サイズ展開しているルアーには、必ずと言っていいほど “当たりサイズ” があります。
そのサイズだけ他のサイズよりも突出して釣れる、というヤツですね。
ラッキークラフトのビーフリーズ110SPやジャッカルのバニーのオリジナルモデルなど、当たりサイズは枚挙にいとまがありませんが、このアクセル60もまさにそのお仲間。
ということで、今日のゲストはバスマニアシリーズの鉛筆野郎、アクセルでございます。
バスマニアは、ティムコが1996年に発表したウッド製のトップウォーターラインです。
ボディサイドにバズペラを持つカラバシュや、シングルスイッシャーのブービー、ポッパーのタンク、ダブルスイッシャーのスパークなど、遊び心を詰め込んだ人気の水面シリーズでした。
当時はバスフィッシングブーム真っ只中で、次から次へと登場するルアーの波に押されてその存在がかき消されがちでしたが、その中でもバスマニアシリーズはしっかりと存在をアピールしていました。
そのバスマニアシリーズのペンシルベイト担当としてリリースされたアクセルには画像の60mmサイズの他に70mmがあり、のちに木箱入りの大型版、ギガントアクセルという長兄も発売されました。

ギガントモデルは当時としては異常とも言えるボリュームだったので、バスフィッシングブームの真っ只中にありながらもドン引きスルーされてしまい、ワゴンに流れたのを覚えている方も多いことでしょう。
そんな話題のシリーズの中で、アクセルはこの60サイズの釣れ方が抜きん出ているのです。
なぜこの60サイズが当たりなのか明確な理由は分かりませんが、のんだくれが想像するに、この下膨れの平安顔からテールへ流れるスムースなボディラインによる水押しが効いてきるのではないかと。
しかし同じような形状のペンシルベイトだったら他にも数多く存在するのに、何故これだけがバスを惹きつけるんでしょうか。
おそらくそれは比重のとサイズが絶妙なバランスなのではないかと。
このアクセルに使われている木材の種類は分かりませんが、同様のペンシルベイト… 例えばズイールのテラーなどと比べて喫水が高く、しっかり水に絡むような気がするのです。
もちろん自然素材なので個体によるバラツキはあるでしょうが、複数のアクセル60を試してみても同サイズのウッドプラグよりもしっかりと水に絡むのです。
もちろん水絡みだったら70サイズでも問題ないのですが、サイズアップを狙って60から70に替えた途端にバイトが止まってしまうんです。
強い水押しにも関わらずそのシルエットは非常に小さいので、バイトに持ち込みやすいのではないかと。
このアクセルが発売されていた当時のんだくれは週一で相模湖に修行に行っておりましたが、あのタフな相模湖バスでさえこの水押しを無視できず、浮き桟橋のキワや青田ワンド奥のオーバーハング下でスローに動かすだけで、その夜風呂の中でニヤニヤ出来たものです。
このアクセルの登場により、ズイールのチマチマテラーの出番が無くなっちゃったぐらいなんですから。
そんな絶妙な水押しアクションを生み出してくれるのがこの上反りボディ。
ヘッド部とテールを絞ることによって中央よりもやや前にボリュームを持たせることで浮力を集中させているのが分かります。
これによりヘッドで受けた水をググッと押しながらも、余分な抵抗は後ろへキレイに受け流すことに成功しています。
そのパフォーマンスは水に浮かべれば一目瞭然。
たった60ミリのペンシルとは思えないほど大きなスライドアクションを披露してくれるんです。
このアクセルを開発した時、プロトタイプが60に近かったのか、それとも70に近かったのかは分かりませんが、この釣れっぷりを見る限り、オリジナルは60サイズだろうなと勝手に思ってますが😁
カラーはクラシカルなフロッグパターンですが、このシリーズには恐竜の骨格やラスタトーンをイメージしたものが多数ラインナップしていました。
のんだくれは毒ガエルちっくなブラック/レッドバックを溺愛していましたが、百戦錬磨の毒ガエルをオーバーハングの上にブチ混んでしまい、帰らぬ人となってしまいました😭
フックは標準ではファインワイヤー#6になっていますが、のんだくれはVMCのものに交換しています。
その理由は、標準装備のフックを伸ばされた事が何度かあったのと、フック重量を増やしてスライド幅を抑えたかったから。
実はこのアクセル、オリジナルのままだとあまりにもスライド幅が大きいので、オーバーハングのようにプロダクティブゾーンが小さなスポットではちょっと動かすだけですぐにポイントを通り過ぎてしまうんです。
なので少しでも長くスポットで動かせるように、より水絡みをアップした仕様にしているというワケです。
さらにスプリットリングもワンサイズ上げて重量と抵抗をアップという目論見も。
これにより、より虫ちっくでスローな演出も可能になりました。
まあ自己マンの部分はかなり大きいと思いますが、そもそもルアーフィッシングなんて自己マンのカタマリですからね😁
ネームプリントは腹に既存のフォントであっさりと。
このネームに関しては言いたいことは多々ありますが、これが発売されたのは90年代ですからね、文句言っちゃイケマセン。
もし今こんなネームだったらボロクソに言いますけど😂
このアクセルに限らず、バスマニアシリーズは天下のティムコがバスフィッシングブーム真っ只中でリリースしたルアーだけにタマ数も豊富で、今でも中古屋で見る事ができます。(カラバシュを除く)
令和になった今、わざわざこれを探して買う人はそうそういないと思いますが、もしボックスに幽閉してる人がいるなら、たまには投げてあげてくださいな。
GW前の岸際でチョコチョコ動かせば、その日の夜、湯に浸かりながらニヤニヤできるかもしれませんぞ。