アレのパクリだと思ってるヤツは顔洗って出直して来い ワイルドピーナッツ Wild Peanuts / ダイワ Daiwa

クランクベイトダイワ Daiwa
この記事は約12分で読めます。

 

はじめに

 

新しいルアーが出るたびに必ず湧いてくる「これ、○○のパクリじゃね?」論争。

 

新製品発表の時期になると始まる事から、もはや釣り業界の春の風物詩と言ってもいいでしょう。

 

確かに、ルアーの歴史を振り返るとコピーの連続です。

 

完全オリジナルなんてほとんど存在しないのが実情なのは皆さん御存知の通り。

 

とはいえ、どこからが「進化」でどこからが「パクリ」なのか、その線引きは難しいし、元ネタを探してはドヤ顔で語るいわゆる “元ネタ厨” ですらそれを明確に定義することは出来ないのが現状。

 

しかしそんな目先の戯言よりも重要なのは、そのルアーが「どんなコンセプトから出来ているのか」と「実際に釣れるのかどうか」

 

そうです。

 

外見の裏に隠されたルアーの本質を見抜くのもアングラーの腕の見せどころなのです。

 

今日のゲスト、ワイルドピーナッツはそんな命題をアングラーに突きつけてくる、ある意味リトマス試験紙のような存在かもしれません。

 

ワイルドピーナッツとは

 

ワイルドピーナッツは、2020年に登場したダイワピーナッツシリーズの新たなファミリーモデル。

 

従来のピーナッツのDNAを受け継ぎつつ、ロッククローラークランクベイトの代名詞ともいえるウィグルワート系のアプローチに挑戦した、非常に意欲的な作品なのは既に皆さん御存知の通り。

 

このジャンル特有の、岩やハードボトムをタイトに攻める動きを意識し、複雑な地形でもしっかりアピールできるよう設計されています。

 

コンパクトなボディながら水噛みが良く、明確な接地感と共に根掛かりを回避しながらもしっかりアクションをキープするセッティングが特徴になっています。

 

その攻め方やアクションについては、従来のウィグルワート系と比較して「新しさ」と「違和感」の両方が存在しており、アングラーの間でも賛否が分かれる部分。

 

ただ、それがまた “ワイルドピーナッツらしさ” であり、新しい釣りの引き出しを増やす存在になっているとも言えるでしょう。

 

 

ワイルドピーナッツのサイズ

 

ワイルドピーナッツは、全長75ミリ・重さ9.1gのコンパクトサイズ。

 

しかしサイズに対してウェイトがしっかりあるのと飛行姿勢が安定していることもあって、20lbといった太めのラインでもしっかり飛ばすことができます。

 

この辺の作り込みはさすが国産って感じがしますね。

 

とはいえ、思ったより飛ばないという声があるのも事実。

 

しかしそれはこのルアーが遠投向けに作られたものではないという前提を見落としています。

 

そもそもピーナッツという存在はクランクベイトの基本を押さえたもので、オリジナルモデルだってカッ飛び仕様じゃなかったでしょ?

 

何か突出した性能を持ってるわけじゃないけど、誰でもどんなシチュエーションでも使えるクランクがピーナッツの基本コンセプトだということを忘れちゃイケマセン。

 

 

ちなみに弟分となるタイニーワイルドピーナッツも同時リリースされており、こちらはまた違ったアプローチに対応できる秀作。

 

タイニーは単なる小型版ではなく全く別設計・別キャラクターで、コレについて説明するとエンドレスになるので詳細はまた別の機会に。

 

ピーナッツボディのロッククローラー

 

ワイルドピーナッツを語る上でまず正しておきたいのが「オリジナルピーナッツをウィグルワートに寄せたモデルに過ぎない」というネットに出回ってる誤解。

 

名前に “ピーナッツ” と付き、オリジナルとほぼ同じボディシルエットからも「オリジナルの焼き直し?」と思われがちですが、実際にはまったくの別物。

 

