日本の経済構造に大きな影響を与えたと言われているリサイクルショップの存在。
プロパーの商品を扱うよりも圧倒的に利益率が高いことから、釣具では ”黄色い店” を筆頭に、新品しか扱わなかった量販店ですら積極的に中古釣具を扱うようになり、今や海外でも中古釣具販売に重きを置く店が登場するまでに。
それにより、今や ”中古じゃないと釣具を買わない” という層も現れています。
中古釣具には新品とは違った楽しみ方がありますが、中古市場ではあまり見られないアイテムがあるのもまた事実。
今日紹介する3DBポッパーはそんなルアーのひとつです。
3DBポッパーとは
3DBポッパーはヨーヅリの世界戦略商品である3DBシリーズの中のポッパー。
3DBシリーズはプリズム反射のギミックを売りにクランク、ペンシル、ジャークベイトなどなど10以上のタイプをラインナップしたヨーヅリのバスルアーを代表する一大勢力です。
2014年のヨーヅリUSA広告。
ミノーとジャークベイトを両方出すあたりに相当な自信を感じる。 pic.twitter.com/0sOSEGBraH— ルアー千一夜 【公式】 (@lure1001) January 7, 2022
最初は3Dから始まったこのシリーズですが、3Dをリアルに進化させた3DRシリーズとなり、その後この3DBシリーズへと繋がる系譜ですね。
3Dポッパーの実力にノックアウトされたのんだくれがこの3DBポッパーをスルーできるはずもなく、ソッコーでゲットしたという次第です。

サイズ・重さ
3DBポッパーのサイズは75ミリ、自重は10g。
一般的なポッパーと比較するとやや長いのですが、スリムなボディシェイプによりボリュームを感じさせないデザインに仕上がっています。
が、このサイズには秘められた魔力があるのです。
それがこのサイズ感。
かの激釣れポッパー、エクスキャリバーのスーパーポップRとほぼ同じサイズにまとめられているんです。

これを卑怯と言わずして何という!w
かくして、3Dポッパーの釣れっぷりでヤラれ、そしてスーパーポップR張りのサイズ感にヤラれたのんだくれは、3DBポッパーの下僕となったのでした。
3DBポッパーの特徴
3Dプリズムフィニッシュ
このルアーの特徴は何と言ってもこの3Dプリズムフィニッシュでしょう。
3DBシリーズ共通である、凸面レンズ構造を持ったボディが内部の反射板の光を多方面に拡散するというコンセプトがこのポッパーにも採用されています。
日本とアメリカで特許を取ったというこのギミックはいかにもアメリカ人が好きそうなネタですが、実はのんだくれも大好き!
見る角度によってカラーが変わるというサシミシリーズと同様、のんだくれのハートは見事に射抜かれてしまいましたw
でも悲しいことにこういう外見は日本のマーケットでは割と冷ややかに見られちゃうんですよね。
乱反射を狙った?リブ
しかしヨーヅリはそんな日本市場の事情なんてお構いなしで攻めてくれていますw
見てくださいよ、腹に入ったこのリブを。
ヨーヅリ曰く、このウェーブモーションベリー Wave Motion Bellyには ”アクションと同時に振動を与え広範囲に潜んでいるバスにアピール”という効果があるようですが、どんなに贔屓目に見てもそれは盛り過ぎ😂
せいぜい光の乱反射ぐらいしか効果はないとのんだくれはニラんでいます。
でもイイじゃないですか。
こういう過剰な盛りがあってこそのバスルアーなんですから。
こういうギミックに対して冷ややかな見方をするよりも、ガキの頃に戻って、すげー!めっちゃ釣れそう!と敢えて乗ってテンション上げる方がよっぽど楽しい釣りが出来ると思いません?
