日本のトップウォーターバスフィッシング史にその名を深く刻んだマルチプレーヤー ウォブリースネーク Wobbly Snake / アドニス Adonis

アドニス Adonisウェイクベイトダーターポッパー•チャガー

 

 

”国産ルアー” という概念が一般化して40年以上が経ちますが、その過程でいくつものルアーブランドが生まれ、消えてゆきました。

そんな中には惜しまれつつ廃業してしまったメーカーも数多く存在していたのはご存知の通り。

ベルズインターナショナルやファイブセンスなど、その名を挙げればキリがありませんが、今日紹介するウォブリースネークを輩出したメーカー、アドニスはその筆頭に挙げられるブランドでした。

 

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アドニスとは

アドニスは90年代から00年代初頭にかけて存在したトップウォーターブランドです。

横浜に拠点を置き、クラッパーやウェッジポップなど個性的な水面ルアーをリリースする傍ら、フロッグプロダクツやバスポンドと共にそれぞれの頭文字を取ったBAFチームとしても活動していました。

BAFは今やトップウォーターアングラー間では定型句にもなっている、”ズボッと入れてネチネチと” 通称ズボネチというワードを定着させたことでも知られています。

そんな一時代を築いたアドニスの中でも特に人気だったのがこのウォブリースネークでした。

ウォブリースネークのサイズ・重さ

ウォブリースネークは全長75ミリ、自重18.8gのいわゆるハチゴーサイズのルアーです。

今でこそ違和感はありませんが、このルアーが登場した90年代中頃は関東ではオリジナルザラスプークはデカ過ぎると大真面目に思われていた時代でもあったので、いくらバスフィッシングブームだったとはいえ、新興ブランドがこのサイズを販売するには相当な勇気が必要だったんじゃないかと。

画像出典:枻出版社 トップウォーター大図鑑2002

ワンサイズのみの展開でしたが、画像のようなブレード付きも販売していたようです。

店頭では一度も見たことがありませんでしたが。

ウォブリースネークの特徴

このルアーの特徴はなんといっても大きく盛り上がったハンプバックボディと、スパッと切り落とされたようなヘッド形状。

見た目のインパクトもさることながら、一体どんな動きをするんだろうと想像をかき立てられます。

そう思ってしまった時点でアングラーの負けなんですが😁

しかしこのウォブリースネークには、その想像を裏切らない仕込みがなされています。

まずカップの作りがスバラシイ。

画像では分かりにくいかもしれませんが、ほんのわずかにアールをつけてヘッド部を凹ませてあり、さらにカップのエッジをしっかりと立てています。

この凹みが水を掴むでもなく逃すでもない絶妙な塩梅なのです。

その効果は後述しますが、ウォブリースネークを使ったほぼ全てのアングラーが絶賛していることからも理解できます。

元々はサウスベンドのティースオレノあたりにインスパイアされたと思われますが、ティースオレノのモワンとした、いい意味で掴みどころのない動きとは全く正反対のセッティングにしたあたりにデザイナー伊藤氏のセンスが光っています。

ティースオレノ Teas-Oreno / サウスベンドベイトカンパニー Southbend Bait Co.
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ウォブリースネークのアクション

ウォブリースネークをひとことで表すと、多彩な技を高レベルでこなすマルチプレーヤー。

ロッドアクションに機敏に反応して、気持ちイイぐらいにビシバシと首を振ります。

しかもその際の移動距離はほぼゼロ。

テーブルターンというワードはこのルアーのために存在しているのでは?というぐらいの定点ターンなのです。

そしてその際に出すスプラッシュと音がまたイイ。

先述の弱いアールのカップがいい感じに水を撒き散らし、細かいバブルを作り出すのでアピール度は抜群。

もちろんショートタグではいい感じのチャグサウンドで鳴いてくれるし、ダーター的に大量のバブルを伴ってダイブさせることも可能。

さらにリトリーブではこれでもかというぐらいにボディを揺さぶり、ワンマイナス顔負けの引き波を生み出します。

その泳ぎは非常に大きなローリングで、名前にあるようなウォブリーっぽさは一切ありませんwが、ルアーの後ろの水面を大きく凹ませるほどの強い泳ぎでバスの側線を刺激します。

これだけ多彩な動きが出来るプレーヤーであれば大抵のトップウォーターアプリケーションに対応できてしまうワケですが、それをこのシンプルなへの字ボディに詰め込んだデザインセンスには脱帽せざるを得ません。