ウィグルワートとも全く違うのです。

実はこの点に関し、当初はのんだくれ自身も誤解しており、「どこまで本家のパフォーマンスに迫ってるのかお手並み拝見といこうじゃないか」的にナナメに構えていた事もありました。

 

過去にも記事にしたことがありますが、のんだくれのウィグルワート歴は40年以上。

 

ガキの少ない小遣いを貯めて買った赤のウィワートを皮切りに、何十個というウィグルワートを投げてきただけでなく、フォロワーと呼ばれるロッククローラー系も投げ倒してきた自負もあってワートに関してはちょっとうるさいんです。

 

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しかし投げ込んでいくと、オリジナルモデルと言ってもイイぐらいに成熟した部分が見えてきて、もしかしてコレってヤバいルアーなんじゃないの?というキモチすら抱くことも。

 

扱いやすいのにアピールも忘れないアクション

ピーナッツという身分をちゃんと押さえた暴れ具合

 

リップを激しく振って潜るアクションはロッククローラーの面目躍如たるもの。

 

しかし当初はダイワが「破綻寸前のスーパーワイドアクション」と言うほどのものは感じませんでした。

 

内外のロッククローラーを投げ倒して来たこともあって、まあこんなもんかというのがファーストインプレッション。

 

破綻寸前というワードもあって肩透かし感は否めませんでした。

 

しかしよく考えてみたらこれはピーナッツファミリーなんですよね。

 

つまり金田のバイクのように使い手を選ぶピーキーな特性をウリにするクランクではなく、誰でも使えるクランクベイトじゃないとダメなのです。

 

そりゃそうですよ、天下のダイワなら使い手を選ぶ「破綻寸前アクション」のクランクを作ろうと思ったら朝飯前なはず。

 

そういう観点で見てみると、このアクションは誰が巻いても破綻しないギリギリのラインを攻めた「成熟したアクション」であることが分かります。

 

入力に対するレスポンスは特級レベル

 

しかし成熟アクションとはいえ、レスポンスの良さは特級レベル。

 

ほんの少しの入力でも即アクションが立ち上がるので、その様はまるでアジリティ競技で主人の命令を待つ犬のよう。

 

そのヒミツはこのリップ先端のエッジに設置された僅かな盛り上がり。

 

ウィグルワートをはじめとした他のロッククローラーの泣き所でもある動き出しの一瞬のもっさり感を見事に克服しているのです。

 

巻き物であるクランクにそこまでシビアな条件を求める必要はないんじゃ?という声が聞こえてきそうですが、実はこれ非常に重要なファクターで、葦際や護岸のちょっとした窪みなどプロダクティブゾーンが極端に小さなスポットではこの動き出しの僅かな差が大きな違いとなることが往々にして有り得るのです。

 

 

そして更に注目して欲しいのはリップエッジの盛り上がりがボディの付け根に行くに従って無くなっっていること。

 

必要以上に水を掴んでしまうとアクションのキレ損なうだけでなく巻き重り感も出てしまうためこのようなデザインになっていると思われますが、実際ワイルドピーナッツの巻き心地は長時間投げ続けられる飽きのこないフィールに仕上がっている事からもそれが伺えます。

 

 

その跳ねっぷりは「ラッセーラー」

 

更に注目したいのは障害物に当たった時の挙動。

 

障害物回避性能が総じて高いのがロッククローラークランクのウリですが、ワイルドピーナッツはボディの幅でフックをカバーするのではなく、障害物に当たった時の跳ねる挙動も含めたトータルアクションですり抜けるのです。

 

そのアクションを例えるならば、ねぶた祭りでお囃子に合わせて跳ね回る跳人(はねと)の動き。

 

とりわけ大きく跳ねるわけでもないけれど、確実に障害物を避けてスルスルとしなやかに泳いでくるそのさまは跳人という表現がピッタリ。

 

よってグラベルボトムやリップラップなどで手元にボトムの感触が伝わってきたら「ラッセーラー ラッセーラー」と合いの手を入れてあげるのがワイルドピーナッツの正しい使い方なので覚えておきましょう。

 

千鳥アクションは期待しないほうがいい

 

あとスゲー蛇足ですが、この手のアピール系クランクベイトのインプレ書くとよく聞かれるのが、「千鳥りますか?」という質問。

 

クランクベイトが千鳥るかどうかは個人的にクランクの評価基準には入ってないのでどっちでもイイんですが、答えるとしたら「一応リトリーブ軌道は左右に振れるが、それを期待しない方がイイ」です。

 

千鳥アクションを重視したいならタイニーの方が強めに出るのでそちらをオススメします。

 

 

そもそもワートのパクリなのか?

