1983年に発売されたシャッドラップラパラの革命的とも言える釣れ方に驚いたのは一般のバスアングラーだけではありませんでした。
当時、精力的に新商品を開発していたダイワもその釣れ具合に着目していたブランドのひとつでした。
ということで生まれてきたのが国産初?のバルサ製量産シャッド、その名もシャッドライダーです。
ご覧の通り、どこから見てもシャッドラップのフォロワーです。
しかし天下のダイワが造るとオリジナルっぽく見えちゃうのはガキの頃カタログでハァハァさせられてた刷り込みが効いてるんでしょうか。…ハッ!これがダイワマジックなのか?
でもね、シャッドラップとは少しだけ味付けが違うんです。
このアングルで見るとわかるけど、ボディが少しだけ太くなっています。
これによりシャッドラップよりも少しだけ浮力が高くて、そレスポンスが向上した分アクションもキビキビしています。
意図的にそうしたのか、はたまた造形技術の都合でそうなったかは分かりませんが、シャッドラップとローテーションを組んだら結構面白い釣りが出来そうですよね。
当時、シャッドラップは高級品だったので、新しいルアーをホイホイと買えない鼻タレのガキにとっては高嶺の花。
だからたとえこのシャッドライダーがシャッドラップの完コピ品だったとしても、ガキの小遣いで手の届くところに居てくれたシャッドライダーにはホントお世話になりました。
しかし単なるフォロワーで終わらせないのがダイワのニクいところ。
シャッドラップの発売当初は青銀や黒銀などシンプルなフォイルカラーぐらいしかなかったので、ダイワはこーんな型押しフォイルでガキどものチンコを硬くしてくれました。
でもそれだけじゃないんです。
エラとヒレの部分は、ウロコとは別のフォイルパーツを貼り合わせるなど、当時ブームになりつつあったハンドメイドミノーの手法を積極的に取り入れているのが分かります。
撮影テクがショボいので見づらいけど、フォイルが重ねられてるのが分かりますよね?
この辺の作業は日本人の繊細な感覚がないと出来ないのはもちろん、シャッドラップを超えてやる!的なダイワのやる気が見え隠れしてますね。
結構手間もかかったであろうこのルアーが実売700円程度で買えたと思うと、ホント幸せな時代だったんだなーと一人シミジミしちゃいます。
リップには旧ダイワロゴのエンボスモールドが燦然と輝いてます。
のんだくれはこのダイワロゴを見るたびに70年代の横開きのカタログの表紙を思い出しちゃいます。
まるで孵化したばかりの鳥が最初に見た物を母親と認識しちゃうかのように。
そう考えると刷り込みというか、サブリミナルってってホント恐いなー。
しかしウェイトとワイヤーを挟んでボディを貼り合わせたら、型押しフォイルを載せて何度もコーティングして… という制作工程を思うと、時代とはいえダイワの企業努力ってスゲーなと感心しますね。
とはいえこの時期すでにダイワのルアー製造は外部業者に委託されていたので、現場で頑張っていたのは下請け業者の方ですけどね。
このシャッドライダーの作りやカラーリングから想像するに、同時期に発売されていたバルサミノーIIと酷似しているので、両者は同じ業者が請け負っていたと思われます。
当時のカタログでも謳っていましたが、トップコートが強いのもシャッドライダーのウリの一つでした。
しかしそれは単にトップコートを厚く塗っただけのイージーなものではなく、コートの厚みと完成時のフォルムも計算した上でボディブランクがデザインされていました。
シャッドプラグ特有のタイトでピリピリとしたアクションをできるだけ殺さないようにという設計者の熱意が見えますね。
カタログにある通り、このシャッドライダーは4cmの弟サイズも同時リリースされました。
5cmの兄貴サイズと比較すると寸詰まり感のあるボディが災いしたのか、当時は兄貴サイズの方が人気がありましたが、2000年頃にこの4cmバージョンが劇的に釣れるという事が広まると立場が逆転し、元々タマ数が少ないこともあり中古市場での価格はエラいことに。
“名作の不人気サイズ、もしくは不人気カラーは後に高騰する” という不文律がここでも証明された形となりました。
ネームプリントは腹にしっかり入っています。
サイズといいフォントといい、かなりの高ポイントですね。
でも使ってるうちに剥げて来ちゃうのでプリント自体にもう少し耐久性が欲しかったですね。
ネームに【DR】とプリントされていたという事は、おそらくSR版の発売も想定していたんでしょうね。
しかしこの後、ダイワはチームダイワブランドを立ち上げて一気にトーナメント系ブランドへと舵を切ったので、SR版が世に出ることはありませんでした。
シャッドライダーを復刻して欲しいとは言わないけれど、もし持ってる人がいたら引っ張り出して泳がせてあげると、80年代にダイワが持ってた熱いソウルを感じることが出来るかもしれませんよ。
コメント
1. 広告屋 May 09, 2008 12:26
はっきり言ってシャッドラップより好きです。
昔持っててロストしちゃったカラーを探してるんですが中々見つかんないっすよー(涙
金フォイルのパーチカラーです(笑
僕の持ってたのだけかもしれないけど、シャッドラップより浮力がなかったんですよ。
だから潜らせてから止めて、ゆっくり浮上する間でバイトさせるって使い方をよくしてました!!
