いまさら話ですが、のんだくれの好物はマイナーなルアーです。
今の仕事を始める前から海外のマイナールアー情報を眺めてニヤニヤ、ポチってニヤニヤ、泳がせてニヤニヤ、焼酎グラス片手にニヤニヤな日々を送っていました。
そんなのんだくれが昔から定期チェックしているのが欧州のパイクマーケット。
パイクフィッシング用ルアーというと大味なイメージがありますが、実は日本でもかなり使えるものがあったりするのです。
今日のゲスト、ローバイトはそんな欧州からの刺客です。
ローバイトとは
ローバイトはデンマーク、コペンハーゲンに拠点を置くタックルブランド、ウェスティンが2013年にリリースした ”ウォブラー”です。
ウェスティン社は日本ではほとんど知られていませんが、北欧パイクフィッシャーの間では定番ルアーとなっているイエッタ Jätte のメーカーとして知られる1970年代創業の老舗です。

ウェスティンのイエッタ。日本でも一部のシーバスアングラーから絶大な支持を得ている
そんなウェスティンが2010年ごろから北米や豪州マーケットへの進出を始め、ローバイトはあらゆるプレデターに対応できる世界戦略商品としてデビューしたのです。
サイズ・重さ
ローバイトは全長150ミリ、自重68gの弩級クランクベイトです。
ローバイトをひと言で言うならば、クランクのフォルムを持ちながらもミノー的な要素も持ったビッグベイト。
パイクのみならず、フィッシュイーターならなんでもござれ的なオーラを纏ったヤル気のあるルックスが特徴です。
以前紹介したキラルアーのジュイー150や、国産ルアーで言うところのイマカツのブルバイソン400やメガバスのBIG-M20が近いと思いますが、それらとローバイトとの最大の違いはスローフローティングであること。

サスペンドに近い浮力ゆえに、クランクベイトらしからぬヌメッとした動きができるのです。
トルキーなガコガコローリングアクション
ローバイトはトルクフルなローリングアクションが特徴。
欧州でいうところの典型的なウォブラーですね。
グワングワンと水を攪拌しながら大きなラトルボールをガコガコと鳴らして泳ぐその姿はまさに弩級シャッド。
アメリカにはビッグサイズのシャイナーやシャッドをライブベイトにしてモンスターバスを狙うフィッシングスタイルがありますが、それに使えそうです。
北欧の多くのプレデター用ルアーはトローリングでの使用も想定しており、一定スピードのリトリーブでどれだけアピール出来るかに重点を置いて開発されていますが、おそらくこのローバイトもそれ系だと考えて間違い無いでしょう。
ルアーサイズに対してウェイトが重めに設定されているのは、このトルクフルな泳ぎを出すためでもあると思われ。
ボディ重量ゆえ泳ぎ出しが鈍いので、巻き始めは軽くトゥイッチして初動をサポートしなければなりませんが、この重い泳ぎが堪能できるなら動き出しの鈍さは全く気になりません。
ローバイトの使い方
そんなローバイトの使い方はタダ巻きがオススメ。
ボディのローリングアクションが一番大きくなるスピードでガコガコとラトルを響かせながら巻いて来るのが一番効果がありそう。
サブサーフェス型のノイジープラグ的な使い方ですね。
大きめのハードプラグはジャークなどのトリッキーな動きで食わせるよりも一定スピードで巻く方が見切られにくいというのもありますし。
しかしタダ巻きだけだとちょっと物足りないのがヲタの性。
オートマチックに釣れちゃうのも悪くないですが、”アングラーが仕掛けた”という日本的な要素がやっぱり欲しいじゃないですか。
そんな時はトップウォーター的な使い方がオススメです。
実はこのルアー、重心移動ウェイトを搭載しているので着水後はこんな姿勢で浮きます。
そしてこの状態から鋭くジャークすると、ラッキー13顔負けの捕食音でダイブし、水面直下をグワンと大きくダートするのです。
着水後ポーズでギルを寄せてから派手な捕食音で散らしてバスの注意を引くにはピッタリ。
おそらく設計者は極東の島国でそんな使い方をされるとは想定していなかったと思いますが、それはビッグフィッシュキラーとして知られたMSスラマーやクリーパーも同じこと。
日本というフィールドだからこそ生まれる使い方があるんですから、定石通りに使ってばかりじゃもったいないですよね😁
ローバイトのリップ
そんな水攪拌スイムを司るのがこのリップ。
ラフに扱っても全く心配なしの分厚い堅牢仕様になっています。
