ピンスポット向けトップウォーター?トンでもない!これこそ真のサーチベイト ベビートーピード Baby Torpedo X0361 / へドン Heddon

へドン Heddonシングルプロップスイッシャートップウォーター

 

普段なにげなく使ってるルアーの各部に秘められた意図と設計の深さに気づくとチビりそうになることがあります。

ロングセラーといわれるルアーであればあるほどあまり深く考えずに使っているものなので、その分、気づいた時の衝撃も大きくなります。

今日のゲスト、へドンのベビートーピードはのんだくれが股間に生温かい広がりを感じそうになった数少ないルアーのひとつ。

我々が想像する以上に深い意図をもって開発されたルアーなのです。

このルアーに関してはもう説明は要りませんよね。

マグナム、タイニー、ティーニーと共にへドンのシングルプロップベイトの金看板を背負っているジ・オールタイムクラシック。

90年代にはラトル内蔵のオートグラフモデルなどもリリースされ、名実ともに傑作として知られています。

ただラトルを入れただけなんてトンでもない!スラッシャーに進化したプロップベイトの名品 ラトリントーピード Rattlin' Torpedo / へドン Heddon
ベビートーピードは最強ではなかった?! のんだくれはこのルアーを使うまで、シングルスイッシャーではベビートーピードが最強だと思ってました。 あのシンプルで小さな身体から生み出すサイズを卓越した水押し、そして直ペラによって作り...

1969年に初めてカタログに登場して以来、50年以上(!!)もの長い間カタログ落ちしていないというモンスターなのです…  という具合に歴史を語り始めたらエンドレスになってしまうので、あとはへドンの専門家にお任せします😁

ベビートーピードの特徴は、64ミリ 8.5gという小柄なサイズながらマグナムサイズのルアーにも負けないアピアランスと魚を寄せる力を持っていること。

のんだくれはかれこれ35年以上第一線で使っていますが、ベビートーピードに似たものは数あれど、これを超えるプロップベイトは無いと断言できます。

それはタイニートーピード然り。

オリジナルモデルであるタイニートーピードですら打ち負かすことができないポテンシャルの持ち主なのです。

そう言い切れる理由はこの魚雷型シェイプ。

丸いヘッドと絞られたテールで構成されたシンプルなスピンドルシェイプなのですが、ベビトーがベビトーたり得るのはこのヘッドがあるからこそ。

シンプルなヘッドが水面での安定性を生み、プロップ効果を最大化しているのです。

ん?水面での安定性?と違和感を感じた方がいるかもしれませんね。

それを理解するにはデビュー時の説明書きを紐解く必要があります。

” Imitates a struggling, wounded minnow when slowly retrieved with jerks of the rod tip ”

”スローに巻きながらジャークを加えて、傷ついた小魚がもがく様子を演出せよ” という一文がありますが、ベビトーのボディシェイプはこのアクションを安定して出すのに必要不可欠な要素。

一見なんてことのない丸いヘッドですが、リトリーブを開始するとこのカーブがボディの背面に薄い水の掛け布団を作ります。

皮一枚被って水面直下を泳ぐので、プロップがしっかりと水をキャッチ出来るだけでなく、リトリーブしながらの連続ジャークでもトビウオにならずに安定したサウンドとスプラッシュが生み出せるのです。

つまりショートジャークを入れながら止めずにジャンジャン巻ける。

文字にするとなーんだと思うかもしれませんが、シングルスイッシャーでこのアクションが安定して出せるルアーは意外と少ないのです。

のんだくれはベビトーをスロー&ステディのスタイルでは使わないので、荒れた水面で連続ジャークしても飛び出さないというスタビリティは値千金。

ベビートーピードはまさに連続ジャークのために生まれてきたルアーであり、止めずに巻いてこそ進化を発揮するルアーなのです。

とはいえ、ボディだけではベビートーピードのパフォーマンスは完成しません。

やはりこのプロップがあってこその魚雷。

へドンのプロップとしてあまりにもスタンダードで、見慣れてしまっているがゆえ気付きにくいのですが、実はこのプロップは計算し尽くされていて、震えるほどスゴイのです。

まずペラの長さが素晴らしい。

リトリーブするとヘッドが水の掛け布団を作るのは先述しましたが、このプロップのリーチはその掛け布団の ”厚み” よりも長く設計されているので、回転すれば必ず水面を斬ってバブルを水中に巻き込む仕様になっています。

もちろんそうなるように浮力も調整されているのは言うまでもありません。

そして厚さ0.6mmのステンレスペラは一部では回転の立ち上がりが悪いと言われていますが、実はこれも仕様。

立ち上がりが悪いからこそ初動でしっかりとバブルを水中に引き込んでジュボッ!と捕食音&スプラッシュが出せるのであり、回転が悪いからこそリトリーブを止めると同時に回るのを止めてブレーキになってくれるのです。


