ベビーワンマイナス Baby 1 Minus / マンズ Mann’s Bait Co.

スーパーシャロークランクの歴史はワンマイナスから始まった

マンズ ベビー ワンマイナス インプレ

 

スーパーシャロークランクを語る上で絶対に外せないのがマンズのワンマイナスシリーズであることは、バスアングラーの皆さんならもうご存知ですよね。

 

潜行深度が1フィート以下であることを大々的に謳って空前のヒットとなり、マンズの経営状態を立て直したとまで言われているクランクベイト史に残る名品です。

 

ということで今日のゲストは、ワンマイナスシリーズの”次男坊”、ベビーワンマイナスでゴザイマス。

 



ワンマイナスを監修したのはあのポールアライアス

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ワンマイナスシリーズのデビューは1989年。

 

当時マンズとは蜜月関係にあったポール・アライアス監修の下、開発が進められました。

 

ワンマイナスの開発コンセプトは、”マッディシャローウォーターで強く魚を引き寄せるクランクベイト” でした。

 

ポールが主戦場としていた米国南部は強い濁りが入った水域が数多く存在し、試合で勝つためには広大なマディウォーターの中からいかにキーパーを探し出すかが重要なポイントです。

 

そんな条件にマッチするクランクベイトとして開発されたのがこのワンマイナスでした。

 

そしてワンマイナスはデビューするや否や、他社のクランクベイトでは真似できないパフォーマンスでぶっちぎりの実力を見せつけました。

 

監修した当のポールはこのワンマイナスを武器に好成績を叩き出し、それを見た他のプロたちもこぞってワンマイナスを投げて結果を出しはじめました。

 

さらに翌年、Sports Afield誌の “最もホットなクランクベイト8選” に選ばれたことで生産が追いつかない状況に陥り、”あれは本当にエキサイティングでセンセーショナルだった” とマンズのマーケティングディレクターが語るほどのヒット作となりました。

 

ワンマイナスのサイズバリエーション

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ワンマイナスシリーズは現在4モデルがラインナップしています。

 

画像上からレギュラー、ミッドワンマイナス、ベビーワンマイナス。

 

ボックスを捜索するも見つからなかったのでここには写っていませんが、この他に末弟となるタイニーワンマイナスが存在しています。

 

レギュラーワンマイナスのサイズは今でこそ何の違和感もありませんが、発売された当時は、こんなタマゴみたいな巨大なクランクで釣れるの?と誰もが思ってましたね😁

 

89年にレギュラーとベビーが同時リリースされ、その後90年代の初めにミッドワンマイナス、そして90年終わりにタイニーという順番でモデルが追加されました。

 

大きさではミッドワンマイナスが “次男坊” になりますが、発売順ではベビーワンマイナスの方が次男になるんです。

 

ミッドワンマイナスはレギュラーとベビーの間を埋めるモデルとして作られましたが、のんだくれ的には全く必要のないモデル。

 

詳しくはまたいつか記事にしますが、ワンマイナスはレギュラーとベビーさえ持ってれば、それ以外のモデルは必要ないと断言できます。

 

 

ワンマイナスのサイズ・重さ

 

各モデルのサイズは次の通り。

 

ModelSizeWeight
ワンマイナス3-1/4"
(80mm)
5/8oz
(実測27.5g)
ミッドワンマイナス3"
(68mm)
3/8oz
(実測19.5g)
ベビーワンマイナス2-1/4"
(55mm)
1/4oz
(実測11.5g)
タイニーワンマイナス1-1/2"
(未計測)
1/8oz
(未計測)

 

ご覧の通り、ウェイトはカタログ値と実測では大きな差があるのが分かります。

 

ウェイトデータが実際と違うのはアメリカンルアーのお約束でもあるので、ここは笑ってスルーするのがバスアングラーとしてのお作法です。

 

なにしろレギュラーサイズは公称5/8ozに対し実測1ozと、なんと10gものサバ読みですからね😁

 

しかしこのサバ読みの裏には、意図的に軽い数値を公表したマーケティング戦略があったのではないかとのんだくれはニラんでます。

 