 

さてさて、ワイルドピーナッツの話題で語られがちな「パクリか否か」についても触れておきましょう。

 

そのためにはロッククローラー形状の始まりから説明せねばなるまい(ヤッターマン風)

 

 

確かにこの形状はウィグルワートから始まったものだが、ウィグルワートの形状が特許として認可されたのは1978年。

 

しかしこの特許の有効期間は14年と設定されていたので、1992年には特許としての期限は切れています。

 

それに呼応するように90年代中頃からウィグルワートを意識したクランクベイトが市場に出回り始めます。

 

つまりあらゆるブランドからフォロワーとなる商品がリリースされるほどこのカテゴリーの市場認知度は高かったのです。

 

米国ではペンシルベイト全般をスプーク、リップレスクランク全般をトラップと呼んでいるように、このロッククローラータイプを全部をひっくるめてワートと呼んでいる人も多いのです。

 

新作のペンシルベイトやリップレスクランクを見てザラのパクリだ!とかラトルトラップのパチだ!と騒ぐ人なんてきょうび誰もおらんでしょ。

 

ゆえにこのロッククローラー系をパチだと言ってる人の感覚は、パテントが有効だった80年代のまま止まってるんじゃないかと。

 

 

巻き倒すだけじゃもったいない

 

そんなワイルドピーナッツの使い方は基本的に投げて巻けばオッケー。

 

しかーし!このパフォーマンスを巻きだけで消費するのはもったいなさ過ぎる。

 

そのキモはこのルアーが持つ浮力とレスポンス。

 

ウォブリングの要として備わっている浮力を使わない手はないんです。

 

水面での細かいトゥイッチはもちろん、ラインスラックを出してキックバックさせたり、ラインを張ったまま浮かせて左右にユラユラさせたり、時としてスポーニング期の核弾頭となる浮上アクションの強みを活かせるのがワイルドピーナッツなのです。

 

例えば葦際に撃って潜らせたり浮かせたりで焦らした後、一気にハイスピードリトリーブに切り替えてバスのスイッチを入れるとかトリッキーな演出も。

 

問題はこんな千両役者級のパフォーマーなのにダイワがそれをアピールしていない事。

 

どのインプレ動画を見てもザリガニだの大きなアクションだのというありきたりなロッククローラークランクの特徴にしか言及しておらず、浮上アピールの有効性に触れていないのです。

 

これぞ宝の持ち腐れ。

 

そんな誰でも分かるような事ばっかり話すなどダイワ自身がその程度のプレゼンしかしてないんだから、そりゃパクリって言われても仕方ないわなと。

 

というかダイワがそれを表に出さなくとも、そういったルアーのポテンシャルを見出して一般ユーザーにアピールするのが契約プロやプロスタッフの仕事じゃないの?と。

 

その程度だからメーカーの釣行動画は見ないという人が多い事実に気づかないと。

 

釣果があってナンボの90年代ならともかく、令和の今は「どう楽しむか」という視点でちゃんとアピールできるかどうかが重要で、それが出来ないようならその辺のサンデーアングラーと何ら変わらん事を肝に銘じるべし。

 

ちなみにワイルドピーナッツじゃないけど、メーカーの動画見てると「それっぽいこと言ってるけど撮影の時に初めて使ったな」とかなんとなく分かっちゃう事も。

 

現場で使ったことがあるユーザーは特にその辺に敏感なので、プロモーション動画を撮るなら撮影前にガチガチに使い込んでモノにしてから臨んで欲しいなと。

 

 

