ジョインテッド ドゥーダッド Jointed Doo-Dad / ビルノーマン Bill Norman

クランクベイトノーマンルアーズ Norman Luresミディアム・ディープダイバー

 

ルアーの一部を切り取ってジョイント化するという手法は、ルアーを少しでもサカナらしく動かしたいという釣り人の欲望の表れであり、プラグの歴史が始まった当初からのお約束でもあります。

そして数多くのルアーのボディが一度ブッタ切られたのちに再接続されて、Jラパラのような名品たちが世に放たれたわけです。

しかーし、それら全ての手術が成功したわけではありません。

ご存知の通り、ほとんどは時代の波に消えて行きました。

というわけで今日はそんな手術失敗組にもスポットをあててみましょう。

ノーマンルアーズのジョインテッドドゥーダッドです。

 

 

コイツはその名の通り、ノーマンのヒミツ兵器・ドゥーダッドのジョイント版として生を享けました。

ドゥーダッドなんて知らんのに、ジョイントなんか知るかよ!とお叱りを受けそうですね。

ドゥーダッドはスクーパーの後継モデルとして生まれたダイビングクランクベイトです…

なーんて書くと、スクーパーも知らんと言われそうですが…😅

 

 

コイツの詳しい誕生時期などははっきり分かんないんですが、確か社名が【ビルノーマン】から【ビルノーマンインターナショナル】に変わった頃ではなかったかと。

この社名変更の時期は、伝説のチャガーフラッシュやウンデッドフラッシュがカタログから消え、生産の合理化なのか、全てのノーマン製品が超チープな造りになったので、ビルノーマン時代のルアーが好きだった人にはツラい時期でしたね。

程なくしてそのビルノーマンインターナショナルという名前も今のノーマンルアーズに変わってしまいましたが、あれは一体何なんだったんでしょうか。

 

 

さてさて、そんなリバース話はともかく、このルアーの最大のウリ、ジョイント部分をを見てみましょう。

どーです、このムリヤリ感テンコ盛りなジョイントテール!

本体側から続くボディラインなんて完全無視、文字通り取って付けたようなパーツがこのルアーのチープさを際立たせてくれてます。

画像だと分かりにくいんですが、このテールには、なんと本体にもないクロスハッチが刻まれてるんです。

賢明な皆さんはもうお分かりですね。

そうです、コイツはジョイントミノーのテール部分をそのまま流用してるんです。

ジョイントミノーのパーツをダイビングクランクにも流用するあたり、さっすがアメルア。

この安直さには心底シビれるわぁ…  と感心してたんですが、ふとのんだくれの頭にギモンが浮かんできました。

じゃ、一体どのジョイントミノーのテールなんだ?と。

それならばと、手元のノーマンジョイントミノーを片っ端から調べてみました。 …が、意外にも、どのジョイントミノーのテールとも形状は一致せず…

ハッ! も、もしかしてこのパーツは流用じゃなくて、せ、専用開発???  ゴクリ

いやいや、そんなワケはないですよね。(汗)

多分設計ミスかなんかで使えないテールパーツが余ってたので、それを一掃するために無理矢理ジョインテッドドゥーダッドを作ったんでしょう。

そうですそうです。 この際間違っててもそーゆー事にしておきましょう。

これ以上考えてたら、もっとキモい方に走りそうで我ながらイヤになりますから😅

 


 

リップはいかにもノーマンな、ボトムをグリグリしやすいラウンドビルです。

ディープリトルNで死ぬほどイイ思いをさせてもらったのんだくれにとっては、官能的と言ってもいいくらいの曲線です。

ちなみにノーマンのダイバーズは、全てこのラウンド形状リップを採用してますが、ボトムをガリガリしてアピールしたい時、これほど頼りになるヤツはいませんよ。

DD-22なんてその典型ですが、リップがボトムに当たってもヒラを打たない、ボディが寝ない、しっかりブリブリしてくれると三拍子揃ってるんですから。

 

 

レーベルのそれに比べて明らかに見劣りするナチュラルプリントもノーマンの特徴です。

とはいえ、しっかりハラの接合部までスタンプされているので、現行のナチュラルカラーよりもマシですけどね。

 

 

そうそう、さっき書き忘れましたが、一応テール部分にもプリントされてるんですが、トップ画像を見てもらうと分かる通り、なんと片側にしかプリントされてないんですよねー。

