我々日本人にとってシャッドプラグというカテゴリーほど曖昧なものはないでしょう。
クランクベイトとしてタダ巻きで使うのか、それともトゥイッチをメインにリアクションベイトとして使うのかビミョーで、手を出しにくいという人も多いのではないでしょうか。
特に米系プラグに多い縦扁平のシャッドシェイププラグは、どう使ったらいいのか良く分からないという声を聞くと、シャッド自体が日本に生息していない事が曖昧の一因かと思っちゃったりもするわけです。
まあそもそも無理にカテゴリー分けする必要はないんですけどね。
国産メーカーのシャッドプラグの多くが小型のミノーシェイプをしており、本当のシャッドのような縦扁平シェイプではないこともそれを表しているような気がします。
これはラッキークラフトが発射したベビーシャッドの大ブレイクが少なからず影響してるのではないかと。
しかし、縦扁平のボディをヒラヒラさせるという意味ではフナやギルがいるんですから、もうちょっと市民権というか理解されてもイイんでないの? などとのんだくれは日頃から思ってるワケでございます。
昔はティファがゼブラシャッドを、ベルズがスーパーシャッドなど、縦扁平シェイプのシャッドを出してた時期もあるんですから。
何故ハナっからそんな事をグダグダと書いたかというと、縦扁平シャッドはのんだくれの大好物だから。
昔コーデルのC.C.シャッドのヒラヒラ舞いで爆釣したのんだくれにとって、縦扁平シャッドはお守りみたいなもの。
なので、小型ミノーちっくなシャッドよりも、圧倒的に縦扁平シャッドの信頼感が高いのです。
故にシャッドプラグを探すとなると、おのずと扁平率が高い米系ブランドに目がいってしまいます。
そんな調子ですから、このライブターゲットのギザードシャッドを2010年のICASTショーで初めて見た時は、シビれて一人でハァハァしてました。
このギザードシャッドクランクの最大の特徴は、全長89ミリボディが放つこのボリューム感。
バス用シャッドとしては他に類を見ないこの存在感に瞬殺されました。
今でこそ店頭で巨大なシャッドを見かけるようになりましたが、このルアーが登場した時期はこのサイズのシャッドプラグは本当に少なかったのです。
しかしその造り込みは、シャープなエッジや小さく絞り込んだリップの付け根などなど、北米系ブランドとは思えないほど細部まで緻密に形作られています。
ライブターゲットブランドを持つコッパースフィッシングは、元々日本のブランドをライバル視して登場したという経緯ゆえ、その背景には並々ならぬ闘志が漲ってるんでしょうね。
そんなギザードシャッド君ですから、アクションも日本ブランドを意識してか、タイトなピリピリ系のウォブリング。
ボディの大きさの割には軽い引き心地でスルスルと潜っていきます。
アメリカンシャッド特有のバタつき感を予想してた人には、ちょっと物足りなく感じるかもしれません。
それともうひとつ、重心移動システムを採用していないのもこのシャッドの特徴です。
だからといって一般的な固定重心シャッドのように飛距離で劣るという事もなく、キャスト時に扇風機になってしまう事もないので、キャストフィールは全く問題ナシ。
それどころか固定重心の最大のメリットでもある姿勢回復の早さが際立って出ていて、動きのメリハリやカラー明滅で誘えるなど、地味ながらも面白いプラグに仕上がっています。
ちなみに個室に封じ込められたシングルラトルの音は、乾いたトーンのカラカラ音。
ボディ自体が大きいのでその分ラトルチャンバーも大きく確保されており、ラトル音の増幅効果もあるのではないかと。
カラーと造形のリアルさではライブターゲットは今や世界一のルアーブランドと言っても過言ではないでしょう。
その造形ゆえ、アングラーに強烈なインパクトを与える半面、飽きられてしまうのも早いんですが、当のライブターゲットはそれをよく知った上でやってるという開き直り感がイイですね。
フックはライブターゲット共通のダイイチフックを採用。
パイクやウォールアイのトローリングなどにも使われるため、エイトリングとフックは強化済み。
よってバスフィッシングだけで考えると少々オーバースペック気味ですね。
ちなみにこのルアーはサスペンド設定で、国産サスペンドプラグが真っ青になるほどのシビアさでチューンされてるので、見事なまでに一点でサスペンドします。
サスペンド=フローティングがあたりまえの北米ルアーではちょっと考えられないほど。
ネームはご覧の通り、ブランド名だけが背中に入ります。
ブランドロゴはかっちょイイんだけど、ルアーの名前が入らないので100点満点中30点。
ネームヲタの採点はキビシいんです。
使い慣れていないアングラーには少々持て余し気味の海外製シャッドクランクですが、使い方は超カンタン。
普通のクランクと同じように投げて巻くだけ。
それだけでフツーに釣れちゃいます。
しかしタダ巻きもイイんですが、のんだくれはちょっとだけ違う方法でコイツに活躍してもらってます。
それは先述の姿勢回復能力&サスペンド精度の高さを生かして、ボトムをついばむフナを演じてもらうんです。
キャストしたらボトムに着くまでゴリ巻き。
そしてボトム付近をスローにチョンチョンさせてポーズ。
時に鋭くトゥイッチを入れて、ひらりん&ぎらりんこ。
そのテクニックだけ聞くと、まるで冬の釣りのようなスローなイメージですが、これオンシーズンのシャローで結構釣れるんですよ。
言うなれば、シャッドの形をしたラバージグでボトム探査するイメージですね。
そう考えると、国産シャッドが得意とする暴れ系のダートアクションと、洋モノに多い扁平ボディを生かしたヒラ打ちボトムタッピングを使い分けるだけでシャッドの守備範囲って俄然広がりますよね。
コメント
*2011年投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています
1. ばるたん(V)o¥o(V) December 20, 2011 14:44
あぁ、また欲しいルアーが一つ増えてしまったぁ!
2. 岩谷薫 December 21, 2011 12:18
そういう意味では、バスジャッカーは、日本の扁平シャッドですよね。
子供の頃、何の感動も無く拾って、オサーンになってその価値を知った程度です。
ちゃんと泳いでくれないので、ウエイトを付けて同じようにサスペンド仕様に。
なかなか良い動きなんですが、釣ったことなし。笑。フナのイメージね…。
回収不能になっても、あまり心が傷つきそうにないのはいけないですよね…苦笑。
3. のんだくれ December 21, 2011 12:27
ばるたんさん
欲しいルアーが無くなっちゃったらそれこそ危ないですよ。(笑)
4. のんだくれ December 21, 2011 12:32
岩谷さん
バスジャッカーを吊るしのままで使って落胆した人も多いですが、自分でイジってなんとか泳ぐようにした人も随分います。
で、泳がせることが出来た人の中でちゃんと釣れた人が何人いるかというとこれまた少数になっちゃいます
そんな手間のかかるルアーなのに、それでも根強いファンがいるバスジャッカーってスゲーなーと。
5. Lagoonist 28号 December 22, 2011 02:05
うわ、これこんなに大きかったんですね。
かっこいいですね。欲しくなってきました(笑)
バスジャッカー・・・懐かしいような、イライラするような響きですねー(爆)
家では行き場をなくして、夜光色の奴が電気の線につながれてました(笑)
6. のんだくれ December 23, 2011 05:30
Lagoonist 28号さん
これは三兄弟の長兄です。
バスジャッカーが電気の線て… (笑)