ウォブリースネークの使い方

あらゆる状況で使えるウォブリースネークですが、はやり真骨頂はテーブルターンによるスプラッシュ撒き散らしでしょう。

移動距離が少ないのでオーバーハング下やアシ際の凹みなど、プロダクティブゾーンが狭いスポットで最強のアピアランスを発揮します。

そしてのんだくれが多用していたのが垂直護岸に当てながらの連続首振り。

水路などでよく見られるコンクリートの垂直護岸の際にキャストしたら、首振りの度にヘッドが壁に当たって音が出るように動かすのです。

イメージとしては、落水した小動物が壁を這い上がろうとするも思うように登れず、もがきながら壁伝いに泳いでいる感じ。

実際のところ首振りするごとに壁をコツコツし続けるのはなかなか難しいのですが、時々壁に当たるサウンドがラトルの代用になるのかバスの反応がすこぶる良いのです。

その使い方で十分釣れるので、のんだくれはあまりリトリーブでは使用しません。

そう考えると、先のブレード付きモデルはリトリーブ用に開発されたのかもしれませんね。

ちなみにリトリーブで使う場合はブライトリバーのカールが向いてるのでそちらがオススメです。

ウォブリースネークのカラー

水面系ブランドゆえ、へドンのショアパターンはもはやお約束。

このカラーがラインナップに有るのと無いのとでは売上が大きく変わるので、水面プラグにとってはある意味生命線とも言えるカラーです。

吹き目のゴールドアイにもへドン愛が溢れていますね。

しかしオーソドックスなカラーだけで終わらせなかったのもアドニスのスゴいところ。

アヴァンギャルドなカラーにも挑戦してくれており、確か反射板入りもあったような記憶があります。

一部コレクターの情報によると数量限定でフォイル張りのモデルも存在したとの事で、これらカラーの多さはウォブリースネークの人気を証明しています。

ウォブリースネークのフック

フックは前後ともマスタッドを採用。

フロントが#2サイズ、リアが#4サイズと、フッキングとアクションへのこだわりが見えます。

フロントはカップを少しだけボディに埋めてリグの ”収まり感” を演出するなどアドニスらしい配慮も。

これらはフックやリグが醸し出す雰囲気にもこだわりたいトップウォーターアングラーのハートを見事に射抜いています。

先に掲げたブレード付きの画像ではイーグルクロー?のフックを採用していることから、もしかしたらロットによってフックの違いがあるかもしれません。

ウォブリースネークのネーム

ネームプリントはサウスベンドに敬意を払っているのか、ブランド名とルアー名を入れる横書きスタイルを採用。

ルアーカラーとの相性が悪いので見辛いのですが、文字がゆらゆらと波打っており、文字通りウォブリーになっているのが分かります。

スミスのパフィートップもそうですが、こういうところに遊び心があるルアーってなんかワクワクしますよね。

こういうルアーで釣ったらどんなに小さなバスだって楽しくなるし、酒の肴にしてニヤニヤ出来ますからね😁

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ちなみにウォブリースネークとは、とぐろを巻いて頭をわずかに揺らしているヘビのこと。

これはヘビが捕食対象を前にした時に見せる本能行動のひとつで、警戒しつつも攻撃体勢に入っていることの証。

つまりこのルアーのネーミングはバスを仕留めるというヤル気の表れでもあるのです。

入手困難なのが玉に瑕

そんな優秀なルアーなのでアドニスが廃業した今でも非常に人気で、なかなか出物に遭遇できないのが玉に瑕。

タックルベリーなどの中古屋ではまずお目にかかれないので、トップウォーター系の中古ショップやフリマサイトなどでないと出会えないと思った方がいいでしょう。

以前のんだくれがルアーを大量に処分した際、ウォブリースネークを購入した人から大感謝されると共に、他にも持ってたら是非売ってください!と鼻息フンガーメッセージが送られてきたこともありました😂

このようにウォブリースネークを探してるアングラーは他にも沢山いるので、入手するにはちょっと覚悟が必要かもしれません。

それでも頑張って入手する価値は十分にあると思いますが。

おわりに

これはルアーに限った話ではありませんが、廃業してしまったメーカーに復活して欲しいと言うのは簡単なことです。

しかし廃業に至った経緯や当事者の心境を考えると、そういった言葉を安易に発するのは気が引ける部分もあります。

しかしそれを理解していても、このルアーを生み出してくれたアドニスには復活して欲しいなと。

B級ルアー列伝でDabさんも熱いアドニス愛を綴ってくれている通り、このデザインセンスが見られなくなってしまたのは日本のルアーマニュファクチャリングにおいて非常に大きな損失なのですから。

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