ただのB級ルアーだと思ったら大間違い!めっちゃ釣れるシャッドクランク シャッドマン Shad Mann / マンズベイトカンパニー Mann’s Bait Co.

”ナチュラルプロファイル” というカテゴリーのルアーがあります。

ベイトフィッシュのディテールをそのままプリントしたナチュラルカラーと並んでベイトフィッシュの形をそのまま造形したルアーのことで、スピードトラップのデザイナーとして有名なトム・スィワードが発表したナチュラルアイクがきっかけとなって80年代に一大ブームを巻き起こしました。

一般的にナチュラルプロファイルのルアーは ”形ありき” なので、釣れないとされていますが、そんな中でもしっかり釣れるものがあります。

それが今日紹介するマンズのシャッドマン。

B級ルアーコレクターのニヤけアイテムだけしておくのはもったいないほどの実力の持ち主です。



シャッドマンとは

シャッドマンはマンズベイトカンパニーが1984年にリリースしたシャッド型クランクベイトで、ハックルバックシリーズの一員としてデビューしました。

 

ハックルバックとは、チョウザメのこと。

チョウザメの背中のギザギザを模した背ビレを特徴とし、フィンマンやトップマン、マンダンサーなど80’sマンズテイスト全開のシリーズとして今も世界中(特に日本)のコレクターから熱い眼差しが注がれています。

 

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シャッドマンのサイズ・重さ

シャッドマンのサイズはボディ全長78ミリ、自重17.8g。

マンズルアーのお約束でもある、重量差が激しいルアーとしても知られています。(詳細は後述)

画像のショートリップの他にダイビングリップを備えたミッドダイバーもラインナップし、2インチの弟サイズと5インチのラオウサイズもリリースするなどなかなか気合の入ったシリーズで、各種ノベルティにも使われるなど、マンズの看板を背負ったモデルでもありました。

左がミッドダイバー

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シャッドマンの特徴

シャッドマンの特徴はなんと言ってもシャッドを模したリアルな造形です。

 

ぶっちゃけ本物のシャッドとは全然違いますがw、デフォルメされた目の造形などで ”人間がイメージするシャッド” を忠実に再現しているあたりが商売人のトムらしいですね。

 

そしてこれがハックルバックの由来でもある背ビレです。

フィンマンなどと違って控えめサイズにまとめられているのは、アクションの邪魔にならないようにとの配慮からでしょう。

 

ボディ自体を大きなチャンバーに見立て、大きなブラス?のラトルが放り込まれています。

そのサウンドは割と高めのカラカラサウンド。

さらに固定ウェイト自体もカタカタ音を鳴るので、そのサウンドはアングラーにも聞こえてくるほどのけたたましさ。

これはシャッドの巨大スクールをラトル音でパニックに陥れて群れを散らすことで、バスの捕食スイッチを入れる狙いがあるんじゃないかとのんだくれは睨んでます。

 

シャッドマンのアクション

シャッドマンのアクションは典型的なタイトウォブル。

80年代のアメリカンクランクにありがちなバタバタ泳ぎを想像しがちですが、シャッドプラグなのでそのあたりはちゃんと最適化されていますね。

ショートリップとミッドダイバーの泳ぎを比較すると、ミッドダイバーの方がちょっとだけタイトな動き。

しかし現在のシャッドプラグとは力強さが決定的に違います。

動きはタイトなんだけれどもしっかりと水を攪拌する系の存在感のあるアクションで、それは手元に伝わる振動の大きさからもよく分かります。

その辺りの動きは昔撮影した動画があるので皆さんの目で判断してください。


 

