バグリーってホントに卑怯な会社ですよね。
会社としての歴史、ルアーのバリエーション、数々の実績、そのクラフトマンシップ… 伝統とか職人という単語にめっぽう弱い我々ニポーン人の急所を最初からスナイプしているかのような立ち振る舞いにはもうグウの音も出ません。
そんな最強ブランドが、これまたジャポネ好みのこんなのを出してたなんて、これを卑怯と呼ばずになんと呼ぶ!
ということで今日の千一夜は誰もが一度はハァハァしたであろうバグリーの名作・スモールフライシリーズのクラッピーでござーい!
現行モデルにもスモールフライシリーズは残ってるので、比較的馴染み易いルアーなんじゃないでしょうかね?
デビューしたのは今から40年近く前の話なので、当然カタチの変遷はあるんですが。
だって、このルックスですよ。
誰もが一度は考えるであろう【パンフィッシュ=エサ】の図式をここまで明確に具現化したルアーあったでしょうか?
まあ正式にはブルーギルじゃないんですが、コレ見てハァハァしない方がおかしいってば。
なんてったってコイツのスゲーのはこの造形とプリントワークです。
今でこそこんなのはカンタンに形成できるんでしょうけど、40年も前の話で、しかも素材はバラツキの多いウッドですからね。
当時一番最初にコレを手にしたアングラーはホントぶっ飛んだでしょうね。
しかしジムバグリー亡き後、バグリーベイトカンパニーの社長に就いたマイクに直接聞いてみたところ、バグリー内部ではこのクオリティを担保するのは相当苦労した、と。
事実、このルアーの製造過程では使い物にならないブランクが大量に発生していたそうです。
当初はそれを全て破棄していましたが、ある時それを大量に買い取ってくれた人が現れてバグリーとしても非常に助かったそうです。
何を隠そうその人とは、あのマンズベイトカンパニーの創業者、トム・マン本人。
後にトムは、このブランクを使ったスパイダーホークというルアーをトムマンアウトドアーズブランドから発売しています。
あ、スパイダーホークについて語り始めるとスモールフライの立場が無くなってしまうのでそれはまた別の機会にゆっくりと😁
バグリーマニアの言うところのブラスハンガー、ウェイテッドリップがこの時期のバグリークランクのお約束。
シロートが考えたって手間のかかる構造なのにも関わらずしっかり造り込んであるので、ハンドメ経験のある人はみーんなコレ見てブッ飛びます。
さすがにこの手法は手間が掛るのか、合理化を推進し始めた80年代の初めには姿を消しちゃいますが、バグリーの品質に対する執念めいたポリシーはこういうところからも伝わってきますね。
真鍮ワイヤーにぶら下がる武器はイーグルクローの例のヤツ。
オールドバグリーの証とも言えるウェイト部分の隆起&塗装割れは、もはや無いと寂しくなっちゃう必須項目です。
この時期のバグリーのトップコートはお世辞にも強いとは言えないので、バグリーフリークス達は、バスの歯形のみならず、ぶつけたりして塗装のひび割れが増える度に、あ”ー(T_T)と悲しげな声をあげなきゃならないという儀式が待っていました。
でも時間が経って改めてボディのキズを眺めてると、そのシーンを鮮明に蘇らせてくれるという嬉しいオマケもついてきました。
ズイールのプラグもそうですが、ボディのキズを後から観て楽しめるのは、やっぱりウッド製のルアーならですよね。
彼女が車のドアを開けた時に付けたキズを見て、後で怒りがぶり返してくるのとはワケが違います。
気を付けてたらブツけるワケねーだろ!的な。
リップの大きさの割にはそれほど潜らず、大きなウォブリングアクションで強く水を攪拌しながら泳ぐその様はブルーギルとはおよそかけ離れたもの。
ですが、フラットサイドクランクベイトというカテゴリーすら存在しなかったあの時代に、こんなんを発射しちゃったバグリーって、やっぱりどう考えたって卑怯ですよねー。
コメント
1. 芦屋のおいさん August 11, 2009 20:19
5 こんばんは。ついこの間Yオークションでショートリップのコイツを買いました。小学生の頃(30年前)に、超リアルな造形とプリントにシビレて、版画用の木でヒートン仕様モデルを彫りましたが、フォイルはぐちゃぐちゃ、塗装は子供のお絵かきとなりました。おいさんになって実物を手に入れてあらためてバグリーのスゴさを感じています。このクラッピーのウロコの点々の間にさしている薄紫もズドーンです。
2. 芦屋のおいさん August 11, 2009 20:33
あ、またうっかりコメントやっちゃいました。1件目のコメントで私の買ったのは「クラッピー」でなくてこれと同じ「ブリーム」です。
3. バッス吉 August 11, 2009 20:48
どーもです
小僧のころに
初めてスモールフライを
見た時のインパクトを
いまでもはっきり覚えています!
