初期のバンディットの屋台骨を支えた漢のスクエアビルクランク シリーズ500 Series 500 / バンディットルアーズ Bandit Lures

クランクベイトシャローダイバーバンディットルアーズ Bandit Lures

釣れるのに生産終了となってしまった名品

経緯はともかく、めちゃくちゃ釣れるのに生産を中止してしまうルアーが数多く存在します。

そんなルアーの名前を挙げ出したらキリがありませんが、皆さんも沢山ご存知ですよね。

今日紹介するバンディットもまさにその類い。

巻くだけで何故か釣れちゃうルアーとして90年代バスシーンを席巻したうちのひとりです。

初期バンディットの屋台骨を支えた500

こいつはバンディットが創業して間もない80年代の中盤から90年代初めにかけて販売されていたバンディットのシリーズ500。

クランクベイト専門、しかもプラドコ傘下となってしまった今では信じられませんが、この当時バンディットはミノー(ジャークベイトではないw)やスピナーベイトもリリースする総合ルアーマニュファクチュアラーでした。

しかしこの頃からシステム化したクランクベイトシリーズをラインナップさせるなど、クランクベイトに対する強い執着が見られるので、クランク専門ブランドになるのは、もしかしたら運命だったのかもしれませんね。

バンディットでは珍しい正統派スクエアビル

このリップを見てお分かりの通り、こいつは正統派のスクエアビルクランクです。

3インチというボディレングスとこのスクエアビル形状から、バグリーのバルサB3を意識しているのは明らかですね。

このシリーズが出てきた当時は、まだスクエアビルという通称もなかったので当のバンディットでさえシャローダイバーとしか呼んでませんでしたが。

バグリーにライバル心を燃やしていたバンディット

当時のラインナップを見る限り、バンディットはバグリーに対して相当なライバル心を燃やしていたのではないかと思わせるフシがあります。

しかし80年代のバグリーは向かう所敵無しの無双ブランドだったので、新興クランクベイトブランドが似たようなルアーを出したところで、フフンと鼻で遇らうどころか気にもしていなかったと思います。

しかしバスプロショップスのカタログがバンディットを掲載し始めた事で状況が少しづつ変わり始めます。

バンディットの運命を変えたBPS

バンディットがバスプロカタログに掲載され始めた80年代終わりから90年代始めは、あのジョニーモリスがまだ経営に参画していた頃。

もちろんネット通販などない時期でしたからBPSのカタログの影響力と破壊力はそれはそれは凄まじいものでした。

当時の様子を知る業界人に聞くと、一旦BPSカタログに掲載されると、分厚いマスターカタログとそれ以外に年数回リリースされるシーズナルカタログで注文が殺到し、年中納品に追われる状態になった、と。

そのぐらいの影響力があったのです。

もちろん今でもBPSカタログに掲載されればとてつもないボリュームの注文が約束されますが、現在はジョニーモリスの手を離れてユダヤ商売に染まってしまったので、メーカーは破格の仕切り値と納期に苦し… おおっと、こういう夢のない話はあまり知らない方がいいかもしれませんね😅

一気にメジャーブランドの仲間入り

話を元に戻しましょう。

BPSカタログにこのシリーズ500と、同じボディを持つダイビングモデルの400が掲載されるや否や怒涛の注文ラッシュが始まります。

それに比例して全米からの釣果報告が相次ぎ、プラスチック製クランクベイトでは既にあのノーマンルアーズがリトルNやビッグNを出していたにも関わらず、瞬く間にメジャーブランドの仲間入りを果たしたのです。

こんなにもモールドの継ぎ目がズレてても、オサカナ釣れりゃカンケーないですもんね。笑

フックはトリプルグリップを装備

フックはトリプルグリップタイプを採用。

最近のクランクでロングシャンクのトリプルグリップを採用しているものはないので、ちょっと新鮮ですね。

しかし決定的な弱点も

フックハンガーは前後共にエイトリングを採用していますが、実はこのエイトリングがこのシリーズのの最大の弱点でした。

キャストで護岸などにぶつけると、このリングが曲がるだけでなく簡単に抜けちゃうんです。

90年代に入って500と400シリーズはカタログから落ちてしまうんですが、もしかしたらこのエイトリング問題もその要因のひとつだったのかもしれません。

ボディにはネームは一切入っていません。

よって、ヤフオクやメルカリなどで名称不明クランクとして破格値放出されていることが多々ありました。

プラとは思えない浮力とレスポンス

3インチのボリュームなので、想像通りの浮力でポコン!と浮きます。

クランクベイトとして巻き倒すのはもちろんですが、ダーター的なトップウォーター使いも面白いですね。

使って楽しいクランクベイト

立派なスクエアリップと強い浮力とくれば、その泳ぎはいかにもなブリブリアクションかと思いきや、意外にもタイトなウォブリング。

ボディサイズの割に巻き抵抗が小さく、プラスチック製とは思えない高レスポンスなので、投げて巻いてとにかく楽しいクランクベイトに仕上がっています。

内蔵ラトルも軽めのシャカシャカ系サウンドなので、バルサB3よりちょっと目先を変えたい時にローテーションに組み込むのも効果的かもしれません。

最近は内外を問わず、旧型バンディットハンターが多くなったのでなかなかお目にかかれなくなりましたが、もしどこかで出会うことがあったら是非レスキューしてあげてくださいな。

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