ポニーテール120 Pony Tail 120 / ジャッカル Jackall

新しいコンセプトのルアーを開発しようとすると、機能を追求するあまり意匠が斬新になる傾向があります。

するとアングラーによっては奇を衒ったルアーに見えてしまい、実力よりも見た目で敬遠されてしまう事も😭

しかしそんな中にこそ真の実力者が隠れていたりするもんです。

今日のゲスト、ジャッカルのポニーテールはそんなチームの一員です。

ポニーテールとは

ポニーテールは2015年?にジャッカルがリリースしたジョインテッドクランクです。

躱マイキーで一躍脚光を浴びた川島氏のプロデュースによるダイビング系カバークランクで、圧倒的な障害物回避能力を誇る躱マイキーのパフォーマンスをミッドレンジでも実現するとのこと。

のんだくれはその謳い文句を見て思わずピンコ勃ちしてしまいました。

なぜならのんだくれが大好きなダイビングクランクでのシャロー攻略にドンピシャ(死語)なルアーだったから。

このブログでも何度も書いてますが、のんだくれはDD22系のディープダイビングクランクをシャローでガリガリやる通称ザリガニ巻きが大好物で、それに対応できそうなクランクベイトを日々探しています。

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そしてこのポニーテールがザリガニ巻きに求められる条件にどハマりだったのです。

ポニーテールのサイズ・重さ

ポニーテールはボディ長120ミリ、リップのリーチも入れると全長160ミリにもなる弩級サイズのクランクベイト。

ウェイトも35gあるので、その存在感はなかなかのものです。

この外見だけだと ”ダイビング系のジョインテッドミノー/クランク” という事しか見えませんが、このルアーはそんなアングラーの浅い知見をまるで嘲笑うかのようにとてつもないポテンシャルを秘めているのです。

ポニーテールのアクション

ポニーテールのアクションは大きなボディ容積を生かした強い水押しのウォブリングが特徴です。

強い浮力と、それを強引に押さえ込むかのようなリップとのせめぎ合いはまるでビッグバドの泳ぎを見ているかのよう。

そしてウォブリングだけでなく、トゥイッチによってドッグウォーク的な演出も出来るのがウリ。

ジャッカルのサイトによるとリトリーブで3.5mラインまで攻めることが出来るようなのですが、この浮力が生み出すパフォーマンスをミッドレンジだけのものにしておくのは勿体なさすぎ。

このパフォーマンスはシャローでこそ活きるのです。

ポニーテールの使い方

冠水ブッシュ最強のパフォーマンス

ポニーテールのパフォーマンスはカバーありきです。

オープンウォーターでは真の実力を発揮しきれないと言っても過言ではないでしょう。

その最大の魅力は、カバーをでんぐり返しで超えてくるという特性にあります。

一般的なカバークランクの場合は、ボディでフックをガードしながら身を傾けることでカバーを回避しますが、ポニーテールはカバーの真正面からがっつり四つに組んで、でんぐり返しすることでスタックを回避するのです。

ジャッカルの動画にもありますが、冠水ブッシュなどのブランチ系カバーでは笑っちゃうほどスタックしません。

あまりにも引っかからないので、バスの居なさそうなブッシュにも撃ち込みたくなるほどw

実はこれ、フレッドアーボガストのマドバグと非常に似た性格を持っているんです。

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マドバグはエッジが三叉になった幅広リップを持つルアーで、カバーにぶつかってでんぐり返しするのですが、それに似た動きを見せてくれるのです。

リップラップの穴攻略もバッチリ

それだけではありません。

リップラップでもその実力を遺憾なく発揮してくれます。

リップラップに適した巻物ルアーといえばスクエアビルクランクが真っ先に上がると思いますが、ポニーテールはスクエアビルとは違ったアクション特性でアプローチすることができます。

その最たるものがリップラップの穴攻略。

スクエアビルクランクは障害物に当たると跳ね上がることでスタックを回避するのですが、このポニーは岩の裏側もしっかりと舐めるようにトレースすることができるのです。

特に1m前後の深さにあるリップラップをしっかりトレースする時には大きなリップゆえのスローリトリーブが出来、さらにリップのリーチを生かした急潜行ができるので、岩と岩の間に頭を突っ込ませるようなトレースも可能なのです。

実際には水中の様子を見ることは出来ませんが、巻いているうちに岩を超えた時の感じがつかめるようになるので、この特性を知っているだけでも大きなアドバンテージになるはず。

ポニーテールの命とも言えるリップ

そんなハイパフォーマンスを実現してくれているのがこのリップです。

どこにでもあるダイビングリップにしか見えませんが、このリップの計算された角度と絶妙なサイズがなければポニーテールは ”ただのジョインテッドクランク” で終わっていたでしょう。

外見で一番目を引くのがジョイント部分なのでキモはそっちにあるような気もしますが、ポニーテールはこのリップがなければ成立しないのです。

その最大の理由は、先述の通り、でんぐり返し回避術を習得しているから。

言葉にするとでんぐり返しなんてどんなクランクでも簡単に出来そうなものですが、実はこれがなかなか難しい技。

他のクランクベイトでやってみるとよくわかりますが、スローリトリーブでボディが横に倒れるとフックがむき出しになって障害物の餌食になってしまうクランクがほとんどなのです。

