ラパラのテクノロジーをフル稼働して作られたジギングミノー  ウィードレスシャッド Weedless Shad / ラパラ Rapala

クランクベイトシャッドラパラ Rapala

今更ですが釣具屋って危険な場所ですよね。

あれこれ見てるうちに無意識にトリップさせられてしまうというデインジャーゾーンですもん。

そしてトリップの重篤度によっては使わないものを買ってしまうというさらなる危険性も孕んでいます。

今日紹介するウィードレスシャッドはまさにそんなトリップの末に連れ帰ってしまったもの。

北欧から送り込まれた刺客です。

ウィードレスシャッドはご覧の通りのシングルフッカーのジグミノーです。

6/0はあろうかというラージフックにワイヤーウィードガードを装備したテールビブタイプのミノーで、メインとなるターゲットはパイクやウォールアイ。

パイクはディープレンジのウィードにその身を隠してハンティングをすることからウィードエリアを効率よく攻められるルアーが求められ、このルアーが生み出されたというわけです。

80ミリというサイズは十分バスフィッシングにも使えるわけですが、ルアーの特性上、丸呑みされないとフックアップしないので、普通だったら敬遠してしまうルアーでしょう。

当初、のんだくれもスルーしようとしていました。

が、またしても魔界の妖力の餌食になってしまったのです。

このルアーならあそこを攻められるんじゃね? と思ってしまったのが運の尽き、 誰も使ってないルアーだからこそいけるんじゃね?的な妄想もムクムクと亀頭を 頭をもたげ始め、気づいたらレジに並んでたというワケです。

そして店を出た瞬間に、またやっちゃった😭 と自己嫌悪に陥ったいういつものパターン。

しかしそんなヲタの自己嫌悪はともかく、冷静にルアーを観察してみるとこれがなかなかよく出来たルアーなのです。

フロントリップのルアーとは明らかに異質の、ローリングしながらもケツを振るアクションをしてくれるのですが、その泳ぎが妙に生っぽい。

かつて、あのトムマン率いるフィッシュワールド Inc. がテールビブタイプのルアーをポゴ Pogo シリーズとして販売していましたが、このウィードレスシャッドはポゴよりもはるかにオサカナっぽい動きに味付けされています。

あれ?この泳ぎだったらバックリ丸呑みされちゃうかも?と思わせてくれる、そんな泳ぎなんです。

生っぽい泳ぎの秘密はこの縦扁平の薄いボディ。

このボディのローリングによりヒラヒラとしたアクションが生まれるのですが、その動きはリップレスクランクのように殺気立ったものではなく、どこかのんびりとした感じのお気楽のほほんアクション。

小魚がフラフラとお散歩してますよ的な自然な感じでアプローチできるんです。

しかし一旦リトリーブスピードにムチを入れると、そののんびり小魚は一瞬にしてプレデターに追われてパニックになったベイトフィッシュに変身し、フロントリップタイプのミノーでは実現できない超ハイピッチな明滅を見せてくれるのです。

この動きの変化を見て初めてリトリーブスピードによって泳ぎの特性が変わる可変アクションのミノーであることに気付いたのです。

あれ?もしかしてコレってヤバいやつじゃない?と。

このあたりの抜かりのないセッティングはさすがのラパラですよね。 ←既に感化されてる

ボトムでは画像のように立つことは少なく、ほとんどの場合、横べったりの着底姿勢。

ボトムでスタンダップ姿勢となるリップレスを使い慣れているアングラーにはちょっとストレスに感じるかもしれません。

しかもディープレンジのウィードを狙うためにシンクレートは高めの設定になっており、着水と同時にボトムへまっしぐら。

そしてラインにテンションを掛けていないとスパイラルフォール状態… というよりも単なるきりもみ急速沈下wとなるので、リフト&フォールで使用の際にはラインテンションに注意が必要です。

とはいえ、そもそもディープレンジのパイクはトローリングで狙うことが多く、リップレスクランクのようなリフト&フォールでの使用は想定してないと思うのでまあこれは許容範囲内でしょう。

