”ジョイクロの元ネタ”とだけ理解してたら大間違い!最強の水押しペンシル Z-クロー Z-Claw / ゼニス Zenith

ゼニス Zenithトップウォーターペンシルベイト

中古屋でなんとなく買ったルアーを動かしてみたらそのパフォーマンスの高さに電流が走った、なんてのは誰にでもありますよね。

のんだくれの場合はコレ、ゼニスのZクロー。

ライブドアブログ時代から大絶賛しているサブサーフェスペンシルベイトです。

Z-クローとは

Zクローは1990年代の終わりから2000年代初頭にかけてゼニスがリリースしたルアーです。(正確な発売年は不明。知ってる人がいたら教えて!)

ジョインテッドクロー開発のきっかけとなったルアーとしても知られていますね。

ゼニスはルアーのOEM製造も請け負う会社がかつて展開していたバスルアーブランドで、ポッパーやシャッド、クランクベイトなどなどひと通りのタイプをラインナップし、海外にもその足を伸ばしていました。

しかしZクローをはじめとしたシリーズがデビューした当時はメガバスやエバーグリーンがもてはやされていた時期。

残念ながらゼニスはそれらの影に隠れてしまって、あまり目立たない存在でした。

陳列ハンガーの隅っこに数個掛かってる感じの、どちらかというとマニア向けなオーラを放っていました。

実際、素人が見ても好調に売れている感じはなく、ほどなくしてセールワゴンの構成員に😭

そして中古屋に出回るのも早く、パケ入りが2〜300円で投げ売りされていました。

のんだくれはそんな境遇のZクローを身請けしたのです。

Z-クローのサイズ・重さ

Zクローのサイズは全長100ミリ、自重19.5g。

オリジナルザラスプーク(110ミリ)を少し短くしてマッチョにした感じのペンシルベイトです。

Zクローのリリース後、ゼニスの姉妹ブランドであるロッソコルサからZクローのコンセプトを継承したと思われる1オンスサイズのパヤオJr.、1.8オンスのパヤオなども登場しました。

ロッソコルサのパヤオJr.

パヤオシリーズもなかなかの手練ですが、それに触れるとまたエンドレスになるのでパヤオの詳細についてはまた別の機会に。

Z-クローの特徴

クローの最大の特徴は、ペンシルベイトらしくない背っ張りシェイプのボディであること。

ソルトウォーター系のペンシルベイトとしては特に珍しくもないシェイプですが、当時のバスルアーはラッキークラフトのサミーのように反り返るイメージのものが大多数を占めており、テールを下げたものはスミスのスティッキーなど少数派だったのでそのマッチョな印象も含めてアングラーにインパクトを与えました。

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そしてボディの中央部は完全な空洞で、両端に大きなウェイトを擁しているのも特徴です。

これらはお互いがカウンターウェイトの役割を果たし、両者が生み出すバランスがクイックかつスムースな首振りをサポートしています。

フロントのウェイトは横方向だけでなく縦方向にも稼働域が確保されていて、首振りの度にゴロゴロと低音ラトルサウンドを発する仕掛けに。

しかしこのラトルボールが上部の隙間にスタックしてノンラトル化する個体が多いのもZクローの特徴だったりします。

その事象が割と高確率で発生しているところから察するに、メーカー的にはラトラーとして設計したというよりもスペースがあるんだからラトルルームにしちゃえ!ぐらいのオマケ的なつもりだったんじゃないかとのんだくれはニラんでいます。 単に設計ミスだったら笑っちゃいますがw

 

ちなみに大量の極小BBラトルが背中の空洞内を縦横無尽に走り回るラトリンモデルも存在しています。

このモデルは日本国内で売られているのを見たことがないのですが、フランス在住の友人曰く、向こうではノンラトル版を見たことがないらしいので、もしかしたらラトリンモデルは輸出用の海外専売モデルだったのかもしれません。

Z-クローのアクション

Zクローのアクションは非常に素直なドッグウォークです。

スライド幅はそれほど大きくありませんが、物足りないという感じではないのでペンシルベイト好きならばほとんどの人が合格点を出す動きでしょう。

しかしZクローには一般的なペンシルベイトと決定的に違う事があります。

それは水への絡みが非常に重いこと。

首振りの度にロッドティップにググッと重い感触が伝わってくるほどトルクフルでヘビーな水押しなのです。

実はのんだくれがシビれたのはこの水押しの重さ。

当時国産ペンシルベイトの二大巨頭とされていたサミーやドッグXは、水を切り裂く軽快なドッグウォークが売りでしたが、Zクローには全く正反対の水にねっとりと絡むような味付けがされているのです。

 

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それらの軽快な動きに慣れていたのんだくれの脳は、Zクローのヘビー級トルクに瞬殺されてしまいました。

