コーモランにパクられたら一人前のルアーメーカーという説があるとかないとか ジァヴァヴァ Javava / コーモランプロダクト Cormoran Product

ウェイクベイトコーモラン プロダクト Cormoran Productショートビルジャークベイト

久々にコーモランいってみましょう。

今日のゲストは、80年代に発射された対サブサーフェスの爆撃ミノー、その名もジァヴァヴァです。

なんじゃそのヘンテコなネーミングは! とツッコミを食らいそうですが本名なんですよこれが。

オールド派、もしくは当時からバスフィッシングをやってる人が見たらビビッと来るフォルムですよね。

実はこれ、当時タックルハウスからリリースされていたヴィヴィーというルアーにそっくりなんです。

ヴィヴィーはタックルハウス特有のセンスをバルサボディに託した、今でいうウェイキングミノーのはしりですが、決して安くはない価格設定もあって実際に持ってた人はあまりいませんでしたね。

特にお金のない子供達にはタックルハウス物なんて高嶺の花で気軽に買えるシロモノではありませんでした。

そんなところにあざとく目をつけたのが、” 子どもの味方 ” コーモランプロダクトです笑


しかし60年代からパチで食ってきた天下のコーモラン、ただのコピーでは終わらせません。 

なにしろあのタイニークレイジークローラーやフラポッパーにラトルを仕込んでオリジナル顔負けのノイズメーカーに仕立て上げるブランドですから、コイツも全くの別物に仕上げてきたんです。

最大の特徴は、大きなボディ幅を生かし、ミノープラグとは思えないほど大きなジャラジャラサウンドを発することです。

ボディ幅が大きいことで可動幅の大きなラトルルームが設置でき、更に大きなボディでサウンドを増幅させることで、本家顔負けのラトルベイトに仕上がっています。

ラトルベイトとしてリリースするのはコンセプト的にも織り込み済みだったようで、当時のアドにもしっかりと 【内蔵されたメタルのビックなサウンド‥】 と謳われております。

ビッグじゃなくて、ビッ”ク” ですからね。 お間違えの無いように。

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この頃のコーモランの雑誌広告コピーはやたらと 【 ヴ 】 を使う傾向があって、非常に読みづらいです。 

特にこのジァヴァヴァなんて、ジァでaとeのアレを発した後に、ヴァヴァで下唇を2回噛む非常に忙しい口唇運動をしないとルアーの名前すら言えないというテクニカルなネーミングですから。

しかしそこまでネーミングにこだわっておきながら、左端のルアーの表記は ジ “ャ” ヴァヴァ になってたり、シルヴァーとシルバーが混在してたりと、表記に一貫性がないのもコーモランクオリティ。

でもこういうトコがあってこそのコーモランなので、のんだくれのようなコーモ好きにとっては失笑の対象というよりはむしろ溺愛対象になっちゃってますね。
 
昔のコーモパケにあった名コピー、【すばらしいルアーフィッシングに!】 なんて、今でも見るとゾクっとしますもん。

話を元に戻しましょう。

サイズは食べごろの90ミリ。 
確かヴィヴィーも同じくらいの大きさだったはずなので、これは本家を意識してるんでしょうね。

最近のバスルアーでは絶滅してしまったセッパリボディが泣かせてくれます。

スクエア形状のリップを大きな角度で取り付けることによって、しっかりと水を掴む設計になっているのも本家に同じです。

気になるアクションは非常に大きなローリング。 
ラッキークラフトのクラシカルミノーを少し大人しくした感じと言えばお分かり頂けるでしょうか。

その浮力もあって、せいぜい50cm程度しか潜らないシャローダイバーですが、クランクベイト系のアクションをミノーちっくなフォルムで演じることが出来るというのは、当時としては貴重でしたね。

まあオリジナルはタックルハウスなんですが、けたたましく鳴くミノーフォルムのラトルミノーという意味では、コイツがオリジナルと言ってもいいかもしれません。
しかしこの件について当時のタックルハウスは何もコンプレインを挙げなかったんでしょうか。
コーモランについては、どこそこの会社に著作権侵害で訴えられたけど完全スルーしたとか、某有名ルアーメーカーの社長が怒鳴り込んだとか、いろんな噂が飛び交ってて、一体何が何だか分からなくなってる上に噂だけが一人歩きしている感も否めません。
世界中のコーモランコレクターが真実を知りたがってるという事もありますし、もし関係者の方がこのポストを読んでたら、是非とも真相をお教えいただきたいと思います。
いつだったか問屋の展示会でコーモランの方と一緒になった事がありましたが、あの時ストレートに聞けば良かったなぁ… って、こういう事をズケズケと聞いたりするからのんだくれは嫌われるんですよね。
ちょっと前にも、某ルアーのパーツ屋さんにメタルパーツの試作品を頼むも、2ヶ月以上経っても音沙汰ないので、全然やる気ないでしょ、ってストレートに言ったらめっちゃキレられた上に、そばで聞いてたウチのスタッフからも「もうちょっとモノの言い方を勉強してください」と割と真面目に怒られました ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

本家がバルサ材にフォイル貼りという高級仕様ですが、こちらはプラスチックにそのままエンボス調パターンを施す事で、フォイル感を再現しています。
エラ周辺の彫塑といい、エンボスといい、コーモランもコーモランなりに相当頑張った感がありますね。 
しかしドットの模様まで完コピしちゃうのはアカンでしょ!笑笑笑

ハラ側のホワイト処理なんて、完全にハンドメイド感を意識してますよね。
これだけの再現技術があるんだったら、自社開発すればそれなりの製品が出来るはずなのに、あえて【再現】にこだわったところがさすがのコーモランですね。

令和の時代ではさすがにパチモンは受け入れられない風潮ですが、当時こんなにも振り切ったマインドというか、フィロソフィと共にルアーを作ってたかと思うとちょっとカッコいいかも。

フックは当時流行ったゴールドプレーテッド、つまり金針。

コーモランはイーグルクローの日本総代理店だったので、パチモンにも関わらずフックは一流を採用していました。
針先がネムったクローポイントフックは、当時ストームなどの高級輸入プラグにしか使われてなかった事もあり、ちょっとした背伸び感すら覚えました。
ボロは来てても心は錦じゃないけど、一点豪華主義とも言えるこういうギャップは当時のルアー少年達をクラクラさせてましたね。

生い立ちはともかく、ルアーの基本性能としては非常に高いので、今でも使えば普通に釣れるでしょう。

たまーに中古屋の100円ボックスで、身元不明ルアーとして投げ売りされてたりするので、気になる方は探してみては?
そしてこれで良いのが釣れたら、バスプロの動画のごとく魚を前に突き出して、『 ジァヴァヴァーー 』とルアー名を叫んでドヤ顔するのが由緒正しきコーモラン道ですから、是非ともその点をお忘れなく。

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