リップはしっかりと水を掴めるデルタ形状ですが、障害物回避性能は期待しない方がいいかも。
実はこのローバイト、スローフローティングということもあり、冠水樹木系のカバーにはあまり強くないのです。
というよりも、パイクはウィードの中に身を潜める習性があるので、この場合はウィード周りで使いやすい設定になっていると考えるのが正解でしょう。
なのでウィードトップに引っ掛ける感じでジワリと浮かせて誘うにはサイコーです。
ちなみにリップに表記されている1-3mは潜行深度を表していますが、カタログでは2-4mになっていたりとかなりアバウトな表記になっています。
おそらくトローリングとキャスティングの潜行深度の違いだとは思いますが、そんなテキトーなデータだったらわざわざリップに明記しなきゃイイのにね😂
日本クオリティ?な造形
かつての欧州ルアーにはなかったリアルちっくな造形が施されているのもローバイトの特徴です。
ウェスティンは欧州圏内ではこの造形を ”Japanese Style” と呼んでアピールしていますが、一体コレのどこが日本的?w
日本的な雰囲気を漂わせておけば高品質なイメージを持ってもらえるというアレ系のマーケティングなので仕方ないんですけど、何でもかんでも日本を匂わせるというのはどーなんでしょ。
カラーはまんまパイク系
元々がパイク用ということもあってカラーはそっち系のものが中心ですが、それでもバスフィッシングに使えそうなものもチラホラ。
このファイヤータイガーなんかはバスルアーにはない大胆なバー模様がソソります😁
ちなみにこいつのカラー名はクレイジーファイヤータイガー。
一体何がクレイジーなのか理解に苦しみますがw、どこかがクレイジーなんでしょうねwww
ローバイトのフック
フックは標準で#1サイズが装着されていますが、一般的なパイクルアーについているような剛健鉤ではないので交換せずにそのままバスフィッシングに使えます。
リグはワイヤースルーフレームかと思いきやエイトリング仕様。
これでモンスター級のパイクが何本もキャッチされているので十分な強度は備わっていると思いますが、ゴライアスグルーパー Goliath Grouper(オオハタ)とかに使うのはちょっと気が引けますね。
ローバイトのネーム
ネームは背中にブランドロゴ、テールにスペックが入った欧州ルアーお得意の自分語り系です。
でも肝心のルアー名が入ってないのは一体どゆこと?w
さらに61gとカイてありながら実重量が68gと、思いっきり違ってます。
フック重量を含めないウェイトなのかと思いきやそれも違うというテキトーぶり。
1グラム単位で書くならもっとちゃんと測れやw
余談ですが Westin は米国では ”ウェスティン” で通じますが、欧州圏では ”ヴェスティン” と発音しないと理解されません。
フォルクスワーゲンとフォルクスヴァーゲンと同じアレです。
ちなみにローバイトは直訳すると「生のバイト」。
生き生きとしたパワフルなバイトのイメージを乗せたかったと思うんですが、ぶっちゃけピンときませんね。
入手は海外通販頼み
ウェスティンのルアーは日本に代理店がないので海外通販に頼らざるを得ないのが現状です。
以前、Freddy the Frog(カエルのフレディ)というKGBスイムベイトのカエルそのまんま(ライセンス商品?それとも完全なパチ?)のルアーを出した時は単発でどこかの業者が入れたようですが、フレディ以外の商品は日本ではほぼ流通していないのでカラーやサイズ選択の事も考えると海外ネット通販でオーダーした方がベターではないかと。
実際のんだくれもポーランドの通販業者から購入しました。
でも最近になって商品数は少ないながらUKアマゾンでも見かけるようになったので、お目当てのモデルがあればそっちの方が送料的にも安く上がると思います。
おわりに
この手の海外製ルアーは、興味のない人にとっては永遠にふーん…だけど、スペックを見ただけで使い所が浮かぶ人には激しく刺さるルアー。
それゆえ局所的に盛り上がったりするので、人が使っていないルアーで釣るのが好きな人には堪らないと思います。
事実ローバイトを使ってビッグシーバスをガンガン上げている人達もいますし、バスも然り😁
本来ルアーなんて気に入ったものを使えばいいんですが、ネットの発達によって海外のルアーがラクに手に入るようになった今だからこそ出来る ”人とは違うチョイス” がモンスターを連れてくることもありますから、時には冒険してみるのもイイかもしれません😁