同じルアーでも、見る人によっては超お宝だったりゴミ同然だったりと扱いが極端に変わってくるのがルアーコレクションの面白いところ。
過去にそのルアーでイイ思いをしたとか、酸っぱい想ひ出があるとかで感情移入の度合いが大きく変わっちゃうからでしょうね。
そういう意味においては、今日のゲストのコーモランなんかは典型的な例ではないでしょうか。
日本のバスフィッシングを陰で支えてきたと言っても過言ではないコーモランプロダクツですが、はっきり言ってコーモランの歴史はパクリの歴史でもあります。
しかし単なるパクリとして切り捨てられないのがコーモラン。
かつてハナタレどもにとって舶来ルアーが高値の花だった頃に、紛いなりにもそのテイストを味わわせてくれたメサイアのような存在でもあったんです。
このフラポッパーもどきもそんなメサイアの一味でした。
アーボガストの黄色いスライドボックスが買えないから、ヘンテコなカードブリスターで我慢した方もいることでしょう。
このフラポッパーもどきは80年代の初めにコーモが展開したセレクト7というシリーズの一員です。
セレクトセブンとは、トップ、ミッド、ディープ、バイブの4つのカテゴリーに、それぞれ7種類のルアーを4色づつ配し、全部でなんと118個(汗)にもなる国産ルアー市場まれに見る壮大なシリーズでした。
今で言うトコのシステム化のはしりですね …なのか?!
このシリーズではルアー自体に固有の名前は付いておらず、全てカテゴリーと番号で整理されていたんです。
あ、丁度いい機会ですのでトップカテゴリーの盟友達を紹介しておきましょう。
TOP-1 ボーマーポッパー(ペラ付き)のパチ
TOP-2 ジッターバグのパチ
TOP-3 フラポッパーのパチ (つまりコレ)
TOP-4 タイニークレイジークローラーのパチ
TOP-5 インジャードミノーのパチ
TOP-6 ボーマーポッパーのパチ (TOP-1のデカバージョン)
TOP-7 ジッターバグのパチ (TOP-2のデカバージョン)
といった具合に他のカテゴリーにもそれぞれ7種類のルアーがラインナップされておりました。
しかし5にインジャードミノーなんてマニアックなヤツが来たと思ったら、6と7はサイズアップバージョンでテキトーに流しちゃうあたりはさすがコーモですね。
ペンシルペイトはねーのかよ、みたいな。
しかしパチだからと侮るなかれ、コイツらはコスト的に許される限りのパフォーマンスでオリジナルモデルに迫ってるんです。
フラポッパーのウリでもあるこのカップもエッジの薄さではオリジナルには敵わないものの、コイツのカップはどことなくセクシーなぽってりとした唇にも見えて、これはこれでナイスな仕上がり。
塗装のヒビも意図的にクラック処理したと思えば愛着も4割増しになります。
触るとポロポロと粉がこぼれますが、このスカートは交換もしてない純正オリジナル。
20年以上もこのコンディションを保ってるなんてスゲーでしょ?
まあただ単に一度も投げた事がないから劣化スピードが遅かったけなんですが。
ウグイス色のスケールパターンにごくごく薄ーくパールが吹いてあるコイツのカラーコードはSD。
シャッドって事なんですかね。
多くのオールドルアーがそうであるように、コーモランのルアーもこの時期の塗装は非常に丁寧なんですよね。
こういうところを見るとオールドコーモの価格が高騰してるのが分かる気がします。
ちなみにハラにはカラカラと良く鳴くラトルが入っています。
オリジナルのフラポッパーがノンラトルなので、こういうオリジナリティ(笑)をチラチラと見せてくれるのもコーモのいいところ。
40ミリしかないボディなのでフックは一つだけ。
でもサーフェスリグを付けてもらうはずだったのに、ヒートンの簡易リグに変更された形跡が見えます。
かのコーモランもコストと闘ってたんだなと思いたい所ですが、実際はあーもーサーフェスリグは面倒だからヒートンでええやろってのが正解でしょう笑
フックはイーグルクローがセットされています。
かつてコーモランはイーグルクローの日本総代理店だったので、その時期に生産されたコーモルアーにはすべてイーグルが装備されています。
これって実はスゲー事で、今で言えば中国生産の怪しいパチモンにがまかつのフックが付いてるのと同じ事ですからね。
パチなのに武器はスゴいんです的なギャップにヤラれちゃった人も多いのではないかと。
80年代のコーモランは、オールド系のショップではビックリするぐらいの値札がついてるのに、中古屋で遭遇すると悲惨な価格で放出されてるという非常に稀有なルアー。
こういうのを見るとパチはパチなりに歴史を刻んでるんだなーと妙に感慨深くなったりしますね… って、ナイナイ。
コメント
