プラドコが頑なにこのウッド製ルアーを販売し続けるのにはワケがある デビルスホース Devil’s Horse AF200 / スミスウィック Smithwick

スイッシャースミスウィックルアーズ Smithwick Luresダブルプロップ

梅雨ですねー。

ダブルスイッシャーの似合う季節ですねー。

レインウェアに当たる雨の音に癒されながら、静粛のリザーバーでジュワジュワとプロップサウンドを響かせたいですねー。

そんな時に使いたいのがこのデビルスホース。

クラシックな外見でありながらも、最新のプロップベイトでも打ち負かす事が出来ない実力を兼ね備えた永遠の名機です。

このルアーの歴史云々について語るのはもう野暮ですよね。

数あるプラドコルアーの中で唯一ウッド素材を守り抜いているという事からも、このルアーに対するプラドコのリスペクトの度合いが窺い知れます。

このルアーとの出会いは35年以上前で結構な数のオサカナをもたらしてくれましたが、本当の実力を知ったのは90年代に入ってから。

仕事で行ったフロリダでたまたま時間が空いたので、ラッキー!とばかりにブッキングしたエバーグレーズのガイドがその実力を教えてくれました。

ガイドが差し出したのは塗装が剥げたボロボロのデビルスホース。

同じくボロいスピニングタックルで投げたデビルスホースのショートジャーク&ポーズにスヌークが炸裂しまくったのです。

サイズこそ30〜40cmと伸びませんでしたが、その後タックルストアでデビルスホースを爆買いさせるには十分なインパクトでした。

のんだくれが愛用しているデビルスホースはAF200と呼ばれる110ミリ 1/2ozのバージョン。

デビルスホースには細身のAF100や5インチの長兄AF300、3インチの末弟AF700などがラインナップしていますが、のんだくれの場合はこのAF200一択。

他のモデルはほぼ使いません。

エバーグレイズでの爆釣イメージが脳裏に焼き付いているのもあるのですが、これしか使わない理由は水面での安定性にあります。

AF200はヘッド部分がAF100に比べてファットで急角度になっているので水流を受けるとわずかにダイブし、波立った水面で鋭い連続ジャークを入れてもトビウオにならないんです。

そして大量のバブルを水面下に巻き込めるトコロもすばらしポイント。

イメージとしては、ダイブするミノーライクなポッパーという感じでしょうか。

ジュブッ!と小気味良いサウンドを出してくれるこのプロップもお気に入り。

プロップのサイズはAF100の方が大きいけれど、水をしっかりと掴んですぐに立ち上がるという点では圧倒的にこっちに軍配があがります。

AF100のプロップにはまた別のメリットもあるけど、ほぼショートジャーク&短いポーズでしか使わないのでこっちで不満を感じたことはありません。

そういえば昔はAF100にこのプロップを移植したりもしてたなぁ

そしてそして、何といってもAF200の特徴はこのグラマラスなボディでしょう。

首振りなんて一切しない直線番長ですが、しっかりと飛んでしっかりと水を咬み、そしてしっかりと浮く基本性能は長く使えば使うほど良さがわかります。

浮力という点では5インチのAF300の方が強いのですが、のんだくれ的にアレはもうデビルスホースじゃないので😂

使い方は超カンタン。

着水後ちょっとだけポーズを入れたらジャッジャッとジャークしてまたポーズ、を繰り返すだけ。

時々ジャークのリズムを Thunderstruck から The Number Of The Beast に変えたりすることはありますがこれ以外のリズムではまず使わないし、それで釣れなきゃ他のルアーに変えちゃいます。

長くジョワーッと引いたりとリズムに変化を付ければ釣れることもあるんでしょうけど、良くも悪くもエバーグレーズの影響アリアリなのでこれでエエんです😁

そういえば、いつだったかヒロシマカスタムズのブロックヒロシマと釣りに行った時、彼もこれを使ってたのを思い出しました。

出撃したレイクベリエッサは午後になると強い風が出る事で有名なレイクなんですが、彼は強風下でこれとラパラのX-Rapプロップをジャークしてシャッド付きのバスをキャッチしてました。

