人生初のデカピーDR
以前デカピーナッツの記事を書いてから久しくピーナッツシリーズから遠ざかってましたが、先日ショップに立ち寄った際、ホワイトスプラッターバックのデカピーナッツIIのDRバージョンを発見。
このカラーパーターンに目が無いのんだくれは、ダイワがこんなの出してたんだ!と即お持ち帰り。
後になってよくよく考えてみたら、のんだくれはデカピーナッツのDRバージョンを持ってなかったので、これが人生初のデカピーDR。
ということで早速投げてきました。
正常な進化を経てデカサイズに
このデカピーナッツII DRについてはありとあらゆるサイトで紹介されているので、細かいスペックなどは書きませんが、サイズ、ウェイト共に非常に扱いやすく進化しています。
初代ピーナッツが登場して40年が経ちましたが、釣れるバスのアベレージサイズも当時よりも大幅に上がったので、ボディの大型化は正常な進化ですよね。
こうして並べてみると、当時は適正なサイズだと思ってた初代がタイニーサイズに見えちゃいますね。
デカピーナッツII DRのサイズ・重さ
デカピーナッツII DRはボディ長60ミリ、自重15.5gというサイズにまとめられています。
このルアーのイイところは、ピーナッツII DRの良さをパワーアップすることでシリーズ全体の底上げができているところ。
ひと言で言うと、”他のサイズも欲しくなる” という良さがあるんです。
そうなんです。
ただボディを大型化しただけではないんです。
こう書くと、そんなんあったりまえじゃん!と言われそうですが、内外のルアー史を紐解くと、サイズ展開を始めた途端にシリーズ全体のコンセプトがボヤけ、その結果死んでしまった残念なルアーが非常に多いので、他のサイズも欲しくなるというのはウルトラスーパー重要なポイント。
オリジナルモデルは溺愛してたのに、シリーズ展開を始めたら急に興味なくなっちゃったルアーって、誰にでも一つや二つありますよね? アレです、アレw
絶妙な潜行深度設定
DRなのでしっかり潜ると思いきやリップの見た目ほどは潜らず、カタログ値で約1.5mという深度設定になっています。
のんだくれは米規格の20lbラインで投げているので、体感的に1.2mぐらいがMAXでしょうか。
この潜航能力を見て、ナイス!と思うか、なんだ意外と潜らねーじゃんと思うかは人それぞれですが、のんだくれ的にはこのリップ形状で実用レンジを攻められるのは最強!ではないかと。
“普通”を極めたリップ形状

左からバンディット200、デカピーナッツII DR、モデルA B06A
リップ形状はバンディット200とモデルAのちょうど中間ぐらい。
アクションは小気味よいブルブル感を持った典型的なウォブリングクランクです。
リトリーブ抵抗も重過ぎず軽過ぎず。
飽きることなく長時間ストレスなく巻き続けられる味付けがなされています。
視点を変えれば、これといった特徴のないどこにでもあるクランクベイトということになりますが、ピーナッツのようなベーシックモデルでは普通であることが重要な要素となってくるので、そういう意味ではかなりの高得点でしょう。
普通を極めるという、最も難しい課題に取り組んで成功した数少ない例ですね。
しかしのんだくれが着目しているのはそのアクション特性ではなく、このリップが実に高いカバー回避能力を備えているからなのです。
実はこのピーナッツII DRは対カバークランクベイトとしてはかなり優秀です。
その中でもレイダウン系のブッシュでのすり抜けは特筆に値します。
ダイワのウェブサイトでもカバークランクとして使える的なことが書かれていましたが、広告に偽りなしと言えるでしょう。
ただそれは、一点の事項を除いて、という条件付きですが。
それはまた後ほど詳しく説明します。
クランクベイトのデッドリーカラー”スプラッター”
カラーはのんだくれの大好物、ホワイトスプラッターブラックバック。
ダイワのカラー名ではスプラッターホワイトとなっています。
単にスプラッター(飛沫)パターンで塗っただけでなく、微細なオーロラフレークが散りばめられているところに、違いを出そうとしているダイワの気合いが見えますね。
実はこのスプラッターパターン、日本では全然人気無いんですが、米国クランカーの中では絶対外せないカラーとして定番となっています。
基本的にスプラッターはオールマイティに効くカラーとして知られていますが、ステイン〜ややマディ寄りの水質でその実力が爆発します。
日本ではイマイチだが米国では定番カラー
のんだくれも昔は全然興味なかったんですが、いつだったかキャッチングコンセプトのハーマンと出撃した時にスプラッターパターンの威力に打ちのめされました。
その時は、ビーバーの巣があるシャローにこのカラーを通すと明らかに反応が変わり、ワンキャストワンヒットとは言わないまでも、それに近い状態になりました。
それ以来、ホワイトスプラッタードレスを見ると無条件でレジへ連れて行く症候群を発症してしまい、いろいろタイヘンな事になってますが😅
でも残念なことにこのホワイトスプラッターパターンは日本では人気がないので国産メーカーはあんまり出してくれないんですよね。
のんだくれの知る限りではこのダイワの他にミブロとシマノぐらい。
あとはインディーズのハンドメイド系で、同じスプラッターでもチャート系かグリーン系のものばっかり。
まあ売れないカラーなので仕方ないんですが、逆の見方をすれば、売れないカラーでも出してくれているブランドはガチなんだなと。
なのでこの画像のように、おいしいところは海外勢に持って行かれちゃうというちょっとサミシイことも。

