ファットペッパー Fat Pepper / ティムコ Tiemco

 

ルアーは魚を釣ることでより強く記憶に刻まれ、その状況も思い出になります。

 

しかし中には、魚の記憶はあまりないけれどもなぜか強く記憶に残るルアーもあります。

 

のんだくれにとってティムコのファットペッパーはそんなルアーのひとつです。

 




 

 

このルアーを一番最初に手にしたのは確か1996年。

 

相模湖に向かう途中の国道16号線沿にあった某量販店の閉店セールが出会いの場でした。

 

このルアーの第一印象は特にナシ。

 

安かったから買った。のんだくれにとってはただそれだけのルアーでした。

 

 

 

普通だったらルアーを買う時はあれこれ妄想しまくってレジへ連れていくんですが、当時のんだくれが勤めていた会社はブラックで、仕事で身も心もすり減ってたので何も考えられなかったんでしょうw

 

まあ男なら誰しもそんな時期はありますよね。

 

 

 

ファットペッパーは68ミリ、18.5gのミディアムサイズのダイビングクランクです。

 

このルアーが登場した時期(94年頃?)はちょうどバスフィッシングからは離れていた時期でもあるので、デビュー当時の詳しい事は知りませんが、確かレッドペッパーやチャグペッパーなどと同じノトスブランドからのリリースだったような覚えが。

 

元々ディープクランクは好物なので、ファットペッパーの名前だけは知っていましたが、しばらくバス離れしていたアングラーが復帰すると必ず陥る ”浦島太郎状態” により手を出せずにいたのです。

 

 

 

そんなニュートラルな状態での実戦投入となったワケですが、いざ投げてみるとこれが思いのほか良かったのです。

 

まあそれまでのんだくれがメインウェポンとして投げていたディープクランクは80年代を引きずったDD22やらDB3やらのアメリカンクランクがメインですから、それらよりも軽く巻けて、しかも重心移動搭載でカッ飛ぶクランクがよく見えるのは当然なんですけどねw

 

 

DD22 Deep Diver 22 / ビルノーマン Bill Norman

 

しかし巻いていくうちにのんだくれはある事に気づきました。

 

このファットペッパーの泳ぎは、派手過ぎないのにタイト過ぎることもなく、そして手元にしっかりとブルブルを伝えてくれるのに長時間巻いても疲れないのです。

 

今のクランクだったら至極当たり前の巻きフィールですが、この事実は米製クランクに慣れ切っていたのんだくれにはちょっとしたショックでした。

 

ほんの数年バスフィッシングから離れてただけなのに、なにこの進化っぷり! すげーよ国産!となったのです。(ちなみにそれ以前に投げていた国産ディープクランクは同じくティムコのクランキーダーターwでした)

 

 

 

それ以降しばらくは【ディープクランク=ファットペッパー】の日々が続くのですが、正直なところ、このルアーでの目立った釣果はナシ。

 

青田ワンドの岬沖で何本か釣った記憶はありますが、おそらくそれが全てだったように思います。

 

 

 

ではなぜそんなルアーが記憶に残ったのか。

 

それは巻き心地にも関係してくるんですが、のんだくれはこのファットペッパーを投げて巻いてを繰り返すだけでものすごく癒されたのです。

 

当時ののんだくれの仕事は過剰なストレスでかなりピリピリしており、週イチの相模湖通いが唯一の息抜き。

 

オサカナが釣れなくても湖上で独り黙々とリールを巻き続けることが何よりも癒しでした。

 

ロール強めのウォブリングで湖底から姿を表すコイツが仕事のストレスから解放してくれたのです。

 

当時のティムコ開発陣はこのファットペッパーの巻き心地に癒しの要素があるなんて思ってもいないでしょうが、のんだくれは間違いなくヒーリング効果を感じていたのですw

 

 

 

もしかしたらこの血の気が通ってない無表情シール目にも癒し効果があるのかもしれません。

 

もしこれが貞子の様な下向きのリアルな3Dアイだったら、癒されるわー💙 とはならないですからねw

 

しかしこうして改めてシール目を見てみると、感情移入のないニュートラルな感じがかえって新鮮でイイですね。

 

 

 

目だけじゃありません。 ボディもしっかりクラシックスタイルなんです。

 

このシンプルなタイガーパターンと側線のドットワークは当時のティムコルアーの王道スキームでしたね。

 

このカラーのレッドペッパーではイイ思いをさせてもらいました。

 

そういえば当時のティムコは限定シーズナルカラーとして落ち葉カラー?なんかを出したりして積極的に展開してましたね。

 

 

 

フックは汎用ラウンドベンドの#4が標準装備となっていました。

 

近年クランクベイトはカバー用だのボトム用だのコンセプトの細分化に合わせてフック形状もあれこれ変わってますが、このファットペッパーが生まれた時代はそんなややこしい使い分けが無かったのでほとんど汎用フックで対応していました。

 

そう考えると当時の釣りはシンプルに考えられてましたね。

 

バスフィシングの面白さは、入口はシンプルなんだけれど、突き詰めるとどこまでも追及できる奥深さにあると思うんです。

 

でも奥深さは複雑と紙一重なので、解釈を間違うとただのComplicated Things(メンド臭いやつ)になってしまう事を開発担当者は忘れないで欲しいなぁ

 

 

 

 

ネームプリントは他のペッパールアー同様、ハラにしっかりとフルネーム入ってます。

 

レッドペッパーから始まったペッパーシリーズには数多くの名作がありますが、そのほとんどが今は生産されていません。

 

近年チャグペッパーがリニューアルされましたが、それ以外のモデルは復刻の話も聞かないのでおそらくこのまま生き返ることはないんでしょうね。

 

のんだくれはフラットペッパー70F最強論者なので、復活を心待ちにしてるんですが。

 

 

 

手元に残るファットペッパーはこの火虎が最後なのでもうガチ投入することはありませんが、ティムコのラインナップから未だ落ちていないところをみると、まだまだ現役で成果を挙げているアングラーは居るということなんでしょうね。

 




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