アメリカのクランクベイトマーケットでは定期的に戦争が勃発します。
古くはビッグオーが火蓋を切ったアルファベット戦争に始まり、90年代はフラットサイド戦争、近年ではマグナムクランク戦争なんかもありましたね。
数ある戦争の中でも最も市場が活気づいたと云われるのが2011年終盤に勃発したスクエアビル戦争です。
これはケビンヴァンダムが2011年バスマスタークラシックをスクエアビルクランクで制したことが引き金となり、各社が大量にスクエアビルを投入した事で始まった大戦争です。
開戦後10年経った2021年の現在でも各地でまだ火種が燻り続けているなどワールドワイドな展開になっているのはみなさんご存知の通りですね。
ということで、今日のゲストはそのスクエアビル戦争の引き金となったストライクキングのKVDスクエアビルクランクです。
今となってはもう慣れっこになってしまいましたが、このスクエアビルが登場した当初は結構な衝撃でした。
もうお気づきだと思いますが、ラッキークラフトのRCクランクにクリソツなんですよね。
天下のストライクキングも遂にパクっちゃった?的な感じで、KVDがクラシックを制するまでは微妙なポジションだったのを覚えています。
ストライクキングもそのあたりに配慮していたのか、アメリカンブランドにはお約束とも言える【我が社が先駆けて開発した…】という類いの表現をプレスリリースに使ってないところがカワイイというか笑わせてくれます。
しかしそんな微妙な立ち位置だったにも関わらず、クラシックウィナーとなった瞬間にいきなり爆発的人気となります。
当時の米国内での売れ行きは凄まじく、イメージカラーでもあるセクシーシャッドはもちろんのこと、全てのカラーが即完売状態となり、バックオーダーをクリアするために24時間の生産体制でも半年以上かかったとの事。
このルアーの特徴は何と言っても名前にもなっているこのスクエアビルです。
どーです、食パンを彷彿とさせるほどのこの四角ぶり。
リップは中心からエッジに向けて薄くなっており、その効果もあってアクションの立ち上がりと切れはサスガ。
タイトウォブリングで小気味よくロッドティップを震わせてくれます。
ストライクキングには同系統のスクエアビルクランクベイトとしてプロモデルクランクベイトHCS4というモデルがありますが、HCS4はワイドなウォブリング特性なので、このKVDスクエアビルはストライクキングのラインナップを強化する頼もしい存在になるでしょうね。
もちろんスナッグレス性能も期待に応える実力で、ロックや枝など気持ちイイぐらいにグリングリン回避します。
沈木が多い野池で積極的にコンタクトしてみましたが、ほとんどスタックしなかったのでこれは評価できるでしょう。
テールがシャープに伸びるRCクランクとは違い、ボディデザインは典型的なクランクベイトシェイプになっています。
RCクランクのデザインがイマイチ好きになれないという声をチラホラ聞くので、そういう方にはピッタリハマるんじゃないかと。
ちなみにこのKVDスクエアビルクランクベイトは1.5と2.5の2サイズ展開。(2011年当時)
いずれもしっかりとした浮力で浮くノンラトル仕様です。
アイはアメリカ人の大好物3Dアイを採用しています。
これはストライクキング家プラグにおける鋼鉄の掟みたいなもんですね。
ラッキークラフトの方は黒目がちのウルウルアイを採用してるので、ココはストライクキング側としては違いを主張できる貴重なポイントでしょう。
今回のKVDクランクの中でのんだくれの一番のお気に入りカラーがコレ、セクシーサンフィッシュ。
なんでもセクシー付けりゃ売れると思ってるのかネーミングは超ダサダサですが、オリーブバックのクランクでオイシイ思いをしたことがあるのんだくれにはタマらん色です。
でもこのカラーが気に入ってるのはオリーブバックだけが理由じゃないんです。
キモはテールにちょっとだけ吹いてあるパールブルー。
実はパールが混じったブルーとかパープルって、陸で見てる分にはどって事ないんですが、水に浸かった状態で紫外線に当たると視認性がグンとアップするんです。
こういうカラーをワンポイントで使ってあるトコロを見て、ストライクキングにはのんだくれと同じような事を考えてるヤツがおるんかな?と、勝手に妄想族化して喜んでますが。
