オリジナルサイズ以上の破壊力を秘めたファットフリー家の切り込み隊長 ファットフリーシャッドフィンガーリング BD5F Fat Free Shad Fingerling BD5F / エクスキャリバールアーズ Excalibur Lures

エクスキャリバールアーズ Excalibur Luresクランクベイトボーマールアーズ Bomber Luresミディアム・ディープダイバー

空前のバスブームに湧いた90年代後半から幾年月。

毎月怒涛の如く登場する新しいルアー達に歓喜すると同時に、止めどなく続く新作ラッシュで財政難に喘いでいた日々が昨日の事のように思い出されますね😂

でも喜んでたのはのんだくれの様なルアヲタだけではなく、ルアーメーカーにも同じ事が言えました。

何しろ新作を出せば片っ端から売れていくんですから、そりゃウハウハです。

しかしそれは国産のルアーに限った話で、リアル一辺倒になってしまった日本はアメルアにとって非常にキビしい市場でした。

ゆえに、実力者でありながらもタイミングの悪さゆえ日蔭の存在になってしまったアメリカンルアーが沢山存在します。

このファットフリーフィンガーリングもそんな日蔭チームの一員です。

このルアーは94年にプラドコが満を持して発表したエクスキャリバーシリーズの後発組メンバーとして96年にリリースされました。

デブっちょ&不格好なオリジナルのファットフリーシャッドの派生モデルとしてダウンサイジングされたものです。

漆黒の闇を背景にビルダンスが微笑むカードブリスターパケの誘惑に負けて家に連れ帰った人も多いですよね。

ファットフリーのオリジナル&Jr.サイズの実力にいち早くノックアウトされてたのんだくれは、こいつらの不格好さにさほど抵抗感はありませんでしたが、国産のぎらりんグアニウムやぎょろりんお目々に馴れちゃった人にはちょっと痛いルアーだったようですね。

当時、ワゴンに流刑されたエクスキャリバーシリーズの山がそれを物語ってました。

しかし時は流れ、ヒロさんが地道にアメルア啓蒙活動を続けてくれたおかげでルアーの本質を見ようとする人が徐々に増え、当時ワゴンの中でルアーとして生きる権利すら認められなかった流刑者達にも光が当たるようになりました。

