先日のレーベルガエル同様、コイツもショップに並んでたので紹介しておきましょう。
ブーヤブランド、2012年最大の隠し玉、パッドクラッシャーです。
そういえばブーヤのアイテムを紹介するのって千一夜史上初めてですね。
フロッグRと時を同じくしてICASTショーで発表されたこの空っぽガエルは、ご覧頂いた通り、露骨にライブターゲットのホローボディフロッグを意識しています。
そりゃそうですよね。
ライブターゲットのフロッグが北米だけでなく全世界でバカ売れするのを指を咥えて見てるほどアメリカの企業はアホじゃありませんから、良いか悪いかは別としてプラドコ傘下からフォロワーが出てくるのは至極当然のなりゆきでしょう。
しかし、のんだくれは今回コイツの現物を手にして、ちょっと驚きました。
それは、ICASTショーでは見えなかったプラドコの恐ろしいまでのライブターゲット追撃計画が見えて来たからなんです。
ボディのシルエットはご覧頂いた通り。
スリ抜け能力を重視したのか、ライブターゲットにあるような横へ付きだしたバンパーはなく、比較的スッキリとしたプロファイルになっています。
最近の米製フロッグはフックポイントをガードするために横に張り出したボディラインが多いので、ちょっと頼りないと感じる人もいるかもしれません。
ノーズからベリーにかけていく筋かのリブが入っているのがコイツの特徴です。
このリブがアクションにどう作用しているのかは分かりませんが、少なくともスムーズな泳ぎをするイメージは持たせてくれますよね。
実際コイツのアクションは非常に秀逸で、ピンスポでの首振りはもちろん、連続トゥイッチでのツバ吐きなど、およそフロッグに求められる基本的動作はソツなくこなします。
いや、むしろそのレベルは高いと言ってもイイでしょう。
ウェイトは最近のトレンドのボタン状ウェイトはめ込み式。
しっかりと接着されているので、ラフに扱っても例の可哀想なカエル君のように勝手にダイエットして戻って来るような事はありません。
でも大きなフックホールからは水が浸水しまくりです。
でもご安心を。
ご覧の通りのA**Hole により、中に入った水はキャストの度に輩出されるので、使っているうちにタイタニック号になってしまう事はありません。
でもこのフロースルー構造ってアメリカ人的発想の典型ですよね。
我々日本人ならまず浸水を食い止める事を考えますが、アメリカ人は【入っちゃったモンは出しゃいーのよ。それが何か?】的なイージーさですからね。
ラインアイの部分はしっかり閉まっているように見えて、結構ルーズ。
ここは明らかにライブターゲットの物とは違いますね。
ゆえにココからの浸水も結構あるでしょう。
しかしそんなテキトー具合の中にも、ラインアイのパーツはこんな風にしっかりロウ付けされてたりして、アメリカンルアーならではのムラのある取り組み姿勢がタマりません。
フックは3/0サイズのオリジナルデザインのものを採用しています。
ゲイプがググっと下に下がった形状により、フロッグの重心を下方向に集中させ、かつ首振り時の支点にもなっています。
一昔前のフロッグのフックといえば、交換しなきゃダメなものの代名詞とされてましたが、最近はその心配は無くなりましたね。
事実のんだくれはほぼ吊るしのまま使ってますが、何ら問題ありません。
未だに『アメモンのフックなんて…』という類いの全否定意見を聞くことがありますが、それは20年前のオハナシ。
国産or米製フック論争はのんだくれにしてみれば、クリア or Lo-visラインどっちにする? 程度の問題でしかありません。
もちろん国産のフックにはキケンなほど刺さりのイイのがあるのも知ってますが、1930年代のクリークチャブをオリジナルフックのままで使って問題なく釣ってるのでそこまで気にしてません。
あれですよ、所詮お遊びなんですから、こだわりたい人はこだわればイイんです。
スカートは最近のフロッグの定番アイテム、ラウンドラバーを採用。
スプロのブロンズアイやライブターゲットよりも少しだけ径が細いヤツを装備してます。
厳密に比較したわけではありませんが、こっちの方が微妙に水絡みがイイような気がします。 あくまでも『気が』するだけですが。
塗りはご覧の通り。
限りなくライブターゲット寄りですが、かなり簡素化されているのが分かります。
しかしココがパッドクラッシャーのミソなんです。
そうですライブターゲットと徹底交戦するため、コスト削減の一環として簡素化されているんです。
アメリカ国内でのライブターゲットの販売価格は11ドル前後(2011年当時)。
しかしこのパッドクラッシャーは5.99ドルとかなりの価格差で販売されています。
他社のフロッグでも実質8~10ドル前後で販売されている事を思うと、かなり気合いが入った価格設定である事が分かります。