シャッドマンの使い方

のんだくれがシャッドマンを使う時は早巻き一択。

ほぼノンストップのファーストリトリーブでしか使いません。

それは先述のラトル効果を活かしたいのと、それに応えてくれる高いリトリーブ追従性を備えたルアーだから。

リップレスクランクを巻くのと同じ感覚でガーッと巻いてると、ゴン!という重いバイトが来るのでやめられません。

実際のんだくれはこのルアーでかなりイイ思いをさせてもらいました。

そういう意味ではコレクション要員としてボックスに眠らせておくよりも、ガンガン実戦投入すべきルアーでしょう。

しかし先述の通り、マンズのルアーは個体によって大きな重量差があり、素材や仕様の違いによってトップウォーター使いに向く物やスローリトリーブに向く物など、いろんなバリエーション?があるのでその個体の特性を見極めるという作業が必要になります。



個体によって全く違う運動性能

それらの個性は素材の違いによって明確に分かれています。

 

画像は両方ともシャッドマンですが、使われているプラ素材の違いにより、上が17.8gに対し、下は15.5gと2g以上の重量差があります。

数字で見るとたった2.3gの違いですが、同じ身長で体重65kgと73.5kgの人間では運動性能に大きな差が出るのと同じで、ルアーの運動性能にもとてつもない違いをもたらします。

そしてマンズのルアーにはこういった違いが多数存在し、のんだくれが確認できているだけで次のようなものがあります。

①透明プラ+遊動ラトル

②透明プラで遊動ラトルなし

③透明プラでノンラトル(ウェイト固着?)

④ボーン系素材+遊動ラトル

⑤ボーン系素材で遊動ラトルなし

ボーン系素材を採用した多くはクロームカラーですが、透明プラベースのクロームもあったり、遊動ラトルの数が1個だったり3個だったりともう何がなんだかw

実際画像の2つだけでも上のモデルがスローフローティングなのに対し、クロームカラーの方はピンポン玉のようにポッコン!と浮くし、動画撮影に使ったモデルはその中間ぐらいの浮力でノンラトルだったりします。

この仕様?の詳細は今となっては確認のしようがありませんが(マンズのセールスマネージャーなどに何度か質問するも面倒臭がられて終了w)、米マンズコレクターの情報を総括すると、ボーン素材でソリッドのクロームカラーのものはおそらく米量販店のKマートで販売された廉価モデルではないかという説が有力です。

実はマンズは80年代にかなりの量をKマートの販売チャネルで流通させており、ポールアライアス監修のポールズクランクベイト Paul’s Crankbait をはじめとしてKマート専売モデルを多数販売していました。

 

 

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まんまバスの形をしたリップレスクランクとして有名なレロイブラウンも、塗装を簡素化してコストを抑えたクロームカラーをKマート専売モデルとして販売しており、おそらくシャッドマンのクロームも同じ手法でKマートに卸されたのではないか、と。

確かに80年代中頃のKマートではフィンマンやディープホッグなどのソリッドクロームカラーがバーゲンビンアイテムとして大量に安売りされていてのんだくれも大量に買ったので、この説には説得力がありますね。

当時Kマートで購入したフィンマンとディープホッグのソリッドクローム。これ以外にグリーンやブルー、イエローなどがあった。購入価格は0.99ドル。86年当時のレートで160円弱。

90年代になるとKマートはウォルマートやターゲットの台頭により急激に店舗数を減らし、それと共にマンズの上昇曲線も鈍化するのですが、米マンズコレクター曰く、この頃からソリッドクロームのカラーを見なくなったらしいのでこの推察はかなり的を射ているのではないかと。

そういえばレロイブラウン(正式にはリ・ロイブラウン)についてツイートしたのがあるので、マメとして置いときますね。

 

シャッドマンのカラー

シャッドマンはカラーが多いことでも有名ですが、やはり人気なのはプラ素材の中にグリッターを練り込んだこのカラーでしょう。

シャッドにはプレデターなどに襲われてパニックになると自身のウロコを剥がして目眩しするという習性がありますが、それを表したかったのがよく分かりますね。

デビュー当時はフォイルフレークシャッドという名前だったのに、途中でグリッターシャッドに改名するという謎の展開もヲタ的においしいネタです。

マンズに限らずこの手のナチュラルカラーは米国ではカラーリング革命と言われていましたが、登場当初から否定的な意見が多く見られるなど、良くも悪くも話題のカラーでした。

