ちゃんと泳ぐタマなら大当たり!”総合品質へのこだわり”を実践した70年代ダイワの代表作 バスジャッカー Bass Jacker / ダイワ Daiwa

クランクベイトダイワ Daiwaミディアム・ディープダイバー

 

 

そんなに釣ったわけでもないのに思い入れのあるルアーって誰にでもありますよね。

のんだくれの場合はコレ、ダイワのバスジャッカー。

第一次バスフィッシングブームに釣りをかじったことのあるおっさんならば誰もが使ったことのあるクランクベイトです。

 

バスジャッカーとは

 

バスジャッカーは70年代後半にダイワがリリースしたクランクベイト。

コネリーに続くブラックバス用ルアーとして販売されました。

今でこそレイジーアイクのナチュラルアイクのパチモンだという認識ですが、当時はそのネーミングも含めてただひたすらにカッケー!😍でした。

ダイワとしては少年の目から見てカッコ良いと思えるような外観のものをネタに選んだんでしょうね。

おそらく謎のトラ柄もそれに加担していたと思われ。

ちなみにナチュラルアイクはスピードトラップのデザイナーとして有名なトムスィワードの作品です。

 

クランクベイトデザインの巨匠が生み出した伝説のネズミ捕り スピードトラップ Speed Trap 6595-014 / ルーハージェンセン Luhr Jensen
不人気から這い上がってきた不屈のクランク 本国ではとてつもなく評価されているのに、日本ではイマイチ盛り上がらないルアーってありますよね。 言語やフィールド環境、供給体制などの違いもあるのでなかなか本来の実力が理解されにくく、...

 

サイズ・重さ

 

バスジャッカーのサイズは全長65ミリ、自重11.5g。

70年代当時、日本のバスのアベレージサイズが20〜35cmだった事を考えると割と大きめのクランクベイトでした。

ゆえにラインナップには50ミリの弟サイズも。

 

 

小サイズはブルーギル、大サイズはスモールマウスのパターンになっていることが分かります。

当時はスモールマウスはもちろん、ブルーギルですら見ることはなかったので、後にこれらの模様のルーツを知った時は身震いに近いコーフンを覚えた記憶がありますw

 

バスジャッカーの特徴

 

バスジャッカーの特徴はシャッドでもなくクランクベイトでもない中間的なフォルム。

まあ当時はシャッドというワードすら知らなかったのでカテゴリー分けという概念はゼロでしたが。

 

 

スラント角を付けることもなくズドンと真横に伸びるリップ、見るからに華奢なヒートンリングもバスジャッカーの特徴です。

 

 

発泡ボディに無理やりウェイトを埋め込んだ痕跡もニヤニヤの対象ですね。

 

アクションはタイトなウォブリング

 

気になるアクションはタイトなウォブリング。

ピリピリ系のエスケープアクション…   というと聞こえはいいのですが、その泳ぎが見られるのはラッキーなアングラーだけと言われるほど泳がないタマの多いルアーでしたw

ちゃんと泳ぐものとそうでないものの差が激しく、結構な確率でダメなものに当たるという、当時の少年ルアーにありがちなクオリティだったのです。

さすがCommitted To Total Quality(総合品質へのこだわり)がスローガンだったダイワだけのことはあります😁

しかし逆に、当たりのものはなかなかのアクションでそれなりにバスを連れてきてくれた記憶が。

とはいえ、月々の小遣いを貯めてやっとルアーを買うような少年達がスペアを買ってアクションの比較など出来るわけもなく、最後まで泳がないルアーというイメージは変わらぬままでしたが。

小サイズですが過去に撮影したバスジャッカーの水中動画があるのでこちらに置いておきます。

 

 

カラー

 

カラーは先述の通りスモールマウスのトラ柄がモチーフ。

ナチュラルと言っていいのかどうか何とも言い難いパターンですが、これはこれでバスジャッカーのイメージカラーみたいになっています。

虎だ!虎だ!お前は虎になるのだ!というあの名セリフをつぶやきながら愛でるのが正しいオタのあり方。

当時の硬質発泡ルアーにありがちな成型時のシワも今となってはいい味を出していますね。

そういえばバスジャッカーは当時のルアーとしてはそこそこ塗装が強く、ボロボロになることはあまりありませんでした。

塗膜と素材の相性が良かったんでしょうね。

ちなみにこのパターンはナチュラルアイクにも採用されている、いわば伝統のカラー。

ナチュラルアイクとバスジャッカーとの関係性は日本一の少年ルアーコレクター、カープヒロシマ氏がツイートしてくれた一連の流れを是非一読下さい。

 

 

フックは年代相応のクオリティ

 

フックはご覧の通りのロングシャンクを採用。

そもそも当時はシャンクって何?の世界で、とにかくトレブルフック自体がカッコ良かったのでルアーとのマッチングだのフッキングだの考えたこともありませんでした。

しかし今見るとヒドいクオリティですねコレwww

よくこんなんで釣ってたな。

 

ネームはシール方式

 

ネームはシール方式でリップに貼られています。

シールを貼ることでナチュラルアイクがバスジャッカーに変身したと解すると、先出のカープ氏の推論も説得力を増してきます。

ウェスタン調のフォントがシビレますが、これ使ってるうちに文字が霞んだりシールが剥がれたりするんですよね。

なけなしの小遣いを叩いて買ったルアーだけにシールの剥がれでもテンション激落ちになってましたw

 

入手は超簡単

 

そんなバスジャッカーの入手は超簡単。

当時のバス少年が実家の物置で見つけたのか、キイロだけでなくネット上ではそこかしこで見ることが出来ます。

まあ今さらこれを探してる人もそうそう居ないとは思いますが、気になる人はチェックしてみては?

しかし中古とはいえ40年以上も前のルアーが普通に入手できるってスゴイことですよね。

それだけダイワが幅を利かせていたということでしょう。

 

おわりに

 

大して釣ったこともないのに心に深く刻まれているルアーは、釣りが楽しくて仕方なかったあの頃に引き戻してくれます。

釣れても釣れなくても愛おしい存在とでも言いましょうか。

そういう意味ではお守りみたいな存在なのかもしれません。

そんなルアーに出逢えたことはアングラーにとってシアワセな事ですよね。

ルアー千一夜 the Store
SNSをフォロー
ルアー千一夜
タイトルとURLをコピーしました