数値にするとたった5ドル程度の差ですが、5ドルあれば他に何かルアーが買えちゃう金額ですから、これはライブターゲット攻略にはかなりのアドバンテージになるはずです。
しかもブーヤは、当初ICASTショーに出品していたパッケージよりも大幅にダウンサイジングしてきました。
ダウンサイジングというよりも、ライブターゲットと同じサイズに合わせてきたと言った方が良いでしょう。
これはショップの陳列ハンガー上でライブターゲットの隣に並べてもらって、露骨に比較してもらおうという作戦です。
アングラーがフロッグコーナーに立った時、目の前にぶら下がっているのは同じサイズのパッケージの中に入った、見た目ほぼ同じのフロッグ。
しかしその価格には5ドルの開きがある… さてあなたならどっちを選ぶ? というシチュエーションを見越したマーケティングです。
事実、ライブターゲットのマーケティングディレクターが、これだけフォロワーが出てきているから来年は価格競争になる… みたいな事言ってましたから、実際その通りになったという事です。
もちろんこの手の販売手法は今に始まった事ではないですし、日本でも普通に行われていますが、フォロワー…というよりもパクった側であるブーヤがここまで露骨にやるというあたりに、生き馬の目を抜くと言われているアメリカンマーケティングの実態が見えて、ヒジョーに興味深いですよね。
でもそんな小難しい話はともかく、コイツはカエル好きならば買っておいてソンはないフロッグです。
現在、日米を問わずバス市場は猫も杓子もアラバマリグ一色になっちゃってますが、ウィードが伸びてきたらアラバマリグなんて藻刈り器具にしかなりませんからね。
その時のためにコイツらの配備もお忘れなく。
コメント
*投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています
1. Lagoonist 28号 November 30, 2011 01:31
カエルはさておきのコメントで申し訳ないですが・・・(笑)
アラバマリグは日本ではちょっと問題になりそうな気がします。
すぐに擦れちゃって、皆使わなくなればそんなに問題ないんでしょうけど、釣れ続けちゃうと未来のブラックさんの難易度がまた上がるような気がします。
アメリカでは法律の都合により、ある程度 着地点が見えている部分ありますが、日本は着地点ないですよね。
ちょっと、日本のブラック事情を案じてみました・・・。
かえるの話に戻りますが・・・両方並んでたら僕は、こっち買いますね。安い方がいい(笑)
2. のんだくれ November 30, 2011 03:59
Lagoonistさん
いや、実はもう既にその問題が露呈しておりまして… (汗)
既にアラバマリグを使い込んでる人と話したんですが、やはり爆発力がスゴい分、バスのスレ方がハンパではないらしく、
琵琶湖の様なビッグフィールドはともかく、小中規模のフィールドでは致命的になるのでは?と言ってました。
過去にもビッグベイトとか爆発力があるベイトがありましたが、
それらはアメリカで火が付く⇒モノが日本に入って来る⇒日本市場で認知される⇒日本で火が付く⇒国内メーカーが開発/販売に乗り出す⇒市場に定着という過程を辿ってきましたが、今回は中間の過程がありませんからね。
日本でのアラバマリグは一体どんな風に展開するんでしょうね…
3. 下戸 April 09, 2012 09:07
近所のお店に売ってるのを見かけて検索したら千一夜さんにたどり着きました。
販売価格が5.99ドルですか、近くの店は1200円、輸送費が相当かかるのでしょうかw
4. のんだくれ April 09, 2012 18:01
下戸さん
あー、内外の価格差は永遠のテーマですね(笑)
5.99ドルと1,200円で考えたらそりゃ高く感じますよね。
特に今は円高ですし。
しかし輸入品には輸送費以外に関税と通関料、それに特別地方消費税がかかります。
もちろんこれに輸入商社の利益が加算されます。
そのパッドクラッシャーがどのルートの物かは分からないので何とも言えませんが、運送には荷崩れ等のパッケージ汚損で商品にならないロスが結構あるので、この分が計上されているかもしれません。
そしてここに更に小売店の利益が乗りますから、倍近い価格になってしまうのは輸入商社を通す場合は避けられないと思います。
個人使用レベルならば小口輸入でもっと安く買える方法はありますが、一度に何百、時には何千ものルアーとなるとなかなかそうはいかないもんなんです。(笑)
個人的にはアメリカと同じとまではいかないまでも2~3割増程度の価格で国内流通させたいなーなんて思ってはいますけどね(笑)