そのパワーを生み出しているのが先述の頭部に仕込まれた巨大なウェイト。

ヘビーなヘッドだからこそ出来る頭を突っ込むような特性が、水面の皮一枚を被る程度の極サブサーフェスでのアクションを可能にしています。

もちろんウェイトだけが仕事をしているわけではありません。

このファットでマッチョなボディも強い水の攪拌に加担し、独特のフィールを生み出しています。

そしてその個性の強さにノックアウトされたのんだくれは早速Zクローを探す旅にw

新品中古を問わず見つけたら全買いしまくって、最終的には50個近く持っていました。

とはいえそのほとんどが捨て値で、100円の値札が付いてることも少なくなかったのでコスト的にはかなり低く抑えられましたけど。

Z-クローの使い方

そんなトルクフルな泳ぎが得意なZクローなので使い方はドッグウォークがメインになります。

大陸横断弾道ミサイル並みのキャスタビリティを生かして超遠投したら、ルアーの重みを感じながら一回一回しっかりと首を振らせるノンストップドッグウォークで広大なシャローエリアを絨毯爆撃します。

大きなトルクは超遠投した先でも仕事をしてくれているのが判るので扱いやすいだけでなく、メインステージがサブサーフェスなので風の影響を受けにくく、水面に出切らない魚をバイトに持ち込めてフッキング率も向上するなど、多くのメリットをもたらしてくれます。

なのでダイブしないのが売りのオリザラとZクローをローテーションさせてイイ思いをしていた時期も。

しかし逆にジョイクロのルーツとなったと言われているS字リトリーブで使うことはしませんでした。

タダ巻きすればS字軌道を描くことはもちろん知っていましたが、当時使っていた改造マドバグの方がZクローよりも大きなスラロームで泳ぎ、かつ潜行深度も深かったのでZクローのS字スイムにはそれほど魅力を感じなかったのです。

マドバグのリップをウェッジシェイプにすることでウォブリングアクションは消えるが、早巻きでも大きく左右に振れるS字軌道を描くスイマーに。

その後、数多くのS字系ルアーが登場したこともあってZクローをS字で使うことはありませんでした。

もちろんそれでオサカナを釣ったこともなし。

Zクローはトルクフルなドッグウォークさえあれば釣れるのでそれで十分なのです。

Zクローのカラー

そんな釣れ釣れルアーなZクローですが、カラーが多いことでも有名です。

定番のウロコ系カラーにはじまり、トランスパレント系やフロッグカラーなんてのもありましたね。

さらに輸出モデルには水面アングラーの好物であるショアミノーパターンも。

 

これはアメリカのタックルショップで見つけたものですが、そこにあった全てのカラーが初見のものばかりだったので全買いしてしまいましたw

これ以外に、欧州方面で出回っているものの中には反射板内蔵タイプやソリッドカラーなんかもあったりして、一体どれだけあるんだ!とコレクター魂を刺激してくれます。

のんだくれの一番のオキニはソリッドのパールホワイトでしたが、キャスト時のライン切れにより永遠のお別れに😭

あれ以来パールホワイトを探してますが、未だ出会えていません。

ちなみにゼニスは海外ではスペシャルティタックル Specialty Tackle というブランド名で展開していたので、ebayなどで検索かける時に覚えておくとヒット率が上がりますよ。

Z-クローのフック

Zクローは#4サイズのフックが標準となっていますが、デフォルトはポイントにスリットが入ったフックになっています。

どこのブランドのフックを使っているのかは不明ですが(オーナー製?)このフックはショートバイトに強いので交換せずにデフォルトのまま使うことをオススメします。

もちろんリアフックも同様です。

ただ、リアのフックハンガーはテールエンドではなく少しだけ下側へずらした設計となっていますが、実はこの位置と角度が非常に中途半端。

橋脚や岩盤などにぶつけるとエイトリングがグラついてポリっと逝ってしまうことも。

ここは後ろなら後ろ、前なら前、どっちに設置するかはっきりして欲しかったなぁ。

リアフックハンガーの位置はガンクラフト版も同じなので、ギリギリに撃ち込むアングラーはちょっと注意が必要です。

 

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余談ですが、このフックがイマイチだという人は、思い切ってシングルフック化するという手も。

Z-クローのネーム

そしてゼニスのルアーはネームが小さいことでも有名?です。

もうね、ローガンGGYへの嫌がらせとしか思えない程の小ささですからw

ちなみにゼニスとは頂点とかテッペンという意味。

ソルトウォーターロッドに同名のブランドがありますが、どうやら両社には関係性はないようです。

おわりに

発売当時はあまり話題にならず、ジョイクロが脚光を浴びたことでオマケ的に注目されただけというちょっとかわいそうなルアーですが、実力は十分なのでペンシルベイト好きならば探す価値はあるかも。

でもルーツに触れたい!というジョイクロ狂や、海外向けのレアカラーを探してる人でない限りあまりお勧めはしません。

なぜならウェイトのスタックを改善したガンクラフト版があるし、そっちの方が圧倒的にタマ数が多くて入手し易いから。

なのでゼニス版は見つけてもスルーしちゃってもイイと思いますよ。

その分はのんだくれがしっかりサルベージしますからw

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