フットルース Footloose / バンディットルアーズ Bandit Lures

フットルース誕生の裏にはあのクランクの影響があった?

バンディット フットルース 初期 ボーン素材 ラトル ウェイクベイト インプレ

 

1989年、ワンマイナスの登場で一気に需要が高まったスーパーシャロークランクのカテゴリー。

 

色々なメーカーから打倒ワンマイナスな商品がリリースされるも、なかなかマンズの牙城を崩せずにいました。

 

そこに現れたのがこのフットルース。

 

ワンマイナスを駆逐するほどの存在ではなかったものの、当時まだ駆け出しだったバンディットルアーズの存在を強く印象付けた記念すべきルアーです。

 

ベビーワンマイナス Baby 1 Minus / マンズ Mann’s Bait Co.

 

デビュー当初から評判が高かったフットルース

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デビュー当時、サンピングラトルサウンド (Thumping = 強くゴンゴン当たる状態を表す) をウリにしていたとは思えないほど気の抜けたブサカワ系和みフェイスがフットルースの特徴です。

 

しかしその間抜けな表情とは裏腹に、実力はなかなかのもの。

 

ヤル気満々でシャローに出ているバスはもちろん、中層でボケーッとしてるサスペンドバスのヤル気スイッチを強制的にオンにしてトップまで引っ張り上げてしまうので、アメリカンルアー通の間では早い段階から必携ルアーの称号が与えられていました。

 

 

フットルースのサイズ・重さ

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フットルースは全長50mm、自重1/4oz(実測9.2グラム)の小型クランク。

 

サイズ的にはベビーワンマイナス(56mm、11グラム)とほぼ同じなので、両者はよく比較対象にされていました。

 

しかしこのフットルースは、同じ土俵でベビーワンマイナスと比較してはいけないほどの別物クランクなのです。

 

 

強烈に水を攪拌するフットルースのボディライン

 

それはこのボディ形状。

 

フットルースのボディはサイド部分がほぼフラットになっています。

 

このフラットサイドが激しいウォブリングアクションとタッグを組むことで強烈に水を掻き回してくれます。

 

ベビーワンマイナスのボディ断面はぼぼラウンド形状で、かつアクションの系統もローリングなので、両者は同じスーパーシャロークランクのカテゴリーでありながら、全く違った性格を持っているのです。

 

これはどちらが良いか悪いかではなくアクション特性の違いの話ですが、この二つを単純に比較するのはちょっと無理がありますよね。

 

そもそもベビーワンマイナスはシャロークランクであってウェイクベイトではないので、引き合いに出された当の本人は、”え、俺なの?(困惑)” な感じですよね😁

 

ちなみにマンズはその後、完全なウェイクベイトとしてその名もズバリな “ウェイカー” をリリースしています。

 

ウェイカー Waker / マンズ Mann’s

 

 

アンバランスなリップがフットルースの動きの秘密

バンディット フットルース 初期 ボーン素材 ラトル ウェイクベイト インプレ
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そんな激しいウォブリングアクションに一役買っているのはこの無骨なリップ。

 

デザイン的にどーよ?なバランスのリップですが、実はフットルースの秘密はこのリップにあるのです。

 

ウォブリングエネルギーを生み出した後の乱水流を、リップ裏面の緩やかなラウンド形状が適度に整流することでボディの不安定な挙動を抑え、さらに内部で暴れ回るやんちゃなラトルボール達の慣性モーメントにも振り回されない安定感を生み出します。

 

つまり大きなリップで受け止めた水の抵抗をアクションへのエネルギーに変換するのと同時に「パワフルな水の攪拌力」と「安定したスイミングアクション」という相反する要素をうまく両立しているのです。

 

のんだくれは昔、ウォブリングアクションのキレ増幅を目論んでフットルースのリップ裏面を削って薄くした事があります。

 

リップを薄くすれば、その分の水の抵抗も減ってもっとキビキビ泳ぐんじゃないかという素人考えからのトライです。

 

しかし実際に泳がせてみると、キレが増すどころか逆にもっさりとした動きになり、ファーストリトリーブにもついて来れないダメダメ君になった事から、このリップの裏面ラウンド形状にも機能がある事を知りました。

 

それを思うと、リップの裏側がラウンド形状になっている、もしくは不自然なほどリップに厚みがあるウェイクベイトには高評価のものが多いような気がします。

 

例えばガイアのウェイクマンとかラッキーのアレとか。

 

もちろんボディシェイプやウェイトバランスなどの複合的要素があっての結果なのでリップが全てではありませんが。

 

 

