マグナムバッド Magnum Bad / フレーク Flake. Co. Ltd.

ウェイクベイトコーモラン プロダクト Cormoran Productノイジー・ウォーカーベイト

 

”いくらなんでもコレはアカンでしょ”

 

と、思わず言いたくなるのが日本が世界に誇るパクリの権化・コーモランが放ったマグナムバッド。

 

いくらビッグバドが一世を風靡したからといって、やって良い事と悪い事の区別ぐらいつくだろ!と思ってみたものの、遥か彼方の昔からパクリをし続けてる会社なんだから仕方ないか。

 

ということで今日のゲストは日本の… いや、コーモランのパクリ史上最強最悪のルアー、マグナムバッドでございます。

 



 

最初にお断りしておきますが、 一応のんだくれはコーモランのファンなんですよ。

 

パクリという行為自体はよろしくないけれど、コーモランのパチモンが日本のルアーフィッシング黎明期に裾野を広げたという功績は認めるし、反面教師という意味でも役に立つ存在だと思ってますから。

 

でもそれはまだコーモランの製品にはツッコミどころがあるから言えた事。

 

まだパクリとしての可愛げがあったから愛せたんです。

 

しかしこのマグナムバッドはどう見てもアカンでしょ。

 

可愛げどころか笑える要素が無いんですもん。

 

 

 

ボディ寸84.5ミリ、自重33.5gという圧巻のサイズはかつてハルシオンシステムがリリースしたバッドパッカーよりは小さいものの、パチとは思えないほどの威圧感。

 

なぜならこのマグナムバッドはビッグバドのメイジャメントを採寸し、そのまま拡大したクローンルアーだから。

 

各部のサイズを計測したところ、ビッグバドの形状そのままに忠実に17%拡大されていることから、ビッグバドの外寸をスキャンしてデータを起こしたというのがミエミエです。

 

というか、スキャンしたことをむしろ誇示しているようにすら見えます。

 

いくらなんでもこれはダメですよね。

 

このマグナムバッドを見ていると、昔会った中国の業者が、”元になるルアーを送ってくれればすぐにスキャンして完璧に同じものを作ってやるから!”と自慢げに言ってた様子がオーバーラップしてしまいます。

 

 

 

とまあいろいろ考えさせられるルアーですが、実際に泳がせてみるとそのパワーには圧倒されます。

 

そもそもビッグバド自体がパワフルなルアーなので、マグナムバッドにパワーがないワケはないんですが、それを差し引いたとしても圧巻のパワー。

 

まずリトリーブ時のトルクとそれによって生み出される水押しがすごい。

 

リールを巻き始めると、リトリーブ抵抗とはまた違う意味での抵抗がアングラーの手首にググッと伝わってくるのです。

 

数値だけで見れば17%の拡大だけれど、水押しのパワーはそれ以上、もしかしたら2倍ぐらいになってるかもしれません。

 

そのパワーはボディ体積が大きくなったことによる浮力増大に起因しているのは明らか。

 

しかもその浮力は、ルアーアクションの立ち上がりにも好影響を与えているのです。

 

ビッグバドを使ったことがあるアングラーならわかると思いますが、実はビッグバドは動き出しがちょっと鈍いルアーとしても知られています。

 

 

 

ビッグバドはリールを巻き始めてもボディを揺さぶり始めるまでに一瞬の間があり、そしてテールのブレードがぶつかって安定して音を出し始めるまでにさらに間があるので、最強と言われる状態になるまでにどうしてもタイムラグが発生してしまうのです。

 

気にならない人もいるかもしれませんが、この”間”が生み出す差は意外と大きく、リトリーブスピードによっては完全にアクションが立ち上がるまでに20〜30cmの距離を要することも。

 

フローターからの岸撃ちをやったことがあるアングラーならば、この助走距離が釣果に大きく影響する事はもうお分かりですよね。

 

実はコーモランのマグナムバッドには巻き始めからアクション完成までのタイムラグがほとんどないのです。

 

巻き始めた瞬間にリップが仕事を始め、ビッグバドの半分以下の距離しか泳いでいないのに、もうブレードが鳴っている感じ。

 

このレスポンスの向上は、ボディ容積拡大による浮力増強に加えて、リップが大きくなったことによって水を受け止める能力もアップしたことが強く作用していると思われ。

 

 

 

そしてブレードが大きくなった事によってブレード自体の慣性モーメントも強くなり、その分ボディに強くヒットしてより大きなサウンドを発するという好サイクルを生み出しています。

 

しかもリトリーブすることによりボディが前傾姿勢となり、テール部がほぼ水面上に出るようにセッティングされているところもミソ。

 

それに合わせてブレードを上部に設置する事で、アングラーとバスの両方に向けてラウドな金属音を撒き散らすという設計になっているのです。

 

そしてブレードが大きく振られることにより、ビッグバドよりもイージーに首を振らせることもできるという芸当も。

 

さらにラトル入りとノンラトルの2バージョンをリリースすることで、アングラーの好みにもしっかりと対応しているのです。

 

ここまで書いたらもう分かりますよね。

 

このマグナムバッドは、ビッグバドを使ってると誰もが思う、”ココがもうちょっとアレだったらイイのにな” を全て解決したルアーとして “開発” されたものだったったのです。

 

最初は単なるパクリルアーかと思ってましたが、このマグナムバッド、相当ヤバい存在ですぞ。

 

 

 

バルキーなボディに合わせてフックは前後とも#2/0のビッグサイズを装備。

 

フック1本で2g弱あるので、ルアーの泳ぎを安定させるウェイトとしてもしっかり働いています。

 

デビュー当時はデカ!と思ってたのに、今見ると普通に思えてしまうのはもはやお約束ですね。

 

しかしのんだくれとしてはボディにネームがないのはスーパー残念。

 

悪ノリでパクってるんだから、ネームプリントも悪ノリで決めて欲しかったですね。

 

ちなみにこのマグナムバッドを出しているフレーク FLAKE. CO.LTD. というブランドですが、各社の商品をパクリまくってると有名です。

 

フレークに自社商品をパクられた!という業界関係者の話は死ぬほど聞かされています。

 

パクる側にはパクる側の言い分(逃げ口上?)もあるのでここではフレークという存在の可否には触れませんが、ここまであからさまにパチモンを連発しているところを見ると、ブランド名にCO.LTD.と付けることでコーモランとは別の会社組織っぽくして、非難の矛先を躱す意図もあるんじゃないかと勘繰っちゃいますよね。

 

CO.LTD.(株式会社)にしてるけど、ホントに会社登記してんのかな?とかw

 

その辺の裏事情に詳しい方、是非情報をお待ちしております😁

 

 

 

とまあそんな感じでグダグダと書きましたが、裏事情はともかく、ルアー単体で見ると非常に良く出来ています。

 

のんだくれはこれで釣った事はありませんが、ちゃんと使えば問題なく釣れちゃうでしょう。

 

でもね、なんか使う気になれないんですよね。

 

ダウンサイジング版のミニバッドにも言えますが、いくら内部構造を変えているとはいえ、パクリ屋がパクリ屋としての節度を弁えずにデータスキャンしたまんま物を出してきたらもうアウトだと思うんですよ。

 

パクリ屋がツッコミどころのないクローンを出したらもう笑えません。

 

パチモンはパチモンらしい可愛げがあるからこそ使いたくなるという基本を忘れちゃダメですよね。

 



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