まーたバスプロショップスかい! などというなかれ。
昨日の記事で ”およそ考え付く限りのオリザラチューン…” と書いたんですが、その流れでコイツを思い出したので急遽ご登場願いました。
その名もXPSボインジャー。
まるで往年のオヤジギャグのような、突っ込まれるために生れて来たようなネーミング&果てしなく漂うパチ臭ですが、実は隠れた実力者だったりします。
パチ系のアイテムばっかり出してるブランドで一番手を出しにくいルアーって、やっぱりペンシルベイトだと思うんです。
造りがシンプル ⇨ コピーしやすい ⇨ コストをかけずに作れる ⇨ 手抜きしやすい ⇨ ジャンク ⇨ ドブ金 という図式が一番成り立ちやすいですから。
でもそんなリスキーな分野から使えるヤツを見つけた時の充実感と言ったら、これはもうルアヲタ冥利に尽きるワケですよ。
あ、もう目的が釣りとは違うトコいっちゃってるじゃんというご指摘はスルーさせていただきます。
このボインジャーは、そんなヲタの歪んだ欲望を満たしてくれる数少ないペンシルベイトなのです。
じゃ、このペンシルベイトの一体どこがシビれポイントなのか。
まずご覧の通り、体格はほぼオリザラと同じです。
ラインアイの位置がアゴではなくノーズアイになってるのと、ボディ長が5ミリほど短いという程度の違いで、一見どこにでもあるペンシルベイトにしか思えません。
しかし、コイツはトンでもない兵器を搭載してるんです。
その兵器はこの通り内部に収納されています。
…画像で分かりますか?
そうなんです。
このルアーはホッパーストッパー家に伝わる宝刀、あのぼよよんラトルを搭載してるんです。
しかも名品ドッグウォーカーのラトルは後付けだったのに、コイツったら前付けで、しかもストレートワイヤー!
こりゃハァハァしない方がおかしいでしょ!
肝心のラトル音は非常に乾いたカンカンサウンド。
ドッグウォークの度にカカン!カカン!と、通常のラトルサウンドとは明らかに違うスタッカートリズムでアングラーを楽しませてくれます。
タダモノではないと思ってましたが、まさかこう来るとは… やはりバスプロXPS、かなりの曲者です。
購入した当初は、単なる悪ふざけのペンシルだとばかり思ってたんですが、内部構造を見ると、ナニゲに気合いが感じられる構造になってるのが分かりました。
びよよんワイヤーの長さを確保するため、フロントフックのエイトリングはやや後ろにスラントさせて設置し、リアのウェイトは完全固定でぼよよんラトルの引き立て役に徹しています。
これらが功を奏しているのか、アクションも非常に素直でコントローラブル。
しかし最近の米製ペンシルベイトには珍しくノーズアイを採用しているので、トウイッチ一発入れればダイブして水面直下を魚雷のごとくスライドさせることも出来るなど、技巧派プラッガーでも十分に楽しめる味付けになっています。
オリザラチューンの中でも代表的?なのが、このぼよよんラトルの設置なんですが、実はこのぼよよんチューンは、アクションとの両立が非常に難しく、納得のいく仕上がりを得られるまでいくつもオリザラの犠牲を払わなければならないという難易度高めのチューンなんです。
でもコイツの登場で、そんな犠牲者を出す事もなく、お手軽にあのぼよよん感が楽しめるようになったなんて、ホントイイ時代になったもんです。
ちなみに名前の Boing とは、日本語でいうところの『びよよーん』とか、ボンボンと跳ねる状況を表わしています。
それに er を付けてるので、さしずめ【びよよん野郎】ってトコでしょうか。
ああ、なんという直球ぶり。
思わずパンツの中に生温かく広がるものを感じてしまいます。
実はこのルアー、ホッパーストッパーのパクリではなく、ちゃんとした?元ネタがあるんです。
それはインディアナ州に拠点を置く、その名もボインルアーズ Boing Lures!