で、ほんとにオサカナが釣れたら、これはウェーブモーションなんちゃらの効果があったから釣れた魚だ!と後付けでドヤ顔をするのがオトナの楽しみ方ではないかと😂
こんなこと書くとギミックだけのルアーって感じで終わっちゃいそうですが、実際には外見だけじゃないんですよ、このポッパーは。
絶妙なセッティングが施されたカップ
その違いを見せてくれるのはこのカップ。
一見何の変哲もないカップですが絶妙な使いやすさなんです。
カームウォーター(静水)はもちろん、荒れた水面でも水の掴みがとても良く、人間でもバイトしそうなプゴッ!というイイ音で鳴きます。
そしてこのカップは独特なスプラッシュを見せてくれるのです。
オリジナルポップRのような細かい飛沫を広範囲に撒き散らすのではなく、水のカタマリを前に投げるような特徴的なスプラッシュなのです。
派手なスプラッシュを撒き散らすポッパーを使い慣れているアングラーが見たらちょっと物足りなく思えるかもしれませんが、実はこのセッティングは狙ったもの。
風で水面にさざ波が立つようなチョッピーコンディションでは細かい飛沫だとどうしてもアピール力が落ちるので、飛沫を撒き散らすのではなくひとまとめにして音の効果を増強する狙いがあるのです。
風によって吹き寄せられたプランクトンに小魚が集まり、その小魚を狙うというのがバスの基本的な行動パターンですが、そんな風立つ状況でも存在をしっかりアピールできるようにというのがこのダブルカップ構造に託されたコンセプト。
これはカップの中にさらに小さなカップを設置するというデュエルならではの構造による効果ですが、アームズポッパーマイクロにも同様のカップがあるので、3DBポッパーは持ってなくてもこのカップの恩恵に与ったアングラーも多いのでは?
当時仲間内で禁じ手とされていたアームズポッパーマイクロ。
45ミリというミニマムサイズながらちゃんと首を振りしてしっかりツバを吐きポップ音も出せる。
バランス的にフックサイズを上げられないので、デカいのが来ると簡単にフックを伸ばされるのが唯一にして最大の難点。 pic.twitter.com/aSJuW6bKhv— ルアー千一夜 【公式】 (@lure1001) September 8, 2021
同じようなコンセプトを持ったルアーにジャッカルのSKポッパーがありますが、実はこの3DBもそれと同系なのです。
そしてその性能の割にカップ自体は深くないので、スナップ接続がラクだったりと意外とツンデレな面も。
良く響くラトルも内臓
そんなカップ効果をアシストするのがテールに収められたこの小さなラトルボールです。
そのサイズゆえ気休め程度のサウンドなのかと思いきや、実はなかなかの働き者でチキチキと高音サウンドを水中に響かせます。
実際のフィールドではこの音は聞こえにくいのですが、スイムタンクや風呂など静かな環境で動かすとその仕事っぷりがハッキリ分かります。
水中の音伝導率は空気中の比ではないので、このサウンドは間違いなく効果があるでしょうね。
3DBポッパーのアクション
アクションは非常に素直なウォーキングポッパーのそれ。
ポップ、スプラッシュ、ドッグウォーク、浅いダイブなど、およそポッパーに求められるであろう動きはほぼこなしますので、アクションに関して不満が出るということはないでしょう。
そして飛距離もなかなかのもの。
飛行姿勢が良いので10gという軽量ながら、16lbナイロンを引っ張ってキモチよく飛んでくれます。
こういう基本的かつ実戦的な機能のルアーを作らせたらヨーヅリは強いですよね。
アメリカでプロからの支持が熱いのも分かる気がします。
スーパーポップRと3DBポッパーの違い
そうなると気になってくるのはやはりスーパーポップRとの違いです。
両者の違いを細かく説明するとそれだけで一晩かかりそうですが大まかに区別すると、横への大きなドッグウォークとダイブアクションをメインに組み立てるならスーパーポップR。
スプラッシュ系ではないボワンとしたポッピングを中心にストップ&ゴーなら3DBポッパーでしょう。
しかしスーパーポップR亡き今、あの釣れっぷりと互角に戦える存在はこの3DBポッパーぐらいのもの。
特に近年スーパーポップRが入手しづらくなってきているので、それの代替えという位置付けで見るべきなのかもしれません。
3DBポッパーの使い方
基本的に使い方はアングラーのお好みでオッケー。
でもせっかく高機能なカップがあるんですからやはりポップ音を活かしたストップ&ゴーで使うのが理想。
アクション的にはポップでバブルの小さなドームを作り、その中を通すようなイメージで短くポップ&ポーズ。
やろうと思えば何でもできてしまう芸達者ぶりですが、細かい首振りとかはペンシルベイトにまかせればイイのです。
おそらくこの使い方が3DBポッパーの特性が一番活きる動かし方ではないかと。
カラーは3Dプリズムのみ?