カラーリングから透けて見えるダイワの弱気

 

カラーはザリガニパターンのみ。

 

ベースがクローム系かファントム系かペイント系であるかの違いだけのシンプル構成。

 

ただここにも今のダイワのダメダメなところが顔を覗かせちゃってる。

 

いくらボトムを這わせるクランクだとはいえ、ザリガニがメインベイトのフィールドじゃないとこの手のカラーはイマイチ響かないんですよね。

 

今後のカラー展開プランにザリガニ以外のカラーも入ってるかもしれんが、ファーストロットでそれを出してこない時点で「売れ残ったらどうしよう」という数字ありきの弱気が見え隠れ。

 

ふくには遊び心があるのになんでこっちにそれを盛り込もうと思わんのか。

 

はっきり言ってこれは決裁権者の保守志向以外のナニモノでもない。

 

バスフィッシング不況の今、リブンシケーダやマウスウォッシャーのようなぶっ飛んだルアーをリリースする必要はないけど、ピーナッツという金看板があるなら「売れ残ったら俺が責任取る!」ぐらいの漢っぷりを見せるのがリーダーの役目。

 

てかピーナッツでそれをやらなかったら他に出来るルアーなんて無いだろと。

 

 

そうそう大事なことを忘れてた。

 

ワイルドピーナッツはピーナッツ家のしきたりでイマドキの3Dアイを使っていないところも地味ながらニヤリなポイント。

 

リアルアイが悪いわけではないけど、ルアーのイメージに合う目は使い手のモチベーションにも大きく影響するのでこういうところは非常に重要。

 

 

 

尚、クロームカラーはベースが乳白色のいわゆるボーン素材なのでファントム系に比べてラトル音がやや高音になっているのが特徴。

 

リペイントの素体として使いたい人はその辺りも気にしてみると面白くなるかと。

 

サクサスフックでヤル気満ち満ち

 

フックは前後とも#6サイズを装備。

 

スティーズプロップなどにも採用されている刺さりが良いサクサスフックを採用。

 

ぶっちゃけこのフックの効果は実感したことないけど、ある意味エントリーモデルであるピーナッツにこのフックを採用するあたりにダイワの気合を感じずにはいられません。

 

ネームから見る今後の展開

 

ネームスタンプはベリー全面を使った自己顕示欲満載系。

 

やっぱネームはこうでなくちゃ。

 

注目すべきは ” RATTLIN’ ” の表記が入っていること。

 

これをわざわざ入れたという事は、ノンラトルやハイトーンラトルバージョンの登場を見据えてのことなのか?と深読みしたり。

 

もしそこまでやるなら本家ウィグルワートでは失敗に終わったサスペンドモデルにチャレンジして欲しいなと。

 

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どこでも入手できるのはダイワ販売チャネルの強み

 

ワイルドピーナッツはダイワの強みであるどこでも気軽に買えるのもウリの一つ。

 

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ピーナッツは量販店やキイロで定期的に安売りしてるのでその時にストック分も含めてゲットすべし。

 

こういう事を書くと、「安いのがあったら…」と様子見をする人が多いがそれは大いなるアウト。

 

このパフォーマンスはお値段以上なのでたとえ定価であったとしても入手しておくべき。

 

この手のルアーは春先のものだから…. というメディアが作り上げた使えん定義も忘れるべし。

 

昨今の円安で海外製ロッククローラーが軒並み1,500円超えの中、実売900円以下で入手できるんだから、機会損失による満足度のロスも考えたら既にセール価格になったも同然なのです。

 

 

おわりに

 

ワイルドピーナッツに限らずだが、ルアーの歴史はコピーの歴史でもある。

 

今日のルアーに至るまでに数多のコピーと検証があった事を考えると、カタチだけパクってシレッと売り出すコーモランのようなブランドは除き、少なくとも元ネタと言われるルアーとの違いを検証して初めてパクリを指摘出来るんじゃないかと思っとるワケですハイ。

 

どんなにパクられても釣れるルアーはオリジナルとしての存在感が無くなることはないしね。

 

 

 

 

 

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