ポップンスプラッシュ マグナム / ヨーヅリ

こりゃどう考えたってネーミング間違ってるでしょ!というルアー、有りますよね。

機能と名前が噛み合ってないというか、これをネーミングした担当者、絶対使った事ないでしょ的なヤツ。

今日のポップンスプラッシュはまさにそんなルアーの代表作です。

このポップンスプラッシュは、1990年代後半にリリースされた、やや大きめのポッパー。

何故か日本ではほとんど見ることが出来ず、実際に販売されているのを見たのはポパイ系列の店舗でのみ。

のんだくれはかつて横浜本牧にあったポパイで購入しました。

パッケージは全部英文で書いてあったので、もしかしたら米国を主戦場としていた物を少しだけ日本市場に流通させたのかもしれません。

だって、ネーミングは明らかに国内向けじゃないですもんね。

しかし、このネーミングが超曲者だったんです。

スプラッシュをウリにしているポッパーといえばイエローマジックやポップRが思い浮かびますが、このポップンスプラッシュはそれらを二回りほど大きくした74mmのグラマラスボディを持っています。

特筆すべきはそのボディ幅。

オリジナルポップR P60の幅が15mmに対し、ポップンスプラッシュは20mm。

昔からポップRのスプラッシュの威力にひれ伏していたのんだくれは、このボリュームとネーミングだけでソッコー連れ帰りましたよ。

しかーし!

実際に泳がせてみると、全然ポップしないし、ツバも全然吐かねー!

最初はタックルセッティングが合ってないのかと思いあれこれ試してみるも、スプラッシャーとしての片鱗すら見せることなく呑気に首振ってやがる。

これは逆の意味で大きな衝撃でした。

ポップRのスプラッシュがボディの大きさと共に倍増して… ムフフ❤️ な妄想を抱いてたのんだくれのココロは、青田ワンドの奥に体を横たえる沈船の如く、深く沈んでしまったのです。

でもそれは買う前にルアーをよーく見てれば避けられた悲劇でした。

だってこのカップですもん。

エッジが立ち上がり、水を鋭く削り取るポップRのそれとはまったく違う、マイルドカップ。

これじゃ大きくツバを飛ばすことは出来ません。

しかも上アゴがやや前に出てスラントしてるので、チャガーとして使っても、え?何コレ?な仕事ぶり。

そんなわけでこのポップンスプラッシュは、まるでラグボールのZチームのように衣装ケースの奥深ーくに幽閉されてしまったのです。

しかしそれから15年以上経ったある日、コトが動き出します。

とある友人が、かつてティムコが出していたノトス・チャグペッパーの大サイズで爆釣したとの話を持ってきたのです。

彼曰く、スプラッシュを出さずに弱ーくポワンと首振りさせるとヘラ浮きが消し込むように良いサイズが連発した、ポッパーだけどあえてスプラッシュを出さないのが効いたのかも、と。

彼の “スプラッシュを出さない” というキーワードでこのポップンスプラッシュを思い出し、改めて泳がせてみると…

なんと、めちゃくちゃイイじゃないですか!

以前投げた時は、そのネーミングゆえスプラッシュパフォーマンスに対する期待が大き過ぎて肩透かしを食らいましたが、ウォーキングにフォーカスして改めて泳がせてみると、これがめちゃくちゃナイスな首振りアクションだったのです。

そのアクションを一言でいうと、周りの水を大きく動かす、移動距離の少ないダイビング系ペンシル。

ほぼ垂直の浮き角からねっとりと首を振り始め、水面の皮一枚をすくうようにスライドしたら、小さな水泡をポワンと出してクイックなターンを、ほとんどオートマチックに繰り出してくれるのです。

しかもそのスライドがポッパーのそれとは思えないほどのキモチ良さ。

あー!このルアーはこういう使い方じゃないと命を宿さないんだ!とパズルのピースがハマった瞬間でした。

そんなポップンスプラッシュの細部を見ていくと、あまり他のポッパーには見られない点が散見されます。

まずこのボディライン。

画像がイマイチで非常にわかりづらいのですが、側線に沿ってややエッジが立っているのです。

それはまるで流麗なスポーツカーのエッジラインのように、エラの後ろからボディ後端まで破綻することなく伸びているのです。

ペンシルでもポッパーでも首振り系のルアーの多くが、ターンの際にかなりボディを倒したロール状態でスライドしていますが、もしかしたらこのエッジラインがキールの役割を果たしてロングスライドの一つの要素になってるのかもしれません。