自分が造ったわけでもないのに、昔のワゴン組の実力が認められるのは妙に嬉しいもんですね。

その反面、入手がしづらくなるので諸手を上げて喜べないというフクザツな状況となりましたが。

ラウンドとコフィンの中間のような形状のリップがこのシリーズの特徴です。

このリップ、クランクベイトの名品、モデルAを輩出したボーマーブランドだけあって立ち上がりが素晴らしい。

オリジナルよりも大きなウォブリングアクションと共に、スルスルと軽快にボトムを目指すフィーリングは使っていて飽きません。

そして何よりもバスの反応がイイのです。

一口サイズだからというのもありますが、オリジナルモデルよりも格段に扱いやすく、そして良く釣れます。

エクスキャリバー/オートグラフシリーズの生産が終わった後も、ボーマーの汎用モデルとして生き残っているのが何よりの証。

古いフォーマットの再利用といえばそれまでですが、どういう形であれ名品を供給し続けるという姿勢は、今の国産ブランドにはないスタンスなので見習うべきではないかと。

ラフに扱ってもビクともしないスパイン入りのリップは当然の事ながら障害物回避性能にも長けていて、ガシガシと積極的に当てていけます。

しかし良く見ると、トップコートには気泡が入りまくりですねw

まぁこういう詰めの甘さがあるから仕上げクオリティ重視の国産派から蔑まれてたんですけどね。

真横から見るとファットなクランクベイトに見えますが、実はボディサイドはこんなにもスッキリのスリムシャッドボディ。

このフラットサイドが水を撹拌するのが効くのか、投げて巻くだけで釣れちゃうので、一度使った人は目ウロコになるのと同時に結構ハマっちゃうんです。

食性に訴えるアピールと、リアクション本能に訴えるアピールの両方をバランス良く兼ね備えてるんでしょうね。

ボディにはホログラム処理されたスケール模様のステッカーを貼り、その上からそれぞれのカラーリングを施すのがこのシリーズの特徴。

同じような工程で多品種を生産するプラドコらしい手法ですが、良く言えば合理的、悪く言えば雑ってトコでしょうか。

このチープさもアメルアの魅力なんですけどね。

フックは前後ともエクスキャリバーシリーズ共通のロテートフックです。

ボーマーブランドから出ている現行のファットフリーフィンガーリングはノーマルのフックになってるので、今ではこの針も貴重品になりつつありますね。

ボディの真横にドカンとネームを入れる手法は多分このエクスキャリバーシリーズが最初でしょうね。

大昔には反射板の代わりにネームが印刷されたインサートが入ってるロジャースのビッグジムなんてのもありましたが、さすがにプロのオートグラフまでは入ってませんでしたから笑

ちなみにフィンガーリングとはその名前の通り、指サイズに育った稚魚の事。

フィンガーリングよりも小さいものはフライ Fry、大きいものはイヤリング Yearing と呼ばれています。

イヤリングは聞き慣れないワードですが、日本語でいうところの年魚ですね。

かのクランクベイトコーポレーションが出していた超リアルなクランク、フィンガーリングシリーズのラージサイズはイヤリングシリーズだった、といえば、なーるほど!となるはずです。

ルーハーに吸収されて、フィンガリングシリーズもイヤリングシリーズもハイキャッチという共通名に強制改名されてしまったのはちょっと悲しい出来事でしたが😭

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長いダイビングリップを持ったクランクベイトは日本ではあまり人気がありませんが、ダイビングリップでなければダメなシチュエーションってのが沢山あるんです。

特にオカッパリでのダイビングクランクって違和感があるのか誰も使ってませんが、スナッグレス効果だけでなく、同じレンジをショートリップよりもゆっくり引けるなどのメリットもたっくさんありますので、ショートリップしか投げてない方には是非オススメしたいルアーですね。

 

コメント
*投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています

1. いるか January 24, 2011 11:25
傑作です!
仲間内(プラドコ福岡)での大会で、こいつのお陰で何度も窮地を救われたし、痛い目にも遭いました(笑)
とりわけウォブルのピッチが早い訳でも、ムチャクチャ潜る訳でもないけど…かなりのイイ線の出来で、安く豊富にいつでも買えるという大衆アメルアの真骨頂ですね。

 

2. のんだくれ January 24, 2011 13:19
いるかさん
そう。
取り立てて目立つ特徴があるわけでもないのに何故か釣れるのよねー。
しかしイイ思いだけじゃなくて、痛い目にも遭ったのね。(笑)

 

3. tei-g January 25, 2011 00:08
見た目で避けると損するクランクの筆頭ですね。一度泳がせたら絶対、好きになるのに。きっとこの微妙に後ろに付いた目がブスにさせてるんですよね。
スタンフォードのルアーもそうですけど。

 

4. カープヒロシマ January 25, 2011 00:26
前にも書いたと思いますが小さいフライをよく使ってました。
フローターからのゴリ巻きをやっておりましてその当時はワイルドハンチがお気に入りでした。
そのワイルドハンチよりスナップする回数は格段に少ないのに同じくらい釣れてた記憶があります。

 

5. のんだくれ January 25, 2011 00:56
tei-gさん
コイツを初めて見て 欲しい!とはならないですもんねー。
でもこーゆーのを買っていく人はなんか通に見えますよね。(笑)

 

6. のんだくれ January 25, 2011 00:58
カープさん
フライも反則レベルですからねー。
あれはダメ。 ホントにエサ。
何が良くて釣れるのかがつかみきれない不思議なトコも魅力のうちですな。

 



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