なにもかも ”初づくし” で巨大な北米市場に挑んだラパラの挑戦的作品 ラトリンラパラ Rattlin’ Rapala RNR7 / ラパラ Rapala

クランクベイトラパラ Rapalaリップレスクランク

釣具の世界に “◯◯初” が多いのはみなさんご存知の通り。

昔ほど目立った技術革新が見られなくなったので近年は随分減りましたが、それでも世界初、業界初、◯◯史上初などなど、各メーカーは隙あらば初物を謳い文句に商品をブッ込んできますw

こんなにも初物が好きなのは釣具業界以外では自動車ぐらいのもんでしょう。

今でこそ割と冷ややかな目で見られている初物ですが、かつて誰もが初物にテンションを上げていた時代もありました。

今日紹介するラトリンラパラは、そんな古き善き時代にリリースされたラパラの初づくしルアーです。

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ラトリンラパラとは

ラトリンラパラは1980年代中頃にリリースされたラパラ・ノーマークブランド(現VMCコーポレーション)の北米戦略商品。

ラパラとしては初のインジェクションプラグ、初のリップレスクランク、初のラトルベイトという【初づくし】で大きな話題を呼びました。

そしてその話題を上回る圧倒的な釣果を叩き出し、我々おっさんアングラーのハートを鷲掴みにしました。

発売当初はラトリンラップ Ratllin’ Rap の名称でしたが、2000年初め頃から”ラトリンラパラ”とフルネームを名乗るようになったので、スピナーテールバングオー同様、呼び方で世代が分かるという便利な機能も備わっています。

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1950年代にラパラのフローティングミノーが米国に初上陸した時の衝撃に続くものとしてシャッドラップはキリストの再来に例えてThe Second Coming とされていたことから、ラトリンラパラは The Third Coming と呼ばれたりしていました。

ラトリンラパラはそれほど良く釣れたのです。

ラトリンラパラのサイズ・重さ

ラトリンラパラは7センチ、1/2ozの標準的リップレスクランク。

実測では73ミリ/15.5gとカタログスペックとはやや違いますが、これはご愛嬌。

これ以外にも4, 5, 8センチサイズのバリエーションがありますが、バスフィッシングではこの7センチサイズが一番使いやすく、かつ万能なモデルとして知られています。

ラトリンラパラの特徴

ライバルを徹底的に研究したミノープロファイル

コットンコーデルのスポット1/2ozとの比較

ラトリンラパラの特徴は何と言ってもミノーライクなプロファイル。

今でこそ普通に見えますが、当時このボディシェイプは画期的でした。

これは当時市場を席巻していたラトルトラップやスポットなど米国産リップレスクランクとの違いを明確に打ち出したラパラの戦略でした。

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先出のシャッドラップが ”もはやライブベイトだ” と評されていただけに、ラパラとしては視覚的にも違いを明確にしなければ、というプレッシャーもあったんじゃないかと。

しかしただ単にサカナっぽく仕上げただけで終わらないのがラパラのスゴいところ。

ヘッドのフラット部分の幅はライバルの同サイズリップレスクランクよりも大きく確保することでしっかりとした振動を生み出す設計となっていますが、エラの後ろのラインを絞ることでミノーのイメージを損なわないようにするなど絶妙な仕上がりに。

横風の影響を受けにくいボディ

そして横風に強いのもこのルアーの特徴ですね。

ラトルトラップなどはボディ側面が完全なフラットなので風の影響を受けやすく、カーブするなどキャスト軌道が大きく逸れることがありますが、その点ラトリンラパラはしっかり対策されており、横風でもキモチ良い弧を描いて狙ったスポットに入れることが可能となっています。

飛行姿勢と沈下姿勢を考慮した重量配分

風の影響を受けにくいのは飛行姿勢を決める重量配分がきっちり計算されているから。

ラインアイとフロントフックハンガーの貫通ワイヤーを境として、前方にソリッドの大型ウェイト、後方にマルチBBを封入することによりキャスト時にも重心がブレにくく、頭から刺さるように飛んでくれます。

それまでのリップレスクランクは、ボディの中にどれだけ多くのBBを入れることが出来るかを競い合っていましたが、ラパラはその裏をかいたのです。

一応ラトルトラップのヘッド部にも大きなウェイトが入っていますが、あくまでも大きなBBというだけなので、ソリッドウェイトの安定性には到底敵いません。

さらにそのソリッドウェイトにもラトルとしての機能を持たせた事により、ラトリンラパラのラトル音はゴトゴトとジャラジャラのマルチサウンドとなり、音域が近くなりがちなライバル達を一蹴することが出来ました。

スナッグレス性も考慮したヘッドデザイン

しかしラパラの手綱はまだまだ緩まるところを知りません

このヘッドがまたデキるヤツなのです。

障害物にはこのフラットなヘッドが正面から当たるので、ラトルトラップなどと比べるとでんぐり返しになりやすく、”リップレスクランクにしては” 根掛りが少ないという効果も。