そしてこのポップンスプラッシュはウェイトもユニークです。

このサイズのルアーに載せるウェイトとは思えない、直径10mmのビッグなウェイトボールをボディの後端ではなく、真ん中に配置しているのです。

このポジショニングがアクションにどのような影響をもたらすのかはわかりませんが、もしかしたらあのねっとりとした水押しは、この重心位置だから実現できているのかもしれません。

ちなみにこのウェイトはラトルとしての役割も兼ねていますが、ラトルボールと呼ぶには大人しすぎるサウンド。

ウェイトを入れるスペースがほんの少しだけ大きくて、動くとわずかにカタカタ鳴るといった感じなので、おそらくメーカーとしてはラトルにするという意図はなかったと思われます。

しかしその巨大なウェイトボールのおかげで、ポッパーとしてはありえないぐらい飛びます。

米人が良く言う、Cast A Mile! というやつです。

ポッパーとしてならともかく、ウォーキングベイトとして使うなら飛距離は重要なポイントなので、これも喜ぶべきポイント。

でもあまりにも安定した飛行姿勢ゆえ、着水時に結構な深さまで刺さってしまうので、ウィードが水面近くまで伸びているエリアでの使用は注意が必要。

外見はいかにもヨーヅリな、過度に作り込まないシンプル志向。

最近のルアーはエラだの目だのあれこれリアルに彫塑しまくっててのんだくれ的には食傷気味なので、こういうシンプルな外見のルアーを見るとなんかホッとします。

昔はリアルな造形のものが大好物でしたが、某デンマークの某サベージギア😂のルアー開発現場で、動物を殺してまで3Dスキャンしてリアルな造形を追求する状況を見ていたら、ちょっと考えが変わりました。

別にリアルが欲しいんだったら生エサ使えば良いじゃんって。

もちろん考え方はいろいろあるのでリアル志向を否定はしませんが、そもそも外観やフィニッシュにどんなにリアルさを求めても肝心のオサカナからはただの異物にしか見えてないよね、と。

単なる異物を、より違和感のある生命体と思わせて興味を持たせ、バイトに持ち込むのがルアーフィッシングじゃないの? というのがここ5〜6年ののんだくれの考えなのでございマス。

フックは前後ともショートシャンクのラウンドベンド。

リアには申し訳け程度のフェザーがおごられています。

この貧相なフェザーがかわいそうだったので、もっとボリュームのあるフェザードフックに交換したコトがあるのですが、見事にスライドアクションが死にました😅

やっぱりちゃんと考えられてました😂

しかし残念なのは、ボディのどこにもネームのスタンプがない事。

これはいくら運動性能が高くてもイタダケません。

ルアヲタ繋がりの米国知人(友達ではない笑)から、このルアーって日本製だろ?名前を教えてくれ、とよくテキストが来るんですが、いちいち答えるのメンドくさいので、のんだくれの手間を減らす意味でも是非ともルアーにはネームのスタンプをお願いします。😂😂😂

しかしパッケージにあるロゴにはしっかりトレードマーク登録申請済のマークが入ってるのに、ルアーにそれを入れないとは何事か!

こういうとこの詰めが甘いのはダメよ、ホント。

ちなみにこのルアー、マグナムという名前からお分かりの通り、アメリカではオリジナルサイズとなる弟分とのタッグで販売されていました。

その弟分とは、そう、日本でアームズポッパーとして販売されてたアレです。

日本で出回っていたアームズポッパーは、アメリカではアームズシリーズ・ポップンスプラッシュという名前で流通していたのです。

これはのんだくれの勝手な想像ですが、このマグナム君は元々全く別のトップウォータープラグとして開発されていたのですが、米国内の流通チャネルに乗せる際、既にそこそこの知名度があったアームズポップンスプラッシュの名前に被せて兄貴分として販売した方が手っ取り早く、かつセールスも見込めるからこのネーミングになったのではないかと。

だから名前と性能との間に大きな解離が生まれてしまったのでは?

皆さんはどう思います?

このどーでもいいヲタ極まりない推察を😅

実際に店頭で見かけたのは20年以上も前でポパイ店舗のみ、しかもネームプリントも入ってないとなれば欲しくなっても探しようがないルアーではありますが、ねっとりとした水面アクションが好きな方は心の片隅に置いておけばいつか思いが通じるかもしれません。

それと、実際このルアーを所有してて、今も釣ってるよ!という方がいらっしゃいましたらご一報いただけるとのんだくれは僥倖でございます。

え? それでお前はこのルアーで釣った事あるのかって?

もうね、それはオサカナの事に一切触れてない時点で察するところで、わざわざ聞くもんじゃありませんから😭😭😭