5Mだけが釣れるルアーじゃない!ミロトップウォーターの伏兵 ハンプバックミュール 12LS Humpback Mule Surface Popper 12LS / ミロルアー MirroLure

ジョイントルアートップウォーターポッパー•チャガーミロルアー Mirro Lure

 

バスフィッシング歴の長い人には馴染みがあるけれど、それでも今はほとんど使われていないルアーってありますよね。

 

ミロルアーはその最右翼でしょう。

 

バスプロショップスの中にはアイランドひとつが丸ごとミロルアーで占められている店舗もあるぐらい、ソルトウォーターでは超定番ブランドですが、そのルックスのせいか日本での人気は今ひとつ。

 

 

12LS ハンプバックミュールとは

 

日本では5M以外のミロを使ってるアングラーはマニアを除けばほぼ皆無と言って良いぐらいのブランドになっちゃってます。

 

かつてタダ巻きだけでこれほどまでにバスを寄せるトップウォーターがあっただろうか  5M / ミロルアー MirrOlure
本国ではその歴史と共に安定した人気があるんだけれど、日本じゃ今一つあか抜けないルアーってありますよね。 今回のゲスト、ミロルアーの5Mもそんなルアーの一人。 使う側にとって、これほどおいしいルアーは他にはないんですけど。...

 

でもミロルアーはめちゃくちゃ釣れるんですよ。

 

その筆頭に挙げたいのがこのハンプバックミュール。

 

ソルトラインがメインになってしまった近年では少数派になってしまったミロフレッシュウォーターズの一員。

 

L&Sポッパーとしか覚えられてないぐらいのマイナー君ですが、こいつの威力を知ると一軍ボックスに指定席をあげたくなりますよ😁

 

 

12LS ハンプバックミュールのサイズ・重さ

 

ハンプバックミュールは68mm、9.5gの標準サイズポッパーです。

 

荷物運搬用ラバの名をそのまま冠したネーミングにちょっと違和感を覚えたのでミロルアーのスタッフに聞いたところ、”ポップした時の前のめりになる動きとラバが頭を上下させながら歩く姿が似てるから” とのこと。なるほどね。

 

続いて彼は、このルアーがコスタリカ工場で生産されてアメリカに送られてくる事から、本当の名前の由来はミュール(米スラングで麻薬の運び屋)からっていうジョークもあるけどね、と両手のピースサインの先を曲げながら笑い飛ばしてました。

 

12LS ハンプバックミュールの特徴

 

このルアーの最大の特徴はジョイントボディになっていること。

 

一対のヒートンによって繋がれた、良くも悪くもクラシックなジョイント方式を採用しています。

 

近年スイムベイトなどに装備されているマルチリンクのヒンジを見慣れたアングラーにはショボく見えるんですが、実はこのルアーが釣れるのはこのシングルジョイントのおかげ。

 

このジョイントだからこそ長年にわたって売れ続けているんです。

 

ジョイントボディの本当の役割

 

今は炭水用モデルにラインナップされていますが、元々このルアーはフロリダーキーズと呼ばれるシャローフラットが続くエリアでスヌークなどを釣るために開発されたルアー。

 

スヌークは周りの水ごとベイトフィッシュを吸い込むインヘイル Inhale系のバイトゆえ、捕食が超ヘタクソ。

 

ペンシルベイトなどに何度もバコバコ出るのに、乗らないのは普通。

 

そこでテールだけがフレキシブルに動くことによって、よりフックが口に吸い込まれやすくなっている、というワケです。

 

そしてこのジョイントが威力を発揮するのは水面でのステイ時。

 

シャローフラットは常に風が吹いて波立ってるようなところなので、水面でステイさせていると波に揺られてテールがゆらゆらし、勝手にプレデターを誘ってくれます。

 

つまり、波に揺られたり魚の口に吸い込まれやすくするためには、あらゆる方向に曲がるシングルジョイントじゃないとダメなんです。

 

このシングルジョイント効果はバスフィッシングとの相性もバッチリで、興味本位で軽くバイトしてくるようなケースでも口の中にしっかりフックを送り込めます。

 

画像のものは淡水モデルですが、ソルトウォーターモデルの中にはテールにフェザーを巻いてより吸い込まれやすくなっているものも存在します。

 