2. anq May 09, 2008 12:41
これはきれいですね~!量産品とは思えないですね。シャッドラップはもういりませんが(笑)これは欲しいです。
でもまた入手困難になるんだろうなー。罪なブログ(笑)ですね~。
3. のんだくれ May 09, 2008 17:18
広告屋さんシャッドライダー好きだもんねー。
でもパーチは中古屋はおろか、当時でもあんまり見た記憶が無いなー。
もし見つけたら送りますわ。(笑)
でも浮力にもバラツキがあるんかなー。 研究課題だな。
4. のんだくれ May 09, 2008 17:21
anqさん、こんにちわ。
>シャッドラップはもういりませんが(笑)これは欲しい
笑えます。(笑)
ところでこのブログ、入手困難なルアーを増やしてます?
5. 通りすがりバサー May 09, 2008 18:40
当時シャッドラップは高かったですもんね~。
このクオリティでこのお値段は、当時どれだけ助かったことか。
個人的には、寸詰まりの弟の方がかわいくて好きです。
6. 80’s Bassing May 09, 2008 19:18
この下地処理は気合入りまくりでしたからねぇ♪
うちにも一個あったと思うのですが・・(^^;)
どこやろ・・
7. なっかん May 09, 2008 19:46
当時は、シャドラップがすごく憧れのルアーだったので
このルアーはコーモランを見る目で見てました(笑)
でも、ダイワのルアー達にもすごく憧れていたのに、なぜだろう?
今見ると、「とっても欲すぃ~」(笑)
8. フォルテ May 09, 2008 20:17
ホントだー!
今、見てみると格好いいっすね!
当時に戻れたら大人買いですな!こりゃ
でも、当時はシンキングやディープものは買わなかったっす(笑)ロストが恐いからっす
深いところは、安いバラ売りワームっす(笑)
9. セラフ May 09, 2008 21:33
うちにも5~6個あったと思うんですが、リップがグラグラになってたりしてます(泣)。
物によっては弱いやつもありましたよね~。
当時はラパラの代役やったんで、よく投げてました。
小さいサイズのが飛ばないんですよね~。
10. カープヒロシマ May 09, 2008 22:19
セラフさんも仰ってますが、リップぐらぐらに
なってました。(弟所有分ですが)
上正面から見た画像はTDクランクにも
どことなく似てますね。
11. いるか May 10, 2008 01:05
えーと。
ダムで腐りかけたコイツを拾い(リップもぐらぐら)、丁寧に修復して中古屋に持ち込んだらいい値段が付いた覚えが(笑)
12. 5個セット May 10, 2008 02:54
こんばんはです。
この独特の青色がイイですねー。古いダイワルアーが好きな人にとっては、フォーエバーブルーですわ。
う~ん、SRタイプのものも是非とも出して欲しかったですねー。
13. い~もん May 10, 2008 03:17
兄貴~ まいど~ (^O^)/
シャッドラップ 関西人が言うと「シャドラップ」(笑)
大好きなルアーですわ ラパラはやはりパーチ色
シャッドライダー 当時 持ってたかな~ 覚えてない
チームダイワよりダイワ名義のルアーが魅力はありますな~
14. taka May 10, 2008 10:10
私もシャッドラップより好きです。
特に、金パーチが一番お世話になりました。
これ、カラーが5種類ありますが、
カラーによって下地のフォイルの模様も違うんですよ~
そんな心遣いがたまりません。
当時は高価なシャッドラップの代用品みたいに言われましたが、
今では貴重なシャッドライダーの代用品としてシャッドラップを使ってます。
15. 水澄まし May 10, 2008 10:17
お早う御座います!
