パクリなのに強烈な個性を放つ異端児
元々はパクリなんだけど、パクっていながらも独自の進化を遂げて強烈な個性を持つルアーというものが確かに存在します。
のんだくれが最近出会ってしまったリバー2シーのバブルウォーカー128がまさにそれ。
見るからに “あーあ、やっちゃったなー” 系のルアーです😁
バブルウォーカーとの出会い
このバブルウォーカーとの出会いは、今出荷できる商品全部のサンプル送って、とリバー2シーに言ったのが始まりです。
通常どのルアーブランドもこの手の依頼には最小限の数量しか送って来ない、もしくは何も送って来ないwというのが定石なので期待せずにいたのですが、なんとリバー2シーはサンプルとしてはあり得ない量を送って来たんです!
全モデル全サイズは言うに及ばず、すでに絶版となったモデルまで、まるで倉庫整理かと思えるほどの量がドドーン!と着荷。
あのね、程度ってモンを知らんのかねw
そんな中で良くも悪くも異彩を放っていたのがコイツだったんです。
パチのくせになかなかの実力者であることが判明
だってこのルックスですもん。
言うまでもなくコイツの元ネタはメガバスのポップMAX。
オリジナルより大きいのが欲しいから、デカくしたれ!的に無理矢理伸ばした感は否めません。
正直モノがモノなので、のんだくれもテストする気にもならず放置してたんですが、送ったサンプルのフィードバックをくれ!としつこく言ってくるので、渋々投げに行きました。
元々がパチモンなんだから、フィードバックなんて要らんだろと思いながら😁
そして他のサンプル10数点と一緒に向かったのは近所のテスト用灌漑池。
そもそもバブルウォーカーというベタなネーミングから動きは察しがついてたし、その外見から期待もしていなかったので、優先順位的にも投げる順番は最後の最後。
どーせ中古屋で良く見るパチと同じでしょ、と。
しかし… そんな予想をよそに、いきなりキメてくれたんです。
気を抜いてたところにいきなり発生した激しいバイトに、釣りベタなオサーンは慌てまくりで転びそうになりながらもアワせて何とかキャッチ。
更に、その後の釣行でも立て続けにキメてくれるなど、のんだくれが溺愛するチャグバグですらこんな衝撃的デビューではなかったので、マジでビビりました!
ムムム… 恐るべしリバー2シー、ホントにいろいろヤラかしてくれるブランドです。
バブルウォーカーのサイズ
コイツの最大の特徴はこのボリューム。
名前にある128という数字の通り、全長128ミリ、総排水量35グラムもの弩級戦艦です。
元々はまんまポップMAXのクローンという80ミリモデルがあって、それのビッグバージョンという位置付けだったようですが、ここまでサイズアップすると、もうパチという領域から突き抜けちゃってますね。
かつてメガバスのドッグXをジョークレベルに巨大化させたパップフィッシュマグナムというペンシルベイトがありましたが、アレとおんなじニホヒがします。

バブルウォーカーのアクション
気になるバブルウォーカーのアクションですが、ややケツ下げの浮き姿勢から、その体躯に似合わないクイックなドッグウォークを披露してくれます。
ポッパーというよりもヌン!と水を押す重量級の首振りペンシルといった方が近いでしょうか。
しかしビッグプラグにありがちなダルさはなく、クイックな連続首振りで水面で暴れる小動物を演じるのも朝飯前。
この機動性はメガバスの基本設計のレベルの高さに起因するものなのか、リバー2シーのパチアレンジwが優れているのかは分かりませんが、ガチ使いしたいアングラーにとっては嬉しいところです。
キモはやはりこのカップ
しかし元ネタが元ネタだけにやっぱりカップ形状が気になりますよね。
4つの穴を設置した緻密な造り込みのオリジナルに対し、こっちはなんとも大味な穴二つ。
しかしラインアイの位置や深さなどが微妙に調整されてるっぽくて、それなりのやりました感が漂っていますw
本家メガバス物とは違い、エラ下へ抜ける例の造り込みはここでは見られず、いたってシンプル?手抜き?な形状になっています。
しかしこの形状が功を奏したのか、はたまたカップ形状やエラ穴の大きさが良かったのか、コイツったら首振りの度に絶妙なサウンドを発するんです。
そのサウンドはポップ音でもなくスプラッシュ音でもない、言うなればバブリングサウンドとでも言おうか、ブジュッ!と低く押しつぶしたような音。
それもそのはず、このバブルウォーカーは正面のカップから水が入って横へ抜けるのではなく、首振りの際に ”水が横から入って前へ抜ける” という、ポップMAXとは全く逆の設定になっているのです。