パールのブルーやパープルがもたらす効果についてこちらにも書いてますので良かったらどうぞ。
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フックは前後ともラウンドベンドのブラックニコーを採用しています。
近年のクランクベイトはラウンドベンド派かトリプルグリップ派の二派に分かれてしまって、イーグルクロー派はもう居なくなっちゃいましたね。
普通、どっかのルアーに似せたとか模倣したルアーってのは、大抵オリジナルを越える事ができないもんですがこのKVDクランクは、ラトルや浮力をストライクキング仕様にすることでRCクランクとは違う立ち位置でのトップを狙ってる事が良く分かります。
でもそれって今まで日本のマニュファクチュアラーが散々やって来た事なんですよねー。
追う立場から追われる立場へ… そういう意味でもコイツは2011年の話題になるでしょうね。
でも、ネームぐらい入れて欲しいですよね。
1.5はともかく、2.5サイズの方は中古屋で見たらシャローペッパー150と間違えるよマジで。
コメント
1. tei-g November 23, 2010 02:03
早速、オーダーさせてもらいました。RCの動きにやられた一人なんで、
こちらも凄く興味がありました。カラーはRCに比べるとあれですが(笑)、
RC3つの値段でこいつは5つ買えますからね、思い切っって使える価格っていうのはうれしいです。
2. ぱーま屋 November 23, 2010 09:20
RC愛用者です。
本家の半分近い値段で売れるとはおもしろいですね!
日本製のプラグもちゃんとしてるのはちゃんとしてるってことですね!
ちゃんとしてないヤツもそれはそれでかわいいので困ってますが。
3. のんだくれ November 23, 2010 14:04
tei-gさん
カラーは確かにあれですね。
というかセクシーシャッドの成功がトラウマになってんじゃないの?ってぐらい同じような色ばっかりです。
セクシーブルーバックヘリングなんて便乗もいいとこ。
4. のんだくれ November 23, 2010 14:11
ぱーま屋さん
RC、たっくさん買ってますもんねー。(笑)
マーティのヤツも頂きましたし。
アメリカでは日本のルアーが確実に浸透してますから今後もこういうケースは出てくるでしょうね。
なんとも複雑ですが、日本のルアーはアメリカでは全く通用しない!と断言してた人達は一体なんだったの?という感じです。
5. 通りすがり November 23, 2010 16:30
記事読んでRCが一応日本のルアーだって事を思い出しました笑
リッククラン監修でUSラッキーとバスプロショップスのコラボで生まれたルアー(だったはず)なんで
自分の中では完全にアメルアにカテゴライズしてしまってました(汗)
しっかしどうしてアメリカで活躍してる日本ルアーっ日本のメディアであんまし紹介されんのでしょうか?
ラトリンバイブとかアメリカで浸透しきった後にようやくって感じでしたし・・・
6. のんだくれ November 24, 2010 00:38
通りすがりさん
おひさです。
そう、RCってバスプロのエクスクルーシブ商品なんですよね。
ラッキークラフトが早い時点からアメリカ市場にシフトしてたので、
この辺のルアーはあんまり国産という意識がないのは確かですね。
アメリカ市場で好評のルアーって大抵日本じゃもう過去のルアー的なイメージのモノが多いので
再度プロモーションするのも気が引けちゃってるんですかね?
ライトリンバイブなんてアームズバイブとして投売りされてたので再販してもショップがどこも仕入れてくれないとか。
7. からし April 14, 2011 14:48
これもいいですが、ガイアのブレイブナイトも好きです。
早巻きにも対応できますし・・・
なんてたって安いです!(笑)
8. のんだくれ April 14, 2011 17:04
からしさん
ブレイブナイトって結構イイらしいですね。
気になってるんですが、あんまり見かけないんですよね。
こりゃこの機会に真剣に探すか。