ラトラーA Ratl “RRR” A / ボーマー Bomber

 

絶版になったルアーの中には、純粋に生産が終了になったものと、ブランドを移籍して源氏名を変えて生き長らえるものの二通りがあります。

 

今日のゲスト、ラトラーAは移籍生き残り組。

 

このボディシェイプを見ただけで、ああアレね。と即答した人はルアヲタ係数60です。

 



 

 

ラトラーAは80年代にボーマーブランドから振動旗手として名乗りを上げました。

 

それ以前にもボーマーにはピンフィッシュなるバイブレーションがいたんですが、さすがにあの形状は時代に合わないと判断したのか、”今風の” モデルを投入してきました。

 

ピンフィッシュ Pin Fish / ボーマー Bomber

 

その背景にはスポットやラトルトラップの快進撃を食い止めたいというハラもあったんでしょう。

 

 

なんせカタチがコレですから。

 

このカタチがある意味バイブレーション/リップレスクランクの最終形なので、このラトラーも正しいと言えば正しい進化なんですけどね。

 

しかし曲線の魔術師・ボーマーの名において、先行者のコピーで終わらせるわけにはいきません。

 

 

ボーマーとしてのアイデンティティを盛り込めないか… と思案の末、行きついたのがこのボディラインでした。

 

撮影技術がショボいので分かりにくいかもしれませんが、イイ感じでボディが波打ってるんです。

 

ラトルトラップのボディ側面は完全なるフラットですから、色っぽく波打つコイツが最初に登場した時は結構なインパクトがあったんではないかと。

 

もちろんルックスありきで設計されたワケではないので、水流を利用した大きなフラッタリングなどなど、打倒ビルルイスの成分が凝縮されているのは言うまでもありません。

 

参考までに背中側のボディ幅が9ミリなのに対しハラ側の幅は11ミリと、その差最大で20%以上。

 

そんなポッテリお腹の中を縦横無尽に大量のラトルが跳ね回るんですから、その騒々しさは察して知るべし。

 

ただ、そんなナイスなヤツなのに知名度はイマイチ上がらず、先輩ピンフィッシュを越えられないまま悶々とした日々を過ごしておりました。

 

ところが時は流れて90年代、その地味な実力が認められたのか、なんと置屋をコットンコーデルに変えて、名品ザ・スポットの後継機種、その名もスーパースポットとして再デビューを果たします。

 

当然プラドコ傘下メーカー同士でのやりとりがあったんでしょうが、40オーバーのオサーン達からしたらボーマーのルアーが名前を変えてコーデルから発売されるなんてのは天と地がひっくり返らんばかりの話でして、当時は、や、山が動いた… なんて大げさな事言ってたもんです。

 

で、コーデルに移籍してからの活躍ぶりは言わずもがな。

 

ジミー・ヒューストンのお墨付きでプラドコ・プロオートグラフシリーズの一員に抜擢されたことで、不遇のボーマー時代が忘れ去られてしまうほどのヒットを成し遂げます。

 

なんかどっかの演歌歌手のサクセスストーリーみたいになってきましたね。

 

 

将来、自分の身にそんな劇的な事が起るとも知らないこの時期はまだボーマー流の春夏コレクションを身にまとってます。

 

通称ブリーディングカラーといわれる、エラから流血した瀕死のベイトフィッシュを模した色ですね。

 

オサカナから見たらとても流血しているようには見えないでしょうが、ひたすらオサカナ釣りたいアングラーにとっては鼻からブリーディングしそうなくらいデッドリーなカラーです。

 

 

ボーマー物とコーデル物の違いはネームのモールドの有無とこのケツの穴、通称ペイントスティックホールです。

 

オールドルアー好きの中にはこの手の穴を見るとすぐに鼻を近づけてクンクンする人がいますが、その姿は自分が思っている以上にキモいのですぐにヤメたほうがイイです。

 

…と言われたのは、私のんだくれでゴザイマス((´д`;)

 

 

フックはリップレスの定番、ラウンドのショートシャンク。

 

ラトルトラップと違って前後のフックは同じサイズを装備しています。

 

この辺にも、トラップにだけは負けねぇ!的なメーカーとしての意地が見え隠れしてますね。

 

しかしもったいないのはこんなに広いキャンバスがあるのにネームプリントが一切見当たらないこと。

 

これはイケマセン。

 

