トールウォーカー Tall Walker #4 / バグリー Bagley’s Bait Co.

 

クランクベイトとミノーのイメージが強いバグリーですが、実はトップウォーターも得意とするところ。

バルサ使いの名手として長年君臨していただけあって自然素材の特性を知り尽くしているバグリーならではのスキルが生きています。

ということで今日のゲストはバグリーが1980年代終盤にリリースしたペンシルベイト、トールウォーカーです。

 




 

 

このペンシルはやDB IIIマグナムやドレッジなど大型クランクベイトが注目を浴びていた時期にひっそりとリリースされました。

いや、バグリーとしてはひっそりのつもりは無かったと思いますが、時期が時期だけにどうしてもそれらの影に隠れた存在になってしまっていました。

がしかーし!

このルアーはそんな名品達に引けを取る事のないランカーキラー(なんか久しぶりに聞くワードだなw)なのです。

 

 

 

トールウォーカーは悪く言えば特徴のない、よく言えば伝統的なペンシルベイトです。

スペック上は4インチとなっていますが、厳密には95ミリ、16gの中型サイズに仕上げられています。

外見上これといった個性がないので、どちらかといえばスルーされる対象となっていましたが、実はかなりのやり手。

能ある鷹は爪を隠すという諺がありますが、トールウォーカーはまさにその鷹だと言ってもいいでしょう。

そのぐらい使えるペンシルベイトなのです。

 

 

 

トールウォーカーの最大の武器はこの丸いヘッドです。

丸い以外の特徴がないと言われればその通りなのですが、このヘッド形状が絶妙なのです。

それは実際に水面で動かしてみればすぐに分かるはずです。

 

 

 

ほぼ水平浮きの状態からチョンと軽くロッドを動かすだけでトールウォーカーは綺麗なスライドを見せてくれるのですが、そのスライドが重いのです。

文字にすると陳腐になってしまいますが、水の抵抗をヘッドに受けてペンシルベイトらしからぬ抵抗感を投げかけてくるのです。

そして連続ドッグウォークではトルクのある巻き心地とともに鋭角で美しいジグザクを披露してくれるのです。

これらの一連の動きは、ズイールでいうところの水押しがベースになっているのですが、丸いヘッドとハードウッドならではのトルクフルな動きがズイールのそれとはちょっと違う世界を見せてくれます。

 

 

 

画像の上は歴代テラーの中でも最も強い水押しを伴ったロングスケーティングができるズイールテラー5/8oz 2002年モデルですが、同じようなヘッドを持っているにも関わらずトールウォーカーの方が引き心地が重いのです。

その秘密はラインアイの位置にあります。

ほんのわずかな差なのですが、トールウォーカーのラインアイはボディの中心線よりも下に設置されているのでヘッドの一番前、一番平べったくなるところでしっかりと水を受けてトルクを生み出しているのです。

そしてその水流の一部は頭を超えて背中へと流れるので、ちょうどルアーが薄い水の掛け布団をかぶっているような状態になり、これがねっとりと水に絡みつくような感触を生み出します。

この上と下に水流を分け流す配分が、潜り過ぎず浮き過ぎずの絶妙な加減なのです。

 

 

 

しかしちゃんと水に絡んでいながらもボディの下側はわずかにアールが付けてあるせいか、ロッドの動きにも機敏に反応してクイックなターンもお手の物。

水面の皮一枚をすくってねっとりとスライドするタイプなので、オリザラのような連続スプラッシュは苦手ですが、ポーズからの強めのトゥイッチではポコンと甘いポップ音を出す事もできるなど、なかなかの芸達者ぶり。

 

しかし残念なことにこの類稀なる性能が大きな脚光を浴びることはありませんでした。

一部のファンの間では認められていましたが、見た目があまりにもフツーすぎてスルーされがちな上に、そのパフォーマンスは実際に使ってみないとわからないという事もあってイマイチ盛り上がらなかったようなのです。

そしてリニューアルの意味もあったのか、バグリーはその名もウォーカーやICUというハードウッド製ペンシルベイトと入れ替えてしまうのです。

ウォーカーはウォーカーで悪くはないんですが、残念ながらトールウォーカーのような特徴ある動きは持ち合わせておらず、その後バグリーがこのねっとりテイストを販売することは叶いませんでした😭

生産終了の事実を知って買い漁ったのは言うまでもありません。

 

 

 

そんなトールウォーカーはボディ形状がシンプルで塗りやすいのか、バングオー並みにカラーバリエーションが多かったことでも有名です。

当時日本ではオフトやアングルが輸入してくれていましたが、日本に入ってくるカラーはほんの一部で本国では怒涛のラインナップを誇っていました。

その中でものんだくれが好きなのがこのホットタイガー。

ホットタイガー/フィヤータイガーカラーは最近では売れないカラーの代表のようになっていますが、首振りの際にボディがロールすると背中、ボディサイド、ベリーの色変化が演出しやすい非常にパワフルなカラーで当時からのオキニ色。

最後までホットタイガーをラインナップから落とす事のなかったバグリーはこのカラーに余程の信頼を置いていたんでしょうね。

 

 

 

リグは前後ともヒートン方式を採用。

ヒートンリグの良さを活かしてプロップバージョンも販売されていましたね。

フックは当時モノのクローポイントですが、このフックはすぐにサビが出るのが欠点でした。

釣り場から家に帰るまでの間、ほんの数時間だけでもサビが浮くので昔は錆止めスプレーを吹いたりしてました。

しかし昔のフックはバーブがデカいですね。

何としてでもキャッチしてやる的な鼻息フンガーな気持ちが伝わってくるようですw

 

 

 

ネームは80年代バグリーの定石に則ってレターだけのスタンプです。

しかしこれはフックのスクラッチで消えてしまうという儚い命。

ちなみにトールウォーカーとは胸を張って意気揚々と歩く人のこと。

背伸びをするように大きな気持ちで歩くというニュアンスですね。

このトールウォーカーはバグリー史上最も大きな目を持っているルアーなのですが、もしかしたら目の大きさで自信満々な様子を表したかったのかもしれません…. ってのは考えすぎだよねw

トールウォーカーには#3と命名された3インチの弟もラインナップしていましたが、そっちは騒々しい首振りが得意なので#4とセットで持てば同じフィーリングのまま違うアクションが楽しめますぞ。

 

 

生産が終わって20年以上経つものの、そのプレーンすぎる外見と昨今のペンシルベイトの不人気さゆえ、今でも状態の良いものが手頃な価格で入手できるという中古ルアーの優等生でもあります。

ねっとり水に絡みながらも機敏に動くという相反する要素がミックスされた独特のフィールを武器にしたい方は、一軍ボックスに迎え入れてみてはいかが?

 

 




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