”初心向け””安物”のイメージにそぐわぬ実力派ミノー リニージベイト80-F Lineage Bait 80-F / ケンクラフト Kencraft

ケンクラフト KEN craftショートビルジャークベイト上州屋 Joshuya

ケンクラフトブランドが終了して早20年近く経とうとしている今、改めてケンクラフトのルアーが見直されています。

バスフィッシングブームの頃はビギナー用だのメガバスのパクリだのと貶されてルアーの性能以前の捉えられ方をしていたので、時間が経ったことでやっと正当な評価対象になったということでしょうか。

いつだったか某社のデザイナーが ”ルアーは生産が終わって初めて真の実力を見てもらえるようになる” とこぼしていましたが、当たらずとも遠からずではないかと。

しかしケンクラフトの中でもバスパーのように現役の頃から実力が認められていたものがいくつか存在します。

今日のゲスト、リニージベイトもそんな隠れた実力者のひとりでした。

 




 

のんだくれがリニージベイトの実力を知ったのは、仲間のひとりがトラウトで爆釣(死語w)したことがキッカケでした。

何を投げても沈黙していた芦ノ湖で、リニージベイトに変えた途端、ナイスサイズのレインボーが連発したんだそうな。

そのあまりの釣れっぷりに帰り道の上州屋でリニージベイトを爆買いしちゃった!と。

その話を聞いた時は、ふーん…そんなこともあるよねー ぐらいにしか思ってませんでしたが、バス狙いで投げてみたところ結構簡単に釣れちゃったんです。

サイズは大した事ありませんでしたが、一匹でも釣れたら心はもう爆釣気分w、のんだくれもソッコーで上州屋に走ってしまいましたw

 

リニージベイトは全長80ミリ、自重6.5gの典型的なミノーです。

今だったらジャークベイトと呼ばれるんでしょうが、デビューした当時はまだミノーと呼ばれることの方が多かったですね。

画像のフローティングモデルの他にサスペンドタイプもラインナップしていましたが、最初に釣ったのがフローティングだったこともあり、断然フローティング派に。

スペック云々よりも釣れたルアーが好きになるのはアングラーの性なので仕方ないですよねw

アレですよ、全くそんな気はなかったのに、気軽にボディタッチしてくる女の子を気にしているうちに好きになっちゃう高校生とおんなじです。 え?チガウ?

 

とはいえ、フローティングタイプの方が好みなのにはちゃんと理由もあるんです。

それがこのミノーらしからぬぽっちゃりボディ。

実はこのボディが持つ浮力がなかなか良い感じなのです。

 

当時はラッキークラフトのステイシーなどの影響もあり、ミノーといえばサスペンドといわれるほど猫も杓子もサスペンドな中にありながら、このリニージベイトは国産では数少ないフローティングミノーでした。

元々ロングAの14Aをリッピングしてフワワーと浮かせるメソッドが好きだったこともあり、このリニージベイトは浮上スピードが遅い14A的な感じでローテーション要員として使うことができたのです。

 

 

しかも浮力だけでなくそのアクションも特徴的でした。

ロングAのアクションがワイドに水を攪拌するのに対し、リニージベイトはピリピリとしたタイトなエスケープアクション。

泳ぎの質がロングAとは正反対なので、そのサイズも含めてローテーションに組み入れやすかったのです。

 

 

さらに重心移動を搭載していて、6.5gのミノーとは思えないほど飛ぶのも大きなアドバンテージでした。

この重心移動ウェイトは良い意味で座りが安定していないので、トゥイッチするとミノープラグのラトル音とは思えないほどのワンノッカーサウンドを発してくれるのです。

ただし中にはテール部分でウェイトが固着してしまうタマもあるので、それに当たった時は笑ってやり過ごすのがケンクラフトの嗜み方。

運悪くそういうタマに当たってしまったら、瞬間接着剤を注入してウェイトをフロントに固定してあげましょう😁

 

外見はまんまワカサギです。

当時はリアルフィニッシュ全盛の時代ですから、各メーカーともいかにリアルな造形が実現できるかで競い合っていましたね。

そんな中にあってもリニージベイトはウロコのパターンや光の入射角によるスペクトル反射、目玉の周りのくすみまで再現するなど、かなりイケてたのではないかと思います。

ケンクラフトは豊富な資金力にものを言わせて果敢に攻めていましたが、この分野ではメガバスが先行していたイメージもあり、攻めたがゆえに皮肉にもパクリだと揶揄されていました。

単なるパクリだけではここまでのクオリティのものは作れないのは一目瞭然なのに、当時は群集心理とかダークな思惑とかが交錯してましたからね。

嗚呼ニンゲンってコワい😨

 

フックは前後ともファインワイヤーの#6が標準ですが、当時このサイズのミノーに#6を装備していたのは少なかった記憶があります。

このサイズのミノーはスーッと寄ってきてパクッと甘噛みするようなバイトが多いうえに、ファイト中に空いているフックがボディに刺さってバレを防げるので、あらかじめバーブレスにしておくのはお約束。

 

ネームは他のリニージシリーズ同様にデザインロゴがプリントされていますが、スクラッチに弱いので使っているうちにフックで擦れて読めなくなってしまうのが難点。

できればケンポップのように背中にプリントして欲しかったなー

 

出回ったタマ数が多くなかったのか、それとも未だにコアなファンが探し回っているのか理由は分かりませんが、ケンクラフトのルアーの中ではあまりお目にかかれない部類だけに、見つけたら即ゲットして欲しいルアー。

特にフローティングモデルは貴重な存在なので、この目を持つミノーを見つけたら躊躇は厳禁ですぞ。

 




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