秋も深まって水温が落ちてくるとリップレスクランクが気になり始めます。
昔はそうでもなかったのに低水温期のルアーのイメージが先行するようになったのはやっぱりメディアの影響なんでしょうね。
ということで今日のゲストは、ほぼリップレスクランクだけで50年以上メシを食ってるビルルイスが放ったノッキントラップでございー。
ノッキントラップとは
ノッキントラップは2014年にリリースされたリップレスクランクです。
その名前からお分かりの通り、ラトルがワンノッカータイプになっていることが特徴。
オリジナルのトラップはマルチラトルによるジャラジャラサウンドがウリでしたが、ビルルイスはこのノッキントラップで違う方向性を打ち出してきたのです。
実はこのノッキントラップのリリースはビルルイス初の試みでした。
昔からビルルイスにはオリジナルトラップとは違ったサウンド特性のモデルを作って欲しいという要望が数多く届いていたのですが、オリジナルに余程の自信があったのか、頑なにそれを拒否して原音にこだわっていたという経緯があったようです。
事実、コーデルのスポットと熾烈なリップレスバトルを繰り広げていた80年代の広告には【独自のチューニングを施したフィッシュコーリングサウンド】という謳い文句が使われていました。

しかしスーパースプークから始まったワンノッカーの波はリップレスクランクにまで及び始め、プラドコのXrk100が快進撃しているのを見て考えを改めた、と当時の米雑誌には記述されていました。

その記事がどこまで真実なのか分かりませんが、慣れ親しんだハイピッチラトルサウンドとは違う音を発するノッキントラップの大ヒットを見る限り、ビルルイスの”改心”は大正解だったようです。
ノッキントラップのサイズ・重さ
ノッキントラップのサイズは全長75ミリ、1/2oz(実測17.5g)という使いやすいサイズにまとめられています。
ボディスペックはオリジナルモデルのラトルトラップと変わらないので、同じ感覚のままサウンドローテーションができますね。
この1/2oz以外に3/4ozサイズもラインナップしている事からもこのノッキントラップがヒット商品であることが分かります。
というのもラトルトラップが新作をリリースする際のパターンは、最初にスタンダードサイズである1/2ozをリリースして市場の反応を見て、高評価だったら他のサイズをリリースするのがお約束になっているから。
つまり3/4ozサイズがラインナップしているということは、それだけ反応が良かったということ。
でも近年リップレスクランクは3/4ozが標準サイズに移行しつつあるので、最初から折り込まれていたのかもしれません。
ライバルのXrk100が1ozサイズまで揃っていたというのも理由の一つかも。
ノッキントラップのアクション・サウンド
ノッキントラップのアクションは良くも悪くも伝統のトラップバイブレーション。
腹側を大きく揺さぶる特性は左右に水を切り分ける背ビレがしっかり仕事をしている証です。
アクション的にはオリジナルトラップもノッキントラップも変わりません。
目を凝らしてよーく観察してみると、わずかにノッキントラップの方が立ち上がりが早いかな?という程度の違いなので普通に投げてたら違いはまず分かりません。
そして肝心のラトルサウンドですが、ぶっちゃけあんまり変わりませんw
オリジナルに比べてややトーンと音量が低くなったかな?という程度の変化なので、オリジナルと劇的な違いを期待すると肩透かしを喰らうかもしれません。
しかし小さな音質変化ではありますが、年々タフになっていくフィールドでは大きな違いを生み出す可能性が十分にあると見ています。
シックスセンスルアーズのコンセプト Not Too Loud, Not Too Quiet(うるさ過ぎず静かすぎない)がテキサスの激タフレイクで証明されたことを思うと、ラトルの音質はアングラーが考えている以上に重要なファクターなのではないかと。

