フラットバルサB2 Flat Balsa B2 FBB2 / バグリー Bagley

人は先入観で動く動物です。

アレってなんかヤだなとか、あの人ってなんか感じ悪そうと思うとその印象に支配されてしまうというしょーもない性質を持っています。

しかし実際には自分の先入観とは全く違ったりして、なーんだと思わされることも。

そしてそれはルアー選びにも大いに当てはまります。

今日紹介するバグリーのフラットB2はそんなルアーの筆頭かもしれません。

フラットバルサB2とは

フラットB2はラパラのデザイナーだったヤルモがバグリーに参画後しばらくしてから(2年後?)リリースされたフラットサイドクランクです。

バグリーは90年代にB-フラットというフラットサイドクランクを登場させていましたが、それのリメイク的なポジショニングだと思われます。(B-フラットの画像も用意しようと思ってましたがルアーが見つかりませんでした😅 各自検索して!)

しかしそのB-フラットは当時バグリーのクランクとしてはクオリティが低いルアーとして有名でした。

バグリーの斜陽期にリリースされたということもありますが、製品のバラつきが酷く、トゥルーチューンしても泳がない事象が多発していたのです。

元々フラットサイドクランクはファットボディのそれに比べてシビアなバランスが求められるルアーなのですが、B-フラットはバグリーの製品とは思えないレベルの仕上がりだったのです。

なので90年代のフラットサイドクランク戦争中にあってもバグリーだけは蚊帳の外に置かれていました。

そんな経緯を知っているアングラーも多く、新生バグリーがフラットサイドクランクを復活させたと聞いてもピンとこないどころか、かつての悪夢が蘇ってしまったのでした。

フラットバルサB2のサイズ・重さ

フラットB2のサイズは全長65ミリ、自重3/8oz (実測11.5g)でフラットサイドクランクとしては平均的なサイズに収められています。

バグリーのクランクベイトは1, 2, 3とサイズ展開していくのがお約束なのですが、現時点(2021年10月)ではこのB2サイズ以外のバリエーションは出ていません。

このフラットB2がリリースされてから結構な時間が経っているにも関わらずバリエーションの話が聞こえてこないということは、もしかしたらワンサイズのみの展開なのかもしれません。

ちなみに潜行深度はカタログ値では3フィートとなっていますが、感覚ではもうちょっと潜っているような気がします。

フラットバルサB2のアクション

気になる泳ぎはほぼロールのないウォブリング主体のアクション。

アクションの支点をフロントフックの前に置き、ピリピリとした緊張感のあるタイトアクションを刻んでくれます。

そんなフラットバルサB2をひとことで表すと、”良くも悪くもバグリーらしくない動き”。

旧バグリーのB-フラットは何がなんでも水を動かしてやるぜ!的なヤル気が全面に表れたバタバタ系のアクションだったのですが、このフラットバルサB2はそんな気負いが感じられないのです。

軽い巻心地でありながらもアングラーにはしっかりと鼓動を伝えつつスルスルと泳いできます。

なんというか、普段はスカしてるけど仕事はちゃんとやります的な堅実感があるのです。

これはおそらくヤルモが持ち込んだラパラのDNAの影響でしょうね。

それが良かったのか悪かったのか受け止め方はアングラー次第ですが、かつてのB-フラットのショボさを知っている身としては嬉しい誤算です。

そして更に嬉しいのは、高速リトリーブへの追従性の高さ。

フラットバルサB2はかなりの早巻きでも泳ぎが破綻しないのです。

早巻きでもしっかり泳ぎ切るというのはフラットサイドクランクの必須条件なのですが、コイツはそれを高レベルでこなしてくれちゃうのです。

この高性能っぷりは、B-フラットの泳ぎを知っているアングラーにはおそらく衝撃でしょう。

そしてB-フラットの泳ぎを知っているアングラーはその先入観からこのフラットバルサB2を過小評価していることでしょう。

もちろんのんだくれもそのうちの一人でした。

これがあるからルアーって恐ろしいんですよね。

フラットバルサB2の構造

HCMマニュファクチャリングプロセスによって実現した高クオリティ

そんなフラットバルサB2の特徴のひとつはこのボディシェイプ。

一見なんてことのないボディラインなのですが、ヘッドからテールにかけて薄くなっていくという、バルサ製のフラットサイドクランクではなかなか見られない設計になっているのです。

それだけではありません。

背中側と腹側でもボディの厚みが変えられているのです。

一般的なウッド製フラットサイドクランクは一枚の板からボディを抜き出しているので、余程こだわったモデルでないかぎりボディの厚みは均一になっています。

しかしこのフラットバルサB2はまるで量産インジェクションプラグのように各部の厚みを変えているのです。

実はこれはヤルモが持ち込んだ The HCM マニュファクチャリングプロセスというスキームによって実現されています。

新生バグリーが誕生したときに配布されたセールスキットには、バルサを高精度で削り出してそれを高クオリティで組み上げる手順が解説されていましたが、このボディシェイプはまさにその結晶ではないかと。

リップにも最新技術を採用

そんなボディを生かすも殺すもリップ次第なのですが、ここでもバグリーは手抜きを許しません。

旧バグリーでは見られなかった、リップのエッジトリミングでキレの向上を図っているのです。

しかも両サイドのエッジは落としつつもコンタクトポイントである先端部の厚みは残して耐久性をアップするという、リップラッパー(という言葉があるのかは知らんけどw)にとっては非常に嬉しい実戦仕様。