ネームプリントがなかったから売れなかったんじゃないの?と勝手に敗因を決め付けてみたり😁

 

ちなみにこのラトラーA、カタカナで書くとどって事ない名前ですが、実際の英語表記だと Ratl “RRR” A になります。

 

単にラトルトラップ Rat-L-Trap に対抗したスペル遊びなのかと思いきや、実はもっと深い意味がブレンドされているんです。

 

ネイティブの発音を聞かないと全然ピンと来ないと思いますが、実はコレ Rattle + Lure に掛けたネーミング。

 

そして “RRR” は電話のベル音やトラやライオンなどの猛獣が唸る音(日本語的に表現するとグルルルル…)を意味する擬音で、内蔵ラトルが大音量サウンドである事とラトルトラップの3倍の量のラトルを内蔵している事を表しているのです。

 

RRRRR… という表現はアメリカンコミックなんかにも良く出てくるので見た事ある方も多いと思います。

 

つまりこのラトラーAという名前には、

①牙城ラトルトラップへの宣戦布告
②トラップの3倍のラトル内蔵 (実際にはそんなに入ってないw)
③電話のベル並の大音量サウンドである 

という3つの意味が盛り込まれているのです。

 

80年代のアメリカンルアーはネーミングに凝ったものが多いので、聴き慣れない単語や不自然なスペリングを見つけたら調べてみると、知床産の鮭とばよりも旨い焼酎のアテになりますよ。

 

ラトルトラップ Rat-L-Trap / ビルルイスルアーズ Bill Lewis Lures

 

カラーによってはパッと見、現行のスーパースポットと見分けがつかないので、思わぬエグリ成果が期待できるなど、エグラーにとっては密かなお楽しみアイテム。

 

本格的巻き物シーズンにも入った事だし、新旧モデルを引き比べて一人薄ら笑いを浮かべるのも秋の風物詩としてキモブラボーなんじゃないかと。

 



 

コメント
*投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています

 

1. マイザー October 03, 2010 12:59
元はボーマーさん家のコだったなんて!にわかの僕には青天の霹靂です!
これからは中古屋でケツ穴探します!

 

2. 廚年 October 03, 2010 13:22
おお、気が合いますね
小生も先日ラトラーAをアップさせたところです。
ラトラーAは、云わば“粋な年増”ってところでしょうか?
未だにスタメンです。

 

3. のんだくれ October 03, 2010 16:09
マイザーさん
実は結構中古屋に出てるのでチェックしてみてくださいな。(笑)

 

4. のんだくれ October 03, 2010 16:10
廚年さん
今見てきましたよー! シンクロしましたねー。
しかしやっぱりカタログで全色見せられるのは圧巻ですね。
早速ページリンクさせてもらいます。

 

5. ロングA October 03, 2010 19:53
中古屋で捕まえてきました。
コーデルだと思ったら穴がありました。
ついでにチャブ、アイク、ホッパー、レーベル
なんて具合にプラドコ傘下のメーカーが書かれた
パケ入りのディープウィRを見つけたんですが、
あれは何なんでしょうか?
グレートアメリカン・・なんて書いてあるやつ
なんですが。

 

6. とびっく October 03, 2010 20:03
こんばんは(・∀・)ノ
元ボーマーだったとは!(驚)
てっきりコーデルからボーマーに移籍したと思ってました
エグる際にネームモールド無し、形はスーパースポットにクリソツはイイ材料です(´ψψ`)

 

7. ブッシー October 04, 2010 00:47
スーパースポットは家に100個は在住してますが、
こいつにそんな過去があったなんて知りませんでした。
まさか貰われっ子だったとは…
貰われた先で大事にされてよかったな~。

 

8. のんだくれ October 04, 2010 13:03
ロングさん
早速確保しましたか。 さっすが手が早い。(笑)
グレートアメリカンズのパケ知ってますよ。
でもアレが何なのかと聞かれると困る。(笑)
ルアーフォーキュアもそうですが、プラドコはたまにあんなの出してきますよね。

 

9. のんだくれ October 04, 2010 13:04
とびっくさん
これで中古屋のバイブレーションの棚も少しは活気づいてくれるとイイんですが。(笑)

 

10. のんだくれ October 04, 2010 13:04
ブッシーさん
いくら消耗品とはいえ、ひゃっこって…  さすが身体だけでなくやることもダイナミック。