ノッキントラップの使い方
使い方はズバリ、ひたすら投げて巻き続けるのみ。
これに尽きます。
ワンノッカーラトルというイメージから、ラトル特性を生かすべくジャークを入れたりリフトフォールしたりバーチカルジギングしたりといろいろ試してみましたが、感覚的にオリジナルモデルと全く変わらないので変にラトルの事を気にしない方が広く使い回しが出来ると思います。
ただウェイトバランス的な影響か、バーチカルジギングではリアフックがラインを拾い易かったのは気になりましたが。
ノッキントラップのカラー
ビルルイスはノッキントラップの登場と同時に塗装にも新しい手法を導入してきました。
従来のナチュラルプリントとは明らかに違う”印刷”手法の採用です。
ヘッドが逝っちゃってる安いインクジェットプリンタで印刷したようなショボい感じになってしまいましたが😭、これによってビルルイスのナチュラル系カラーバリエーションは劇的に増加し、カラーにこだわるクランカー達の細かい要望にも応えられるようになりました。
個人的にはクラシックなナチュラルプリントが好きですが、これも時代の流れですから仕方ないですね。
ラトルトラップのナチュラルプリントは劇画タッチなところが萌えポイント。
The SuperNaturals(超自然的な)というシリーズ名もハマってる。 pic.twitter.com/pRE72aRLJq— ルアー千一夜 【公式】 (@lure1001) November 11, 2021
しかしカラーはともかく、トップコートが相変わらずテキトーなのには笑えます。
画像で分かる通り、気泡のブツブツが有ってもお構いなしw
これがMade Proud in the USのクオリティだwと言ってしまえばそれまでですが、国産ルアーの完璧なフィニッシュワークがスタンダードになってるアングラーにとっては納得できないでしょうね。
ちなみにこのカラーはサンライズパーチ。
ブルーギルの婚姻色だと思ってた人はザンネンでした….って、のんだくれもブルーギルだと思い込んでましたけどw
フックはマスタッドのトリプルグリップ
フックは前後ともマスタッドのトリプルグリップ#4が標準装備となっています。
トリプルグリップはファーストムービング系ルアーとの相性抜群なので、これは正しいチョイスかと。
しかしパッケージ裏面でこのフック搭載を大々的に謳うあまり、ワンノッカーに関する記述が全く無いというおかしな状況に。
せっかくの新サウンド搭載機種なのに説明がないんじゃ本末転倒じゃねーか!と思いましたが、よく考えてみたら、これはおそらくこれはマスタッドのプロモーションも兼ねているんでしょうね。
つまりビルルイスに対してトリプルグリップを破格の条件で提供する代わりに、一緒にフックの宣伝もよろしくね、といういわゆる案件的なやつ。
それを裏付けるかのようにノッキントラップはパッケージデザインが変わってもトリプルグリップの告知が続いています。
このプロモーションはルアーメーカーにとって非常にポピュラーなプロモーション手法。
かつてガマカツがビルノーマンなどと組んで展開したこともあるので、あー!そういえば!😳 と心当たりがある人も多いと思います。
パッケージからもいろんな情報が読み取れるんです😁
Kのみのシンプルネーム
ノッキントラップのテールには Knock の頭文字 ”K” が入っています。
このネームはカラーと生産時期によって変わり、KNOCK-N と入っているものもあれば、汎用フォントでKとだけ入っているものも。
このルアーのネーム変遷についてはあまり明るくないので、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらご一報を。
ちなみにこのルアーはネイティブ発音だと【ナッキントラップ】になります。
日本だとどうしてもローマ字の読み方に引っ張られてしまいますがナッキンが正解。
でもこのブログで何度も書いている通り、ルアーの呼び名なんか好きに呼べばイイんです。
のんだくれは英語の勉強で ノックノックジョーク Knock-Knock Joke* にガチで取り組んでた過去があるのでついナッキンと言ってしまいますが、ノッキンだろうがナックンだろうがフッくんだろうが相手が分かりゃそれで結構😁
= ”コンコン” ”どちらさま?”から始まるワードプレイ(ダジャレ遊び)
本来は子供の遊びだが、語彙と発音と米的ユーモアセンスを学ぶには最強のツール
チャギンスピットがチャグンスピットになってても誰も気にしないでしょ?
それとおんなじ😁

まとめ
発売から7年が過ぎ、新色も続々と登場していることからもう完全に定着したと思われるノッキントラップ。
日本国内でのデリバリー状況はそれなりですが、米国ではウォルマートでも普通に見られるので供給はこの先も安泰でしょう。
オリジナルのラトルトラップは持ってるけどノッキンは…. という人は、この機会にゲットしてラトルの音比べをしてみては?