引用:https://www.facebook.com/bassprokimken/posts/2560287097412107
高浮力がもたらすレスポンスとキックバック特性
さてさて、話をピーナッツに戻しましょう。
デカピーナッツIIはボディ容積が大きくなった分、浮力もアップしてアクション特性にも好影響を与えています。
その動き出しのクイックさはなかなかのもの。
カバークランキングでは10cm潜らせたらすぐにブッシュの枝に当たるなんて状況はザラにあるので、瞬時にアクションが立ち上がってルアーの存在をアピールできるのは必須項目ですよね。
さらに浮力が強いのでキックバックのスピードも早く、当たったら止めて浮かせるという一連の流れをテンポよく繰り返すことができます。
ただこのピーナッツII DRはスパイラルしながら浮上する特性ゆえ、張りのあるラインでないと浮上時にリアフックが根掛かりするという事象が起きやすいクランクです。
ブッシュに撃ち込む時は注意が必要ですね。
カバークランキングに適したライン
ちなみにのんだくれはカバークランキングには米規格20lbラインを使用しています。
日本規格だと25lbぐらいのラインウェイトになりますが、デカピーナッツII DRのウェイト(15g)ならば余裕で25mぐらいは飛ばせますし、何よりも根ズレ耐性がズバ抜けてます。
そもそもカバークランキングで15m以上飛ばす事はあまりないので、メリットしかないと言ってもいいでしょう。
強みでもあり弱点でもあるフック
フックはお約束のファインワイヤーが装備されています。
そうです、”根掛かったらフックを伸ばして回収できる” をウリにしているアレです。
デカピーナッツIIの記事でも書きましたが、のんだくれ的にそのセールスポイントはデメリットでしかありません。

先に “一点の事項を除いて” と書いたのはコレなんです。
つまり、せっかくデカイのを寄せることができる性能を持っているのに、デカイのが獲れないフックをつけてるとは何事だ、ということ。
かつてダイワから発売されていた”超”激釣れクランク、RPMクランクMID-4はカバー回避性能に長けた名作として知られていますが、MID-4のフックと比べると、ピーナッツII DRの標準フックがいかに華奢かが分かると思います。

なので実釣版ではこの通りフックを交換して使っています。
使用しているフックは、シャンクがベリーショートのVMC#4。
このフックはデカイのが来ても安心してやりとりが出来るだけでなく、もう一つ大きなメリットをもたらしてくれます。
フック交換で別のステージが開ける
それがコレ。
ショートシャンクにする事により、スプリットリングを強化してもフックポイントを約5mmボディ側に寄せることが出来て、かつボディ断面がより太いところにフックポイントが来るのでスナッグレス性能が飛躍的にアップするんです。
のんだくれはこのセッティングを見つけてすぐに、ビーバーの巣の横を通したい!という欲望に駆られました。
ご存知の通りビーバーの巣は、無数の木の枝で構成される究極のブッシュ/レイダウンですからね😁
根掛かってもフックを伸ばして回収できるクランクと、すり抜け性能が高いクランクのどっちを使いたいかと聞かれたら、そりゃ回避性能が高い方ですよね。
フックを交換するだけで性格が大きく変わるルアーは数多く存在しますが、このピーナッツII DRはその中でも劇的に変身する部類なので、カバークランカーの方は是非試してみてください。
VMCのベリーショートシャンクは日本ではなかなか手に入りませんが、同様のスペックで ヴァンフック刃金トレブル DT-44B short
ちなみに刃金トレブルはVMCより少しだけシャンクが長いのですが、スプリットリングのサイズを変えることでフックポイント位置の調整が出来るので好みのポジションを見つけてください。
デカピーナッツⅡ DRのネーム
肝心のネームスタンプはハラにこの通り。
個人的にもうちょっと大きくプリントしてあれば100点なのになーどと思ってみたり。
デカピーナッツⅡ DRが抱える大問題
潜行レンジが実用的、かつ基本に忠実なクランクであり、実売700円前後というリーズナブルな価格に加えて、どこでも簡単に手に入る安心感は名品としての要件を十分に満たしており、もう言うことない!と言いたいところですが、実はひとつだけ大問題が。
スプラッターホワイトを置いてる店がどこにもなーい!
釣れ釣れカラーを置いてないって、由々しき問題ですよね? そう思いません?