その戦略とは、このワンマイナスは当時のアングラーが持つシャロークランクの重さの概念を大きく上回る重量なので、購入にあたって”重過ぎる” という心理的な抵抗を無くしたかったのではないかと。

 

事実、バグリーのDBIIIマグナム(実測25g)が登場した時、当のアメリカ国内ですら “こんな巨大なクランクベイトどうやって投げるんだ!” と言われてた時代ですから。

 

もう一つの理由として、当時出回っていたロッドには1オンスに対応するものはあまり無かった上に、当時流行っていたガチガチのニーリング用ロッドを使うとバイトが取りにくいという事を分かっていたので、あえてマンズは扱い易い軽いウェイトで公表したんじゃないかと。

 

皆さんはどう思います?こののんだくれの 勝手な妄想 推理😁

 

 

ワンマイナスのキモは水を受け流すラウンドリップ

マンズ ベビー ワンマイナス インプレ

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リップは全面がラウンド形状になって水流をうまく受け流す設計になっています。

 

この “水を逃す” という考え方も当時は衝撃的でした。

 

潜らせないためのデザインなのは理解できても、水抵抗を逃しちゃったらアクションが死んじゃうんじゃないの?的な憶測も飛び交いましたが、実際に泳がせてみるとそれが杞憂であることが分かります。

 

アクションの立ち上がりこそイマイチですが、一旦動き出すととてつもないパワーを秘めた大きなローリングアクションを披露してくれます。

 

リップの役目は水をがっちり掴むだけではないということを知らしめた、センセーショナルなデザインでした。

 

 

不恰好なファットボディにワンマイナスの泳ぎの秘密が

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しかしリップだけで強大なパワーを放つローリングアクションを実現しているわけではありません。

 

それはこの不恰好にも見えるずんぐりむっくりのファットボディがあってこそのパフォーマンス。

 

ヘッド部が膨れ上がったボディシェイプは前面で水を押すだけでなく、浮力の元となる大きな体積を確保して、水を掻き回すローリングアクションを生み出します。

 

 

ただのノイズメーカーではないワンマイナスのラトル

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それだけではありません。

 

ボディとリップが生み出したローリングアクションをさらに増強する仕掛けも隠されているんです。

 

それはボディ内部の4つのラトルルームに封じ込められた大量のラトルボール。

 

ほとんどのラトルボールはボディ後方ルームに封入されていますが、このラトルボールが生み出す慣性モーメントの作用で、より強くボディがロールする設計になっているのです。

 

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以前ワンマイナスのラトルボールをレジンで固定したノンラトルチューンを試したことがありますが、出来上がったものはローリングのパワーが大幅に減ってしまい、もはやワンマイナスとは呼べない別物になってしまいました。

 

この時、ボディ内で縦横無尽に跳ね回るラトルボールはただのノイズメーカーではなかったんだ!と。

 

ウェイト配置バランスの関係上、クランクベイトらしからぬ浮き角になるのでアクションの立ち上がりはやや鈍くなりますが、それは強いローリングアクションを生み出すための副作用としてマンズも割り切っていたんでしょうね。

 

 

ワンマイナスの釣れ釣れカラー・テネシーシャッド

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カラーはマンズの伝統色とも言えるテネシーシャッド。

 

このカラーパターンはブルーシャッド、チャートリュースシャッド、ブラウンシャッドなどなど、数多くのバリエーションを持つマンズの定番中の定番パターンとして知られています。

 

特にワンマイナスのように早いピッチでロールするルアーでは、背のブラックと白い腹の膨張色が強いコントラストとなり、マディウォーターでも強烈に明滅してバイトを誘発します。

 

最新のクランクベイトにはないクラシックなカラーリングですが、長年カタログ落ちしない定番カラーにはそれぞれちゃんと釣れる理由があるんです。

 

 

かつては日本市場専用のカスタムカラーも

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カラーといえばこんなのもありました。

 

日本市場だけに製作されたジャパンカスタムカラーです。

 