そこまでこだわっていながら、何故か接着剤ベッタリではみ出しまくりなところに旧バグリーへのリスペクトを感じますがw、このリップがあのピリピリ泳ぎを実現しているのかと思うとそんな事も気にならなくなります😁

フラットバルサB2の使いどころ

そんなフラットバルサB2の性能を最大限に引き出す使い方は高速リトリーブ一択で間違いないでしょう。

タイトだが強いバイブレーションをあらゆるラインに通してリアクションバイトを誘発することがこのルアーの宿命なのです。

もちろんスピードトラップ的にガーッと巻いてキルを入れるメソッドも効果があると思いますが、その際はバルサの浮力を意識した急浮上もいいかもしれません。

スピードトラップ Speed Trap / ルーハージェンセン Luhr Jensen
不人気から這い上がってきた不屈のクランク 本国ではとてつもなく評価されているのに、日本ではイマイチ盛り上がらないルアーってありますよね。 言語やフィールド環境、供給体制などの違いもあるのでなかなか本来の実力が理解されにくく、...

バルサならではの強い浮力のおかげでUボートのようにキックバック気味に急浮上するので、ガーッと巻いたら取水塔などの縦ストラクチャーに沿って浮かせて、横移動と縦移動を織り交ぜた変化で誘うのも面白いかも。

しかし巻きでのハイパフォーマンスとは裏腹にカバーには弱いので、オープンウォーターの中にあるコンタクトポイントを中心に攻めた方がストレスのない釣りができます。

フラットバルサB2のカラー

そんな実力の持ち主なので、カラーリングにもやる気が満ちています。

これはオリーブシャッドというナチュラルカラー。

往年のトゥルーライフカラーを彷彿とさせるナチュラルプリントは昔のようなスタンプではなく、印刷されたものですが、どことなく欧州のニホヒがしないでもないw

ちなみに今のバグリーは全てセルビアで生産されています。

セルビアと聞いても我々日本人はピンときませんが、実はこの国はルアーの生産が盛んな国。

セルビア人はタイ人と同じく繊細な感覚で手先が器用なのでルアーの組み上げに向いていると言われています。

セルビアの伝統工芸品には非常に手の込んだ細かい仕事を施したものが多いので何となくわかる気もしますね。

そしてセルビアにはユーゴスラビア紛争の影響が未だに残っており、諸外国のODAによる税制面でのメリットが得られるのも理由のひとつ。

欧州で出回っているルアーの多くは実はセルビア製だったりするのです。

フラットバルサB2のフック

そんなフラットバルサB2のフックはブラックニッケルの#4サイズが標準で装着されています。

このフックがどこのものか調べましたが、決定的な答えは得られませんでした。

同じ欧州生産だしヤルモコネクションもあるからVMCかなとも思いましたが、どうやら違うようです。

ちなみにフックハンガーはラインアイから繋がるスルーワイヤー方式なのでビッグフィッシュが来てもビクともしない安心設計。

2枚のバルサ材を張り合わせた構造なのにボディ各部で厚みを変えられるHCMマニュファクチャリングプロセスの精度の高さはこういう所からも分かりますね。

フラットバルサB2のネームプリント

ネームはご覧の通り腹に新ロゴがプリントされていますが、スタンプの具合がよろしくないのか輪郭がガビガビになっちゃってます😭

臥龍ナントカを欠くじゃないですが、ルアーとしてのパフォーマンスが高いだけにこのネームのクオリティはちょっと残念ですね。

どっかのCMで人形は顔が命と言ってましたがネームはルアーの第二の顔でもあるんですからここはしっかりやって欲しかった。

たかがネーム、されどネームなのです。

フラットバルサB2の最大の欠点

しかしそんな高性能フラットバルサB2にも欠点があるのです。

それはどこにも売ってない事。

タックルウェアハウスなどから仕入れて販売しているウェブストアはいくつかあるようですが、ちゃんとプロパーで安定供給しているショップがないのです。

これはこのルアーの欠点以外のナニモノでもありません。

でもそれはバグリーの辿ってきた運命、そしてB-フラットの出来の悪さを考えたら仕方のないことなのかもしれません。

そもそも見た目もぱっとしませんからね。

仮に店に置いてあっても、ちゃんとこのルアーの性能を理解しているスタッフがいるかどうかも問題ですし。

だってこのルアーが陳列ハンガーにぶら下がってても誰かのプッシュが無かったら絶対買いませんよね?😭

ところでオフト無き後、バグリーをプロパー商品として扱ってる代理店って有るんでしょうか?

まとめ

今フラットサイドクランクと聞いて、このルアーを思い出す人はほとんどいないでしょう。

しかしそんな人にこそこのフラットバルサB2を使って欲しいのです。

来月、サンクスギビングが明ける頃にはアンディ・モーガンが監修したストライクキングのチックマグネットのデリバリーが始まる事もあって、フラットサイドクランカーは今一番浮き足立ってる頃でしょう。

しかしチックマグネットを入手するのは、このフラットバルサB2の泳ぎを知ってからでも遅くないのです。

高浮力高品質のバルサ製フラットサイドクランクが8.99ドルで購入できるというのに、9.99ドルのプラ製クランクに現を抜かすとは一体何ごとか!😤 とのんだくれは声を大にして言いたいw

バグリーがいつまでもコレを販売し続けてくれるとも限りませんしね。

時には自身の先入観を振り払って冒険してみては?

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