このテキトーさはもう神の領域です。

 


 

フックはがまかつが採用される前のショートシャンクラウンドベンド。

すぐに伸びちゃいそうなスプリットリングはこの時期のノーマンのアイデンティティですね。

 

 

肝心のアクションはいたってフツーの、誰もが予想できるタイトなウォブリング。

確かにケツのパーツはピラピラしてるんですが、別に無くてもイイんじゃない? というレベルの、かなり寂しいアピアランス。

このジョイントじゃないとダメな理由って、ホントにあるんでしょうか。

余ったパーツを掃くために作ったモデルって仮説、案外当たってるかもしれません。

 

 

 

コメント
*投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています

 

 

1. tei-g July 07, 2010 09:01
ありましたね。
88年頃の新製品じゃなかったでしょうか。
これをジョイントにした意味があったのかどうか甚だ疑問ですが、ノーマンのクランクはアメリカの臭いがして好きです。

 

2. 彫刻か July 07, 2010 17:19
ジョインテッド・ドゥーダッドいいですよねー。
実はコレ2個持ってます。このいい加減さを眺めるのが大好きです。
いつもノーマンの仲間はフィールドで主力として
頑張ってもらいますが、これはいつも留守番です。
私にとってはインドアで楽しませてくれる数少ないルアーです。

 

3. イカメガネ July 07, 2010 19:30
このムリヤリ感、良いですねー。しかもシッポにいきなり
クロスハッチとは・・・もうたまりません。大好きです!
出生の理由は、私も使いようのないパーツの処分方法として
だと思います。

 

4. とびっく July 07, 2010 21:50
こんばんは(・∀・)ノ
このチープさがイイですよね!シマドンさんとこで見た時は「なんすか?コレ??」って感じだったんですが中古屋で実物見たら即レジ(笑) 「
やっぱりあるのね」のナチュプリいいです

 

5. 広告屋 July 07, 2010 22:31
おっ!
我が家におるコヤツのザリナチュと絵柄がちゃうよ!!
しかもテイルまでナチュプリやんか!!
良いですなあ〜!!!!!

 

6. のんだくれ July 07, 2010 23:11
tei-gさん
まさにノーマン=アメリカです。
遠く離れた異国の地でこんなにもヲタが騒いでるんですから、
それだけでもコイツを作った価値はあります。(笑)

 

7. のんだくれ July 07, 2010 23:13
彫刻かさん
2個も持ってますか。(笑)
当時、コイツは思いっきりスルー対象で、ワゴンの構成員だったんですよねー。
もっと買っときゃよかった。

 

8. のんだくれ July 07, 2010 23:14
イカメガネさん
パーツ処分… (笑)
でもその割には、ちゃんとテールがタテになるようにリアのエイトリングは横リグになってるんですよ。
恐るべしノーマンってトコですね。

 

9. のんだくれ July 07, 2010 23:15
とびっくさん
やっぱりあります、ナチュラルプリント。(笑)
確かシャッドカラーのナチュラルもあったはずですよ。

 

10. のんだくれ July 07, 2010 23:16
広告屋さん
やっぱり持ってんのね。(笑)
しかしプリントが違うとな!
こいつにも恐ろしい世界が開けてそーだね。

 

11. ムファサ July 08, 2010 00:01
専用開発説にも1票入れておこう(笑)
ドゥーダッドの販売てこ入れ策でボディの設計変更はお金も時間も掛かるのでNG。
新色を追加するだけではインパクトに欠けると行き詰まった担当者が・・・
ベースモデルのアクションを殺さない程度のテールをくっつけよう!
お金をを掛けずに新製品一丁あがり、オマケにドゥーダッドの生産性も向上し一石二鳥!!なんてね。
家にあるコヤツは反射板入りのお魚プリント、でもテールはクロスハッチに片側だけプリント妙な徹底ぶりですわ

 

12. のんだくれ July 08, 2010 10:57
ムファサさん
お、シャッドカラー持ってんですね。
しかし深読みし過ぎ。(笑)

 

13. 5個セット July 08, 2010 23:01
こんばんはです。
う〜ん、どこまで売る気があった品なのか私には
分かりませんが、ソレでいいんですよね。(笑)
やらかした感には強く惹かれます。

 

14. のんだくれ July 10, 2010 02:00
5個セットさん
やらかしちゃった感。(笑)
最近のルアーにはない貴重なテイストです。

 

 

 

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