“Advanced Cass Fishing”の中で紹介されているシャッドマン。一番左のモデルは2インチの末弟サイズ。

発売から30年以上が経った今でもバスフィッシングの名著として語り継がれるAdvanced Bass Fishing の中でもその有効性を問う内容が記述されており、その例としてシャッドマンが引き合いに出された事からも注目度の大きさが分かりますね。

ぶっちゃけのんだくれもナチュラルカラーはルアーのカラーリングの一つとしては面白いと思いますが、魚のカウンターシェイディング効果を考えると、この手のカラーにはルアーの性能を上げる要素はないと見ています。

でもそれを言い出すとルアーってスゲーつまらんものになっちゃうんですよね。

だって釣れそうにないルアーで釣った時の達成感とか、色だけでテンション上がるってのはルアーフィッシングを楽しむ上で重要な要素ですから。

そんな人間の心理まで読んだかのようなカラーリングを施したマンズはやっぱり偉大だなと。

余談ですが、この本はバスアングラーならば絶対に持っておくべき一冊です。

流行り廃りとは全く次元が違う、学術的な内容は間違いなく目ウロコになります。

本自体は絶版になってますがまだ米国Amazonで安く買えるし、今はスマホのOCRアプリとGoogle翻訳さえあれば難解な学術書も読破できちゃう時代なので、”オレ英語読めねーし”という人にも是非入手して欲しい逸品。

著者のジョンワイスはバスフィッシングに関する著書を他にも複数上梓しているので興味のある方は是非。

シャッドマンのフック

 

シャッドマンのフックは80年代アメリカンルアーの定番、ロングシャンクのクローポイント#4サイズが標準装備になっています。

これは当時アメリカで買った物で未だ実戦投入したことがない未使用品なのでキレイですが、このフックは割と錆びやすいので使った後のケアは必須。

しかしこうして見てみるとフックポイントの鈍さが良く分かりますねw

これぞまさに嗚呼80年代なフックですねw



シャッドマンのネーム

シャッドマンのネームはボディ右側にShad Mann、左側にTom Mann と入ったダブルネーム方式。

ボディのカラーパターンと一緒にプリントするのでカラーによって、Shad と Mann の間にー(ダッシュ)が入ってたり入ってなかったりと微妙に違うのがミソです。

クロームのタイガーパターンにはネームがないので、やっぱり廉価版ゆえの簡素化なんですかね?

しかしルアーに自身のフルネームを入れちゃう自己顕示欲もなかなかのモンですよね。

もしジャッカルのルアーに ”加藤誠司” とか漢字で入ってたらちょっと引きますもんw

あ、そういえばメガバスのあの人はフルネーム入れてたわ😅

シャッドマンの入手方法

シャッドマンは製造が終了して30年以上経つルアーなので、入手は中古市場で探すしかありません。

そしてマンダンサーほどではないけれど、結構人気があるルアーなので価格はいわゆるプレミアになってしまいます。

よって、実釣用と割り切ってあまりコンディションの良くないモノを選ぶのも一つの手かもしれません。

特にクロームカラーはすぐにボロボロになってしまうので、格安で入手できる可能性大。

もしかしたら高音ラトル&高浮力のアタリに遭遇するかもしれないので、予算が合えばトライしてみる価値はありますぞ。

 

おわりに

Dabさんの著書『B級ルアー列伝』によって一大ブレイクを果たしたマンズのルアーはともするとコレクターアイテムにしか見られてなかったりしますが、マンズのルアーの中にはガチで釣れるルアーも沢山存在しています(当たり前か)

酒の肴にしてニヤニヤするのもよし、魚に勝負を挑むもよし、オールド/ヴィンテージルアーの楽しみ方はそれぞれですが、違う楽しみ方をすることでまた別の扉が開いたりもするので、来季はちょっと違う世界を覗いてみては?

 

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