
アメリカでは人気のルアーなのに、日本じゃ見向きもされないルアーってありますよね。
レーベルが出したこのホログラフィクミノーなんてその典型的な例。
陳列棚の片隅に… なんてのはまだマシで、置いてないショップのほうが多いくらいですから。
ホントの事言うと、最初はのんだくれも見向きもしてなかったんですが(汗)、アメリカ行った時にあるガイドがこのホログラフックミノーに惚れ込んでたので、そんなに言うなら… と半信半疑で買ってみました。
結論から言うと、コイツ使えます。

一子相伝レーベルミノーのボディシェイプに差し込みリップ、メリケンの大好きな大きな3Dアイを装備なんて、最近のジャポネルアーでは絶滅してしまったベタな設定なんですが、こうして改めて見てみると悪くないですね。
目玉はレーベルでは非常に珍しいプニプニ素材で出来てるので、爪でグリグリ押して遊ぶ事もできます。

日本でジャークベイトというと、ログかロングA、あとはメガバスのワンテンのイメージになっちゃうんですが、アメリカではコイツもレッキとしたジャークベイト。
というか彼らは釣れさえすりゃカテゴリーなんてどーでもイイので、ジャークで使えるルアーは何でもジャークベイト。(笑)
まあ日本人はあれこれとカテゴリー分けするのが好きな民族ですからね。

このルアーの特徴は、そのネーミングにもある通り、ホログラムを使ったフィニッシュです。
しかし、ただ単にホログラム処理してるのではなく、傷ついてウロコがはがれてしまったシャッドが再現されています。
実はシャッドという魚は非常にウロコが取れやすい魚で、ちょっとしたことですぐにウロコが剥がれます。
というよりも正しく言い換えると、自分でウロコを剥がす事ができます。
これはプレデターに追われた際、自身のウロコを剥がすことで水中にキラキラとした ” 分身 “ を漂わせてプレデターの目を撹乱できるからだと言われています。
イカが墨を吐くのと同じですね。
一般的に米国のバスフィッシングでシャッドというとギザードシャッドかスレッドフィンシャッドを指しますが、これらは単独では行動せず、巨大なスクール(=群れ)で行動する魚です。
日本のバスフィッシングでベイトフィッシュのスクールというと、大体アユボールかフナボールで、それらは大きくても直径数メートル程度のものですが、シャッドのスクールは大きなものになると直径2〜30メートルにもなり、ボートの周りは全てシャッドということもそれほど珍しくありません。
その無数のシャッドのスクールがまるで竜巻のように見える事から、トーネード Tornadoに掛けた、シャッドネードShadnado という言葉もあるくらいです。
なので、一匹一匹が剥がすウロコの量は大したことなくても、その規模のスクールだと剥がれるウロコも相当な量になるというワケです。
このウロコ落ちのファクターを取り入れたのが、80年代に売り出されたフィッシュフォーミュラのスパークルスケール。
スパークルスケールはシャッドフレーバーのフォーミュラの中にキラキラと光るラメ/グリッターを混ぜる事で、ルアーからこぼれ落ちるウロコを再現しようとしていました。
当時、大御所ビルダンスが強力にプロモーションしていたので、覚えている方もいらっしゃるでしょう。
以前アイロッドのマットニューマンとライブベイトフィシングをした際、マットは背掛けしたシャッドのウロコをわざわざ爪で擦って剥がれやすくしていましたが、これもまさにウロコ効果を狙ったもの。
なのでこのホログラフィックミノーのフィニッシュはただ単にキラキラさせるためではなく、ベイトフィッシュが捕食される実際の状況に基づいた、非常にロジカルな思考から生まれたものなのです。
そう思うと、リップ周辺に施されたブリーディングペイント(流血しているかのようなペイント)も納得がいきますよね。

ルアーの基本構造は伝統のレーベルミノーと同じなので特に目新しいところはありません。
しかし以前のレーベルミノーに比べてリップの接合精度が圧倒的に上がってました。
以前は隙間が空いてたり、ナナメに付いてるのがフツーに見られたんですが…。
このリップが生みだすアクションは、ロングAとは対照的なローリング系。
ジャークをしてもログなんかのように暴れる事もなく、比較的素直に引かれてきます。
それを良しとするか物足りなく感じるかは使い手の感覚次第ですが、のんだくれ的にはかなり高得点ですね。
もともと北欧からの刺客・ラパラに対抗する目的で設計されたことを思えば、十分にアリどころか、暴れ系ジャークベイトとのローテーションで使い込みたい気分。
やっぱり永年売れ続けてるだけの事はありますね。


フックは全てショートシャンクのラウンドベンドを採用してます。
このハリ、一見ヤボったく見えますが、細身のミノーとの相性はバツグンなので、のんだくれは国産針に交換したりせずに、あえてこのまま使用してます。
一度はデフォルトの状態で使って、メーカーが意図したバランスを分かっておきたいというのもありますしね。
それに所詮のんだくれの技量程度では国産のトキトキ針(笑)に替えたってショートバイトなんて取れっこないんですから。
ま、お気楽にいきましょ、お気楽に。