もうね、おっさんと小学生が聞いたら爆笑死すること間違いなしのブランド名ですよ。
そのブランドのフラッグシップ商品がこのボインジャーの元ネタなんです。
いつだったかアメリカの友達のボックスに本家ボインルアーが入ってたので、日本ではおっぱい(=Titties)の事をスラングでボインって言うんだぜ、と言ったら腹抱えて大爆笑してました。
やっぱりボインというワードの破壊力に国境はないんだなとしみじみしまったのを思い出します。
このグラマラスなボディラインにもヒミツが隠されてました。
頭部にボリュームを持たせ、微妙なクビレを経てテールで完結するというアメリカンベイトらしくない、どちらかといえば日本のハンドメイドペンシルにありそうなラインなんですが、これとノーズアイのタッグにより、スプラッシュを撒き散らす機敏な首振りはもちろん水面直下でしなやかなS字を描くスイミングや、ピンポン玉のようにポコン!と水面に浮上する運動性能を実現しています。
本家ボインルアーはこういうシェイプを持ってないので、もしこれをXPSのデザイナーが意図して作ってたとしたらかなりスゲー事ですよ。
フィニッシュはボディの外側にスケールが彫り込まれたオーソドックスな仕上がり。
まあ6.99ドルという価格ならば十分に及第レベルでしょう。
ちなみに、バスプロショップスのプライベートブランドには、XPSの他にXTSなどのグレードがあると先日の記事で書きましたが、XPSの中でも更にプロシリーズとそうでないもので差別化がされており、このボインジャーはハイエンドwのプロシリーズに属します。
よって同じXPSでも3.99ドルの値札を見馴れてるトコに6.99ドルとか言われると、高っ!と思っちゃいます。
今は日本円に換算すると500円そこそこなのに。(2011年当時のレート)
元々バス以外のオサカナも視野に入れて設計されてるのか、エイトリングはラインアイも含めてかなり気合いが入ったものが使われています。
ウェイトの役割も担わせてるんですかね。
フックは4番サイズが装備されていますが、のんだくれ的にはちょっと小さい気がしますね。
コイツの浮力と動力性能があるならもう1サイズアップすべきではないかと。
5/8オンスというウェイト、オリザラのようにキャスト軌道がブレない飛行姿勢、クイックな首振り、ダイビング性能、乾いたタンゴリズムを刻める新解釈びよよんラトル、本家から訴えられそうな価格、そして何よりもそのネーミングの素晴らしさを思うと、今や貴重品となってしまったホッパーのドッグウォーカーの代用というよりも、むしろメインで使い込みたいと思わせてくれるペンシルです。
しかしドコにもネームプリントが無いのはアカンよ、無いのは。
コメント
*2011年投稿時に頂いたコメントをそのまま転載しています
1. カープヒロシマ December 05, 2011 21:41
ボインとくれば必ずコメントします。
ボイ~ンボイ~ン機能まで付いてるんですね。
志穂美悦子のビジンダーをボインダーと覚えた僕です。
年取ってボケたら「ボイン」とか「ブラジャー」とかの単語を連発しそうな気がしますw
2. 岩谷薫 December 06, 2011 09:54
ワタスもビヨヨン系、バイブ系には反応してすまいます。笑。あー、ストレートワイヤーねぇ…。
「ビヨヨン=バネ」の固定観念があったので、ある意味とても目からウロコでした。
3匹もの死にかけのホッパーストパーを外科手術で生還させた経験から解りますが、バネラトルって、思うような振動を作り出すバランスが本当に難しいですよね。
開発には苦労しただろうなぁ〜。
3. のんだくれ December 06, 2011 12:05
カープさん
もうサイコーでございます。
ビジンダー=ボインダーは当時のお約束で、だれもが一度は受ける洗礼です。
多分当時、志穂美悦子もそう言われてたでしょう。
でもボケ老人がボインだのブラジャーだの連発してたら、介護士はウザいだろーなー
4. のんだくれ December 06, 2011 12:08
岩谷さん
そうなんですよね、あのびよよんラトルチューンは音と泳ぎを両立するのがめっちゃ難しいんです。
そう言う意味では、このルアーの様にヘッド部にボリュームを持たせて前付けにするのはイイ方法なんじゃないかと。
だからといって前付けびよよんチューンにトライするほどの熱意はもうありませんが。
5. J December 06, 2011 15:26
巨乳戦隊ボインジャーですか?ぜひ5色そろえたいですね(笑)
ホッパーストッパーのスクランブラーを落札して、届いてみたら大きい方だった事件を思い出しました
6. J December 06, 2011 22:16
↑スクランブラーじゃなくてドッグウォーカーでした
ぱっと見小さいほうに見えて、よく確かめず入札してしまったんですよねー
7. のんだくれ December 07, 2011 17:33
Jさん
それオモロ過ぎ!
オークションでは誰もが一度は通る道だけど。
8. とびっく December 07, 2011 21:33
こんばんは(・∀・)/
グハッ!やられた~!
仰る通りです(汗)自作びよよ~んザラはびよよ~んとなりませんでした、
ラッキー13も駄目でした(泣)
まだまだ修行が足りません(´・ω・`;A) アセアセ
しかしコレは良さげですね、ドッグウォーカーとはまた一味違う感じでしょうか
9. のんだくれ December 08, 2011 09:53
とびっくさん
もうトライしたんですか!
しかもラッキー13も!(笑)
このチューンは仮組みの時点でオッケーでも、完成するとその通りになってないという理解不能なトコがありますからね。
コイツはドッグウォーカーよりもスライド幅が小さいですが、その分スプラッシュが出せるので、広範囲をノンストップドッグウォークで探るのにはピッタリではないかと。