リグはウッド製スミスウィックのお約束でもあるサーフェスリグ方式を採用しています。

ややオープン気味のクローポイントロングシャンクフックを使うのもスミスウィックトップウォーターの伝統ですね。

クローポイントフックがアメリカンルアーの定番から陥落して久しいのですが、デビルスホースだけはこの伝統を守ってくれるのでヴィンテージ好きなおっさんとしては嬉しい限りです。

デビルスホースはノンウェイト構造でフックやリグだけでバランスを取っているので変えるに変えられないんでしょうか。

… てか最近モノもまだこのフック使われてますよね?よね? なんか不安になってきた😅

そしてスミスウィックのお楽しみといえばこのゲイラカイトアイでしょう。

誰が言い出したのか知らんけど、ゲイラカイトとはまさに言い得て妙😁

でもゲイラカイトが流行したのは70年代で、ミレニアム世代にゲイラカイトと言っても、なにそれ?てな感じで通用しないんですよね😭

画像出典: Gayla Industries

でもいつかスミスウィック x ゲイラカイトのコラボレーションモデルとして、ほんとにゲイラカイトアイを持ったデビルスホースとか作って欲しいなぁ

ちなみにこの目の正式名称はスカイスパイ Sky Spy なので以後お見知り置きを。

そうそう、個体や製造時期によってこの目にもいろいろあって楽しませてくれるのもデビルスホースの魅力の一つですよね。

目玉の入れ方はもちろん、ベースの黒が塗りだったりと焼酎のグラスを片手にニヤニヤするには最高のお供になってくれます。

生産が米国からメキシコに変わり、エルサルバドルの時期もあるなど点々としてるのでそれぞれの国民性が現れてるのかもしれませんが、ラティーノっぽい雑な仕上げは一貫しているようです😂

しかしそんな中でもタイガーパターンだけは変わっていないので、同じステンシルを使い続けてるのかなぁと妄想ネタを提供してくれるなど、ヲタへの心遣いも忘れてませんw

でもステンシルのパターンを変えずに守り続けてるんだったら、ネームのスタンプも貫き通して欲しかったですね。

カラーで思い出しましたが、90年代にはこんなグリッターカラーがリリースされていた事がありました。

これはサンバースト Sunburst シリーズのブリームというカラーで、全身に細かいラメフレークを纏っているのが特徴。

このシリーズには他にも、グリーンバック/オレンジベリーのグリーンダイヤモンドというカラーもラインナップしていましたが、いずれも短い期間にしか製造されていないので見つけたらマストバイの一品。

特にサンバーストのAF200シリーズは数が少ないので要注意です。

実はこのサンバーストシリーズはビルノーマンが火をつけたグリッター戦争によって生まれたカラーで、ノーマンのゲルコートフィニッシュに触発されたバグリーがダズルカラーを出し、それにスミスウィックも乗っかった形で誕生しました。

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しかしグリッター戦争が思ったほど盛り上がらず、すぐに下火になってしまったので、それに伴ってサンバーストシリーズの生産をやめてしまったという経緯があるんです。

なのでもしキラキラのデビルスホースを見つけたら、ビックリマンチョコのキラキラシールに相当するアタリだと思ってください😁

近年日本でダブルプロップのルアーといえば、先日紹介したプロップペッパーやミロの5Mなどデッドスローで使うものや、スパイベイト的なフィネスなものが主流になりつつあります。

しかし、ダブルプロップのルアーをジョワッ!とやってバスを誘い出す楽しさはタダ巻き系ルアーでは得られないものなので、最近プロップサウンドが足りてないなーという人は、スミスウィックがまだこれを現役で作ってくれている事に感謝しつつ、梅雨の水で泳がせてあげてくださいな。

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