フットルースはボディにも秘密が隠されている

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フットルースの泳ぎを分析する上でもう一つ忘れてはならないのが、このボディサイドにあるグルーブ(溝)です。

 

車のフェンダーやパワーバルジを思わせるデザインで、最初は単なるお飾りなのかと思ってましたが、どうやらここにも機能が付与されているようなのです。

 

これはのんだくれの勝手な推測ですが、ヘッドが受け流した水流がこのボディサイドの溝によってテールエンドへスムースに導くかれるという一種のガイドラインになってるのではないかと。

 

おそらくリップ裏のラウンド形状で整流された流れと、ボディサイドを流れてきた水流との干渉を抑える機能も果たしてると思われます。

 

ヘッド部が受けた水流がボディサイドを通り、ベリー部後方へ抜けた瞬間に反対サイドの水流と合流し、さらにその流れをルアーのウォブリングが攪拌することで、バスの側線を刺激する複雑な水流を生み出しているのではないかと。

 

実はボディサイドにこういったグルーブがあるクランクベイトは他にいくつもあり、そのどれもがよく釣れるクランクとして知られています。

 

バンディット フットルース 初期 ボーン素材 ラトル ウェイクベイト インプレ

 

これはかつてビルルイスルアーズからリリースされていたディープL(のちにゴーディーパーLに改名)ですが、このルアーにもしっかりとグルーブが刻まれていて、尚且つよく釣れるルアーでした。

 

このグルーブはミスターツイスターのフィッシャーマンクランクや最近ではバンディットの100、200、300にも見られるので、おそらく確証があってこのデザインになってるんでしょうね。

 

 

スポーツフィッシャー クランクベイト Sportfisher Crankbait / ミスターツイスター Mister Twister

 

バンディットとビルルイスの意外な繋がり

そういえばディープLで思い出しましたが、この間Twitterのタイムラインでこんな投稿を見かけました。

 

 

 

詳しい内容はツイートを読んでいただければ分かりますが、ざっくり説明すると、バンディットのダイビングクランク300シリーズは、元々ビルルイスのディープLで、ビルルイスがバンディットに販売権利を売ったものだったのです。(衝撃の事実!!!)

 

確かに初代の300はディープLに似ていましたが、まさか両社の間でそんなやり取りがあったとは知らず、のんだくれは躍起になってオリジナルのディープLを探してました。

 

いやー、こういう事実をエンドユーザーである我々が知る事ができるのはSNSの功績ですよねー。

 

新事実が分かってテンション上がった反面、捕獲対象リストに初代300が増えてしまったので(これがディープL同様、全然出てこない)悩ましいことではあるんですが😅

 

 

ラトルサウンドまで徹底的に研究されたフットルース

バンディット フットルース 初期 ボーン素材 ラトル ウェイクベイト インプレ

 

さてさて話を元に戻しましょう。

 

フットルースの秘密はこれだけでは終わりません。

 

“サンピングラトルサウンド”とメーカーが売り出していた通り、このフットルースは内臓ラトルの響きも他のクランクとは違うのです。

 

このラトルサウンドの特徴をひと言で表すと、”強いジキジキサウンド” になりますが、この響き方が規格外なんです。

 

 

フットルースのラトルはボディの内部を自由に跳ね回る遊動ラトル方式を採用しているのですが、このサイズのクランクベイトとしては異常なほどよく響くのです。

 

ボディ幅17ミリ、内寸ではおそらく15ミリにも満たない助走距離にも関わらず、ヘタなワンノッカー系ペンシルベイトよりも強いインパクトで内壁に当たって強いインパクトを生み出しているのです。

 

メーカーがわざわざサンピングと名付けたぐらいなのでラトルサウンドも徹底的に研究したと思われますが、このサイズでこれだけの音量と衝撃波を出されたら、そりゃ釣れるよねと納得しちゃうレベル。

 

今でこそネットでこういった情報を手軽に入手できますが、このルアーが発売された頃はまだYouTubeすら無かった時代ですから、サンピングラトルサウンドと命名してまで伝えたかったこのインパクトにバンディットは相当の自信を持ってたんだろうなーと。

 

 

ボーン素材とノーマルABS素材のどちらが釣れるか

 

でもラトルサウンドと聞くと、ボディのプラスチック素材には何を使っているのかも気になりますよね。

 

つまりボーン素材かそうでないかという、クランカーお約束のアレです。

 

バンディットの開発陣もそのあたりを重視していたようで、このフットルースにも甲高いラトルサウンドを発するボーン素材のモデルがラインナップしており、それは確かにハイトーンなサウンドを奏でてくれます。