ぶっちゃけリップラップなどではあまり変わりませんが、水中に横たわる枝などはマドバグのように正面から当たってキレイに乗り越えてくれます。

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これらラトリンラパラの仕様を単に米国勢との差別化と見ることも出来ますが、相手の弱点を徹底的にほじくり出してそこを突く狡猾さはまんまユダヤ商売の手法なので、ちょっと怖さすら感じますね。

ピッチの早いローリングアクション

気になるアクションはピッチの早い明滅系。

ローリングアクションにわずかにウォブリングも入った典型的なエスケープアクションに仕上がっています。

イマドキのリップレスクランクと比べると特に目立ったところはありませんが、これが40年前の作品であることを考えたら驚異的と言わざるを得ません。

基本的にただ巻きだけで十分釣れるルアーですが、このルアーのキモはフォーリングアクションにあるとのんだくれは見ています。

というのもラトリンラパラは、ガーッと巻いて一瞬だけフッとフォールさせた時のバイトがめちゃくちゃ多いのです。

特に14lb以上の太めのラインを使うと横に大きくスライドしながらフォールするので、それがプレデターのスイッチを無理やり入れてしまうのではないかと。

しかもフォーリング使いにおいては、この7センチのモデルの沈下速度が速すぎず遅すぎずでベストなのです。

この辺の設計には、間違いなくアイスフィッシングの切り札と言われているジギングラップのスライドフォール技術が生かされてますよね。

日本人のハートを狙い撃ちしたジャパンスペシアル

カラーはおなじみ日本特別色、”ジャパンスペシアル” のアユ。

このカラーリングだけで釣れた気になるのもラウリマジックのオソロシイところw

しかし単にアユに寄せただけでなく、膨張色であるパール系乳白色にチャートのドット、さらに明滅を際立たせるブラウンバックと、マディ〜ステインウォーターでは最強の要素をしっかり押さえてあるなど、ラパラらしい抜かりのなさも忘れていません。

デビュー当時はクロームにブルーやブラックバック、ブラウンクローダッドなど定番カラーしかありませんでしたが、90年代に入ってカラーバリエーションも増えたことで、フレッシュだけでなくソルトウォーターにも広く使われるルアーとなりました。

このルアーでのシーバス釣果を語らせたら夜通し喋れるアングラーは山ほど居ますからねw

それは米国も同じで、ラトリンラパラの破壊力にノックアウトされたパイクやウォールアイアングラーは数しれず。

特にウォールアイはバスよりも泳層が深く、シャッドラップなどでは届きにくかったこともあって、ラトリンラパラは威力がはっきりと体感できた魚種のひとつ。

そういう意味でもラパラが ”初づくし” のこのルアーで挑んだ北米戦略は大成功だったと言えますね。

フックは前後とも#4サイズ

フックは前後とも#4サイズのショートシャンクを装備。

言うまでもなくVMCブランドのフックです。

一般的にリップレスクランクのリアフックを外すとアクションが大きくなるのですが、ラトリンラパラは他のリップレスに比べて追い食いが多いので、リアフックが重要。

だからリアフックを外すなんてもってのほかだ!と知り合いのガチ勢が言ってましたw

のんだくれはそれに強く頷けるほど使い込んでませんが、丸呑みされる事が多いルアーだけに、あながち間違ってないかも。

ネームは”ダブルスタンプ”

ネームはボデイ両側にスタンプされた、いわゆるダブルスタンプ。

デビュー当時はテールエンド下側にRattlin’ Rapとスタンプされてましたね。

ちなみにこの場合の Rap はもちろんラパラの RAP ですが、もうひとつRAP本来の意味である ”耳障りなおしゃべり” とか ”騒音” という意味合いも被せてあります。

このルアーが登場した80年代中頃はちょうどラップミュージックが台頭してきた時期でもあり、ラパラ初のラトルベイトゆえに、バスにとって耳障りなサウンドを発するというニュアンスを、Rattlin’と共に強調したかったのです。

こういう裏側を知ると、安い発泡酒でも旨くなるからタマりませんねw

でもアイルランドにはラップのイメージが全く感じられないので、その点はかなり違和感がありますすが。

アイルランドといえばやっぱりダブリンの Dino’s Bar & Grill で他の酔っ払いたちと一緒に Whiskey In The Jar を合唱しないとねwww

おわりに

ボトムに着底するとべったり倒れ込んでしまうなど、今のリップレスクランクと比べれば足りないところもいくつか見受けられますが、それでもまだ実戦で戦えるだけの戦闘力は十分備えているルアー。

さすがに近年はショップでもあまり見かけなくなりましたが、逆の見方をすれば誰も使っていないということなので、この機会に投げてみては?

”ラトリンラップ” を知るアングラーはかつての感動が蘇ってくるだろうし、”ラトリンラパラ” を知らなかったアングラーも今のリップレスクランクにはない新鮮さが味わえますぞ。

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