ファッションが20~30年ごとにローテーションしているように、ルアーの流行りにもローテーションがあります。
最近良く聞くパンチングもその名前こそありませんでしたが、ヘビーウェイトシンカーを使ったマットブチ抜きテクニックとして既に80年代後半の琵琶湖では見られましたし、今では定番となったジグヘッドワッキーも見た目こそ違えどドゥードゥリングの進化系にほかなりません。
もちろんそこには最適化された新しいタックルが介在してくるので昔と全く同じというワケではありませんが、昔流行したもののベースをおさえつつ、新たなアレンジを加えるという一連の流れはやっぱりヒットの王道なんでしょうね。
そんな事を頭の片隅に置きつつこのルアーを見ると、かなりナイスなトコを突いて来るなぁ… と感心しちゃいますね。
なにしろ30年前に一大ブームを巻き起こしたナチュラルカラー/ナチュラルフォームを現代風にリメイクして、さらにジョイントボディ+ウェイキングアクションというアレンジを足しちゃったんですから。
80年代の出来事を昨日のように思い出しながらサブサーフェスの釣りをするのが大好きなのんだくれがコイツを放っておくワケがありません。
コイツはのんだくれのような過去にしがみつくオサーンをターゲットとしてリリースされたんじゃないかと勘繰ってしまうほどの超どストライクなルアーです。
なんといってもシビれるのはこの造形です。
レーベルのベビーブリームを妄想のオカズにしていたのんだくれの性癖を見抜いているかのようなこのカタチは、もう反則を通り越してあっぱれとしか言いようがありません。
しかもこのサイズ感。
体高のあるブルーギルならではの存在感は、あーこのぐらいのサイズのギルを食うバスはデカいよね的な妄想へ引き込んでくれます。
スイムベイトにしては小さく、ウェイクベイトにしては大きいという絶妙なボリュームにもヤラれました。
随分前にマンズのワンマイナスを投げ込んでいた頃、もう一回り大きくてちょっとだけ縦扁平になってくれたら… と思った事がありましたが、まさにドンピシャです。
ボディの最大幅は20ミリとオリザラにも負けない容積の持ち主ですので、これだけの体高があるにも関わらずボディの上1/3を水面から出して力強く浮き、ポーズからのショートジャークではバブルとスプラッシュを出しながらイヤらしく身体をよじります。
そんな動きを見ていると不覚にも夢の精を呼び出してしまいそうです。
水面でご主人様からの命令を待つこの姿勢なんて、まさに夏場シャローに浮いてるポカンギル。
この状態でデッドスティッキングしても面白そうです。
ロッドティップを細かくアオれば振りもしてくれるので、水面系アングラーとの相性もバッチリ。
そんなどこか懐かしいナチュラルボディに加えられた現代風のアレンジがこのジョイントです。
2つのヒンジにより横方向だけに動くように設計されているだけでなく、振り幅も約30度に抑えられており、よりベイトフィッシュちっくな動きが出せるようになっています。
リトリーブでボディが揺れれば、前後のパーツがぶつかり合ってカッカッカッ… という大きなタップ音を発します。
ラトルとはまた違ったこの音の効果は、あのモンスタージャックを見れば分かりますよね。
ジョイント部が垂直ではなく斜めに切れ込んでいるのは、リップが水流を受けて前傾姿勢になるので、その角度を見越した設計。
これにより、水面直下を泳ぐ時にテール部分が水平となり、大きな引き波を出せるという算段になっています。
しかしこういうスタイルのジョイントはハマクルの登場以来、スイムベイトの定番となりましたね。
のんだくれのようなオサーンとしてはラパラやレーベルのジョイントのように上下にフレキシブルに動くのも捨てがたいんですけど。
もうひとつのアレンジポイントはこのウェイキングリップ。
通常ウェイクベイトは大きめのリップでがっつり水を掴み、グワングワンと強い引き波を立てるように設計されているものがほとんどですが、コイツの場合はジョイントテールとの調和を考慮したのかあくまでもナチュラルなスイミング。
スローにリトリーブすると水面から背中を出して弱々しい引き波とともに先述のタップ音を発して泳ぎます。
この辺の味付けは完全にスイムベイトを意識していますね。
しかし一度ムチを入れて早めに巻くと、ワンマイナスとまではいかないもののしっかりとした強い引き波とサウンドでアピールすることもできるので、夏場のナイトゲームでは活躍してくれそうな予感がします。 ムフ。
レーベルのブリームにはショートリップモデルが存在しなかっただけに、このボディをウェイキングで泳がせる事が出来るのは嬉しいですね。
そんな目で見ていくと、こんなエラの盛り上がり具合やヒレの造形も引き波を出すための流体力学的な設計が施されてるんじゃないかと思えてきちゃいます… ってのはちょっと大袈裟ですね。
でもこんなエラの造形ひとつにニヤニヤしてるオサーンは傍から見てキモいだろーなー…
フックはお約束のブラックニッケルです。
パケには、【 Daiichi(ダイイチ)ブランドのジャパニーズフックを使ってるぜ!】 となってます。
ダイイチというブランドは日本のマーケット、特にバス関係ではイマイチ馴染みがありませんが、海外では多くのルアーメーカーにフックを供給するブランドとして知られています。
ヨーヅリブランドが日本よりも海外でウケてるのと同じですね。
ネームは背中にブランド名だけ入れられています。
フルネームのプリントが欲しいトコロですが、もうこれに関してはいろいろ言っても仕方がないですね、諦めてます。
以前ライブターゲット/コッパースフィッシングの担当者トム君に『なんでちゃんと名前をプリントしないの?』と聞いた事がありますが、さぁ… と言うばかりで明らかに答えに困ってました。
そりゃ極東のネームヲタなんかにいちいち付き合ってらんないわなー。
フラットサイドクランクとウェイクベイトとスイムベイト、さらにトップウォーターベイトの4つの性格を持ったルアーなので、使い方によってはどっちつかずに感じる人もいるかもしれませんが、こういう何でもありなテンコ盛り感が好きな人にはタマらんルアーである事は間違いないですね。
コメント
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1. ガンキチ January 20, 2011 09:36
ブルーギルの名前の由来となったエラのブルーの部分の造形といいエライリアルな造形ですね~
昔、琵琶湖でギルを釣った時、後に猛スピードで追いかけてきたモンスターが忘れられず、ギルの形のルアーを買いまくってましたが、コイツも欲しくなりました。
背中のロゴも実はハイビズを意識しての位置なのでは?と勘繰ってしまうのは病気ですね(笑)
2. のんだくれ January 21, 2011 06:08
ガンキチさん
あー、確かにギル釣ってるとバスがチェイスしてくることありますよねー。
ギルのエサ釣りの時に結構イイサイズが来てビビったことありますよ。