

 

そしてそのモチベーションをさらにアップしてくれるのが地獄鈎の異名を取るイチカワフィッシングのカマキリトレブル。

 

このフックの無慈悲っぷりはもう説明の必要はありませんよね。

 

のんだくれは実際にこのフックを触るまでは、そんなに違うんかなー?と半信半疑でしたが、実際に触ってみたところビックリ仰天のクオリティ。

 

この刺さり具合をひとことで言うと Insanely Sharpness(気狂いじみた鋭さ)。

 

もう凶器のレベルなので、取り扱いにも注意が必要なぐらいです。

 

でもさすがのカマキリトレブルもボディとのスクラッチでポイントが甘くなりがちなので過信は禁物。

 

カマキリならではの無慈悲な刺さりをキープするためにも小まめなチェックを忘れずに。

 

 

 

カラーはいかにもなマット系ザリガニプリント。

 

ザリガニの足がコミックタッチで描かれているのが可愛いですね。

 

背中側にはあえてプリントを入れずに弱いスプラッターバックにしているセンスもGOOD。

 

オーソドックスなベイトフィッシュカラーもいいんですが、ザリガニカラーは各社の個性が表れやすいところでもあるので注意して見てみると新しい発見があるかもよ?😁

 

 


 

さてさて。

 

そんな具合に全く死角が無い様に思えるこのThe 漁師クランクですが、実は一つだけ弱点があります。

 

それはトゥイッチやハイスピードリトリーブからのキルアクションに弱いこと。

 

リトリーブ中にトゥイッチをかけると、高確率でフロントフックがラインを拾ってエビになってしまうのです。

 

おそらくこれは止めるだけでヒラを打つルアーの高レスポンス性能が裏目に出ていると思われ。

 

最初にこの事実に気づいた時は、せっかくいいパフォーマンスを持ってるのにどうしたものか😥と思いました。

 

が、ご安心を。

 

スナップやリングを使わずにライン直結にすることでその事象はほぼ解消します。

 

つまり接続部の自由度を抑えてあげればラインを拾う事故が防げるのです。

 

 

 

それもラインアイの上部にきつくラインを締め込み、ラインスラックを出し過ぎない様にすれば尚よろし。

 

これでエビばかりが釣れるという悲しい事態から解放されます😁

 

これはのんだくれの勝手な想像ですが、メーカーはこのエビになる事象を開発の時点で把握していたはず。

 

しかしあえてそのまま発売したのは、おそらくThe漁師クランクが持つクイックなレスポンス特性を殺したくなかったのでそのままGOサインを出したのではないかと。

 

つまりメリットとデメリットをちゃんと理解した上で使ってねというメッセージなんじゃないかと。

 

これはルアーに限らず人間関係とかにも言えることですが、100%満足できるものなどこの世には存在しません。

 

でも相手の足りない部分を自分が補うことで楽しくなる事ってあるじゃないですか。

 

なのでのんだくれ的にはルアーのこういう割り切りはアリアリのアリで大歓迎です。

 

だって世紀の名品と名高いかのスーパースプークだって、ちょっと波が出るだけで頭を突っ込んでしまって使い物にならないんですよ。

 

でも未だ改良される事なく販売され続けてるじゃないですか。

 

人間と一緒でルアーも短所があることで深みが出て長く愛せる様になるんです…  ってここまで書いときながらのんだくれの想像が外れてたらめっちゃ恥ずかしいんですが😂

 

 

 

でもネームが背中のミブロロゴだけなのはちょっと寂しいですね。

 

せっかくナイスな漢字ロゴがあるのにもったいない。

 

同じミブロ家のグッピーにはデザインされたネームスタンプがあるだけに悔やまれます。

 

 

 

だって腹にはザリガニプリントも届かず、こんなにスカスカなんですもん。

 

漁師という漢字は点や払いもあってガイジンが好きそうなカタチなので、ここはドカンとジャポネ魂をアピールしてもらいたかったなと。

 

 

 

これから盛夏を迎えてドッグデイが増えるとクランクをはじめとした巻物の出撃頻度が落ちていきがちですが、そんな時こそ強く水を動かすルアーの出番。

 

フロッグやラバージグを見飽きたモンスターにイチかバチかの勝負を賭けるなら、Go Big or Go Home の精神でThe漁師クランクのカバー撃ちに徹するのもジャポネ魂だと思いません?😁

 



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