レーベルの法則に則って、リップにはエンボスされたロゴが入っています。
このロゴと Made In USA にはアメリカの会社なんだぞ!というプライドが滲んでますね。
ルアーのボディにはどこにもホログラフィックミノーとは記されていないこともあり、レーベルの血統であれば名前なんてただの文字の羅列に過ぎん!と胸を張ってるようにも見えます。
あ、もうご存知だとは思いますが、アメリカではレーベルと平坦な発音しても一切通じませんので御留意を。
短くレベル、もしくは ” べ ” にアクセントを置いたレベ↗️ルとなりますので、レーベルコレクターとやり取りする時には是非とも長音符は忘れてください😁

そう、肝心のガイドの使い方をまだ紹介してませんでしたね。
彼の使い方はひと言で言うと、緩急をつけたノンストップリトリーブ。
つまり一回のリトリーブの中で超デッドスローからハデなリッピングまでいくつかのスピードを状況を見ながら組み合わせるというもの。
しかしどんな事があってもルアーを止めないのがキモらしく、急なスピード変化に対応させるには姿勢が大きく崩れないこのルアーが最適なんだって。
彼曰く、陽が上がり切った真夏でも確実にバスを寄せる力があるとのこと。
うーん、さすがはアメリカ。
日本ではレーベルミノーを対バスの主戦力にしてる人なんてほとんど居ないけど、アメリカにはこーゆー人がまだまだいるんでしょうね。
『 うわ!デカっ!なんで釣ったの? 』
『 ホログラフィックミノーのノンストップリトリーブ。 』 ( ̄ー+ ̄)y-‘~~~
今年の夏はそんな言葉吐いてスカしてみたいもんです、ハイ…
コメント
*2010年投稿当時に頂いたコメントをそのまま転載しています
- カープヒロシマ March 25, 2010 23:09
レーベル40周年パケ入りのを
中古屋で購入しましたがそりゃ~、お安かったですよ。
プニプニの目ん玉が入魂の妨げになってますが
まだ本気で使ったこと、実はなかったりします(汗) - コカスキ March 25, 2010 23:16
こいつも買って箱も開けずどこかにあります。
そうですか使ってみます。 - ばんぱく March 26, 2010 02:41
このルアー、雑誌では結構宣伝広告を見た覚えがあるのですが、お店で見かけたことは一度もありません
ブログ復活、おめでとうございます。早速リンクさせていただきます
- いるか March 26, 2010 07:15
祝☆ブログ復活!
今から鳩山さんに今日という日を千一夜復帰の日として祝日にするようメールしてスパム扱いされてきますね(笑)
んで食らいついといてアレなんすけど、良さが分からなかったミノーであります
背中に鉛貼ってバランスを崩し、トゥイッチで使ったりしてましたが
だからジャークベイトではなくミノー振りなルアーなんだろな~と。今年の夏はホロ引っ張りだしてみよう!
- シマドン March 26, 2010 09:38
最近なってレーベルBOXを作ろうと新旧問わず買ってみました
コヤツも買いましたが、、、
夏までにはスカしてみたいです(笑
- tei-g March 27, 2010 02:19
廃盤にならない、新色が出る=釣れるってことなんでしょうね。見た目だけで避けて、逃している釣れ釣れルアーが実はもっとたくさんあるんだろうな、と思わされますね、こういう話を聞いてしまうと。 - のんだくれ March 27, 2010 02:47
カープさん
40周年パケありましたねー。
あれもそのうちレアになりますよ。(笑)
コイツを本気で投げてるのは今日本でも数人しかいないんじゃないですかね?
でも案外大爆釣だったりして… (笑) - のんだくれ March 27, 2010 02:47
コカスキさんのトコなら間違いなくパケ入りあるでしょう。 - のんだくれ March 27, 2010 02:48
ばんぱくさん
西の方では結構ショップに並んでましたが、地域差もあるんですかね? - のんだくれ March 27, 2010 02:51
いるかさん
間違いなくミノーですね。 決してジャークベイトではない。
しかし背中にウェイト貼ってなんてコアなチューンしてますねー。 - のんだくれ March 27, 2010 02:52
シマドン
そもそもレーベルBOXを作ろうというその考え自体が一般ピーポーではなくなっちゃてるんですが… - のんだくれ March 27, 2010 02:53
tei-gさん
いや、ホントにその通り。
絶版にならないのは売れるから、売れるのは釣れるからって事なんですよね。 - 80’s Bassing March 28, 2010 16:33
へぇ~
こんなんあるんや(^^;)
あっしは80年代から時代が止まってますので勉強になりますわ(爆)