90年代の中頃、富士灯器がマンズにオーダーしたカラーのうちの一つで、当時メガバスのグリフォンが火を付けてトレンドとなった “どチャート” 系カラー。

 

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どチャート以外にもアユカラーなんかもリリースされたりして、当時は釣具屋の陳列ハンガーを賑わせていました。

 

このWEST HILLの赤いステッカーに見覚えがある方もいますよね?😁

 

ちなみに今、アメリカのマンズフリークの間ではワンマイナスのジャパンカスタムカラーが人気です。

 

のんだくれの元にもアメリカから何件か “捜索願い” が来るなどガチなマンズマニアには垂涎寺清子なカラーなので、スペアが余ってる人はイーベイに出品して小遣いを稼ぐのもアリですぞ😁

 

 

ワンマイナスのフック

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フックは前後共ショートシャンクのラウンドベンドを採用。

 

ブロンズのスプリットリングがいかにも80年代という感じですよね😁

 

ちなみにこのワンマイナスもマンズの不文律に則って、製造時期により装着されているフック形状やサイズが違ったりします。

 

ネームにもワンマイナスの歴史が

マンズ ベビー ワンマイナス インプレ

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ネームはボディ両側にロゴと名前がエンボスモールドされた、マンズフリークの間でダブルスタンプ Double Stamped と呼ばれる最初期のもの。

 

具体的な時期は不明ですが、この次のモールドでは BABY 1- のモールドは消えてマンズロゴだけになります。

 

現行モデルはモールド自体が大きく変わり、スケールドボディと呼ばれるボディにウロコ模様が刻まれたものになっているので気になる人はGGってみて。

 

現行モデルのワンマイナスについてはいずれ記事で詳しく取り上げるつもりですが、旧モデルと比べてもなんら遜色ないパフォーマンスに仕上がっています。

 

なので、ネット上でよく言われている “ワンマイナスは旧型の方が良かった” というオリジナル神話は信用しない方が良いかと😁

 

 

まとめ

マンズ ベビー ワンマイナス インプレ

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デビューから早30年が経ち、市場にはライバルとなるスーパーシャロークランクが溢れかえっていますが、2003年にアイコネリがこのワンマイナスで試合を制したことからもわかる通り、その破壊力は未だ健在どころか、第一線級です。

 

最近は輸入元もあまり積極的にワンマイナスを入れない上にワンマイナスの威力を知らないショップも多いので、現物にはなかなかお目にかかれませんが、ボックスに忍ばせておかないと同行者に爆釣されて、泣きながら地団駄ステップという羽目になりますぞー😁

 


オマケ

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そうそう、せっかくベビーワンマイナスを紹介したので、オマケでのんだくれが普段使っている実釣バージョンも紹介しておきましょう。

 

見てわかる通り、フロントのフックサイズを上げて、テールに極小ブレードをぶら下げてます。

 

リアのフックを取ることでカバーを通しやすくなるだけでなく、ローリングアクションがさらに大きくなります。

 

ブレードを装着しているのは、高速リトリーブ時の安定性を上げるため。

 

こうすることで、水面直下バーニングでも泳ぎが破綻することなく強く安定した引き波を作り出すことが出来るように。

 

なのでブレードは水を掴まないようにハンマーで叩いてフラットにし、回転しないようにスプリットリングで接続します。

 

どちらかというとブレードはバスに対するアピールというよりも、視認性向上の役割が大きいのでホワイトカラーのものを装着してますがこの辺はお好みで。

 

小さめのトマホークブレードをスイベル(ベアリングではない)で繋げばリトリーブ軌跡に小さなスプラッシュを足すことも出来ます。

 

これらのモディファイのメリットは、移動距離が少ないのでオーバーハングや葦際にブチ込んでのトップウォーターでも使い勝手バツグンなところ。

 

カバー奥でチョンチョン、長めのポーズからのジュボッ!でゴゴン!という絵に描いたようなバイトが楽しめるので暇で死にそうなら是非トライしてみてくださいな。