水温も下がって来て安定するといよいよ振動系ルアーが威力を発揮する時ですね。
低水温時の振動系と言えばメタルバイブが筆頭に挙がりますが、のんだくれはどうもメタルバイブとの相性がイマイチ。
何本か釣ってはいるんですが、なんかしっくりこないというか違和感が拭いきれないまま今に至っています。
そんな中、先日手に入れたこのバイブを使ってみたところ、かなーりイイ感じだったので、もしかしたらポストメタルバイブになるんじゃないかと思って久々に記事をアップしてみました。
これはパトリック・セビル率いるセビルルアーズのフラットシャッド。(セビルはピュアフィッシングに買収された後2014年に廃業)
確か2008年に発表されたルアーだと記憶してますが、日本でもアメリカでも出会う機会がありませんでした。
しかしちょっと前にタックルベリーでたたき売りされてたので、この時とばかりに総買い。
こういう買物感覚は永遠に治りそうにありません。(T_T)
ルアーのカテゴリーとしては、シンプルなノンラトルのリップレスクランク。
これに限らずセビルのルアーは欧州系ブランド特有のクセの強い表情を持っているので、キワモノに見えてしまいますが、アクション自体は基本に忠実。
このボリュームある体躯を大聞くブリブリと振ってアピールする、オーソドックスなバイブレーションプラグに仕上げてきています。
しかしどんなルアーもフツーで終わらせないのがセビル一家の掟。 このフラットシャッドにもしっかりセビルならではのコンセプトが盛り込まれています。
まずは徹底した低重心設計であること。
これはノンラトルコンセプトにも通じる部分があると思うんですが、専用開発の固定ウェイトを装備することで、スイミング中の姿勢の安定と、リフト&フォールメソッドでのライン絡みを解消しています。
実際に使ってみてもエビになることはほとんどなかったので、この辺は造り込んだ感がありますね。
このルアーには通常のシンキング以外にサスペンドとエクストラヘビーシンキングがラインナップされており、当然設定によってウェイトの大きさが変えてあるので、それに対応するための専用開発でもあるんですけどね。
ラトルを封入していない分、薄く仕上げられたボディのサイドには、グルーブを設置することでより大きな振動を生み出す配慮もなされています。
気になるアクションの立ち上がりは、十分に及第レベル。
特別に早いということもありませんが、超低重心であることを考慮すると、かなり頑張ってる部類ではないかと。
又、他のセビルルアーと同様にサイズバリエが多いのも、他社のリップレスクランクと違うところ。
コイツには35ミリのチビスケから125ミリの弩級ママまで、なんと6サイズも、さらにシンキングだけでなくサスペンドモデルも用意されています。
フレッシュ/ソルトを問わず、ひたすらゲームフィッシュを追い求めるセビルの開発理念が息づいているのがこのラインナップからも分かりますね。
ちなみに、最近知ったんですがセビルのオーナー、パトリック・セビルは、ターポンのワールドレコードホルダーでもあります。
まあ確かにあんなおっきなオサカナ釣っちゃったらサイズ展開が膨らんじゃうのは仕方ないでしょうね。
全然関係ありませんが、パトリックはのんだくれと同じ大のKISSファン。
iRodのマット・ニューマンからパットを紹介されたんですが、初対面からKISSアーミーにしか分からんキーワードが飛び交って、それはそれはキモい世界でした。
カラーは典型的なレインボートラウト。
西海岸のリザーバーでは定期的にトラウトが放流されているので、このカラーは外せません。
カラーチャートの中には、血を模したレッドの液体とオイルをボディに封入したブラッドレッドカラーや、泣く子も黙るラメ入りのグリッターギター系も設定されていて、ギミックの点においても抜かりはありません。
このモデルはソルトウォーター用なので塩水針ですが、淡水モデルにはブラックニッケルのハリが装備されています。
個人的にはメンテナンスがラクということもあって、好んで塩水針を使いますけどね。
多分中国か台湾あたりで生産してるはずですが、クオリティ的には十分という印象。
一昔前までは国産以外のハリは… という声が数多く聞かれましたが、ストイックに追及している方でない限りは全く問題ありません。
お約束のネームは背中とハラのダブルプリント。
いーですね、こーゆーのは。
ネームプリントのお手本と言ってもいいでしょう(何が?w)
メタルバイブほど鋭角的なブルブルではありませんが、サイズやシンキングレートが選択できるし、なによりもメタルブレードでは絶対に実現できないプラスチックならではのゴーストカラーがあるのが嬉しいですね。
フィネスが日本の総代理店になっていて、全部ではないにしろそれなりに入ってきているはずなので、気になったら是非トライしてみてくださいな。