そしてサイズがサイズだけにその時に発する音がトイレット博士に出てくる擬音のようにめちゃくちゃ下品なのですw
しかも大雑把に開けられたエラ穴が大きいせいか、大きなバブルを大量に生産してくれると言うオマケ付き。
リバー2シーが意図してこの機能を搭載したとは到底思えないので完全なる偶然の産物なのですが、ルアー開発の歴史を振り返ると、アーボガストのジタバグしかり、コーデルのスポットしかり、偶然はモンスターを生み出す事もあるので侮れませんw
そしてルアーの後ろにはメーカーの言うところのバブルトレイル(=泡の道)が出来るので、バブルウォーカーというネーミングもあながちテキトーではないんだなと。
単に釣れる/釣れないだけで考えたら泡の道なんてどーでもイイ事かもしれませんが(*注)、こういう余計なフィーチャーが大好きなのんだくれはそれだけで昇天しましたです、ハイ。
バブルは弾けた時に人間の耳には聞こえないレベルの微細なプチプチ、もしくはパチパチ音が出るのですが、この音はプレデターの本能に何らかの影響を及ぼしているのは間違いないと。
このバブルがトレイル状に続く事によってそのエリア全体の活性を上げることが出来るというのがバブルトレイル効果で、この要素はバスベイトにも取り入れられています。
実際アルカセルツァー(発泡性の錠剤)をソフトベイトに仕込んでプチプチ音を発生させることをシークレットにしていたプロもいるぐらいです。
ザリガニも水中で動くと微細なクラッキングサウンド(カチカチ音)を発していて、プレデターがこの音に強く反応を示すことは明らかなので、ザリガニサウンド同様、バブルが弾ける音は我々人間が想像する以上のキーファクターなのかもしれません。
外見は安心安定のパチっぷりw
外見のショボさは… もう見ての通り😂😂😂
本家メガバスのような緻密で精細な彫り込みなど見られるはずもなく、良くも悪くもパチモンらしい仕上がりを誇っています。
釣れてるならともかく、釣れてない時にコレを人前で投げるには結構な勇気を必要としますよねw
え?コイツ何投げてんのププッ的な蔑みの視線に耐えうるメンタルも求められるルアーであることは断言できますw
内蔵ラトルはグラスとスチールのラウド二重奏
頭部の大部屋にはグラスラトルが、後部には3つの個室に振り分けられたヘビーウェイトラトルが仕込まれているので、シャラシャラとコトコトの二重奏でうるさい事この上なし。
ただこのボディ容積に対してのウェイト量がやや少なめなので、荒れた水面で使うとしっかり水が掴めなかったりとやや不安定な挙動になります。
その際はテールなりベリーにウェイトを貼って好みの動きを探してみてください。
頭部のラトルチャンバーの容積が大きいので、脳天に穴を開けてブラスラトルを放り込んだらカウンターウェイトにもなってイイ感じに仕上がると思います。
本家メガバスにはない妙な色気w
しかし皮下脂肪がついたかのようなぽってりMILFな曲線はたまりませんね。
これはオリジナルにはない128ミリという弩級ボディならではの色気でしょう。
でもネームプリントがダメダメなんですよねコレ。
もうちょっと何とかならんかったんですかねこのフォント。
バブルウォーカーのフックサイズ
フックはご覧の通りの#2サイズの3フッカーです。
この手のポッパーで3フッカー仕様ってあまりないので、これはこれで貴重ですね。
ちなみに前後のフックと干渉しないように二番目のフックだけはサイズダウン済み。
申し訳程度に付いてるテールのフェザーは要らんよーな気がします。
テールエンドのエイトリングは取水塔ガコーン!により陥没しました。
もっとキャスト練習に精進します😭
ところでバブルウォーカーのフックはレギュラーシャンクですが、デフォルトのフックはすぐに伸びてしまうので交換は必須。
同じ#2サイズのショートシャンクにすると葦際など引っかかりやすいベジテーション周りも攻めやすくなります。
ただし大きな首振りでフックがボディに擦れてポイントが甘くなりやすいルアーなのでこまめなタッチアップもお忘れなく。
まとめ
先述のパップフィッシュもそうですが、アメリカ人ってやたらとこーゆーベタな… というかアホなサイズアップをやりたがりますよね。
次はどこのブランドがどんなサイズアップ版を発射するのか、釣れる釣れないはともかく、ヲタ的にちょっと楽しみだったりもしますけど😁
国内ではほぼ流通していないルアーですが、米タックルウェアハウスではデビュー以来一度もページから落とされることもなく、常時在庫を置いている定番品(実はこれナニゲにスゲー事なんです)でもありますので、もし機会があったら他の商品をポチるついでにカートに放り込んでみてください。
2021年10月 追記:
あれから10年、のんだくれはこのバブルウォーカー128を一軍ボックスから外さずに使い続けてますが、レイクぺリスでの7.5lberをはじめ、数々の良いサイズをもたらしてくれており、このルアーは確実に釣れるトップウォーターだと言い切れます。
しかしいくつか気になる点もあるので補足しておきます。
まず、首振り時のボディ接触により、想像以上にフックポイントが甘くなりますのでこまめなシャープニング、もしくはフック交換が必須となります。
更にウロコの凸凹フィニッシュと中央部が横に張り出したボディ形状の為、ボディが2番目のフックを背負いやすいという欠点があります。
バスは2番目のフックに掛かることが多いので、フック交換の際はフックが背中に引っかからないものを選ぶ必要があります。
又、このバブルウォーカー128はノーマルのままだと波に弱く、最大のウリである低く潰れたようなポップ音を安定的に出すためにも、ボディに6g程度の板ウェイトを貼ることをオススメします。
こうする事で水面の状況に左右されることなく安定してポップ音が出せるだけでなく、ダイブアクションも出来る様になります。
もちろん飛距離アップは言うまでもなし。
構造的な問題なのか、リアのフックハンガー(エイトリング)が抜けることがあるので、潔くフックを取ってしまうかブレードに交換してしまった方が、嘆きの雄叫びをあげることも無くなるでしょう。
その際のブレードはコロラドやインディアナ、ウィローリーフなど一般的な物ではなく、取り寄せてでもトマホークブレードを装着することをオススメします。
このルアーに限った話ではありませんが、トマホークブレードはブレード自体が水面を割ってもしっかり回転し続けるので、バズベイト的にも使える上、回転の立ち上がりが機敏なので、首振りするだけでもちゃんとバブルとスプラッシュを生み出すことができますぞ。
それとこのバブルウォーカー128にはパチモンも存在しているのでご注意を。
そのパチはバブルウォーカーをそのまま型取りしているので見た目は同じなのですが、ウェイトバランスがテキトーなので思うように動かせません。
コピー品のコピーってもう何が何だかよく分からん世界ですがw、アリエクスプレスなどで破格の値段で出回っているので注文の際にはご注意を。
まるでバブルウォーカーが本家であるかのような注意喚起ですがw、基本的にリバー2シーのカラーチャートにないカラーはパチモンだと思って間違いないでしょう。
コメント
*2011年投稿時にいただいたコメントをそのまま転載しています
1. いるか June 13, 2011 19:33
オリザラ級ボデーでエラ抜きサウンド、ラトルもご機嫌で軽快首振り…
何故パクリに墜ちたのか不思議ですよね。それさえしなければ正当な評価を市場から受けただろうに…もったいない。
Σ(´Д`;)ハッ!
形パクったら偶然出た動きなのか…?
2. のんだくれ June 13, 2011 19:41
いるかさん
のんだくれも全く同じ事を思いましたが、残念ながらこの動きはパクったからこそと言わざるを得ないでしょうねー。(涙)
ポップMAXをそのまんま再現した80サイズの方の動きが全然ダメな事を思うと、この128サイズが良いのも偶然の産物でしょうし。
3. とびっく June 13, 2011 20:56
こんばんは(・∀・)ノ どなたかの影響でこういうデカいのにすぐ反応するようになりました(笑) イイっすねぇ、コレ!使い込んだワケではないですがポップXよりポップMAXのがサイズ的に好きなんでさらにデカいってのがいいです。
4. のんだくれ June 14, 2011 03:41
とびっくさん
だ、誰の影響?(笑)
5. BAZZ June 18, 2011 07:33
オハヨーございます。
密かにあちらのブログも拝読させていただいとりまして、あちらのエントリーを読んだだけでも相当(ハァハァ;)なのに、こちらのエントリーで昇天、否、止めを刺された気分ですf^_^;
私でさえ、こんななのに今回このコメント欄の静けさはいったいなに?、なんかおかしくね? 、と疑問に感じてましたが、次エントリーを読んで、その謎が氷解しました。
さすがルア千読者の皆々様方、私以上に(ハァハァ;)しちゃってて、とっくにフルコンタクト直メ攻撃に討って出ていたワケですか(汗)、コメント書いてる場合じゃねー!!みたいな。
みな仕事早すぎだよー(爆)
6. のんだくれ June 21, 2011 16:38
BAZZさん
メールの数にはホントビビりました。
何か変な事書いたか?と思っちゃったくらい。
でも嬉しい事ですね。こういう風に共感を頂けるのは。
インポーター冥利に尽きます。