 

その存在と威力がネット拡散されたこともあって、某オークションサイトでは高額取引されているなど超人気アイテムとなっています。

 

ですが、のんだくれ的にはボーン素材のモデルにはあまり興味がありません。

 

なぜなら通常のABS樹脂モデルでも十分に結果が出ているから。

 

かつてフットルースがそれほど注目されておらず、普通に売られていた頃、新橋にあったフィッシャーマン(懐かしー!)で1個500円前後で大量に売られていた事がありました

 

その際にボーンモデルもノーマルモデルも両方仕入れて相模湖や津久井湖で使い倒しましたが、釣果は変らずどっちも普通に釣れました。

 

カラーバリエーションの多さからノーマルABSの出撃頻度が高かったのもあるんでしょうが、記憶ではむしろノーマルの方が釣れてたイメージです。

 

なのでフットルースはボーン素材じゃないと釣れない的なネットの書き込みを見ると思わず薄目になってしまいます😁

 

ま、この辺はモチベーションというかメンタルの要素が作用する世界でもあるので、どっちが良い悪いではありませんが、ボーン素材のみを追いかける風潮はちょっと違うんじゃないかなーと。

 

 

フックはマスタッドのトリプルグリップ標準装備

バンディット フットルース 初期 ボーン素材 ラトル ウェイクベイト インプレ

 

フックは前後ともマスタッドのトリプルグリップ#4を採用。

 

当時パッケージにもデカデカと謳われていましたね。

 

のんだくれはこのフックの可否についてノー書きタレるほどフックフリークではないので詳しくは分かりませんが、いつだったかキャッチングコンセプトのファクトリーに行った時、ハーマンもウェイクベイトはトリプルグリップに限るみたいなことを言ってたのでやはり何がが違うんでしょうね。

 

 

雑なパーティングライン処理は初期バンディットのトレードマーク

バンディット フットルース 初期 ボーン素材 ラトル ウェイクベイト インプレ

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そんなナイスなフットルースですが、機能以外の部分は超テキトー😁

 

見てくださいよこの雑なパーティングライン処理を。

 

釣れるんだから細かいことをブーブー言わないの!と開き直ってるかのような処理に思わず笑っちゃいますね。

 

しかし一度でもフットルースの実力を目の当たりにしてしまうと、この雑な処理にブー垂れてた人もこの貼り合わせにベタ惚れしちゃうんですから現金なもんですよ、アングラーって奴は!😁

 

ただ、せっかくフットルースというナイスな名前があるのに、ネームプリントが無いのはかなり残念ですね。

 

ちなみにフットルースとは一般的に、足枷が無くてどこへでも自由気ままに出歩いてゆく人のこと。

 

このルアーのイメージと自由人というイメージがあまり重ならないので、もしかしたら米人お得意のダブルミーニングとかディープミーニングがあるのかもしれません。

 

 

バスの反応が飛び抜けて良いソリッドパールホワイト

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ついでにのんだくれイチオシのカラーも紹介しちゃいましょう。

 

画像のカラーはホワイトをベースにパールが吹いてあるソリッドカラーで初期のバンディットでは定番だったカラーですが、もしこのカラーを見つけたら死ぬ気で獲りに行ってください😂

 

どういう訳かこのカラーへの反応がすこぶる良いんです。

 

おそらく強めに吹かれたパールが太陽光線に当たることでボワンと膨張してルアーの輪郭を消してくれつつも強いアピールを放つからだと思うんですが、特にステイン〜マディ系の水域ではその実力を発揮してくれます。

 

これも先述の新橋フィッシャーマンで安売りされてたうちの一つですが、同様のパターンでオレンジベリーのモノもあるので気になった方は是非探してみてください。

 

 

まとめ

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このフットルースの活躍がキッカケとなりバンディットは一躍脚光を浴びました。

 

同時にフットルース以前にラインナップしていたクランクシリーズの実力も知られるようになった事で、クランクベイト専門のメーカーとして歩み始始めることも出来ました。(現在はジャークベイトの生産も再開している)

 

そののちルアーデザインの巨匠ジェームズ・ゴーウィングを迎えるなど躍進を遂げ、近年プラドコ傘下になったのはみなさんご存知の通りですね。

 

残念ながらフットルースはカタログ落ちしてしまったので市場在庫を探すか中古で手に入れるしかありませんが、ボーン素材モデルでなければ比較的入手はしやすいと思います。

 

ルアーの威力を味わうのと同時に、メジャーブランドになるために必死だった頃のバンディットを思いながら投げれば、また違ったものが見えてくるかもしれませんぞ。