*2010年投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています
2. ドバヤン October 01, 2010 19:20
デビューはウイグルワートでしたが根掛かり多発の危険地帯はコーモのお世話になっておりました。
社名のコーモランには何か意味があるのでしょうか?未だに分かりません。
3. カープヒロシマ October 01, 2010 20:37
コーモのルアー、真剣に使うと同時期の国産少年ルアーよりもよく動くものが多いような気がします。
安っぽいプラはどれも本家より浮力が強く、計算づくの動きだったんじゃないかな~と勝手に想像してます。
早くからバス釣り文化があった東播のお膝元ですしマジでコーモは凄いと思います。
コレクションとしては頂きが見えないチョモランマクラスのメーカーですね(涙)
4. とびっく October 01, 2010 22:29
5こんばんは(・∀・)ノ
おっしゃる通り中古屋ではお安いですがオールド専門店では驚きの価格になってるモノもありますね
パチっぽくてイーグルクロー付きはコーモと思ってます(笑)
怪しいモノは島ドンさんに聞けばすぐ判るとも思ってます(笑)
5. たいれる October 02, 2010 01:07
のんだくれさん、こんばんは。
これ以前近所の釣具屋に売っていたので、捕獲しに行ったら売り切れてました(泣)
かわりにプロデューサールアーのバチモンがワゴンに・・・売り切れとなると欲しくなるんですよね~
間違ってたらゴメンナサイ。
コーモラン→フランス語で“鵜”だったかと?
7. のんだくれ October 02, 2010 01:14
ドバヤンさん
コーモは突撃部隊ってのはどこでも変わりませんね。
でも今では突撃させることももったいなくなりつつありますが。(笑)
コーモランの意味ってなんでしょうね。
そう言われてみると真剣に考えた事ないなー。
8. のんだくれ October 02, 2010 01:15
カープさん
そう! プラが軽い!
だから結構レスポンスが良かったりするんですよね。
しかしチョモランマて… でもそのキモチは分かる。(笑)
9. のんだくれ October 02, 2010 01:18
とびっくさん
イーグルはコーモってのはかなり的を射てると思いますよ。
パチ系のルックスにイーグルってのは今から考えると一種のアイデンティティみたいなものだったのかもしれません。(笑)
10. のんだくれ October 02, 2010 01:20
たいれるさん
売ってる時は何とも思わないのに見なくなると途端に恋しくなるのはもうコレクターの性みたいなもんですから仕方ないですね。(笑)
でもプロデューサーも今のうちに買っとかないとアウトになっちゃいますよ。
11. かうたん October 02, 2010 15:29
中古屋でオールドコーモラン見つけるとたまに金の鷲爪付いてるのが有るんですが、昔はそんな時代も有ったんでしょか?
そう言うとコーモランの歴史ってのも気になるなあ…
所でまたまたスカート物、いよいよ入荷カウントダウンすか?(切望)
12. シマドン October 02, 2010 21:46
一点豪華主義(笑)そのギャップにヤラレタ一人ですw
特にあのビッカビカのメッキではなくて、あの防錆仕様のヤツが◎
トビックさん、誤解してます!
私が思うに皆さん言わないだけで知ってるんですよ~、
さらに表に出てこないマニャ~さんがその数十倍(爆
13. tei-g October 02, 2010 22:59
イークロが付いてるってだけでグッと伯が付きますよね。
コーモはパクりをする一方でイークロやらスライダーやらピーウィーやら涙ちょちょぎれのアイテムを輸入して日本のバス業界に相当貢献したと思いますね。
14. のんだくれ October 03, 2010 16:00
かうたん
80年代の終わりに金針が流行った時期がありました。
今の赤針と同じで、金色が魚のウロコを再現してなんたらかんたら… と、
それらしい宣伝文句?が躍ってましたが、今誰も金針を付けていない事が全てを物語ってます。(笑)
15. のんだくれ October 03, 2010 16:02
シマドン
マニャー(笑)にしてみたら、こんなとこでいちいち紹介してアオるのんだくれはウザい存在だろーなー。(爆)
ほっとけ、みたいな。
16. のんだくれ October 03, 2010 16:05
tei-gさん
そう、このハリが付いてるだけで一介のパチとはランクが違うような気がしましたからね。
もしコーモランがスライダーの総代理店を務めてなかったら、多分今のポジションはないでしょうね。