しかしラインアイを上部に設置することでどんな姿勢からでも直ちに臨戦体勢に入るレスポンスの高さを実現する芸の細かさには唸らされました。

テールビブタイプのルアーはアクションの立ち上がりが鈍いという先天的な弱点を持っているのを熟知した上での設計なんでしょうね。

そう思って見てみると、この表情もなんだか賢そうに見えてくるのがラウリマジックの恐ろしいところ。

フックは平打ちの剛健仕様で、このルアーのために専用設計されたVMC渾身の作。

パイクなどの重量級モンスターと互角に戦うわなければいけないルアーなので、内部ではおそらくラインアイとリンケージされていると思われますが、まだバラしてないのでどうなってるのかはワカリマセン。

でもこのポストを書いてるうちに内部構造が猛烈に気になり始めたので、このルアーが分解されるのは時間の問題かとw

内部構造といえば、このウィードレスシャッドはラトルの鳴り方もかなり研究してると思われるフシが。

というのも、前後の動きだけに反応するワンノッカー的なラトルとローリングアクションの時にだけ音を出すラトル、そしてどの挙動でもジャラジャラするラトルの3種類が入ってるっぽいのです。

しかもテールを支点にして振った時とヘッドを支点にして振った時では明らかに音質が違うんです。

そしてそれをファットなボディではなく、薄いボディの中で実現しているということ。

これってスゴい事だと思いません?

とか散々書き倒しておきながら、一種類のラトルしか入ってなかったら一生笑いもんですよねw

てか一種類のラトルでこの多様なサウンドを実現できてるとしたらそれはそれでスゴいことですが。

ウィードレスシャッドというからにはウィードガードにも触れておかないとダメですね。

先端のみ平打ちされたワイヤーをガードにしていますが、このワイヤーのバネ定数はあまり高くないので、タフなウィードだとあまり効果は期待できません。

すり抜けの良さそうなヘッド形状なので、ライトカバーぐらいだったらヘリコプターフォールするパンチングミノーとして使えるかなと思ったりもしましたが、それはちょっとムリそうですね。

とはいえこれはディープレンジのウィード用であって、シャローにあるような分厚いパッドでの使用を想定してないので、通常使用においては全く問題ありません。

問題なのはのんだくれの妄想範囲の広さですから😂

カラーはラパラ伝統のシャイニー系パーチ。

ウロコ模様が刻まれたボディの上に被せる事でより生っぽく感じられますね。

そういえば昔、パールベースにパーチパターンを吹いた通称 ”旧パーチラパラ” の価格が高騰してましたが、アレは今どうなったんでしょうか。

過去にもドラえもんパールと呼ばれるファットラップSSRが高騰するなどオールドラパラは定期的にカラーによる価格の乱高下が起きますが、こういうのもラパラの人気を証明してますよね。

ネームは近年のラパラに共通するロゴとネームのコンビプリント。

サイズ表記もちゃんと入ってるのが北欧ブランドっぽいですよね笑

北欧ブランドのルアーはサイズ表記だけにとどまらず、潜行深度や浮沈設定まで表記したがるちょっとおせっかいなところがあります。

しかし中にはこのルアーのように細かくスペック表記されてるのに、肝心のルアー名がどこにも無いという間抜けなモノも。

北欧モノのプリントは他にもアホなものがあるので、気になった人はいろいろ検索してみてください😂

しかし気になるのはウィードレスシャッドの後ろの ”8” というサイズ表記。

他にサイズバリエーションがあるのかと思いきや今のところこの8センチだけ。

今後サイズを増やす予定なのかどうかは分かりませんが、もし増やすつもりがあるなら、シングルフックをやめて背中のガードワイヤーのところにトレブルフックを背負ったモデルを出して欲しいなと。

まあその時点でウィードレスシャッドじゃなくなっちゃいますけどね😂

とまあこんな具合で釣具屋のトリップから始まり、その後もこのウィードレスシャッドで延々と妄想を続けてるワケでございますが、未だオサカナは一尾も釣れてません😭

でもそれでイイんです。

たくさんの楽しい妄想時間をもたらしてくれた時点で値千金、オサカナ千尾なんですから😁😁😁

しかしこれでちゃんと釣った人っておるんかいな。

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