いつだったか道楽の山根氏が回らないペラの効能を雑誌で説いていましたが、このベビトーは50年以上も前からそれを実践していたのです。

その違いはベビートーピードのプロップを社外品に交換してみるとすぐに分かります。

まずプロップのウェイトが変わると”掛け布団”が出来なかったり厚すぎたりで、トビウオになったりジュブジュブしなかったり。

そして高回転型のプロップだとジャーク時のサウンドが弱くなり、ポッパーのような前方スプラッシュが出しにくくなります。

つまりベビートーピードのプロップはボディとのバランスも含めて徹底的に計算されたものなのです。

それが理解できると、この浮き角も非常に理に適ったものである事がわかります。

チョンとやるだけでヘッドがダイブして掛け布団を作りやすい体勢になり、同時にプロップも水面を割ってスプラッシュを飛ばしやすくなります。

そして動きを止めればすぐにこの静止体勢に戻って移動距離を抑え、ご主人様の次の命令を待つのです。

ベビートーピードのすごいところは、そんな深い設計なのにも関わらず、ややこしいノー書きを一切タレていないところ。

逆の言い方をすれば、誰でも簡単にそのパフォーマンスが引き出せるがゆえの余裕なのかもしれません。

初心者が使ってもちゃんと引き出せる性能を、超シンプルなパッケージングに収めたのがへドンの底力であり、超ロングセラーの秘密なんだろうなと。

そんな裏の性能を知ると、このカラーリングにも愛着が湧きますよね。

ご存知BF(ブルフロッグ)ですが、先の紹介文にも載っている通り、デビュー時からラインナップしている定番中の定番色。

米軍特殊部隊の制服のようなダークモスグリーンにターコイズグリーンを重ね、ブラックで締めるというカラーリングセンスはシンプルであるがゆえ、カエルの色云々を超越したアート性すら感じます。

そしてこのBFに魂を売ってしまった人は数知れず。

インスタで検索すれば魂を売ってしまった者たちの苦しみを垣間見る事ができますので是非😁

フックは前後ともカドミウムのクローポイントが採用されていますが、年代によって仕様が変わっているのは言うまでもありません。

これは80年代にアメリカで買ったものですが、緑箱に入ってたのか、ベージュのジャンピングバスのものか全く記憶がないのでいつ頃製造されたのかは不明。

へドンは担当外なのでオールドの可否にはこだわっていませんが、もし時期的なものが分かる方がいたらお教えください。

ネームはへドンお約束のステンシルで横書きに吹かれています。

この時期のものはまだちゃんと読めますが、90年代中頃のものはヒドい仕上がりになっているので、読めないネームを探そうごっこも出来ちゃったりします😂

そうそう、へドンのネームといえばXBW(ブラックショアミノー)のゴールドステンシルを忘れちゃいけません。

エロさすら感じさせるゴールドのレターはXBWならではですよね。

ちなみにこんな縦吹きのネームが出回ってた時期もありました。

こうしてみるとトーピードのネームはやっぱり横吹きじゃないと締まりがないですね😂

ネームといえばベビートーピードにはいろんな呼び方があります。

スタンダードなトーピードにはじまり、トピドゥやベビトーなどいろんな呼び名が存在します。

おそらく一番最初に目にした書籍や雑誌記事がその人のスタンダードになってると思いますが、そういう背景が見えるのはルアーに歴史があるからこそ。

呼び方が違うアングラー同士で飲んで自身の呼び方の正当性について討論すると、お互いが意味のない主張を繰り返し、着地点のない泥沼試合になるので是非一度やってみてください😂😂😂

話は変わりますが、このルアーを使う前に是非とも観ておいて頂きたい映画があります。

それは1981年のドイツ映画 ”Das Boot”。

第二次世界大戦中に恐れられた潜水艦Uボートについての映画なんですが、これを観ておくとベビートーピードを使う時のテンションが爆上げになるのです。

なぜテンション爆上げになるのかは観てのお楽しみですが、ベビトーを巻いてるだけでテーマソングが脳内再生されて、釣れない時でももれなく楽しめるようになります。

でもキャストする度にファイエル!(独語で発射)とか独り言を言うようになってものんだくれは関知しませんけどね😁

 


オマケ

歴史が長いだけに製造時期による微妙なバランスがあるのもベビートーピードの特徴ですが、先述の巻きながらのジャークは90年代のモデルが浮力的にも一番マッチしていると思います。

右から90年代、70年代縦割れ、80年代

この辺りは好みもあるでしょうし、スナップ有無やラインの太さも影響するので色々試してみてください。

ちなみに90年代後半に販売されたベビートーピードはテールのヒートン打ち込みが浅いものがあり、ジャークを多用するとフックごと抜け落ちるものがあります。

使う前のチェックをお忘れなく。

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