そんなナイスなルアーなんですが、ちょっと残念なところも。
それはカラーが3Dプリズムばっかりになっちゃってるところ。
せっかくのルアーなのにカラーのチョイス幅が狭いのは寂しいですね。
一応ボーンやブルーギルなどのペイントカラーもあるにはあるのですが、どうしても脇役のイメージになってしまうのです。
3Dプリズムフィニッシュじゃないと… という問題は新たに別シリーズを作れば良いので、是非ともペイントモデルを増やして欲しいなぁ
このルアーの性能だったらマット系のソリッドとか絶対強いと思うんですが、皆さんはどう思います?
フックはブラックニッケルの#6
3DBポッパーのフックは#6サイズが標準になっています。
このサイズで不満を感じたことはないので、これがベストセッティングではないかと。
ちなみにフロントのフックハンガーはエイトリングではなく、ギリシャ文字のオメガΩをひっくり返したようなハンガーを採用しています。
これは徹底した低重心設計と反射板のスペースを確保するためと思われます。
ウェイトも専用設計フラットウェイトを内部下部に設置することで姿勢安定性を強化。
これにより連続したトゥイッチでも安定して水を掴み続けることができるようになっています。
使ってみて初めて分かるような地味な機能ですが、ポッパー使いとしては見逃せないポイントですね。
テールフックはティンセルが巻かれたものが標準装備。
キラキラと乱反射することでサカナの興味を引くと同時に、スタビライザー的効果により高速連続ポッピングでも乱れないバランスを実現しています。
確かにスーパーポップRのナイロン的なやつよりも、ネジったティンセルの方が水絡みも良さそうですもんね。
スペアが入手しにくいのが難点ですが。
3DBポッパーの入手
このルアーはあまり中古屋では見かけないので、入手はショップに注文した方が確実ですね。
定価で買うだけの価値があるどころか、それ以上のプロフィットはもたらされます。
もし店に並んでなかったら取り寄せてもらいましょう。
店によってはミニマムと呼ばれる最低注文数を取りたくないがゆえに(不良在庫化するのが怖いので注文分以外は仕入れたくない)、問い合わせしたけど在庫切れだったとかテキトーな理由を付けて取り寄せてくれないところもありますが、そんな店はさっさと見切りをつけて他に頼みましょうw(残念ながらこういう店は多い。”余計なもの”を仕入れると店長が怒るから仕入れたくても出来ないという店も)
ヨーヅリのルアーだったら大抵どの店でも仕入れできるはずですから。
そしてそれをキッカケに3DBシリーズを揃えてもらって、自身が3DBの伝道師になっちゃうのもテですよ。
このシリーズのクランクやジャークベイトは地味ながらかなりの実力者揃いなので、ガチで使い込むだけの価値はアリアリのアリ。
おわりに
国産のポッパーはどのブランドも同じような謳い文句ばっかりで違いが分かりにくいので、それゆえ最初はお試し的に中古を探すというところから入りがちですが、このルアーに関しては最初から新品をゲットしにいくべき。
その方がこの実力を早く手に入れられるし、そもそも新品でも実売価格は1,000円ぐらいですからね。
二郎でマシマシを頼んでひとときの幸せを取るか、プロパーで3DBポッパーをゲットして長きに渡ってニヤニヤするかはあなたの価値観次第。
少なくとも同じルアーのスペアを中古で買い漁るよりは充実したフィッシングライフは送れそうですけどね(自戒😭)