オリジナルサイズのように活躍はしはないが何故か憎めないThe 80’sなルアー リップシャッド RIP-Shad 35TX / ボーマー Bomber

シングルプロップスイッシャーボーマールアーズ Bomber Lures

 

ルアーは釣り場の状況や対象魚に対応すべくサイズ展開されることが多いのですが、サイズバリエーションが増えると必ず出てくるのが駄作です。

オリジナルサイズの出来が良ければ良いほど駄作のダメっぷりも際立つので、そのギャップを楽しむオタにとってはむしろ愛おしい存在だったりします。

今日紹介するリップシャッド35TXはそんなルアーひとつ。

兄貴たちのようなピリッとした仕事はできないけれど、どこか憎めないルアーです。

 



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リップシャッドとは

 

リップシャッドは1982年?にボーマー Bomber がリリースしたトップウォーターです。

当時大きく盛り上がりを見せていたナチュラルカラー/ナチュラルプロファイルのカテゴリーに切り込んだ意欲作ですが、ボーマー的にはヘドンのトーピード軍団に好き勝手やられてたまるか!的な思惑もあったと思われ。

 

1955年発売のトップボマー。2サイズ展開で販売されたが3年ほどで生産を終了。

 

元々ボーマーのラインナップにはトップボマーという名のウッド製シングルスイッシャーが存在していましたが、短命で終わっていたため、リップシャッド誕生の背景にはリベンジ的なものもあったんでしょうね。

 

リップシャッドのサイズ・重さ

 

リップシャッド35TXは50ミリ、1/5オンス(実測6.5g)のちびっこスイッシャー。

レギュラーサイズとなる36TXは1/4オンス、長兄37TXは1/2オンスとそれぞれ使いやすいサイズにまとめられているのですが、あえてこのサイズに挑んだのは、やはり王者トーピードへの宣戦布告の意味もあったんでしょう。

 

 

このサイズ感を見れば言わすもがな、ですよねw

 

リップシャッドの特徴

 

リップシャッドの特徴はなんと言ってもベイトフィッシュの外見をリアルに再現したナチュラルプロファイルでしょう。

今改めて見ると一体どこがナチュラルやねんとツッコミたくもなりますが、これが当時の最新トレンドで、飲んだくれを含めた今のGGYアングラー達はこのフォルムを見てチンコを固くしていたのです。

 

 

そしてそんなリアル造形をさらに演出してくれるのがテールのプロップです。

プロップの詳細については後述しますが、薄いステンレス板を打ち抜いただけのチープさがいかにも80年代という感じですね😁

 

 

そんなプロップを背負って水面で仕事をするためには浮力が必要ということで、ワイドボディになっているのもリップシャッドの特徴。

 

 

画像ではほとんど見えませんが、内部にはラトルが内蔵されており、その分の浮力も稼がなきゃなりませんからね。

それに応じて太らされているというワケです。

 

リップシャッドのアクション

 

そんな具合に頑張っているリップシャッドですが、実際に使ってみるとちょっと失望させられます。

いや、人によってはちょっとどころじゃなくて ”かなり” 失望させられるかも。

この手のルアーは覇者トーピードと比較されるのが常ですが、トーピードにはとても敵わないのです。

 

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まず浮力が圧倒的に足りない。

リップシャッドは水面で落水昆虫などを捕食するベイトフィッシュを模して垂直に近い浮角になっているのですが、この浮力設定が弱すぎてトゥイッチすると深くダイブしてしまうので、肝心のプロップがエアを咬めないのです。

つまりただのダイビングペンシルになっちゃってる。

兄貴サイズも垂直浮きですが、この35TXサイズよりは浮力がある上に、彼らには大き目の直ペラが装着されているので割とストレスなくエアを咬んでくれます。

しかしこの末弟のペラは薄い小さなものなので名前の通りリッピングしても良い音が出ないのです。

そして良い音を出そうとプロップを交換すると見事に沈んでしまうという使えなさっぷり。

トドメはドッグウォークが苦手ときてる😭

なのでこのリップシャッドを使いこなすには結構な忍耐を要求されます。

と同時に、トーピードがいかに完成されたルアーであるかを思い知らされる事になるのです。

もし本当に実戦配備するならば、スイッシャーであることを忘れて浮力の弱いトゥースピックだと割り切った方が良い釣りができそうです。

 

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リップシャッドのカラー

 

ナチュラルプロファイルのボディにナチュラルプリントという、80年代初頭のトレンドを全身に纏ったのがリップシャッドのセールスポイント。

ナチュラルプリントのスタンプはスマイリンミノーと共有しているのは言うまでもありませんね。

ラトル兼ウェイトの鉛が粉を拭いて内部が曇るのはこの時期のボーマーのお約束。

反射板入りのノンラトル仕様もありますが、それは曇ることがないのでいつまでもギラギラが楽しめます。

80年代後半になると、ボーンやソリッドシルバー、ソリッドブラックなどナチュラルカラーを採用しないシンプルな単色モノが流通し始めますが、これは元々量販店Kマートで専売するための廉価モデルでした。

ペイントを簡略化してその分コストを抑え、量販店の流通チャネルに乗せるというマンズなどがよくやっていた手法ですが、リップシャッドにも同様のカラーが存在します。

のちに本家のカラーチャートにもその簡素カラーがラインナップするようになったので、当時のボーマーは生産合理化に励んでいたんでしょうね。

そういう意味では、スマイリンミノーをパクったサンケイベイトの方がカラー的には頑張ってたかもしれません😂

サンケイにはスマイリンミノーだけじゃなく、リップシャッドもパクって欲しかったな… などと今更ながら思ってみたり。

 

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リップシャッドのフック

 

リップシャッドのフックは前後とも防錆カドミウム#8を装着しています。

80年代ボーマーの定番ですね。

今となっては激ショボなフックですが、当時パチモンしか買えなかった者にとってはこういったフックも舶来の特別感が味わえる特別なモノでした。

 

リップシャッドのネーム

 

残念ながらリップシャッドには他のボーマールアーと同様にネームプリントがありません。

腹もこの通りスッキリ綺麗なもんです。

リップシャッドというカッチョいい名前があるのにもったいないですね。

ちなみに ”リップ” は引き裂く動作を表す Rip と、Rest In Pease(安らかに眠れ)のR.I.P.を掛けたワードプレイになっています。

リッピングで使うルアーであることを表すと同時に、バスに襲われて昇天してしまうシャッドである、つまり釣れるリッピング用ベイトであることを表している、と。

なのでカタログなどの表記は全て大文字でRIPで、さらに間にー(ダッシュマーク)を入れたRIP-Shad になっています。

ルアーの名前に限らず英語(特に米語)でこのダッシュマークが入っているものは大抵何かの意味を含ませているので、そこを掘り下げてみると色んなことが見えてきてニヤニヤのネタにもなります。

そういう意味では映画のエンドロールクレジットはオカズの宝庫かも。

 

おわりに

 

このルアーを実釣で使おうと思うとそれなりの忍耐を強いられるのでオススメはしませんが、80年代のなんでもやったる精神が感じられるルアーとしては価値があるかも。

とはいえ黄色などではほとんど見ないので、出会いを求めるならオールド系の店に行くしかないんですけどね。

なので気になった人は熟女バーにでも行くつもりで阿佐ヶ谷のジャンクフードを除いてみては?

そこで海千山千のミルフwにハマってものんだくれは関知しませんけどね😂



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ルアー千一夜
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