エラの立体感や
ナチュラルプリントに
「おおっ~!」って思ったけ・・・
でもそれは飼ってません(爆)
4. ぱーま屋 August 11, 2009 21:46
独特の凹凸にハァハァしちゃいます。
バグリーはやっぱ特別な感じがしますねぇ。
5. バルサキング August 11, 2009 22:48
お久しぶりです。最近忙しくコメント書けませんでしたが今回は参加させて下さい。
これは自分にとってかなり思い入れのあるルアーですね。ガキの頃すごく憧れて小遣い貯めてやっと買ったルアーでした。
かなり使い込んでましたがバルサなのでボロボロになってしまい補修しながら使ってたルアーです。
現行品もあありますがやっぱり作りは雑ですね(T_T)
6. とびっく August 11, 2009 23:23
5 こんばんは(・∀・)ノ 40年前にこういう物を出してたってホントにスゴい事だと思います。古バグリーにはネームや刻印が入って無くてもバグリーって判るってそれだけオリジナリティに溢れてるって事ですかね?うーんしかしカッコイイ!
7. のんだくれ August 11, 2009 23:37
芦屋のおいさん
憧れのルアーをマネてハンドメするのは正しいルワー少年ですね。
で、現実を突きつけられて落ち込む。(爆)
でもコイツのカラーはブリームというよりはむしろクラッピーですよね。
この間アメリカでクラッピー釣りの奥深さに打ちのめされて来ました。
8. のんだくれ August 11, 2009 23:39
バッス吉さん
あの頃のインパクトの強さが生々しく残ってるから未だにナチュプリに反応しちゃうんですよねー。
これも一種のトラウマみたいなもんですな。
9. のんだくれ August 11, 2009 23:40
ぱーま屋さん
バグリーのルアーからこの凸凹を取り去ってしまったら一体どうなるか?!
考えるだけでも背中が冷たくなります。
10. のんだくれ August 11, 2009 23:42
バルサキングさん
そう! スモールフライってルックス重視なのか、Bシリーズに比べて強度があまりにも
低いのでボロボロになっちゃうんですよね。
でもそれを補修しながら使うというのもこれまた風情があるんですが。(笑)
11. のんだくれ August 11, 2009 23:43
とびっくさん
この頃のルアーってどこのブランドでも見ただけで解る存在感というか、
強烈なアイデンティティを放ってましたよね。
それに比べて最近のルワーは・・・ (涙)
12. コカスキ August 12, 2009 02:34
人を、ひきつけます。
しかし高かった。
DB3とかキラーBとかは安売りがあった。このシリーズは安売り見た記憶がない。
カタログにらんで、
全シリーズそろえたかったという、
くやしい記憶はある。
13. のんだくれ August 12, 2009 10:37
コカスキさん
そうそう。 コイツが安売りされてるのは見た事ないですね。
それで神格化?されてる感もありますね。
でもあの頃のバグリーのカードブリスターはただでさえ存在感ありましたからね。
アレ見て憧れの思いを抱かなかったバス少年はおらんでしょうね。
14. tei-g August 12, 2009 12:40
スモールフライの中でもオクではこいつが一番高値で落とされている気がしますね。バグリーの造形美には頭が下がります。
で、このモデルブリームじゃなくてクラッピーじゃないですか。ブリームはカラーももろギルで形も違う気が・・・。
15. かうたん August 12, 2009 16:00
こいつもエグりましたが…いかにも脆そうで使えないんですよね(笑)
このリップ断面、千一夜でバルサBだったかの記事読んでから気になって中古屋さんでバグリー見るとリップ断面ばかりチェックしてます…
16. ヒロ August 12, 2009 19:34
う゛~~~
売ってるなら欲しいですね
17. のんだくれ August 12, 2009 22:53
tei-gさん
あれれ? ブリームって他にあったんでしたっけ?
もうゴッチャになってますね… (汗)
ちゃんとカタログ引っ張り出して調べてから書かなアカンですね。 反省。
18. のんだくれ August 12, 2009 22:54
かうたん
余計なコトを吹き込んじゃいましたね。(笑)
でもそーゆーくだらん事をいちいち増幅させるのが真のルアヲタってもんですから!(爆)
19. のんだくれ August 12, 2009 22:55
ヒロさん
さすがにコイツが中古屋で並んでるのは見た事ないですねー。
過去に一度だけボッロボロのどーしよーもないのは見ましたがサスガにスルーしました。(笑)
20. い~もん August 13, 2009 02:18
残暑お見舞い申しあげます m(__)m
この夏は夏らしくないですが もうお盆ですね
しかし昔のルアーの造りは繊細ですね
関西の中古屋でバグリー社とティムコはやや高値を着ける店が多いかとエグリながら思います (チキショー)
21. のんだくれ August 15, 2009 21:37
いーもん
地域によって売れるルアーとそうでないのがあるから当然値段にも差はあるでしょう。
そう考えると名古屋圏は中途半端だなー。