 

 

同様の効果を持っている激釣れルアーにジョインテッドレッドフィンがありますが、レッドフィンはレッドフィンでウネウネ泳いだりたくさんの反則技を持ってるのでちょっと卑怯ですけどね😁

 

水面直下でバブルを撒き散らすカップ

 

ジョイントばかりに目が行きますが、実はポッパーとしての能力も侮れません。

 

ラインアイを上の方に設置したカップが発するサウンドは典型的なチャギング系捕食サウンド。

 

短くゴブッとやるよりも、スイープ気味にストップ&ゴーで使うことをメーカーは推奨しています。

 

そうすることによって大量のバブルをまといながら水面直下でウィグルする、ガーグリング(うがい)アクションを演じられるのだ、と。

 

ジョイントボディだとバブルの中でテールがヒラヒラするのでよりアピールが高くなるんでしょうね。

 

ミロの信念が息づくFiery Red Eye

 

そんな多彩な能力を持ちながら、そう見えなくしてるのはこの飛び出たお目目。

 

この眼はミロルアーのアイデンティティでもありますが、同時にこの眼が醸し出す、すっとぼけた表情のせいで釣れるオーラが見えなくなっちゃってます😁

 

しかし当のミロルアーは大真面目。

 

このアイにファイアリーレッドアイ Fiery Red Eye(燃えるような赤い眼)という名前をつけてミロルアーのどの製品にも装着する気合の入れよう。

 

そしてこの眼だからこそ釣れるんだ!と信じてるアングラーの多いこと。

 

アメリカ人が飛び出た3Dアイの方が絶対釣れると信じてるのは、もしかしたらミロルアーの刷り込みによる影響もあるのかもしれませんね。

 

ああ洗脳ってコワい。

 

特許を取得しているスケールパターン

 

ボディの内部にはミロルアーのもう一つの掟、スケールパターンを型押ししたミロルアーインサートが入っています。

 

鏡 (Mirror)がインサートされたルアーだからミロルアーって超安直なネーミングwですが、これが登場した当時はセンセーショナルだったでしょうね。

 

ちなみにミロルアーはこのインサートで米国特許を取得していますので、米国内で同じ意匠のルアーがあったらそれはミロルアーに使用料を払ってるものだと思ってください。知らんけど。

 

ワンレッグのオリジナルサーフェスリグを採用

 

リグもミロルアーのお約束、超シンプルなワンレッグのサーフェスリグを採用しています。

 

確かこのリグでもパテントを取得していたはず(要確認)

 

へドンなどに使われている2ビスのサーフェスリグとはまた違った雰囲気でイイですよね。

 

昔このリグをヘビートーピードに移植したら、違和感てんこ盛りになっちゃいましたが😂

 

ネームはリグの刻印のみ

 

残念ながらこの個体にはネームが入っておりません。

 

なのでミロルアーであることを判別できるのは目玉とこのリグパーツ刻印だけ。

 

それだけで判別できちゃうのはある意味スゴいことではありますが😁

 

が、製造時期によっては5Mで見られるような根性焼きネームが入っているものも存在します。

 

でもそれでも Humpback Mule というフルネームは入っておらず、12LSというシリーズ番号が入っているだけ。

 

せっかくお似合いの名前があるのに名前を入れないのはもったいないなー。

 

ちなみにハンプバックミュールとはラバのこと。

 

馬とロバのミックスであるラバは荷役用の動物として知られていますが、背中に大量の荷物を載せた様子をハンプバックと表現しているあたり、ルアーの動きと関係ありそうですがその辺の詳細は不明。

 

ミュールには麻薬の運び屋の意味もあるので、なんか深い意味が隠されてるとニラんでますがw

 

おわりに

 

90年代まではどのショップでも大抵置いてあったような記憶があるんですが、さすがに今は5M以外のミロルアーを置いている店は無くなってしまいました。

 

釣れ釣れルアーがどこにも売ってない事をシメシメと思うか、はたまた手に入らないことを嘆くかは人それぞれですが、そんな人間の浅い欲望を抜きにしても釣れるルアーであることは間違いないので、気になった方は是非。

 

 



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