ジャークベイトって楽しいですよね。
自分のリズムで動かしてキャッチした時の達成感はタダ巻き系ルアーとはまた違ったものがあります。
反対にバイトがない時は自身のスキルが否定されたようで、ジャークベイトなんて嫌いだー!と叫びたくなりますが。
そんなジャークベイトでここ数年のんだくれが好んで投げているのが機動戦士ヴァンダム印のKVDジャーク。
あのクラシック覇者がデザインしたジャークベイトです。
正直なところ、のんだくれはこのルアーがデビューした時、冷ややかな目で見ていました。
このKVDジャークがリリースされる前にレッドアイシャッド、KVDスクエアビルとビッグヒットを飛ばしていたので、それまでのKVDの挙績からしてそのうちジャークベイトも出してくるだろうな的な予測ができていたのです。
なのでリリースされてても、ほらね、的にちょっと斜に構えてたというのがその理由。
よってゲットはしたもののほとんど使わず、三軍ボックス落ち寸前という状況でした。
しかしとある理由から必要に駆られてあらゆるジャークベイトを投げまくったところ、最初は気づかなかったKVDジャークのパフォーマンスにおっさんの心は射抜かれてしてしまったのです。
KVDジャークベイトは2014年にリリースされました。
全長110mm 16gのシリーズ300と、98mm 12gのシリーズ200をベースに、デビュー時からいきなり21色を揃えるという怒涛のラインナップでストライクキングのヤル気をみせてくれました。
200と300、それぞれのサイズに良さがありますが、のんだくれが投げているのは画像のシリーズ300。
のんだくれはぴょんぴょんと軽い抵抗でダートするものよりも、一日やりきったら手首がやられちゃいそうな重い抵抗のジャークベイトの方が好きなんですが、この300はやや重めの抵抗感と飛び具合の塩梅が絶妙なのです。
そんな絶妙な味付けを実現してくれているのがこのリップ。
メガバスのワンテンよりも幅があり、スミスウィックのログのようにしなる事もないという厚く堅牢なリップですが、これがのんだくれの好みにピッタリ。
近年のジャークベイトトレンドとは逆行するリップなので、動きもダルなんじゃないの?と思われがちですが、KVDジャークはこの堅牢リップがあってこその存在なのです。
幅広で堅牢なリップはこの大柄フラットサイドボディの効果を最大限に引き出すため。
のんだくれはこのKVDジャークを左右へのダートで誘うというよりも、ルアーの周りの水をいかに攪拌できるかという点で選んでいるので、それにはがっちりと水抵抗を掴んでボディをくねらせるあのリップが必要不可欠なのです。
ラッキークラフトのビーフリーズ100SPのゴツいリップと縦扁平ボディ系のジャークベイトだと言えば分かってもらえるでしょうか。
そして最大のポイントは着水後にこの浮き角で指示待ちをしてくれるところ。
これはキャスト時にテール側にウェイトが移動したままの状態で浮いてくるがゆえの姿勢なのですが、これがなかなか使えるのです。
重心移動ジャークベイトは頭上げ姿勢になるのがイヤだという人もいるけど、着水後に瀕死のベイトっぽくスローに浮上できるのは重心移動のみに許された特権なので個人的にはアリ寄りのアリ。
中でもKVDジャークはラインアイのリングを取ってライン直結するだけで生っぽくなるのでアリアリのアリ。 pic.twitter.com/VXE5rYVtIU
— のんだくれ@ルアー千一夜 (@lure1001) May 22, 2021
キャストしたらしばらく放置した後にリッピングで大きく引っ張ると、水面でボーッとしてたベイトフィッシュがプレデターに気付いてパニックになる動きが出せるというか、静から動への急激な変化が実にいい感じで演出できるのです。
しかもこのKVDジャークはクランクベイト並みの強い水攪拌を生み出してくれるので、マディウォーターでも効きそうなところがナイス。
ぶっちゃけこの動きではまだチビしかキャッチしてませんが、この動きで是非ともデカいのを食わせたい! …って、状況も考えずに動きばかりにこだわってるからオサカナ釣れないんですけどね😭