ダイビングクランクを投げたらまずはザリガニ巻きから始まるのんだくれが言うんですから間違いありません😁

躱マイキーも障害物回避性能が高いルアーとして知られていますが、のんだくれ的にはポニーテールの性能の方が数段上なんじゃないかと。

ボディが横になりにくいこのリップに行き着くまでにはかなりの時間と手間を要したんじゃないかと勝手に想像してます。

そしてガシガシ当ててもビクともしないリップエッジはリップラップ大好きアングラーには嬉しいですね。

動きの演出だけではない三連ジョイントボディ

そしてもう一つの特徴が三連ジョイントのボディです。

このジョイントの仕事は動きの演出のためだけではないのです。

それは浮力の確保。

一般的なクランクベイトは尻すぼみのボディシェイプゆえテール側に浮力を持たせられないのですが、ポニーテールは大きな気室を持ったジョイントを接続することで、見た目的にも違和感なくテール側に強い浮力を持たせることに成功しています。

テール側に浮力があることでリトリーブ中も頭下げの姿勢を保つことができるので、常にボディがフックをガードする形となり、強力なスナッグレス効果を発揮します。

リップの長いリーチと強い前傾姿勢がタッグを組むんですから、そりゃ引っかからないのは当たり前。

もちろんこのテールの浮力がでんぐり返しを助けていることは言うまでもありません。

不安定な動きを生み出すシングルジョイント

そのジョイント方法にもヒミツが隠されています。

ポニーのジョイントはスイムベイトによく見られるようなヒンジ式のものではなく、一対のリングによって繋がれたシングルジョイント方式を採用しています。

実はこれが絶妙な不規則さを生み出しているのです。

上下左右の可動域を持つシングルジョイントは、アングラーの意図する動きとは別の、ルアーの挙動によっても動きが演出されるので人為的でないアクションが出せるというメリットがあります。

ラパラのジョインテッドモデルがシングルジョイントを採用していることからもその効果はお墨付き。

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そしてジョイント部分が不規則に動き回ることでボディ同士がぶつかって、これまた不規則なクラッキングサウンドを生み出すのです。

このクラッキングサウンドはラトルサウンドのように注目されることはありませんが、水中動画などで見るとその音量は無視できないほど大きなもの。

ボディ全体を共鳴させることができるので、下手なラトルボールよりも大きな存在感を演出できるのです。これはのんだくれの勝手な想像ですが、テール部分にこれだけ大きな空間があるにも関わらずラトルを封入していないのは、おそらくクラッキングサウンドによるアピールを重視しているのではないかと。

ラトル音は控えめな中低音

とはいえボディにはしっかりとラトルも設置されています。

ですが、このラトルサウンドは控えめの中低音サウンド。

積極的に鳴らすというよりも、ウェイトルームのわずかな隙間でカタコトと鳴っているといった感じです。

強い浮力を実現するために内部に余計な構造物を作りたくなかったのかもしれません。

拡張性も備えたポニーテール

そしてのんだくれが咽び泣いたのがコレ、テールに装備されたエイトリングです。

なんとアングラーの好みでカスタマイズできる余地が残されているのです。

最近でこそカスタマイズできるルアーが増えつつありますが、このポニーテールが発売された時期はまだまだ ”吊るしの状態がベストなんだよ” が主流。

そんな時期にこれを設置してくれてたのは、天才かよ!と思いました😁

テールエンドがむき出しプラだと強度的な問題もあるので補強的する役目もあるでしょうが、ガチで使い込みたいアングラーには嬉しい仕様ですね。

このリングを使ったチューニング例は後述します。

ポニーテールのフック

フックは前後とも#2を採用し、リアだけダブルリング仕様になっています。

ダブルにしたのはフッキング性の向上とかバレ防止とかではなく、おそらくジョイント部分への絡み防止が目的ではないかと。

ダブルにしておくと引っかかっても自然に解けることが多いので。

これは他のルアーでも使えるルアーハックなので、もしフックを背負ってしまうルアーがあったら試してみる価値はありますぞ。

ポニーテールのカラー

しかしそんな全方位最強と思われるポニーテールにも不満があります。

それはカラーがベイトフィッシュ系のものに偏っていること。

このボディシェイプなのでベイトフィッシュにしておくのはある意味テッパンではあるのですが、せっかくカバーに撃ち込めるルアーなのにイントゥルーダー(テリトリーを荒らす侵入者)系やクローフィッシュイメージのカラーが少ないのです。