あれっ!この前、中古屋で目の位置が違うシャドラップがあったぞ。
名前も確認せず、スルーしちゃいました。
16. シスコキッド May 10, 2008 11:25
コイツのバスカラーは亀山ダムで爆爆だったなぁー
仲間内で「使用禁止」が出るほどだった。。
だ・け・ど・当り外れが激しかった!!
17. J May 10, 2008 21:06
これはきれいですねー。
同じカラーのヤツがうちにもいますが、
ネームはほとんどかすれて読めませーん!!
なにぶん大学時代に霞ヶ浦でひろったヤツなもんでw
18. のんだくれ May 11, 2008 00:28
通りすがりさん、まいどです。
やっぱりそうでしたよね。
シャッドラップって買えてもなかなか投げられなかったし。(笑)
小さいサイズは飛ばせなかったので3軍ボックス落ちしたまま行方不明っす。
19. のんだくれ May 11, 2008 00:29
やっぱり80’sさんも使ってましたよね。
今度80’sさん家に遊びに行ってのんだくれが捜索します!
20. のんだくれ May 11, 2008 00:31
なっかん、まいどです。
食べ物の嗜好と同じで時間の経過と共に良さが分かってくるものもあるんです。
21. のんだくれ May 11, 2008 00:32
フォルテさん
>深いところは、安いバラ売りワーム ってのメチャクチャ分かります
今考えると、そこにワームじゃないのを潜らせたらデカイの釣れたのにー! ってのありません?
22. のんだくれ May 11, 2008 00:34
セラフさん、まいどです。
確かにリップグラグラありました!
でも単なるバラつきだと思ってあんまり気にしてなかったなー。
ちっこいのは全然飛びません。
特にのんだくれはベイトタックルメインなんで。
23. のんだくれ May 11, 2008 00:35
カープさん、こんばんわ!
そー言われてみるとなんとなく似てますね。
デザインのベースになったのがコイツだったりして。
24. のんだくれ May 11, 2008 00:36
いるかさんは器用ですもんねー。
超アバウトなのんだくれには絶対出来ない・・・ ウラヤマシス。
25. のんだくれ May 11, 2008 00:38
5個セットさん、まいどです。
フォーエバーブルー!! イイ響きだ!(笑)
SR版の発売って今からでも全然遅くないと思うんですけど…
イヤ、かえって今の方が市場には理解されるかも。
26. のんだくれ May 11, 2008 00:41
い~もんさん、まいどっす。
『シャド』ライダー(笑)のバリエは4.5.7cmの3サイズ構成でした。
27. のんだくれ May 11, 2008 00:43
takaさん、まいどです。
そー言われてみると下地が違いますねー! 初めて気が付いた!
こーゆー情報がもらえるからブログ止められないんですよねー。
28. のんだくれ May 11, 2008 00:45
水澄ましさん
スルーしちゃったなんてもったいない!
コレクションとしてではなくて、実釣で使えるルアーですので次回見つけたときは是非確保してくださいよ!
29. のんだくれ May 11, 2008 00:47
シスコさん、まいど!
釣りウマのシスコさんが爆爆って言うんだからやっぱ実力はモノホンですね。
でものんだくれはあんまりバラツキを感じた事ないんですよね。
つーか単に鈍感なだけ?
30. のんだくれ May 11, 2008 00:50
Jさん、こんばんわ!
こちらでもよろしくお願いします!
31. ザンジバル May 11, 2008 17:06
こんにちは。
出遅れました。
シャドラップ全盛の頃、これとシャドラップを使い分けてました。
シャドラップは40cm以上のナマズを釣るとリアアイをねじられて破損することが多かったのですが、シャッドライダーはもう少し丈夫でしたから。
そんな頃にはアクションの違いなんて理解してません(笑)釣場と気合いの違いでの使い分けです。
バスカラーの下地フォイルの柄が綺麗で大好きです。
32. のんだくれ May 11, 2008 17:45
ザンジバルさん、まいどです。
シャッドラップでズーナマですか… なんか想像できんなー。(笑)
あの頃は確かに釣場と気合いの違いでの使い分けでしたな。
33. kugatch June 11, 2008 22:55
ぼくもシャッドライダーもってたんですが、なくしちゃいました~(><)
34. のんだくれ June 12, 2008 08:00
kugatchさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
この辺のルアーって、その価格ゆえ突撃部隊として使われてた事が多いので
ロストすることが多いんですよね。
でも練習用のルアーを提供してくれたという意味ではダイワの存在は貴重ですね。
35. オカシオ May 06, 2009 21:02
最近ベリーで420円で売ってましたが
見送りました。
ここの画像と同じカラーでした・・・・