同じような商品が二つあった場合、価格を基準に選んでしまいがちですが、価格だけを判断基準にすると大きな機会損失を生み出すことも。
今日紹介するシックスセンスルアーズのクラッシュ100Xは、他社のクランクよりもちょっとお高いけれど、その違いが欲しかった人にはハマるであろうルアーです。
クラッシュ100Xとは
クラッシュ100Xは2017年?にシックスセンスルアーズが発表したクラッシュスクエアビルシリーズの一味。
スクエアビル戦争真っ只中に生み出されたクラッシュ50Xに続いてリリースされたミニサイズの25Xに続くスクエアビルシリーズの長兄にあたります。
クラッシュシリーズは兎にも角にもストライクキングのKVDスクエアビルを意識したラインナップで、タックルウェアハウスで買い物したことがあるクランカーならば一度はカートに入れたことがあるはず。

しかしKVDスクエアビルほど話を聞かないので、結局カートから削除されちゃってるんだろうなとw
クラッシュ100Xのサイズ・重さ
クラッシュ100Xは67ミリ、5/8oz(実測15.9g)のミディアムサイズクランクベイトです。
オリジナルザラスプークと比較すると大きく見えますが、実際にはKVD2.5と全く同じサイズに設定されています。
クラッシュ50XがKVD1.5と同じサイズなので、KVD2.5の対抗モデルも作らなきゃ!って思ってたんでしょうねw
クラッシュ100Xの特徴
クラッシュ100Xの特徴は ”うるさ過ぎず静か過ぎない ( Not too loud, Not too quiet ) ” コンセプトを採用したサイレントラトルを搭載していること。
これはタフコンディションでも魚をスプークさせないという考えの下、クラッシュ300DDで初めて採用されたシステムで、シックスセンスルアーズ躍進の原動力になったコンセプトでもあります。

シックスセンスはノンラトル仕様(当時)のKVDスクエアビルクランクにサイレントラトル入りで真っ向勝負を挑んだのです。
クラッシュ100Xのアクション
クラッシュ100Xのアクションはロールしつつも大きくウォブリングする典型的なスクエアビルのそれ。
ぱっと見たところではKVD2.5とほとんど変わりません。
しかし両者をよーく見比べてみると、100Xの方が少しだけウォブリングの振り幅が大きく、ピッチも早くなっています。
そしてリトリーブを止めた後、急浮上する強浮力仕様。
どういう意図があってこのセッティングにしたのかはデザイナーのケイシーに聞かないことにはわかりませんが、勝手に想像するに、おそらくステイン〜マディウォーターが多い南部の会社ゆえのカラーが出ているのではないかと。
というのも、シックスセンスの所在地はレイクコンロー Lake Conroe のすぐ近くで、契約プロも南部出身アングラーが多く、テストフィールドもその水域が多いので、マディウォーターの立木やロックエリアでの使い勝手とアピールを重視したのではないかと。
もちろんアピールを抑えつつもしっかりサイレントラトルを鳴らしたいという意図もあったでしょう。
そういう意味ではネイションワイドで販売されるKVDスクエアビルに真っ向勝負を挑みつつ、地元フィールドで有効な要素も持たせた、最強のローカルベイトにしたかったのかもしれません。
クラッシュ100Xの使い方
そんな100Xの特徴を理解すると、自ずと使いどころは決まってきます。
サイレントラトルの効果が最も発揮できるであろうタフ&マディウォーターの立木の間を通したり、シャローのロックやグラベル(砂利)エリアをひたすら巻き倒すのがピッタリじゃないかと。
元々スクエアビルなので障害物のすり抜けは得意な上に、強い浮力を生かした横方向から縦方向への急激な変化を演出しやすいので面白い釣りができるのではないかと。
クラッシュ100Xのカラー
シックスセンスは元々カスタムペイント屋だけあってカラーリングには一家言あります。
画像のカラーはシャッドファンタジーというセクシーシャッドの派生色ですが、発売当時エラにレッドが吹かれていたカラーはこれだけでした。
のんだくれはそこに”何か”ががあるような気がしてポチったのですが、知らない間にカタログ落ちしてしまったので、残念ながらその ”何か” は分からずじまい😭
しかし色のトーンの強弱やレッドの挿し方などほんのわずかな違いのカラーをラインナップするなど、ガチのクランカーが喜ぶポイントを抑えているあたりはさすがのシックスセンスですね。
このあたりの差別化が米国での急成長に一役買っているんでしょうね。
とはいえシックスセンスは頻繁にカラーの入れ替えを行なっているので、スペアを補充しようと思った時には遅かったなんて事が普通に起こるブランドでもあります。
気に入ったカラーがあったらすぐに補充しておくのがシックスセンスとの正しい付き合い方なのです。
クラッシュ100Xのフック
フックは前後ともトリプルグリップ ”っぽい” フックを採用しています。
画像のものはデフォルトのフックで#4が装着されていますが、100Xは途中で仕様変更したのか#2サイズが標準となっています。
個人的にはカバー抜けの良さなどで#4サイズがしっくりくるので#2では使っていませんが、オープンウォーターでショートバイトも逃さない!というスタンスなら#2でもイイかもしれませんね。
クラッシュ100Xのネーム
でもこのルアーにもネームプリントが無いんですよね。
見てくださいよ、寂しいこのハラを😭
名前を入れないのはシックスセンス家の掟なので今更文句を言っても仕方ありませんが、背中にはブランドロゴが入ってるだけに残念感が募ります。
ちなみにクラッシュは衝突を意味する Crash ではなく、潰すとか絞るを意味するCrushの方です。
でもこのルアーの場合は、スラングで夢中とか首ったけという意味を持つクラッシュ Crush Onに被せたと解するのが自然でしょうね。
”バスが夢中になってしまうルアー” 的な意味を乗せていると思われ。
ちなみにスマホの人気ゲームアプリ、キャンディクラッシュは Crush の方です。
どーでもイイ話ですが、のんだくれは長年クラッシュソーダのワイルドチェリーフレーバーにクラッシュしてますが、近年はどこにも売ってません😭
おわりに
といった具合にKVD2.5と比較しながらクラッシュ100Xを解説してみましたが、どっちがイイのかは最終的に個人の好みでしょうね。
タックルウェアハウスでの販売価格はKVD2.5が6.5ドル(700円強)なのに対し、クラッシュ100Xは9.9ドル(1,100円強)と約400円の差がありますが、先に述べた両者の違いがこの価格差に見合うかどうかの判断はアングラーがクランクに何を求めるかによっても分かれるでしょうから。
両者をじっくり使い込んでみた者の感想としては、サイレントラトル搭載というだけでも差額を払う価値はあると思いますが、果たして皆さんの判断は?