とはいえこのフラットサイドが生み出すモワモワは、左右に大きく飛ぶダート系ジャークベイトではなかなか出せないものなので、このメリットを生かして釣りたいじゃないですか。
のんだくれが弟サイズのシリーズ200をあまり投入しないのは、水攪拌ボリュームの大きさが歴然としてるからなのです。
もし200と300を両方持ってる人がいたら、水面直下で両者をリッピングさせてみてください。水面に湧き上がるモワモワの量の違いがはっきり分かりますから。
もちろん200には200にしかできないパフォーマンスがありますが、水押しという点では圧倒的に300の方が上。
あ、そうそう、書き忘れてましたが、このKVDジャークはリップが折れないというところも高ポイントですね。
のんだくれはシャローのリップラップでガシガシとリッピングすることが多いので、岩に当たってリップが折れないというのはかなり重要なポイント。
メガバスのワンテンあたりを強気でリッピングすると、あ”ー!と涙を流すことになりかねないので、その点安心して使えます。
フックは3本ともショートシャンクのラウンドベンドを採用。
やや後ろにスラントさせた横フックハンガーでフック同士の干渉を防ぎつつ、ロール時のフックのブレを抑えています。
ジャークベイトはポーズ中に軽くパクッとするだけの、アングラーも気づかないようなバイトが多いのでフックをアップグレードする人が多いのですが、のんだくれはそこまで拘らずホーニングだけで対応。
その代わり、釣る気モードがONの時はこまめなフックポイントのチェックは必須。
ジャークベイトに限った話ではありませんが、ボディにフックポイントが擦れるルアーはアングラーが想像している以上にポイントが甘くなるので、一つのルアーを長時間投げ込む時は注意が必要です。
惜しいのはネームプリントがどこにも無いこと。
これだけのパフォーマンスで、しかもKVDの紋章を使えるならネーム入れればいいのにね。
KVDジャークだけでなくストライクキングのルアーはネームプリントを軽んじる傾向がある… というかほとんど入ってないのでホントもったいない。
いつだったかICASTショーでストライクキングのスタッフと話した時、何故ルアーにネームを入れないのか聞いたことがあるんですが、返ってきたのは『ルアーを見ればストライクキングのものだと分かるからね』という、良くも悪くもアメリカンなお答え
その当時はレッドアイとかスクエアビルが絶好調だったのでそんな答えになったと思うんですが、ストライクキングでもプロモデルシリーズ4と5を見た目ですぐに判別できる人はそんなに居ないんだからさぁ…と心の中で思ったのんだくれなのでした。
ところでネームプリントの話ではありませんが、のんだくれはこのKVDジャークでもオイスター Oyster カラー を溺愛していました。
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“いました” という過去形なのは、ロストしてしまってもう手元にはひとつもないから😭
ずっと探してるのですが、どうやら近年はKVDジャークではこのカラーを生産していないのか全然見当たりません。
KVDジャークのカラーチャートには Pro Bone という似たカラーもあるんですが、水に入れると色調が全く違うので、もしどこかでオイスターのKVDジャークを見つけたらマストバイですぞ。
カラーの話ついでに、KVDジャークにはこんなカラーもラインナップしています。
その名もレモネード Lemonade。 ロングAでは定番のクラウン系カラーです。
しかしこれは同じKVDジャークでもウォールアイモデルに設定されたカラーなので、日本国内はもちろん、海外通販でもなかなか見つからないのがネック。
ウォールアイはバスよりもレンジが深いので、もしかしたらバス用とはウェイトセッティングを変えてあるのかもとワクワクしながら探す日々です。
ご覧の通りKVDジャークベイトは見た目が普通なので、そのパフォーマンスを知らない限り購入優先順位が高くなることはあまりありませんが、水押しの強いジャークベイトが好きならハマると思うので、マディ系水域でガシガシとジャークしたいアングラーは是非。