釣れるルアーだけに超もったいない&大不満。

個人的にはマットブラックベースにゴールドのクローパターンとかソリッドパールホワイトとか攻めたカラーも欲しかったですね。

おそらく不人気カラーの筆頭になっちゃうでしょうけど😂

ネームも不満要素テンコ盛り

そしてこのネームも不満炸裂なのです。

まずポニーテールというネーミング。

はっきり言ってダサい。

致命的なほどダサい。

テールがフレキシブルに動く様子にポニーテールが揺れるイメージを重ねたかったと思いますが、正直ルアーをイメージしにくいし、そもそも響きがカッコ良くない。

可愛い系の要素を持つルアーならまだしも、ガチの釣れ釣れルアー、かつ新コンセプトのルアーでこれはない。

『うっわ!デカっ!ルアーは何で釣ったの?』

『ポニーテール』

『……』

といった具合にビミョーな感じになっちゃう。

又、SNSとかの釣果報告で『ヒットルアー:ポニーテール』と書いてあっても、カッケー!とならないし、『ポニーテールやべェよマジで』と書こうもんなら性的嗜好と勘違いされそうw

悲しいことにポニーテールには躱マイキーにあるような、アングラーの気を引くネーミングセンスが見られないんです😭

ルアー自体がめちゃくちゃ優秀なだけに残念ですね。

そういう意味ではデプスのスペルトリガー的なニホヒがしないでもありません。

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ちなみにネームのロゴスタンプは画像の他に120とサイズが明記されたものもあります。

数字が入ったと言うことは、もしかしたらサイズ展開も見据えての準備なのかもしれませんね。

ポニーテールの改造・チューン

ポニーテールは先述の通り、カスタマイズの余地があるルアーです。

強い浮力があるのでウェイト的にもアレンジできる幅が広く、オリジナルザラスプークとはではいかないものの、あらゆるアイデアを受け入れる懐の広さを備えたルアーでもあります。

のんだくれも結構なアイデアを試しましたが、その中で使えるネタを紹介しましょう。

シモリ玉チューン

画像を見て頂ければわかる通り、テールにシモリ玉(ウキ)を装着するチューンです。

最初に見た人は大抵失笑するというチューンなんですが、個人的にはこれがポニーテールチューンでは最強だと自負しています。

シモリ玉を装着する目的は3つ。

まずひとつはインジケーター(マーカー)の役割。

オーバーハング奥や水質によってはマーカーがないとルアーのポジショニングも分からなくなるのでその対応策です。

二つ目は浮力の増強です。

ポニーテールはノーマルのままでも強い浮力を持っていますが、前述のリップラップ穴攻略などではもっとキツい前傾姿勢と素早い浮上スピードが欲しい場合もあるのです。

そしてより潜りにくくすることでウェイクベイト的な使い方も可能になります。

そして最後は球体効果。

ジャッカルの加藤さんがラッキークラフト時代の雑誌インタビューでこんな事を言っていました。

詳しい文言は忘れましたが要約すると、”丸いものが水の中で動いた時の水流変化は確実に魚の注意を引く” と。

実はのんだくれはこの球体効果理論の信者で、間違いなく効果があると思っています。

なぜならビッグバドのテールを玉ウキにしたものや、ヨーヅリの3DBナックルベイトなどでその明らかな効果を目の当たりにしているから。

シモリ玉を装着しても泳ぎのパワーは変わらないし(6号装着の場合)、水面使いでは引き波がより強くなるなど利便性だけでないメリットがあるのです。

これに関しては信じればナントカの世界なので受け止め方次第ですが、やる価値はあると思います。

ウェイト増量チューン

もうひとつオススメしたいのは、ウェイト増量チューンです。

ポニーテールの強い浮力をあえて殺す事でルアーの可能性を広げるというものですが、のんだくれが実践しているのは、画像のようにリップ裏にヒートンを打ってウェイトをぶら下げる方法。

1/4ozのナス型オモリをぶら下げるだけで浮力を殺しつつ、より前傾姿勢をキツくすることができます。

そしてポニーテールは3/8ozのウェイトでジャストサスペンドするので、トビキチのような超スローの漂わせ系逆立ち演出も可能になります。

のんだくれは性格上じっくりゆっくり誘うのが苦手なのでトビキチスタイルはあまりやりませんが、ウェイトの付け替えだけでルアーの可能性を大きく広げることが出来るんですからやらないテはないですよね。

ただしひとつ注意点が。

ウェイトを装着するだけならフロントフックハンガーにぶら下げればいいのですが、リップ裏にヒートンを打つのとフロントフックのところにぶら下げるのでは水中の姿勢が大きく変わるのです。

この辺は好みもあるのでどっちが良いとは言えませんが、根がかり回避に長けているのは間違いなくリップ裏ヒートン。

これは土嚢を使ったテストでも実証済みです。

とはいえルアーに穴を開ける事に抵抗がある人もいると思うので各自お好きな方法で。

テールエンドにエイトリングを装着してくれてるならいっそのことリップ裏にもリングを装備しておいて欲しかったなーなどと思ってみたり😁

まとめ

といった具合に長々と解説して参りましたが、ポニーテールはその外見とは裏腹にかなり使えるルアーであると同時に、アングラーのアイデア次第でトンでもない拡張性を秘めたルアーです。

そういう意味においては川島フリークスだけでなく、カバー撃ちを必殺技にしているラバージグアングラーの引き出しのひとつとしても試して欲しいルアー。

生産計画の関係か最近あまり見ませんが、もしどこかで出会ったら確保しておいてソンはないルアーですぞ。

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